青春の、ガクラン八年組
2003/04/25(Fri)
20数年前に、週刊少年マガジンで、「ガクラン八年組」っていう、いかにも暑苦しそうなタイトルのマンガが連載されてた。
字面で想像のつく内容そのまんまで、マッチョな(留年)高校生たちが、男の意地をかけて、全国制覇のためのケンカをするという、まあ、よくある話。
主人公の3人組は、その、バカがつくほどの真っ直ぐさで、全国の、野心に燃える高校生(笑)を次々に魅了し、心酔させ、ついには、共に大きな敵を打ち破るという、まあ、勧善懲悪、非常にわかりやすい、こうやって書いてしまえば、どうってことのないマンガだった。
こいつは、このマンガを、記憶にある限り、連載当初から最終回まで、全部連載誌で、リアルタイムで読んだ。マガジン発売日には、学校の後に、本屋さんに走って行って、どきどきしながら続きを読んだ。ヤバい場面で話が終わると、もう、次の1週間はハラハラどきどきで、非常に心臓に悪い、数年だったなあと(苦笑)。
最終回は、泣いて泣いて、作者に、つたないファンレターまで出した(大笑)。「お願い、終わらせるなんて、そんなことしないで下さい!」と書いたような記憶が。
大好きな主人公(心のアニキだったのさ)が死んで、ものすごくショックで、しばらく茫然自失。 最終回の日の夜は、泣いた よ、ひと り で(笑)。
あんまり悲しかったのか、頭の中で、勝手に続きを作って、自分で補完してました。ああ、こんな頃から同人体質(苦笑)。
ちょっと出て、すぐに死んじゃったキャラ、初恋の人だったなあ(遠い目)。
手塚と藤子不二雄で育ったくせに、ジャンプ体質なこいつは、筋肉マッチョな男が、「熱い友情」でいろいろやらかすのが大好きで、そのくせ、何故かジャンプに夢中になったのは、ずいぶん後の話で、そうなるまで、こいつの心の中は、純粋に(いや、ホントに)、ガクラン八年組でいっぱいだった。
連載終了後に、今度は月刊ジャンプで、バイク少年のマンガが連載開始。こちらも追っかけました。残念ながら、あまり長くもならないまま、連載終了。
それから後、その作者(しもさか保)を見失ってしまい、それでも、どうしてるかなと、折々思い出しつつ。
なんていうか、熱いマンガだった。男って単純よねと、今なら笑って言ってしまえるのかもしれないけど、キャラたちの真っ直ぐさと熱さに、いつもワクワクしてた。
巨人のおっさんが山ほど出て来るマンガで、いわゆるルックスのいいキャラなんて、片手に余るほどしかいなかったし、そもそも、主人公のにーちゃんは、勉強のできない、ケンカしか能のない、筋肉ダルマだし。
それでも、彼らの、真っ直ぐさと純真さと真摯さは、今でも、何ていうか、熱い。
男ってのはこういうもんさと、もしかすると、刷り込まれてしまったのかもと思いつつ、とりあえず暴力の嫌いな自分が、どうしてこのテの代表みたいなマンガが好きなのか、自分でも不明。
ただ、何ていうか、キャラを通して見える、作者の真摯さが、多分好きなのかなあ。
どんなことだろうと、没頭して、信念を持って、夢中になっている人間は、美しいかな、と。
・・・武器を使う相手に、生身でぶつかってゆく、愚かさ加減が、好きだった。
信念を持って愚かであることも、人間にはありえるのかな。
なんかこう、すべてが、ぬるま湯になってる日常で、血が沸騰するような、そんな気分を、味あわせてくれる。今、この瞬間も、はらはらしながら学校から帰って、本屋さんへ走って行った自分の、あの、どきどきする心臓の音が、聞こえる。
ほんとうに、掌に汗をかきながら、ページをめくって、「大砲の弾を打ち込まれた大鉄にーちゃんは、一体、どうなっちゃったんだあ!」とか、心の中で叫びながら、必死で、八年組のぺージを探して、砂煙の中に、大砲の弾を腹に受けて、それでもそこに、まだ仁王立ちでいる大鉄にーちゃんを、見開きページに見つけて、涙ぐんだことを思い出す。
良かった!と思った瞬間に、大鉄にーちゃんは、血を吐きながら倒れて、ちっちゃく叫んだなあ。
って、そんなことを、細かく覚えてるほど、毎週水曜日には、ハラハラドキドキしてました。
大好きだったんだよ。大鉄も、原田も、平九郎も、初恋の人で、だまし討ちで死んじゃった加倉井さんも、敵だったけど、伊集院も、阿修羅王も、独眼竜も、みんなみんな、大好きだった。
大好きだったんだよおおお、いまだに、こうして、名前全部覚えてるくらい!(大笑)
血の沸く熱さ、というのが、かなり恋しかったりする、今日この頃。実家に単行本全巻あるくせに、こっち用に、一揃い買って送ってもらいたい・・・のが、かなり本気でこわい〜。