アニメのセラどろ
セラヴィー×どろしー


クリスマスも終わり12月も終わりに近づいたある夜、うりずり山にあるどろしー城の格子窓がガ
ンガンと叩かれた。

「もう眠ってしまいましたか?」

音の主がそう言いながら人差し指を振ると、窓がキイとゆっくり開く。

「よっ」

その人物は窓の下枠に両手をかけて体を支えると、足を掛けて部屋に入り込んだ。窓を閉めてため
息をつくと月明かりに一瞬白い靄が立ち上る。それがまた闇に消えるまで見届けると、今夜も本当
に寒いですねと言いながらコートを脱いだ。そして目についた側のポールハンガーに掛けた。

するとその時、部屋がパァッと明るくなった。

窓から入った侵入者の姿が露になるが、当の本人は慌てない。

「こんばんは、どろしーちゃん」

昼間に屋外で出会う時と変わらず穏やかで落ち着いた挨拶をすると、明かりをつけた人物に微笑ん
だ。

「飛んで火に入る夏の虫ね、セラヴィー」

電気をつけた部屋の主どろしーは、見下した様な笑みを浮かべながらセラヴィーに言った。けれど
いつもの様にセラヴィーは聞き流す。

「今は冬ですよ。それに私は虫じゃあありません」

返る答えはいまいち噛み合わない代物で、いちいちどろしーの神経に障る。

「……フン、いいわ。そうやってバカにするのも今のうちよ。」

そう言うが早いか古い城には有りがちな重たい歯車がガコッと動く音がした。音とともにどんどん
床が崩れ落ちていく。

「あーあ」

セラヴィーは顔色一つ変えず、僅かにある落ちない部分をスタスタと渡っていった。その様子にど
ろしーの顔色がすぐに変わった。

「今夜このまま床に落ちてって……あれっ……!?」

焦ったどろしーは手を振り上げて何かの魔法を使おうとしたが、その寸前目の前に来たセラヴィー
に手首を掴まれた。振りほどこうとするがびくともしない。

「どろしーちゃん」

セラヴィーは一言そういった。
いつも万人に優し気な印象を持たせる雰囲気はそのままで、声音にどこか暗いもの潜めて。

「……な、なに?」

気圧されたどろしーはそう答えるのがいっぱいいっぱいで、もう一方の手をとられた事にも気がつ
いていない。

「つーかまーえた♪」
「え……」

両手が捕まった事より、そういう声をどこかで聞いたとどろしーが見当違いの思考にあるうちに、
ゆっくりと、セラヴィーの顔がどろしーに近づいた。
唇が触れるまで後少しという時、どろしーが突然大きな声をあげた。

「ちょっと待って!ドリスに捕まった時のあの生意気なヤツ、やっぱりあんたじゃない!」
「おや、今頃気づきましたか」

セラヴィーはそう答えてにこぉと笑みを浮かべた。どろしーはそう言われてやっと、両手が捕まっ
て大変な状態になっていることに気がついた。

「もう、何してるのよ!」

少し考えたセラヴィーの手の力が一瞬緩んだのをいいことにその手を振り払う。が、刹那に後ろか
ら捕まった。きゅうっと抱きしめられて、包まれる様な温かさに勢いが一瞬緩むが、口は止まらな
い。

「今頃……じゃないでしょーがっ!毎回毎回いい加減にしなさいよっ!こんな事して何か楽しい事
 でもあんのっ!?」

背中に両手が掴まれて後ろから捕まっているにも関わらず、どろしーはバタバタと身動ぎした。

「楽しいですよ。それに簡単に嫌いになれない私の気持ちなんてわかりませんよね」

セラヴィーは囁くと、心に何かが突き刺さって返事に詰まったどろしーをしっかり捕まえた。唇を
どろしーの首筋に寄せて唇を這わせる度、どろしーの胸が高鳴り思考を狂わせる。

「え、ちょ……んぅ、ちょっと……!」

どろしーは困惑しつつも意図のない艶を含んだ声をあげた。
そのことがとても恥ずかしくて、こういう事はやめさせようとどろしーは体上半分だけ振り返った


「は、はなっ……」

その口はすぐにセラヴィーの口で塞がれてしまった。すぐに舌が絡み唾液に息が詰まらないように
するばかりになっていく。一瞬離されてまた抱き締められた。ローブに残る石鹸の香りがどろしー
の鼻をくすぐり、今更だが近すぎると照れて、どろしーは顔をあげた。
そしてすぐに、セラヴィーの冷たく暗い眼に捕まった。またキスされると分かるのに目が離せず力
が抜けていく。

