湯川学×内海薫
差し込んだ日の光に眼を覚ますと、直ぐ近くに内海薫が居た事に少々驚いた。 僕自身も彼女も裸体である事、そして視界に入る程度に見える散乱した衣服で昨夜有った事を徐々に思い出した。 つまりそういう事をする関係に僕と彼女はなったのだった。 ―…もちろん、酔った勢い等の成り行きではなく、ちゃんと互いの合意の上で、だ。 その事をかみ締めると、改めて彼女に対する愛しさが湧き出てきた。 と、同時に昨夜の情事も鮮明に蘇ってくる。 ついでに、その時の興奮も蘇たというか、包み隠さず言えば発情して― 「…んっ…ふ……。」 そんな心情を知ってか知らずか、僕にとっては最高のタイミングで、彼女にとっては最悪のタイミングで。 兎も角悩ましい声を出しながら彼女は起きた。 「………………オハヨウゴザイマス……。」 かなりの間の後 ―その間の間に昨夜の事を思い出したのか耳まで真っ赤にさせて、数センチだけ離れてシーツに顔を埋めうーだかあーだか唸っていた― 顔を上げて蚊の鳴くような小さく弱い声でそれだけ言った。 「あぁ。お早う。」 「…なんでそんな冷静なんですか…。」 大よそ見当違いの言葉に笑いを堪えながらも、視界を君と寝台だけにさながら逆に問う。 「そろそろ通勤の準備をしなきゃいけない時間じゃないのか?」 「え?あぁ、大丈夫です。今日は非番なので。…それより、本当になんでそんなに冷静なんですか。」 「冷静?本当に君はそう思うのか?」 「え?」 「大体、僕が上に被さっている時点で気づくべきだと思うのだが。」 「…!……ゆ…湯川先生…い、いま朝ですよ?!」 ようやっと事態が飲み込めたのか今更彼女は焦りだした。 「時間なんか関係ないだろう?」 「あ、えっと…あ!だ、だだだ大学があるでしょう?!」 「…今日は何曜日だ?」 「え…あ…日曜日です……あ…!」 「つまり学校は休みだ。」 「う…、…ええぇっと…あ、湯川先生の仕ご「今日やらなくても差し支えの無い仕事だけだ。」 段々、面倒になって来て彼女の精一杯の抵抗の言葉を先回りして答えていく。 とうとう言葉が思いつかなくなって、それでもまだ抵抗しようとしているのか、再度あーだかうーだか唸りだした。 「じゃ、じゃあ」 やっと思いついたのには悪いが聞く気が無くて唇を塞いだ。 「んっ……!」 驚きに開いた口内に舌を差し入れると観念したのかたどたどしくも絡めてきた。 互いの唾液を交換する深い口付け。その甘さに酔いしれそうになっているあたり、もう既に僕は君に 捕らえられているんだろうか。 太ももを撫でていた手を秘部へと下ろしていき割れ目に沿って指を這わせていく。 「…ん…ふ…んぅ…。」 口を塞いでいるためくもぐった声が微かに漏れて聞こえる。 流石に酸欠で息苦しいのか軽く胸を叩かれ心底名残惜しいが開放してやる。 「は…ん…やんっ……!」 息を整えるのもつかの間に、指を押し込むように入れると そんなに濡れていないのも重なってまだ抵抗が感じられた。 昨夜知った彼女の”良い所”を指で出し入れしながら、 桜色をした胸の尖端を口へと含み舌先で転がすと甘い声を上げながらびくりとその細い肢体が震えた。 「あ…う…や……。」 暫く尖端を弄んだ後、舌を降下させると僕の意図を悟ったのか慌てて足を閉じようとする。 が、時既に遅し。足で僕の体を挟み込み、余計に指を押し入れる風になってしまった。 もう既に、秘部からはくちゅくちゅと厭らしい水音が奏でられ、 彼女自身からも手を当ててくもぐってはいるが甘い嬌声が上げられていた。 「…それ以上やっていると痕が残るぞ。」 彼女の嬌声を聞きたくて一旦舌の降下を止めてその手を外すように促すが、 いやいやをするように首を横に振った。 