世の中には勝てるギャンブルと勝てないギャンブルの2種類がある。
国内においては宝くじ、パチスロ、競馬などの所謂ギャンブルが存在するが、ギャンブルといえど商売である。利用者が存在する限り経営者が儲かるシステムになっている。
確率論に"期待値"という概念がある。期待値とは、任意の施行の結果起こりうる結果の平均である。個々の施行の結果がわからなくても、期待値から結果の予測が可能になる。
期待値の計算方法は簡単だ。起こりうる全てのパターンを調べ、各パターンの結果と確率をかけたものを全部足すことで求まる。
例えばサイコロなら、1〜6の目がでる確率は全て1/6、結果は1,2,3,4,5,6のパターンがある。出た目の数分の点数をつけるとすると、期待値は、1*(1/6)+2*(1/6)+3*(1/6)+4*(1/6)+5*(1/6)+6*(1/6)で、7/2。サイコロを振りつづけると結果は3.5に近づく。
実際に実行するJavaScriptプログラムの例を挙げておく。サイコロを1万回振ったときの平均は3.5であり、期待値通りになる。
var all = 0; var x = 0; for(i=0;i<10000;i++) { x++; all += Math.floor(Math.random()*6+1); } document.writeln("<pre>"); document.writeln(all/x); document.writeln(7/2); document.writeln("</pre>");
客一人一人にしてみればそれはまさにギャンブルだ。しかし、膨大な客が膨大な施行を行えば結果は必ず期待値に近づく。ここで期待値が投入金額より多くなってしまうと、経営者側は赤字になってしまう。だから経営者側はギャンブルを行うのに必要な金額より、ギャンブルの賞金を低く設定している。
期待値が投入金額より低い限り、客は長期的に勝つことはできない。勝とうとして続ければ続けるほど、期待値に近づいていき泥沼にはまっていくことになる(ギャンブルで破産する人の王道パターン)。
先ほど説明したように、期待値が投入金額より低いとギャンブルを長時間すればするほど結果は期待値に近づき勝つことはできない。客がとるべき戦略は短期決戦を挑むしかない。
具体的には、持っている金額全てを、少ない掛けに一気に投入することである。多くの施行の平均は先の計算により求めることが可能。そしてそれは必ず経営者に有利になるように設定されている。即ち客が勝つには経営者が予測できない短期戦に(本来長期戦に臨む分の)全ての金額を投入するしかない。
この理論によりこの世に存在するギャンブルを2つに分けることができる。それは勝てるギャンブルと勝てないギャンブルであり、即ち客が短期決戦を挑むことができないギャンブルである。
1回の掛けに要する金額を客が設定でき、短期決戦を挑むことが可能なのは、典型的なギャンブルであるトランプ系やルーレットや競馬などである。真面目に考えれば、全ての客が特定の目にかけ倍率を上げると、確率は低いが当たった時の返りが膨大なため、経営者には不利になることは当然だ。
逆に勝てないギャンブルはパチンコ、スロット、宝くじなどである。最近パチスロの広告が非常に多いが、あれだけ大量の広告を発行できる段階で儲かり過ぎているのは一目瞭然だ。特に最近のパチスロは電子的なギミックで当たり判定を行うようになり、内部でどのような処理を行っているか分かったもんじゃない。なお宝くじは元々非営利的であるため、期待値がかなり高めに設定されており比較的損失は少ない。
必勝法とはいえないが、ナンバーズには当選時の配当金を上げる方法が存在する。
ナンバーズにおいて当選者が複数出た場合、当選金は当選者に均等に配分される。つまり、他人と同じ番号を選ぶと配当金が減ってしまう。ならば、逆に誰も選ばないような番号(例えば弱い数字)を選べば配当金を独占できることになる。