「(ずるい)」

eの子音と思われる不明瞭な声はすぐに止み、しばらく互いの唾液を交わすだけの無言の時間が続
いた。
次第に鼓動は早くなり熱さも激しさも増すのに、どろしーは何だかふわふわとして気持ちのいいも
のにゆたゆた揺らされて、何も考えたくなくなっていく。互いの舌が蠢く口の中に今度は神経が集
まっていき、瞼が重くなり、視界が曇る。どろしーは今にもセラヴィーの頭に手を伸ばしそうにな
る衝動を、それだけは抑えながら、結局今夜も流されてるわねと、心の何処かで感じていた。
しかし毎度毎度流されっぱなしという訳にはいかない。今年、いや今夜明日は特に。そんな理由で
急に冷静になったどろしーは、セラヴィーの手が顔に触れようとどろしーの手を離した瞬間、残り
の自我をかき集めた。そしてすぐにセラヴィーの後ろ髪を思い切り引っ張った。

「−−っ!」
「、はぁっはぁっ……」

セラヴィーはその痛みに即座に行為をやめてどろしーから顔を離した。そして後ろ髪をかき上げた
がすぐにどろしーに向き直った。

「痛いじゃないですか」
「はぁっはぁっ……ふん、懲りたらさっさと帰りなさい。今夜は大掃除で忙しいの」

どろしーは頬を赤らめ息乱れたまま、出来るだけ怒りを抑えてセラヴィーに言った。

「大掃除……ですか?」

セラヴィーはそれを聞くと暫くきょとんとしていたが、ふわっと微笑むと再びどろしーの手を取り
額に何度も口づけ始めた。

「ちょっと」

当然どろしーは文句を言う。けれど、セラヴィーはどろしーの後ろに腕を回し彼女の頭を抱えると
前髪をかきあげて額にキスし直した。二三度すると今度は柔らかい頬へ。全然やめる気配はない。

「ちょっと」
「明後日からですか。カレンダーに書いてますね」

セラヴィーは言うだけ言うとすぐ再開する。今度は耳朶へ。触れるだけにして、ほんの少し息を吹
き掛けて。

「ひぅ、…あ、あんたね……そうじゃっ………ぁ、あ…」

くすぐったさに気が緩むと体が一瞬何度も熱く蕩ける。これまで何度も刷り込まれた愉悦は、容易
に怒りを凌駕し、どろしーは目を開けていられず頭を後ろに逸らした。すると今度は無防備になっ
た鎖骨に唇で触れられる。

「……っ!」

怒りを飲み込んで冷静に一瞥するはずが、しばらくすると快感に艶かしく狂うどろしーの甘い声が
部屋中に響いた。

「いやっ……絶対いやあっ……あ、あぁ、ぁ、う……ぅん、……もうい……んく…ん、ん、ん…
 …んはっ……もう、離しなさいよっ!!」

その後床に組み敷かれたどろしーは、与えられる悦い感覚に散々喘いだ後、盛大に叫んだ。さす
がのセラヴィーもそれには驚いて、どろしーの衣服を脱がす手を止めた。

「どろしーちゃん」

セラヴィーは名前を呼ぶと、すっかり赤く染まったどろしーの頬をぷにぷにとつついた。柔らか
くて何だか楽しいのか、どろしーが何か言うまでずっとそうしている。

「……あのねぇ、」

とうとうどろしーは痺れを切らしてセラヴィーの手を払い退けようとしたが、あっという間に掴
まれて、逆に床に抑えつけられた。

「何です?」

とってつけた疑問符で微笑むセラヴィーにあるのは圧倒的な余裕に裏打ちされた際限のない穏や
かさ。どろしーは果たしてどう言えばこちらの要望は伝わるのかしら、と思案しつつ一応言って
みた。

