野立信次郎×大澤絵里子
「は、ぁ……」 絵里子の吐息が、その喘ぎと混ざり合う。 伏せた目瞳に長い睫毛、紅く染まった頬、甘い声を漏らす唇に、野立はこれ以上ない程の色香を感じていた。 「…感じてる?」 裸の膨らみを両手で包み込むように揉みながら、幾度となく野立の声が耳元に入ってくる。 絵里子は応えられないままでいたが、野立の絶妙な手の動きに身体は自然に快感を覚え始めて、その突起を硬く震わせた。 濡れた舌先が絵里子の小さな果実を軽く舐め上げると、身を捩らせて高い声が上がった。 彼女の上半身を手前に起こし、その果実への愛撫が始まる。 頬張る口の中で唾液と舌が突起を突かれるごとに、びくんと大きな身震いがした。 「あっ……いや……っ……っ!」 「嫌?…俺にはもっと、シて欲しいって聞こえるよ?」 野立はそう言いながら、なおも歯を立てて軽く甘噛みする。 「や、ぁっ……んっ……」 「なあ、どうして欲しい?」 そんな意地悪な事を言われても、もう声が言葉にならない。 絵里子の全身は野立の愛撫で麻痺していて、今にも腰が砕けてしまいそうなのだ。 いつしか野立の指は、しっとりと湿った足の付け根に向けて下降していた。 タイトスカートから伸びる華奢な足を、半ば強引に片手で左右へと開かせる。 スカートをたくし上げ、中へと掌を這わせていく。 指が触れるとじんわりと熱い。 「もうこんなになってるぞ、絵里子…」 ぷくりと膨れ始めたその芽を、つん、と野立の指が突くと絵里子の身体が敏感に反応する。 スカートは野立の手によりいとも簡単に取り外され、秘所を覆っていた薄手の布さえも、一気にベッドサイドへと放り出されてしまった。 野立の目の前に横たわるのは、白く透き通る肌をほんのり薄紅色に上気させた、絵里子の姿。 彼の愛撫で快感に浸り、その桜色の肌が色香を放つ。 野立は徐に絵里子の膝を掴むと、左右に大きく開かせた。 「やっ、だ…恥ずかしい、野立…」 閉じようとするその脚を強引に抑え、充血し始めた小さな芽を指先でそっとなぞると、彼女の愛液が野立の指先を濡らした。 「濡れ過ぎだろ…ヤラシイな、絵里子は」 そう聞こえたあと、次にそれに触れたのは野立の舌だった。 「あっ!…あぁんっ……」 くちゅ、と卑猥な音が自分の中心から響いてくる。 羞恥に苛まれながらも、それ以上に、意識が飛びそうなぐらいの浮遊感と、快感が絵里子を襲う。 彼の指先が、今は自分の敏感な部分をなぞる。 その度に快感が溢れて、身動きが淫らになる。 恥ずかしい姿を晒け出しているのに、もっと、彼に見て貰いたい気がするのは何故だろう。 もっと触れて欲しい。もっと……激しく揺さぶって欲しい。 ……どうしてこんな風になっちゃったんだろう…。私、すごいイヤらしくなっちゃってる? 「そろそろいいか?」 身を捩らせていた絵里子の上に、野立が一気に乗りかかって腰を深く滑らせてきたのは、その声がした次の瞬間だった。 「ああっ……っ!」 スムーズに野立のそれは、絵里子の中に入り込んだ。 奥まで突き進み、生温かな肉襞に包まれた感触は、彼にとっても心地良かった。 「っ……」 「……ふうっ……………」 突然繋がった身体に、がくりと絵里子の力が抜け、彼に触れていた手が離れた。 思い切り後ろに身体を反らし、目の前に胸を突き出す格好になる。 そして深く息を吸おうとした瞬間、力が入って野立を締め上げた。 「うっ………」 声が上がったのと同時に、野立の腰が大きく揺れた。 ベッドのマットレスまでもが、ギシギシと音をたてて軋み出す。 左手で腰を支え、右手は絵里子の足を自分の肩あたりまで引き上げる。 愛液が円滑油となり、くちゃくちゃと淫らな音を出した。 「はうん…っ!あっ………っ!」 今までにない強烈な刺激に、絵里子は呼吸することさえ忘れて反応してしまった。 歳相応に男性経験のある絵里子でも、こんな感覚は初めてだった。 一体どうしたら、ここまで目の眩む快感を生み出すことが出来るのだろう。 互いの汗と甘い体液にまみれた絵里子の身体を、野立は自分の身体に向けて引っ張り上げた。 下半身は繋がったままで、絵里子は野立の腰の上に抱きかかえられる姿勢になる。 「動いてごらん……自分で」 「ああっ!……っん、いっ、やぁっ………」 じんじんと熱を帯びる秘所からは、彼自身が脈打っているのが分かるのに、動けと言われてもどうしようもない。 絵里子の全神経は野立から与えられる快感に支配され、それらに侵略されたまま他には何も受け付けられない。 「……そろそろイクか?」 野立は呟いたが、絵里子が首を横に振った。 「……や…まだ……っ…」 「まだ……こうしていたい?」 こくこくと首だけで頷いてみせる。 「いいよ…じゃあ、えりこの好きなようにして」 彼の言葉が、絵里子の意識の何処かをまるでスイッチのように、切り替えた。 汗に濡れた長い髪が頬にかかることさえ、鬱陶しさを感じなくて。 絵里子は野立にしっかりとしがみついて、激しく自分から腰を動かし始めた。 「…あんっ…はぁ…んっ!」 ねっとりとした互いの濃密な愛液が絡まる音。 受け入れる野立を感じながら、その腕の中で妖艶に身体を捩らせては喘ぐ。 関節が痛くなる。それほどまでに動きが激しい。 だけど…それ以上に得られる快感は、とてつもなく、甘い。 「えりこ、ちょっ…と、俺…もうイキそう…」 そう野立が言うと、彼の腕が絵里子を優しく抱き上げた。 そしてベッドの上に横たわらせると、軽くキスを交わし、もう一度身体を重ねる。 次の瞬間、容赦なく野立は絵里子の中で激しく動いた。 先程の絵里子の動きなど比較にならないほど強い。 朦朧とした意識の中で、深く繋がり合った2人は、最後の最後まで快楽を追い求めようとしている。 「…あぁっ……………!」 覆い尽くすほどの大きな波が、絵里子を捉えようとしていた。 目を塞いでその振動に身を任せた瞬間、絵里子は深い波に浚われ意識の底へと堕ちていった。 「…まいったな…」 「…何が?」 「お前のこと抱く度に、好きになる」 行為を終えたあと、野立は恥ずかしげもなくそう言ってのけた。 野立の腕枕で微睡んでいた絵里子は、しばし放心状態にあった。 ここまで自分が淫らになるなんて思ってもみなかったし、そんな自分が潜んでいたことにも驚きを隠せなかった。 しかし何度も野立の愛撫に煽られ、その快楽を自分から開拓することに気付いてしまった。 まだほんの少し、身体の中が熱い。野立の熱が残っているような気がする。 「ねえ、のだて」 彼女からの呼び掛けに、顔を向けてみせた野立に絵里子はその唇を重ねると、背中に手を回し 溜め息のような声で耳元で囁いた。 ────好きよ SS一覧に戻る メインページに戻る |