「…ならせめて僕の腕を噛んでいろ。」 声を聞くことを諦めて空いている腕を出すと、しばらく戸惑った後 声を押さえるのを止めたらしく口に当てられていた手を外し僕の腕を噛む事も無かった。 行き場を失った手を如何しようか一瞬迷って、太ももへと添えた。 そして、手をそえた太ももにスマック音をたてながら口付け、 その先にある割れ目へと顔を下ろしていく。 指をくわえ込ん出いる其処をなぞる様に舐めると嬌声に更に艶やかさがかかった。 「…やあぁ…ゆ…かぁ…せんせぇ…や…だめっ……!」 「…何が駄目なんだ?」 「…んぅ…ぁあ…そんなとこ…きたな……。」 昨夜も似たような事を言っていたのを思い出し、思わず苦笑がもれる。 「……何度も言うが、汚いなら尚更舐めて綺麗にするべきだ。」 「んんっ…あ…はぁん…で…もぉ…!」 「…それに君が思っている程汚い訳じゃない。寧ろ、綺麗だ。」 「……っ…あぁ?!」 溢れ出た蜜をずるっと音をたてながら吸い上げ、指と同時に勢いをつけて出し入れを繰り返す。 「や…あぁっ…はぁ…んんっ!」 ささやかな抵抗の言葉も無くなり、彼女の身体の力も抜けて大分素直に愛撫に従い始めた。 そこになってやっと、わざと避けていた腫上がった突起を舌先で突いてやる。 「んぅっ!!」 唐突に強い刺激を与えられたせいかしなやかにその肢体が弓反りになった。 その反応に自然と口元が緩み、舌の腹でたっぷりと舐め上げた。 「ひぅ…ああっぁ!!」 強い快感から逃れようと彼女はもがくが、僕が逃がすはずも無く捕まえられたままだ。 「あ、あっあぁ…ひ、あ…やぁん!!」 口に含んで、舌で転がすと、更に膨らみを見せて、僕の嗜虐心を掻き立てる。 イキそうでイカない。 その心はそんな風に、彼女にとっては拷問に近い状況へと運び追い詰めていく。 「も、や…せん…せぇ…も、だ…めぇ…!」 「何が?」 我ながら悪どいなと、心の内で苦笑しつつ彼女から要求させたくて、分かっていながら問うてみる。 「ひ、どぃ…わかってる…でしょう?」 ごもっとも。だが、やはりというか嗜虐心のほうがどうしても勝ってしまう。 「分からないな。言ってくれないか?」 「ん…あ…そんなことっ……。」 「まぁ、言わなくても結構だが…。」 「んう…!」 焦らすように指をゆっくりと動かしながら、耳元で最後の一撃を囁く。 「その場合、ずっとこのままだぞ?」 「……やぁ…!…あ…ふ…!」 「どうする?」 「ん…ふ…あ、い…イカせて、くださ…い。」 「……良く出来たな。」 言わせたくせに。と正論を嬌声混じりに言われたが聞こえないフリをして、 彼女を昇り詰めさせる事に意識を傾ける。 ヒクついて欲しいと誘う肉壁へと、指の本数を増やし勢いをつけて内部へと入れ込む。 「あ、い、ひっ、ぁ、ああっん!!」 先程より激しく突くと、にゅちゃにゅちゃと最初のときよりも厭らしい水音と感覚の狭い嬌声が上がった。 「んふっ、あ、あっあぁっ、い、っちゃ、や…イクぅ…!」 シーツを掴み羞恥心からか、それとも生理的なものなのか、 どちらにしろ大粒の涙を流しながら彼女が促した。 はちきれんばかりに膨れ上がった突起を口に含み、甘噛みよりも少し強めに噛む。 「ひあぁぁあぁ!!」 痙攣のように全身が震えたと思うと、咥え込んでいた指を捕らえて離すまいと締め付けられ 勢い良く蜜が溢れ、指をつたって、僕の手首の辺りまで濡らした。 遠のきそうな意識を何とか繋ぎ止めて貰い、僕自身を蜜溢れる中心にあてがう。 解れてはいるものの、やはりまだ抵抗が残る彼女の中へとどうにか収め、ゆっくりと腰を動かす。 