「大掃除、させて頂戴ってば」
「カレンダーは?」

セラヴィーはそのまま動かずどろしーに聞いた。

「あれは、しいねちゃんが書いたのよ。書いた時ちょうどアクセスとしいねちゃんのお母さんが
迎えに来てそれで…」
「それで?」

セラヴィーが聞いてくれたので、どろしーはもしかしたら腕くらいは動かせるかもと動かしてみ
たがやっぱりびくともしない。しょうがないので話を続ける。

「しいねちゃんのお母さんが

『広くて大変そうだから、私達もお手伝いしましょう』

……って!!だから明後日までにどうしてもある程度は終わらせないと!!」

そこまで言うとどろしーはセラヴィーを見た。片手で顔を隠して尚かつ顔を背けて笑っている。

「何かおかしい?」

どろしーはジト目でセラヴィーを睨む。

「くくっ……いえいえ。あーはっはっはっはっ……でもまあ……くっくっくっ」
「笑うならもう帰ってよ」

そう言うとどろしーはもう片方のセラヴィーの腕を外そうとした。

「あら?うんーっ?」

やはり、セラヴィーの腕は外れない。

「でも今夜は寝るつもりだったんですね。明かりも消えてましたし……明日は頑張って下さいね」

セラヴィーはそう言うと、自分の腕を外そうと頑張っている方のどろしーの腕を掴んだ。

どろしーは焦る。

「あ、ちょっと……」
「続き」

セラヴィーは囁く様にそう言うと、どろしーに顔を近づけた。当然どろしーはまた叫ぶ。

「続きって、私に選ぶ権利はないの?!」
「選ぶ……うーんそうですね……




@床 Aベッド どちらががいいですか?」

何か違う気がするがセラヴィーは真剣だ。

「 Bアンタは帰る よ!」

どろしーは即答で叫んだ。

「じゃあ C両手を縛る にしましょう。さっきは痛かったです」

セラヴィーは最早選択肢の意味が全く無い答えを返すと人差し指をどろしーの目の前で振った。





次の瞬間、二人はどさっとベッドに沈んだ。セラヴィーが体を起こしてどろしーの両手の縛り具合
を確認していると、どこか呆けているどろしーと目が合った。

「……少しは慣れましたか?」

言い方はあくまで優しいが抵抗していないことを言われて、どろしーははっとなって逆上した。

「こんなの慣れる訳ないでしょう!!これじゃあ明後日は最悪だわ」
「そうですねー。もし一緒に住んだなら私もお手伝しますよ。……来年もう一回結婚しますか?」

愚痴るどろしーにセラヴィーは更にとんでも無いことを言う。

「する訳ないでしょう!!!!あんた結婚を何だと思ってんのよ!!」

当然どろしーはまた怒り狂った。両手を縛る魔法が破れかけてバチバチと鳴っている。

「判断…忍耐…あぁ、記憶を無くした時にする」
「それは再婚!……もう、それなのにどうしてあの時結婚しようなんて言ったのよ。ちょっとだけ
 本気にしたじゃない」

本当はにちょっとどころでは無かったのだがそれは知られたくなくて、どろしーは顔を背けた。

「……そうですね。今度こそ金髪に戻ってくれるかなーって」

セラヴィーはどろしーの長い髪を指で掬った。滑らかなその髪は力の無い指から、留まることなく
さらさらとこぼれ落ちていく。

「『髪の色は気にしない』ってプロポーズしたのに、結婚式で無理矢理金髪にしようとするなんて
滅茶苦茶じゃない」
「無理矢理じゃないです。あれは無断不承……」
「で……それが何か?」

顔を背けているどろしーの機嫌はセラヴィーとのやり取りで悪くなる一方だ。眉間の皺も深くなる
ばかり。それでもセラヴィーは手の平のどろしーの髪が全てこぼれ落ちるのをただ見詰めていた。

「でも、どろしーちゃんがチャチャ逹の前でエリザベスを持っていることを『個性』だって言って
 くれたのは少し嬉しかったです。エリザベスを助けてくれた事も」

セラヴィーはどろしーに顔を向けると唐突に切り出した。

「……あれは、ほら、どうでもよかったのだけど、無くした時に……なんていうか、見ていられ
 ない状態になるじゃない。そんなのチャチャ達が困ってしまうから私はただ代わりに……」
「何だかんだいってもどろしーちゃんは本当に優しいですね」
「何だかんだは余計よ」
「そうですね」

色々言ってどろしーを落ち着かせつつ、セラヴィーはどろしーの耳に唇を寄せた。耳朶を唇で挟む
と、くすぐったさにきゅっとどろしーが瞼を閉じる。

「もう、」

どろしーが、何か言いたそうににセラヴィーに顔を向けると、やっぱり口づけで舌足らずにされて
、何を言おうとしたか忘れるくらい頭の中は快感に塗り潰されていった。

「ぁ……だめ…」

セラヴィーの唇が首筋に触れて吐息がかかると、気持ち良さに意識が一瞬眩む。怖くてどろしーが
何か言おうとするがそんな事はお構い無しに腕を背中に回されて、セラヴィーの体がのし掛かって
きた。
密着された体が更に快感の度合いを増す。

