湯川学×内海薫
![]() in二人きりの研究室 「先生、今日は何の日か覚えてますか?」 「さあ、さっぱりわからない」 「そうですか……じゃあ、もういいです」 「内海君、君はなんで怒っているんだ」 「先生が女心をわかってないからです」 「……?」 「今日はせっかくおしゃれして、プレゼントまで準備してきたのに、 一人だけ浮かれてて馬鹿みたい!」 「もっとわかるように説明してくれないか?」 「だから、もういいっていってるじゃないですか!」 怒って部屋を出て行こうとする薫の手をつかんで、 そっと左手の薬指に指輪をはめる湯川。 「さっぱりわからないというのは、冗談だ」 「湯川先生……」 自然に唇が重なる二人。 「……!」 「内海君、どうしたんだ?」 「これは何の指輪ですか?」 「合金だ」 「合金?」 「現在、最先端の技術を駆使した合金の一つといわれてるものだよ。 手に入れるのに、苦労した」 「普通でいいじゃないですか、普通で……金とか、プラチナとかダイヤとか」 「……うれしくないのか?」 「やっぱり先生は女心をわかってない!」 「女心は非論理的でさっぱりわからない」 しかし、しっかり婚約してしまった二人だった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |