湯川学×内海薫
ゆっくりと、湯川の顔が下りてきて薫は思わず目を瞑る。 ばくんばくんと異常なまでに高鳴る心臓の音が相手に聞こえていないか、急な不安に襲われた。 ―――がしかし、それを湯川に問う前に彼女は体を震わせ言葉にならない声を上げることになった。 湯川が、薫の唇に一度軽いキスを落としてから白い首筋に口付けたのだ。 「ふ、ぁっ…」 意識しないうちに鼻に掛ったような甘い吐息が漏れ、それに気付いた薫は耳まで真っ赤になった。 無理もない、彼女は元々こういった情事には慣れていない上、 行為の相手は今の今まで完全に片思いだと信じ込んでいたあの“変人ガリレオ”という状況な訳で。 彼におよそ明確な性欲なるものが存在していたことも驚きだし、その対象として ―――つまり、特別な異性として自分を見ていたという事実を湯川本人から直接伝えられて尚、 薫は何処か信じられずにいたのだ。 『恋愛とは時間を掛けて育んでいくもの』 だと、自らの経験が乏しい薫は以前テレビか雑誌か、何らかのメディアから受け取った情報を 深く考えずに享受し今まで過ごしてきた訳であるが (実践まで及ぶ機会もなかったので)、 湯川はそうして気持ちを高めていくであろう過程をすっ飛ばし、 当たり前のように薫を求めてきたのだから 「やっ、は、せん…せっ…ちょ、ちょっ、と待っ…」 焦り、混乱し、更に強烈な快感と熱を与えられた彼女に落ち着けと言うのは酷であろう。 「待たない」 ごく簡潔に要望を却下し、 ソファに広がった黒髪に指を絡めながら再び湯川は行為に没頭し始める。 「ひゃ、あ、うぁっ…」 耳の裏あたりを舌でまさぐられ、薫は一層艶かしく体を揺らした。 ざらりとした熱い舌の感触。 生温い吐息が首から鎖骨にかけて何度も往復し、 おそらくは無意識であろうが、彼に掴まれた両手首に心なしか若干力が加わった気がした。 湯川先生が、私に触れてる…… 私に。 長い指で、熱い唇で。 「んっ…」 僅かに背を反らし、薫は薄目を明けた。 彼の体温は全身で感じるけれど、薫の首元に顔を落としてている湯川の、肝心な表情は視界の中に映らない。 (…なんか、ちょっと、…頭がぐるぐるする…) そう、今こうして薫を執拗に、間違いなく彼女の反応を楽しんでいるであろうその表情が 全く見えない事が僅かな安堵をもたらし、 逆にこんな時彼がどのような顔をしているのか見たいと強い欲求に駆られもするのだった。 「…っか、わ、せん、せ」 ―――何せ、薫を攻め立てているのは“あの”湯川学なのだ。 「せん、せ…っ、ゆかわ、せん……は、やぁあっ」 急速にこの現実が頭の中で解凍され、正しく状況を認識した薫は改めて狼狽し、 それ以上の興奮を覚え始めている。 自由にならない両手首を外そうと狭いソファの上でジタバタともがき、懇願するような、 すがり付くような潤んだ瞳で見上げたのが薫にとって運の尽きだった。 いつの間にか首筋から舌を離し、薫の顔を見下ろしていた湯川が冷静な表情で告げた。 「あまり僕の名前を呼ばない方がいい」 「…えっ…」 「そんな声で何度も呼ばれると、僕自身を制御できなくなる」 言うなり、薫の手首を拘束していた湯川の手が緩やかに彼女の体のラインを伝い、 カットソーの内側へ差し入れられた掌が躊躇なく、ぐいと裾をたくし上げた。 「やっ!」 思わず悲鳴を上げ身体を捩った薫に構わず、ごく滑らかな動作で背中に回した彼の手が 迷いなくブラジャーのホックを外した。 薄ピンクの、控え目な刺繍を施した下着がずらされ、仄かに色づいた白い乳房がほろりと溢れた――― 決して大きくはないものの、ツンと上向いた形の良い、それが。 「ん、や…せんせっ、やっぱり待って………ひ、ふぁああっ…んっ!」 