「ん……」

呻く間もなく、胸元にセラヴィーの顔が押し付けられた。そのまま胸元の露になっているところを
舌が這い、時々強く吸われた。甘い痺れが身体中を駆け巡り、どろしーの息が上がっていく。気が
つくと衣服は中途半端に脱がされ、セラヴィーの指の腹が形を確かめるように滑らかに余すとこな
くすべっていた。素肌に包みかかる冷気と、小さな、けれど確かに暖かくて微妙な強弱で悦楽を呼
ぶ指の感触に、触れるところ全てが快感に溶けて全身を快楽で支配した。

「あ、あ……ん、だめっ、ふぁんっ」
「イってもいいですよ。後は知りませんけど」

ここまで翻弄しておきながら他人行儀なセラヴィーの言い方にどろしーは一言何か言いたかったが
、口づけされて上手く言えなかった。びくっと小さく震えたどろしーを満足そうに眺めると、セラ
ヴィーはどろしーの閉じている両脚を膝でこじ開けた。

「ちょっと、まだするの?!…んぅ……」

醒めてもすぐ、快楽に引き摺りこまれて。口唇が離れたのでふと瞼を開けると、セラヴィーが微笑
んでいた。
くちゅくちゅと互いの唾液が混ぜられる音を聞きながらどろしーは与えられる快感に翻弄されてい
た。

「そんなに気持ちがいいんですか?」
「ぁ……」

どろしーの蕩けたため息の出る口から、赤い舌がちろりと見えた。

「べ、別にっ。普通よ」

それでもどろしーは直ぐに気を取り直す。

「へー」

セラヴィーは間延びした返事をすると、どろしーの柔らかな唇を下から上に舐めた。

「ふぇっ……」

変な声をあげて、きゅっと身を縮めたどろしーをくすっと笑うと、セラヴィーは衣服の上から胸の
頂きをおした。

「ひぁん、あ…あ…」

両手が組まれて縛られているため、元から大きめの胸がますます強調され
ている。先程からずっと熱くて感度の上がった身体では、衣服の上からの刺激でも、狂っていくの
には十分だった。どろしーはこんなにも達し易くなっている事に困惑しつつ、体が再び熱くなるの
を止められない。

「やだ……どうして……だめっ……!」
「脱がせてから、縛ればよかったですね。失敗、失敗」

さっきからどろしーの胸の膨らみを押して遊んでいたセラヴィーは、ふと手を止めた。

「……どうしたの?」

どろしーも気がついて、それを聞く。

「ん…、さあ」

曖昧な返事をしてどろしーの口腔をかき回す様なキスをすると、セラヴィーはどろしーから顔を離
した。
そしてどろしーの口の端に残る透明な涎を舌で舐めとると、にやりと笑う。

「な…なによ」

どろしーは戸惑って聞いた。高みを目前にして身体の熱がどんどん引いていく。セラヴィーはそん
などろしーをじいっと見ているだけ。

「あ……」

急に消えていく体の熱さの代わりに胸から広がる僅かな刺激に、どろしーは思わず声をあげた。

「何をしているの?」
「……内緒。感じたら自由に声をあげてくださいね」

セラヴィーはどろしーに優しく囁いた。それだけで達する直前で熱が引いてしまったどろしーの体
は熱を欲して感じてしまい、「ん」と小さな声をあげる。

「っと、いけませんね。」

そう言うとセラヴィーはまた顔を離した。そして、衣服の上から力を加減しながらちょうど乳首の
辺りまで、下から上へ、上から下へと行ったり来たりさせた。

「ぁ……や……何これ…」

どろしーの体で僅かにその刺激が熱になり沸き上がり、体の中をゆっくりたゆたう。力が抜けて気
持ちがいいのに物足りない。

「セラヴィー」
「何です?」
「――ううん、何でも無い」

喉元まで来ていた言葉の余りの恥ずかしさに、どろしーは寸での所でそれを飲み込んだ。
それでもセラヴィーはふっと笑う。

「ちゃんと言えたら叶えてあげますよ」
「何を……ってそれだけは絶対嫌!」

すぐにそれが何か思い当たったどろしーは全力で首を振った。

セラヴィーは一瞬わざとらしく驚いた様な顔をしたが、微笑んだ。

「ご自由にどうぞ」

それだけ言うと、どうにか腕だけでも動かそうとジタバタしているどろしーの両手に、自身の指を
絡めた。

「や……」

それだけでビクンと、どろしーの心臓は早鐘(?)のように鳴りだす。困惑して何かを欲するようなど
ろしーの表情に楽しそうに目を細めながら、セラヴィーはその手を軽く握った。