「んぅ…あ…はぁ…。」 やはり、と言うかまだ、彼女が慣れていないからか動かすのに難がある。 だが、昨夜の事を思うと彼女が痛みに顔を歪める事も無く、幾分かマシになってはいる。 ―ほんの少しではあるが、彼女が自分に染まっている― その事に嬉しさを覚え、たまらず―まだ多少痛むのか少々皺が刻まれている―彼女の額へと口付けを落とす。 「ん…ふ…ゆ…か…ぁ…せんせ…?」 突然の口付けにきょとんと見上げる彼女が可愛いと思いながら、何でもないと誤魔化す。 それでもまだ疑問符を浮かべている彼女を誤魔化すように腰の速度を速めた。 「んぅ!あ…はぁん!!!」 唐突な子宮口への大きな刺激に、快感で肉壁が僕をきゅっと捕らえ離さない。 「……っく…そんなに…締めるな。」 「そ…な…こと、いわ、れてもぉ…!」 欲しいとねだる内部に応え、激しく突き動かす。 「い、ひ、あぁあ!ん、うっ、ゃぁん!!」 快感に溺れ彼女口元から垂れる雫。微かに差し込む日の光に煌き直一層、その雫を引き立たせる。 …その姿が酷く艶かしいと思った。 そして、昨夜知った一番鋭敏な処に向かって攻め立てる。 「あっあぁ!や、ぁ、だ、めぇ!そこ、あひっ、やぁん!!」 「嫌?駄目?君はこんなにも欲しいと、キツく締め付けるのにか。」 「んぁ、あぁあっ、や、いわ、ないでぇ…!」 「…あぁ、なんだ。自覚はあったのか。」 ついでに言葉で攻めながらも、肉壁の締め付けがより強まり僕自身も追い込まれる。 「…っく…ぅ…。」 「んぅ、あ、はぁん…!」 「…っ…ぅ…中…出して、いいか…。」 考える事などまともに出来るはずも無いのは分かってはいるが其れでも聞かない訳にもいかない。 「は、んぅ、あっ、あぁっ、い、ですょ…」 返ってきた答えに、口元が緩みつつ、打ちつけを激しくさせる。 「あ、ぃ…くぅ…せ、んせ…い、っちゃぅ…!」 「…ぁ…あぁ…いいぞ…。」 「んぅ…っ…ぁ…ぁああぁああ!!!」 がたがたと彼女の肢体が震え達し、強く締め付ける内部に誘われるように白濁したものを放った。 次に眼を覚ました時は時計の針は昼なんだか朝なんだか微妙な時間帯をさしていた。 まだ気だるさが残る体を引きずって昨日、放られたままになっている衣類を取ろうとした。 が、あと少しの処で不意に上に重みを感じた。 視線を向けるまでも無い。湯川先生だ。 「なんですか。」 少し体を湯川先生に向けて軽く睨みつけるが本人は何処吹く風だ。 「もう2,3か「い・や・で・す!!」 さすがに察して思いっきり否定すると「なら、もう少しこのまま。」とあっという間に湯川先生の腕の中へと収められる。 ここら辺は妙に紳士で、私が強く嫌がると特に何もしない。 や、さり気にお尻を撫でたので何もしないわけでもないから思い切り抓ってやるが。 不思議と朝方から抱かれた事に文句が出ない。 最後にあんな綺麗な微笑みを見たからからなのか、そこは惚れた弱みなのか。 どっちにしろ私が湯川先生が大好きと言う訳で。 今更の自覚する自分自身に呆れて、こっそりため息を付きながら、ふと思った事を口にした。 「…お互い休みなら、どっか出かけましょうよ。」 「………………まぁ、いいだろう。」 思ったよりすんなり(結構間があったのは気にはなるが)承諾されて少々拍子抜けしたがやはり嬉しさの方が勝った。 「じゃぁ、着替えて…朝ごはん何がいいですか?」 「…食べれる物を作ってくれ。」 「…あのですね…。」 「冗談だ。和食で頼む。」 「…はい!」 ―単純だけど、やはり好きな人といるのは幸せだなぁ…。― ベッドから出て、着替えそんな事を思いながら私は台所へと向かった。 SS一覧に戻る メインページに戻る |