むしゃぶりつくように胸の頂へ吸い付かれた薫が大きな反応を見せた。 「はっ…や、ふあ、あぁっ」 「敏感だな」 「そん…なっ、はあん、ことなっ…」 ぴくりと敏感に肩を震わせた薫の、悩ましげな吐息を耳元で感じた湯川が 一層強く彼女を責め立てる。 じわじわと押し寄せる快感の波に呑み込まれ、ほんのり肌を上気させた彼女の 断続的な嬌声に気を良くした湯川は、右の胸を自らの唇でついばみ、 左の乳房を長い指でやわやわと揉み始めた。 柔らかに形を変える白い果実の弾力を楽しんでいると、 自由になった右手を伸ばし、薫の指が辛うじて垂れ下がった白衣の裾を掴んだ。 「…っせ、んせ…ぁ、あんっ」 「随分、感じ易い体質のようだな君は」 からかうような口調に、反射的に薫が唇を噛んだ。 「んっ…」 「何故我慢する? もっと自由に声を出していい、どうせここへは誰も来ないし見られる心配もない」 「…は、う、…っ…」 「強情なところも君らしいが、こういう場合は得策ではない」 ほとんど圧し当てる同然の微力に調整して、湯川が蕾に歯を立てた。 かりっとした弾力を口内に感じると同時に「ひゃう!」と 悲鳴を上げた薫の腰が揺れる。 誘うようなその動きに、舌でコリコリと先端を転がしながら湯川の表情に 嗜虐心に満ちた色が広がっていく。 ふと視線を下に向けた湯川は、薫がもぞもぞと太腿を擦り合わせているのに気が付いた。 彼にとっては非常に都合の良いことに、彼女が今日身に付けているのはパンツではなく、 黒いボックススカートからすらりと伸びた脚が、物欲しそうに湯川を誘っている――― 様にしか見えなかった。 「もう濡れているのか」 「あ、あなたのせいですっ」 「直接触ってもいないのに?」 「だっ…て湯川、せんせ、が、っ、ぁん」 事実を否定する気力はなく、かと言って平然とした態度を取れる程に割り切れない薫は 真っ赤に熱った顔で、しれっと胸元を探り続ける湯川を睨みつけた。 薫の必死な反応を面白がるように見下ろしていた湯川が、 「ほう?」と興味を引かれたように口の端に笑みを乗せる。 刺激され続けピンと立ち上がった彼女の桜色の左右の乳首を、同時にくりっと捻り、 いっそ乱暴とも言える手つきで撫で回し揉みしだきながら。 「ひ、や、ああっ!」 焦らす様にゆったりと蠢めいていた湯川の指が激しい責めに転じた為、快感を受け止め切れない薫が 悲鳴のような嬌声を上げて身体を捩った。 暴れる腰を押さえつけるように当てがわれた湯川の掌が火照る肌を滑り、 下腹部を伝って流れる様な動作のままスカートのホックを外した。 同時に、薫の脚からスカートを抜き取りストッキングも剥いでいく。 「ゆ、湯川先生が相手じゃなきゃ、そもそも最初からこ、こここんな…こと…」 慣れた手付きに翻弄されながら、それでも言われっ放しで悔しい薫は 懸命に快感を押し殺し、何とか反論の弁を捻り出した。 …といっても目尻に涙を溜め、震える唇から拙い言葉で訴えるその姿は、 逆に湯川の欲望を煽るばかりの逆効果であることに、彼女は未だ気付く様子がない。 「全く、君は本当に」 感嘆と賞賛の入り交じった興奮気味の声で湯川が呟いた。 「僕を刺激するツボを完全に心得ているとしか思えないな」 ――変人と名高いあなたの考えることなんて理解できる訳ないじゃないですか、 凡人の私が! 抗議の言葉は声にならず、ソファの上で薫に出来たのばたばたと足でもがく事だけだった。 唇を、再び湯川に塞がれていたせいで。 「ん…う…」 舌をねじ込まれ、絡まされ、あちこちをまさぐられる。 スカートもストッキングも取り払われた脚に直に触れられ、内股を探るように撫でられる。 「ふ…ぁ、んっ…」 白い肌が艶めかしく朱色に染まり始めた頃、ようやく湯川は薫の唇を解放した。 