4次元空間がなんとなく理解できそうな文章(既に削除された四次元ポケットネタの焼き直し)
最初に、間違ってもルパン三世とは関係ない。
次元についていくつか話を紹介する。ただしその前に、次元について最低限の知識を述べておく。
4次元空間についての議論は多いが、そもそも時間と空間は違う。縦・横・高さに時間を加えて4次元だ、という考え方は間違ってはいないが次元の解釈の1つに過ぎない。縦・横・高さの3つは空間軸の部類に属し、時間は時間軸の部類に属する。私たちの世界もこの解釈一つ違えば3次元になったり4次元になったりする。どちらが一般かは分からないが、ここでは4次元空間は空間軸が4つある世界を示すことにする。(時間だったら議論の必要性ないし)
以上の知識を踏まえて"次元を理解できそうな"話を紹介する。
かなり唐突かもしれないが、私たちが棲んでいるのは3次元ですか?空間軸が縦・横・高さの3つしかないから3次元のはずだ。しかし3つしかないのは単に他の軸が見えないだけではないか?
髪の毛を1本摘んでみて欲しい。髪の毛は何次元ですか?ではなく、髪の毛は何次元に見えますか?
一見する髪の毛は厚さがないただの線。1次元に見える。ノートに引いた垂直なラインも1次元に見える。でも実際は3次元だ。髪の毛も拡大すると太さがあり、ノートのラインも虫眼鏡や顕微鏡を使ってみると実は太さがある。今私は「拡大すると」「虫眼鏡や顕微鏡を使ってみると」を強調したが、これらの事柄は実際にこの目で見たんじゃなくて、単なる知識だ。本当に細くてどんな顕微鏡を使っても線にしか見えないほどの極細の繊維を、私たちは3次元と証明できるだろうか?
同様に、今いる世界が3次元に見えても、本当は4次元や5次元で、人間がそれらの次元の姿が見えるほどに高性能な顕微鏡を手に入れてないだけなのではないだろうか。遠くから見ると全てが点だ。夜空の星々はまさに光る点だ。それが点ではないことを証明するには、望遠鏡という道具が必要だった。同じように、今目で見える最大次元の3次元だって、もっと拡大すれば4つ目の次元が出てきてもおかしくないんじゃないか。
※今の物理学では時間軸・空間軸あわせて4つの"可視"できる次元に加え、可視不可能なまでに収縮した6つの次元を含めた10次元の理論がある
4次元空間をそのまま理解しようとしてもきっと失敗する。スウガクの方程式を解くとき、普通はその次数を落とす。因数分解するのだ。同じように、今目の前にある意味不明な4次元だって、3次元としてしまえば解釈できるかもしれない。そこで、今私たちが棲んでいる3次元を2次元として、4次元を3次元として考えてみよう。
2次元には縦と横しかありません。2次元の世界に住んでいる2次元人のあなたは、3つ目の次元である高さを持っていません。つまり、高さが見えない。縦と横しか持たない人間は、縦と横の2ベクトルで構成される方向しか向くことができない。例え直ぐそばに高さという世界があっても、縦と横しか見ることができないのだから高さは決して見えない。同じように空間軸を3つしか見れない我々3次元人は、4次元方向を向くことができない!だから4次元空間を覗く事はできない!
さて、今私は2次元世界にいるあなたを見ている。2次元は例えれば紙だ。あなたは紙の上にいて、3次元の私はそれを見ている。あなたには高さがないので、高さの世界にいる私の姿をあなたは見ることができない。これはさっき言った話だ。となると、もし4次元の世界に誰かいても、3次元の私たちにはその姿が絶対に見えない。
また、紙の上のあなたが幾ら逃げようとも、私はあなたの姿をずっと捉えることができる。私は縦と横を同時に見ることができる。私があなたの世界に線を引くと、あなたにはその線の向こう側は見えないだろう。しかし、私にはその向こう側も見える。同様に、私が幾ら頑張って逃げようと、クローゼットの中に隠れようと、4次元空間にいるドラえもんは全てお見通し。私は隠れることができない。
1つ高い次元からは逃げることも隠れることも、その姿を見ることもできない。人間が高次元空間の生命体に監視されていてもおかしくない。
紙の上のあなたには線の向こう側が見えないと言ったが、さらにあなたはその線を越えるのに線の端までいかなければならない。私がエンピツであなたの周りを囲んでしまえば、あなたに逃げ場はない。しかし、私にとってはただの線だから乗り越えるのも簡単だ。もしこれを3次元と4次元の例えにすると、4次元の世界にとって、3次元の独房なんて楽々脱出できる。3次元の壁なんて4次元からしてみれば床に引かれたラインに過ぎない。
所謂"オチ"的な感じで最後にこれを説明する。
先ほどの説明を見る限り我々は4次元を知覚できない。では何故知覚できないのに4次元なるものを定義しているのだろうか。
答えは単純。世界を3次元仮定するとある種の理論が説明できなかった。しかし、4つ目の見えない方向があると仮定すると、その理論にあった問題が解決されてしまったのだ。例えば、ニュートンの万有引力の法則では重力は一瞬で伝達する。しかしアインシュタインの相対性理論では世界最速の物質は光であり、光以上の速度で情報は伝達できない。これはニュートンの理論と矛盾してしまう。そこでアインシュタインは重力を4次元方向への歪みとして解決したのだ。
その後も次元が追加されつづけ、現在の11次元に至る。
基本的に地球が太陽の周りを回っていようが、太陽が地球を回っていようがどうでもいい。ただ、前者のほうが理論が簡単になるからという理由で、我々は地球は太陽の周りを回っていることにしている。理論と云うものは矛盾しない限り正当なのだ。次元が幾つ増えようと、それが矛盾や現実にそぐわない結果を導かなければ全く問題ない。