「ん……」

握られただけで快楽へと誘われて、どろしーは頭を少し後ろに反らした。息をつくと、そのまま後ろ
の方を見るよう努めて、せめてセラヴィーの顔を見見ないようにした。

「あ……ふぁ…」

息が上がる。長い間熱に浮かされた身体は力が入らず緩んで、綻んだ内股のそこから液体がさっきか
らまたとろとろと流れ出ていくのを止められない。

「いや……それ……ぁっ……!」

耐えきれない強い快感はないが喉元がなんだか息苦しい。頭は温い靄に包まれ一向に働かない。

「どろしーちゃん、物足りない?」
「違っ……」

答えたどろしーは思わずセラヴィーを見た。セラヴィーはどろしーの顔を覗きこむと、緊張感無く
半開きになったどろしーの唇に唇で触れた。

「何をして欲しいですか?」

その中に舌を差し入れることなくセラヴィーは聞いた。てっきり舌を入れられると思ったどろしー
の口から、赤い舌がちろっと出たがすぐに引っ込んだ。小さな息をはくどろしーの視線に意思はな
く、呆っとセラヴィーの眼を追う。

「いやよ……」
「意地っ張りですね。これ以上我慢すると、明日何も手につかなくなりますよ」

そう言いながら、セラヴィーはどろしーの両手の戒めを解いた。ほどけた両手は力無く離れていこ
うとするがそれは魔法を解いた片手で捕まえた。

「はや……ぁっ……」
「握った位で感じないでくれますか?」

かあっとそれ以上赤く染まらない位どろしーは顔を真っ赤にして答えに窮した。黙っているどろし
ーにセラヴィーは更に追い討ち?をかける。

「違わないんですか?」
「違うわよ……」

やっとの事でどろしーは否定したが、顔を近づけて来るセラヴィーから眼が離せない。昼間は並外
れた知性と理性を印象づける瞳の碧色はこういう時だけ本性を現して、どろしーを惹き付けて狂わ
せている。

「は……はな…」
「ま、今年中には言ってもらいますからね」

そう言うとセラヴィーは何度目かわからないキスをした。

「ん……あ……あ、あ」

舌が絡み、歯列も口蓋も、口の中で触れられない所は無いくらい何度もセラヴィーの舌が出入りす
る。どろしーの理性はあっという間に飛び散って、鼻に抜ける声をあげた。

「そういう時は可愛いですね、どろしーちゃん」
「なによぉ……ん、んく……」

飲み込む暇もなく忙しく舌が絡むので、たまにこらえきれない互いの涎がポタポタと、どちらかの
手に落ちた。

「手……ん、んくぅ…やだ」
「お互い様ですよ。ほら、ここも」

そう言うとセラヴィーはどろしーの手を解放して、背中から服の中に手を入れた。

「あ…あ…」

自然とどろしーの腰がうねり、服が下へ下へとずれていく。唾液で濡れた手をどろしーの柔らかい
お腹や太ももで這い回らせると、布地越しに小さな膨らみを探した。

「あん、あ、あ、あ……」
「ねえ、もう一度感じてるって言ってみてくださいよ」

酷薄な笑みを浮かべたセラヴィーは布地にするっと指を滑りこませると、ぴょこんと小さく主張し
ているその肉の芽を撫でた。

「いやっ、あぁぁあんっ、はん、あ、だめっ、んっ、あ、あ、あぁんっ……」

何度も撫でられ、その上ちゅくちゅくと既に濡れそぼったそこに指が入り、どろしーの下半身がき
ゅっきゅっと何度も締まった。

「あ…んっ…んっ…」
「あの時みたいに言ってみてください…よぅ…」

いつの間にか息の上がっているセラヴィーに懇願するように言われて、どろしーの頭の中は真っ白
になった。腰がうねり小刻みに足が震える。一息つく間もなく、唇にセラヴィーの唇が押しつけら
れて、またもやどろしーの意識は霧散させられた。気がつくと、力の入らない膝は曲げられていて
、硬く反り返ったセラヴィーの男性器がくにゅくにゅと、どろしーのまだ湿っている入り口を弄っ
ていた。