「ん、はっ…、は、はぁ、も、くるし、…です…っ、もぉ、ふあ…」 息を切らした薫とは対象的に涼しい顔の湯川は、 しかし表情の如く穏やかに事を運ぶつもりはないらしく、 「この程度で音を上げて貰っては困るな」 「やっ…、いや、やだ、ゆかわせんせっ!」 「君はもっと、限界まで僕を感じなくてはならない」 抗議の声を上げる薫を無視して唐突に彼女の股を強引に押し開き、自身の体を割り入れた。 狭いソファの上で二つの肢体が絡み合う。 薫の肌と合皮ソファのカバーが擦れぎち、ぎちと耳障りな音を立てるが、 最早彼女にそれを意識している余裕はなかった。 ―――熱い。 カラダが、湯川先生の手が、視線が、そして… 「ひゃ…やあんっ!」 足を大きく開かされ、あられもない姿を自覚して羞恥心にうち震える薫の腿を、湯川が舌でなぞる。 ざらりとした生温い舌の感触、彼の熱い吐息を敏感に受け止め、薫は思わず声を漏らす。 慌てて両手で口を塞ぐも明らかな歓声はしっかり湯川の耳にも届いており、 瞬時満足そうな表情が走ったのを薫はちらりと視界の端に捉えた。 「何度も言わせるな。声を我慢する必要はない」 ニヤリと笑みを浮かべた湯川が意地悪く言うと、薫はいやいやをするように首を振った。 「だ…って、そんな…恥ずかし…ですっ」 「大丈夫だ。これから君はもっと恥ずかしい言葉を口にすることになる」 「なにそれ全然大丈夫じゃなっ…や、はぁん!」 内腿から徐々に上っていった湯川の舌はぞろりと脚の付け根を舐め上げた。 いつの間にか薫の両膝の裏には湯川の腕が通され、彼女の細い足首は彼の肩に乗った体勢になっていた。 「やっ!センセ、せんせえっ!このカッコやです、恥ずかし…っいやあ!」 絶対的に経験の浅い薫は快感と羞恥心の狭間で揺れている。 既に下着の用を為していないブラジャーと同色のショーツが湯川の目の前に差し出される恰好になっており、 彼のなぶるような視線に晒され意識せざるを得ない薫の喘ぎが、哭き声に変わる。 確かに湯川は射るように見ていた―――濡れたショーツがぴっちりと張り付いて割れ目が浮か上がり、 むせ返るような女の匂いに満ちた薫の“ソコ”を。 「ぁ、んまり、見ないで…っひゃ、ああ!」 顔を隠し身じろぎした薫は、体の芯に息を吹き掛けられて声を抑えることが出来ない。 「身体の反応の方が余程正直だ。だがしかし、すぐに君自身も素直にしてみせよう、…内海くん」 「な、に…、を、……や、はぁっ」 苛虐心に満ちた表情で言い放ち、再度湯川は薫の脚を丁寧に舐め始めた。 膝の裏から腿を伝い、付け根をなぞる。 けれど決して中心には触れない。 快感まで昇りつめそうで、引き戻される。もう少し、あと少しの刺激が欲しいのに。 「せんせ…っ」 焦らしに焦らされ、薫がとうとう上擦った声で湯川を呼んだ。 切ない響きに彼女の昂ぶりを感じ取った湯川は、わざと首を傾げて見せる。 「どうした?内海くん」 「あの…、あ、えっと…」 「言いたいことがあるならちゃんと口に出したまえ」 「う…うう」 余裕たっぷりに相手をしながら、湯川の手は薫の脇や臍回りをゆっくり撫でている。 決定的な快感を与えないよう、周到に。 真っ赤な顔で僅かな逡巡を見せた薫は、一瞬唇を噛んでから意を決したように口を開いた。 「触って…くださ…」 「どこを?」 「ゆかわせんせ…」 「言うんだ」 「や…言え、ません」 「早く」 「や…いや…」 ゆるゆると頭を振る薫の語尾に力はない。 もう少し苛めてやっても良かったが、涙目で「せんせ、おねがい…っ」と 懇願された湯川の理性が崩れる方が早かった。 「君の強情さには感服するが、これからのことを考えると矯正する必要があるな」 言うが早いか、湯川の手がするりと、素早く最後の砦の一枚を薫の脚から抜き去った。 