どうやって責任を取ってもらおうか(非エロ)
湯川学×内海薫


「では、このデータを古い順にまとめておいてくれ」
「「「「はーい」」」」

とある昼下がりの研究室。
授業が休講になったと喜んでいた生徒たちであったが、 それも束の間、湯川の研究のデータ処理を手伝わされることになった。



「ね、ね、そういえば、先生とあの刑事さんってどうなってるの?」

女学生の1人がぼそりとつぶやいた。

「やっぱ付き合ってるのかなー?」
「このあいだ、2人で夜歩いてるの見たヤツいるらしいよ」
「えー?先生もデートとかするんだ?」
「まぁ、湯川先生結構まんざらでもなさそうだしね。」
「確かに」



生徒達が湯川に聞こえないように噂話に花を咲かせていると


バン!

とドアが勢いよく開いた。

ノック音も無く開いたドアに、湯川も溜息交じりで開いたドアの先に視線を向けた。



「・・・・君はノックもできないのか」



コツ・・・コツ・・・と重たそうな足音が響く


「・・・・・・・あ、のですね!」


薫は、やや前かがみになりながら少し辛そうに見えたが、強い口調で答えた。



「君はそうやって人の質問に答えない、僕はノックも「答えられないようなことをしたのはどっちですか!」


キーンと薫の声が研究室に響いた。

「内海君・・・「こっちは朝から仕事だっていうのにもう!」

湯川が訂しようとするが、薫の耳には入ってこない。

「内海く「先生1人だけ先に気持ちよくなっちゃって!こっちの身にもなってくださいよ!」
「否、内海く「そうやって・・・何回も何回もするから、おかげで歩くのもつらいんですよ!?」

一度口から出たらそう簡単に止めることはできない。
薫は堰を切ったように言葉を続けた。
湯川も冷静に止めようとするが、こういうことでは薫の方が一枚上手だ。

「いや、内海く「人間、そう何回も何回もセ・・・・セックスできないんですから!」





・・・・・・・・・・




静まり返った研究室に湯川のため息がだけが響いた。





「・・・・・なんか言ったらどうなんですか!?」

ぎろり、と薫が睨み返すと、いつもと変わらない悔しいほどに整った顔が


「内海君・・・君は発言するのに時と場所を選ばないのか?」
「は?だから、先生の研究室で言ってるじゃないです「ここは僕の研究室だ、
しかし常に僕だけが在室しているわけではない」
「え?」

「ご苦労様、今日はもう帰っていい」

湯川は溜息を一つつくと上を見上げて言った。




「え・え・・・・・・・・」

薫が湯川の視線の先を辿ると、見慣れた生徒たちの顔が並んでいた。




薫は一瞬固まった。
そして、みるみる顔が赤く染まっていく。


「刑事さん・・・ごめんなさい。盗み聞きするつもりなかったんだけど・・・その・・・
刑事さん・・・気付かないでずっと喋っちゃうから・・・」

メガネを掛けた女子学生がそう答えた。
心なしか皆顔が赤い。



「じゃ、じゃぁ・・・先生・・私たちこれで・・・資料・・とりあえずま、まとめてありますので」」
「ああ。ありがとう、ご苦労様」

生徒たちは荷物をまとめると、そそくさと出て行ってしまった。



すれ違い様に

「あの・・お・お・・お大事にしてくださいね・・その・・」

と声をかけられたが、聞かれていたというショックで薫は反応すらできなかった。




「さ・・・・・最悪・・・」

生徒たちが出て行った途端、薫はペタリと床に座り込んでしまった。

「・・・で?君は何をしに来たんだ?」


「え?えーっと・・・・・・・」
「まさか、今の文句だけをわざわざ言いに来たわけか」
「え・・・っと・・・」

「・・・まぁ、いい。僕も昨晩は少しやりすぎだとは思った。すまない。」
「はぁ・・・・」
「しかし、強くて奥まで入ってる方がいいと言った君にも責任はあると思うのだが。」
「そっ!!それはマッサージの話です!べ、べべべ別にセッ…クスの話じゃ…」

薫は反論しようとするが湯川の言葉に遮られてしまった。

「しかし、僕はこの大学の准教授でもあり、それなりの社会的地位もある。にも関わらず今回このようにして生徒達に聞かれてしまったということは実に「はいはいはいはい、すみませんでした、
わたしの注意不足で!!!」


湯川は一瞬考えると

「ふむ・・・ではどうやって責任を取ってもらおうか。」

そう言い、薫の腰に手を回し自分の側へを引き寄せた。

「!!!」

薫は身体が強張ってしまった。

「・・・・・・冗談だ。辛いと言っている人間を更に苦しめるほど僕もサディスティックではない」
「・・・・・(嘘つき)」

にやり、と笑うと湯川は回した手を解き、自分のパソコンへと向かい、作業の続きを始めた。



「〜〜〜っ・・・」

薫はまたも床に座り込んでしまった。


「兎に角、今日、栗林さんが研修で不在だったことがせめてもの救いだな」

「は?」
「なんでもない。こちらの話だ」
「???」





「なんかさー、すごいこと聞いちゃったよね」
「うんうん、やっぱ先生と刑事さんて・・・そういう仲だったんだ」
「ていうか、刑事さんすごく辛そうだったよね・・」
「湯川先生ってあー見えて結構・・・・・」
「「「ねーーーーー!?」」」」


(因みに生徒たちは「口外すると評価はD」と湯川に脅され?栗林には誰にも言わなかったという)






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