「……え、まだ……」
「当たり前じゃないですか。ほら、ふっ」

セラヴィーがどろしーに息を吹きかけると、その息がどろしーの体の芯を一瞬で熱くさせる。

「んぅ……」
「ほら、これじゃあ人前で普通に会えませんよ」

囁きながらセラヴィーは体を進めて、どろしーの綻んで愛液にまみれている膣に肉棒を入れた。

「あ……ん……」

待ち望んだ圧迫感にどろしーは思わず呻いた。

「あ……あ……」

セラヴィーがゆっくり腰を動かす度、どろしーが切なそうに艶やかな声をあげた。

「気持ちいい?」
「ん……ちぁ……あん……」

そう途切れ途切れにいうどろしーの腰はセラヴィーに合わせてゆっくり揺れる。

「ほら……どろしーちゃん……」
「あっ、あぁんっ」

セラヴィーが耳元で低く囁きかけると、その度どろしーは絶頂に震えてセラヴィーにしがみついた
。内壁が熱くとろとろにセラヴィーの肉棒に絡みついて締めつける。

「ん……あ……とまらない……あぁ……」

焦点の定まらない目をして、どろしーはセラヴィーを見詰めていた。いつの間にか、あのセラヴィ
ーが頬を紅潮させて、顔をしかめている。

「くっ……どろしーちゃん……力……抜いて……」
「あ、うん……ごめん……無理……あっ」

度重なる絶頂に曝された(?)体はどろしーの思うようにならず、何度も不規則にセラヴィーのモノを
締めつけた。

「仕方ないですねっ……!」

セラヴィーはそう吐き捨てると、どろしーの中に欲を吐き出した。

「んぁん……」

どろしーの中で熱い液体が広がり、どろしーは淫らに呻いた。

セラヴィーが萎えた一物を引き抜くとくちゃっと卑猥な音がした。

「……終わったの?」

その音にいくらか我に返ったどろしーは気だるい体を肘をついて起こした。セラヴィーは少しムッ
とした。理由がわからず、とりあえず露になっている丸い双丘に顔を埋める。

「ん……セラ……」
「忘れてました」

赤く染まりまだ硬さの残っている乳首をちゅと吸うと、そのままセラヴィーはどろしーを見上げて
そう言った。





「ちょっと、帰るんじゃなかったの?」

そう言うとどろしーは隣で猫の様にくるまっているセラヴィーをぐいぐい押した。

「……寒いので朝まで泊めてください」

そう言ったセラヴィーは毛布を強く握りしめて顔を隠した。

「何言ってるの、早く、 か え り な さ い よ!!」

さっきと同じくどろしーはぐいぐい押すが、だるくて眠いので実際はほとんど力が入っていない。
当然セラヴィーの体はビクともしなかった。

「朝食位は作りますよ〜」
「えぇっ」

突然顔を出したセラヴィーの申し出にどろしーの機嫌は一瞬で全回復した。更なる期待が顔に浮か
ぶ。

「大掃除はしませんけれど」

やはり。お約束の期待を消し去る一言にどろしーはずっこけたが、すぐに起き上がった。

「あんたチャチャがお城に帰って明日から暇なんでしょう?!少しは手伝っていきなさいよっ!」
「む」

尚も強制しようとするどろしーに、セラヴィーはどろしーの髪を手に取った。どろしーの目の前で
サラサラと垂らす。

「あんた、まだ言うの?」

どろしーの声にどす黒さが増したが、セラヴィーはやっぱり真剣だ。

「言いま……」

セラヴィーが何かを言いかけた時、どろしーがその胸ぐらを掴んで叫んだ。

「絶っっっ対この髪は戻さないわ!あんたがこのままずっと人形と話す変態に成り下がったままで
もね!!もう慣れたわ、変態で嫌味な上に鈍感無神経ってのがセラヴィーの正体なのよ!私にはもう
バレてんだからせいぜいチャチャ達の前では気をつけなさい!いくらあんたでもね、過去は取り返
しがつかないし、思い通りにはならない事がたっくさんあるってことをずーっと見せつけてずーっ
と思い知ら……せ……」

けだるい体で一気に力説したどろしーは、強い目眩に襲われた。ぐわんと景色が歪み、意識が遠退
いていく。

「はい、おやすみ」

そのまま気絶したどろしーを抱えると、セラヴィーは毛布を引き上げた。
そしてそのままベッドに倒れこむとうとうとと眠ってしまった。






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