「…っ!」 遂に生まれたままの姿にされた薫は既に言葉もなく、息を飲んで固く目を瞑る。 直接触れられた訳でもないのに既に濡れそぼっているそこに、湯川の視線を感じるだけで 新たな蜜が溢れてくるのを彼女は強く意識した。 そして、それをサディスティックな彼が見逃す筈もない。 「君は見られるだけでこんなに感じるのか。随分と淫乱なんだな」 「いやっ、センセ、言わないで!」 脱がす前からとっくに分かっていた事実を楽しむように突き付けられ、 薫の頬が更に赤みを増していく。 「ふむ。君は普段とても賑やか―――よく喋るがなるほど、下の唇はどうかな。 今のところ静かにしているようだが、随分物言いたげに見える」 「いやあ!先生のバカ、そんなじっくり見ないで!変なコト言わないでくださいっ…!」 空いた手で湯川の視線から隠そうとするも、あっさりと彼に手首を捉えられ再び薫は拘束される。 為す術もなく湯川の顔を睨みつけるが、相変わらず楽しそうな彼に効果は当然なかった。 「目の前に差し出されているのに見るなと言うのは無理な注文だ」 「さっ、差し出してなんかいません!先生が…っあ」 「謙遜することはない。綺麗な色をしてい」 「わーっ、やー!そういうこと言わないでくださいってばぁ!」 「こんな時ぐらいもっと色気のある声で反応して欲しいものだが…」 呆れた口調で溢しつつ、彼女の純な反応はより一層の愉悦を湯川にもたらした。 「先程、君は触って欲しいと言ったな。改めて聞こう、どこを触って欲しい?」 「やっ…!」 剥き出しにされた秘部に熱い息を吹き掛けられ、薫がびくりと身悶えした。 尚も抵抗する薫に痺れを切らす様子もなく、相変わらず淡々とした湯川のペースは変わらない。 けれど、と薫は気付いていた。 普段の冷静な彼からは見られない、どこか正常の箍が外れ熱を宿した光が、彼の眼の奥に潜んでいるのを。 しかし、すぐ快楽の一歩手前でずっと焦らされ続けている薫が平静な思考でいられる筈もなく、 湯川に抱いたそんな思いはすぐに脳裏の隅に追いやられた。 湯川の指が緩慢に太股の内側を滑る。 脇腹に口付けられる。 彼の吐息を、存在を全身で感じる。そして欲しがってる――― 「せん、せえ!お、ねがい…だからぁ、?…」 切なさを増した声で訴えられた湯川は一瞬動きを止めて薫の顔を見た。 涙を浮かべた彼女の表情は今にも泣き出しそうに見える。 欲情の火に油を注がれる、そんな顔で。 「君をもっと泣かせたい、苛めたいと思うのは僕の嗜好の問題だが、これは今まで一度も 生じ得なかった感情だ。相手が君であることに起因することは間違いないが―――実に興味深い」 「理屈は、いいですっ…!こんなとき、まで」 声を震わせ睨みつけてくる彼女を愛しく思いながら、それでもただ優しくするだけでは物足りない。 そして湯川は微笑み、薫を抱きすくめるとその耳元で囁いた。 「さあ、言ってごらん」 表情は見えないが、痺れそうなほどに甘い声だ。 そして快楽を与え続けた手の動きを止めて、優しく髪を梳く。 一見幼子をあやすような慈愛に満ちた愛情表現だが、絶え間なく焦らされ続けていた 薫にとってはそれすらも緩慢な刺激になるらしく、微かに腰が揺れる。 「僕は君を愛している。君が望む全てを君に与えよう。 簡単だ、君が望むだけでいい。声に出して言いさえすれば、僕は君の全てを受け入れて、そして応えよう」 囁きながら耳朶に舌を這わせ、中心に近い内腿を触れるか触れないかの距離で撫で回す。 声の甘さと、腕の優しさ、そして言葉の温かさが薫の理性を蝕んでいく。 蕩けそうなほどの快楽には、きっと、溺れてしまった方がずっと楽に違いなかった。 薫は、自分の体に触れる湯川の手を取ると、自ら濡れそぼっている秘部にその手を運ぶ。 