鈍かった幼馴染み
ラスカル×まやちょん


「だから……私は、お前の事が……、好き……なんだよ……」

鈍かった幼馴染み。今日のお見合いにだって、私の気持ちに気付いて来てくれたんだと
思ったのに、決闘と勘違いしてただなんて。

(何でこいつは私と言えば「決闘」しか思い浮かばないんだ?)

「好き……だ。ガキの頃からずっと好きだったんだ。ずっと……ずっと、好きだったのに……」

溢れ出した言葉を止める事が出来なくて、私は囈言のようにそれだけを繰り返す。
ずっと言えなくて、言おうとすると邪魔が入って。でも、今は違う。ラスカルの部屋で二人きり。
ラスカルはじっと、私の話を聞いていてくれる。

「お前、いっつもいっつもガキの事ばっかりで……私の事なんか、全然……気にもかけてくれなくて……」

情けない。思うけど、どう仕様もなかった。涙はどんどん零れて来て、私はとうとうラスカルの顔を
見られなくなってしまう。――こんな間抜けな顔、見せてたまるか。

「ふぅっ……う……うえぇぇ……っ……」

ああ、きっとラスカルの奴、困った顔してるんだ。泣き出した私を前にして、どうしたらいいのかオロオロしてる。
判ってる。困らせるつもりなんかじゃないんだ。でも、これまで抱え込んで来た色々な想いが、体の中で爆発して。
もうどう仕様もないじゃないか。

「――……まやちょん」

静かな声。柔らかくてよく響く、ラスカルの声。

「ッ……!」

広い掌が、私の濡れた頬をゆっくりと撫でた。それから、珍しく下ろした髪の毛も、そっと。

「あー、その……なんだ、……済まなかった」

心底困惑したような表情で、ラスカルが私の顔を覗き込む。大慌てで、私はラスカルから視線を逸らす。

「おい」

ぐいと、ラスカルの手が私の視線を戻させる。耳から首筋……顎の辺りにまで、ラスカルの手の感覚。

「……逃げるな」

拗ねたような、顔。左目だけが見えているラスカルの――その左目の縁が仄かに赤い。
ゾクリと、背筋が震えた。その赤が余りにも官能的だったから。

「私達は教師なんだ。教師がガキの事を一番に考えるのは、当たり前の事だろう?」
「………………」

視線を逸らせる事を許してもらえない。首筋がチリチリ焦げるようだ。

「……それでも……」
「っ……、ラ……、ラスカル……?」

ことん、と。ラスカルの額が私の肩に落ちる。鼻先を、ラスカルの絹糸のような髪が掠めていく。
はぁっと、安堵したような溜め息が、ラスカルの唇を濡らした。

「それでも……、私は、二番目には……」

お前の事を考えていた、つもりなんだが。その言葉は余りにか細く、微かに私の鼓膜を震わせただけで。

「あ…………」

狡い。……狡いじゃ、ないか。私には視線を外す事を許さずに、そのくせ自分は。

「なに……言ったんだか、聞こえねえよ。バーカ……」
「………………」

グスッと鼻をすすって、私は頬を、ラスカルの髪に寄せる。私に見えるのは、ラスカルの広い肩や、
長い髪を縛ったリボンだけ。
止まっていた涙が、また溢れ出して来た。

「……ちゃんと言わなくて、悪かった」

涙のせいで頭の奥がガンガンと鳴っている。その後のラスカルの言葉を、だから私は聞けなかった。
ただ、ラスカルの唇がゆっくり、私の頬の涙をなぞって。そうして――私の唇にそれが重ねられて来る、
その感覚だけが、私にはあった。

「……っふ……」

最初は軽く、次第に……ぬめりとした熱い舌まで、私の口内に潜り込ませて。
耳にピチャリという音を感じ、私は言い知れない羞恥に体を捩る。
ラスカルの腕が私の体を抱いて。フローリングの床の上で私達は何度も角度を変えて、
互いの口の中を味わっていく。
唾液はとろりと溶け合って、私の体の中に飲み込まれた。吐息の絡むのが、何か酷くいけない事を
しているかのような錯覚を覚えさせて、私は引きつったような声を上げる。

「嫌だったか?」

ラスカルの声に、私は必死でかぶりを振った。嫌な訳がない。待ち望み続けていたものが、嫌な、訳が。
私は両腕をラスカルの首に回した。心臓が破裂しそうな程高鳴っている。こんな事を言うと、
それこそ嫌われやしないかと思って、でも、私は涙と同じで、その言葉を止められなかった。
ベッド、連れてって。そう――、さっきのラスカルを責められないくらいに小さな声。

「は……っ、う……ぅ……っ……」

見合いのために着込んでいたゴテゴテとした服も、今は脱がされて。ブラから零れた胸に、
ラスカルの手が触れる。

「ん……」

首筋にチクッとした痛み。ああ、跡がついたなと、私は霞んでいる頭で考える。

「みっ、見るな……っ……よ……」

ラスカルの視線が恥ずかしくて、私は顔に朱を上せて言った。ラスカルは小さく笑うだけだ。

「ひぁっ……、あ……、あっ……ん……」

乳首を摘まれると、爪先から天辺にまでピリッとした快感が走る。それと同時にあそこからも、
トロトロとしたのが溢れ出してきてしまう。
骨張ったラスカルの指は、そろそろと体の上を這った。下着の中、さわとした恥毛の、その奥にまで、
その綺麗な指は下りてくる。

「やっ……、や……ぁ……」

背筋を貫く快感に、私は身を反らせた。指はヒダの間をまさぐり、その上の小さな核に辿り着く。

「あぁぁっ……や……あぁ……っそ……こ、やぁ……っ……!」

執拗なまでにそこを弄られ、私は体中をかき回されているような快感を覚えてしまう。
こんなのは、はしたない。思って、でも、気持ちいいのが止まらなくて。

「んぅ……っん……、んん……」
「ふ……っ……ん……」

快感を受けながら、何度も唇を重ねる。気持ちいい。気持ち良くて……もう、おかしい。

「まやちょん……」
「あ……」

そろ、と、脚から下着が抜き取られる。ラスカルの前に、私のアソコが晒される。
トロトロになった私の、そこ。嫌だと思う間もなく、私は両足をラスカルに抱え上げられて。

「まやちょん、私も……」

耳朶に唇が付けられる。私のあそこに、熱く硬くなったものが押し当てられて。

「私もずっと、お前の事が……好きだった」

言われ、その言葉の意味も理解出来ないままに、中心から激痛が走る。

「ひぃ……ッ……!」
「く……っ……!」

狭いそこに、ラスカルが眉を寄せた。私を気遣うように髪を撫でて、大きく息を吐いて
――それから、ゆっくりと腰を使い始める。

「あぁぁ……っ……ひ、あぁ……っ、あ……っ……!」
「ッ……は……っ……」

グチュリと、体の奥で音がした。ジンジンと染みるような痛さが、私の体内を支配している。
けれどラスカルのものに突き上げられるごとに、最奥から不思議な疼きが生まれ始めて。
私はラスカルの長い髪に手を入れながら、背中に爪を立てながら、夢中になってラスカルのものを感じていた。

「……髪、近い内に切らねばなあ」

ベッドの中で私を抱きしめていたラスカルが、ふと思い出したように言う。

「え、何でだよ。折角そこまで……」
「うん?ああ……」

聞くと、ラスカルは幾分ばつの悪そうな顔をする。

「……願掛けてたからな。可愛い嫁さんが貰えるように」
「――…………え」
「……もう、叶ったろう?それとも……私では、嫌か?」

言われた言葉の意味が、私には判らない。ただ、どうしてだか、涙が溢れて。
言葉の意味は後で聞こう。そう思いながら、私は訳も判らず、ラスカルの体に強く抱きついた。






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