自分のものではない手が触れる感触に、薫は歓喜と快感で震えて喉を反らせた。 「先生…私の中、もうこんななんですよ…お願い、先生の全部、ここに、下さい…!」 「僕、の…何が欲しいんだ?」 快楽にあと一歩、で堕ちる表情の薫が尚更湯川の嗜虐心をそそる。 真っ赤な顔で涙を浮かべて懇願する薫にの太腿に 屹立した下半身を押し付けるようにして湯川は問い掛けた ―こんな状態にしておいて、酷い― 薫の中の負けず嫌いがむくむくと頭を擡げる 薫の、常には無い艶めいた表情と声に、湯川はすっかり失念していた。 この女刑事は勝気で負けず嫌いだと言う事を― 薫の蝕まれた理性と、反抗心がカチッと火花を散らす 潤んだ瞳で湯川を睨むと―それは全然迫力のないものだったが― 薫は自分の太腿に押し付けられる湯川の下肢に手を伸ばした そっと触れるつもり―だった だが湯川に翻弄され続け、くらくらとした眩暈のような感覚の中の薫には距離感が無くなっていた 「…はっ…ぅ」 撫でるように触れるつもりだった湯川の下肢は、いきり立つように屹立していた そして勢い良く伸ばされた薫の手は―湯川自身を鷲掴みするように握っていた 「ひゃっ…!」 思わぬ感触に悲鳴のような声を上げる薫と、予想外の反撃に上げた湯川の声が重なった 手を引っ込めようとした薫の手が湯川自身を撫で上げるように触った ―ここまでされて、黙っていられるわけが無い― 薫の反撃は、湯川の中に僅かに残っていた理性を吹き飛ばし、激情を点火させた 「君の強情さには感服するよ」 沈着冷静な口調を保ちながらもギラギラとした欲情を浮かべた瞳で 湯川はカチャカチャと音を立ててズボンのベルトを外した 湯川の僅かな豹変に息を呑みながらも、薫は待ち望んだ「その時」が近付いてくる事に胸を高鳴らせた 肌蹴られた湯川の下肢が露になると、逞しく反り返った湯川自身が屹立している 目の当たりにした湯川自身に視線が釘付けになったまま、薫は反射的に足を閉じようとした 湯川は薫の足を掴むと大きく押し広げ、蜜を零す秘所へと、自身の先端を押し当てた ぬるぬるとした蜜を零す薫の秘所に、押し付けられた湯川自身の先端から溢れる汁が混ざって流れる その様を見ながら、湯川は焦らすように先端を筋に沿って擦り付けた 「やっ・・・はっ…せんっ…せ…ぇっ・・・」 入り口付近を擦るだけの湯川に焦れたように薫が声を上げ、腰を揺らめかせた 「も…お願い…です…っ」 真っ赤な顔で、涙目の薫が強請るような声で、無意識に伸ばした腕が湯川の太腿に触れた 「は…っやくぅ…」 薫の細い指が、湯川の太腿に絡みつき、引き寄せるように力が加えられた 「いつもそのくらい素直だったらいいのだがな」 フッと笑みを浮かべると湯川は一気に薫の中に押し入れた 「ひっ…あぁぁぁ…っっっ」 圧倒的な質量で薫の中を満たす湯川に、薫は引き攣ったような悲鳴を上げた 存分に潤んではいたものの、経験の少ない薫には内側から身を裂かれるような痛みが走った 「あっ…は…っ…」 ぽろぽろと涙を零して湯川に縋りつく薫に、湯川は慈しむように頬に、瞼に、額に唇を押し当てて行った 暫くそうしていると、少しずつ薫の呼吸の感覚が開き始める それと共に薫の中がウニウニと収縮を始めた 「良くなってきたのか…?中、動いているぞ」 自身を締めつける感触を味わいながら湯川がからかうように声をかけた 揶揄する湯川の言葉を聞いて薫の羞恥心が掻き立てられる 「やっ・・・!」 涙目になって顔を背けるのと裏腹に、湯川を咥え込んでいるソコは 尚更に強く湯川を締め付けた 「…ぅ」 締め付ける薫の中の感触を味わいながら湯川は端正な顔立ちに冷静な表情を崩さずに からかうように薫の耳元に唇を近づけ囁いた 「…君は下の口の方が正直なようだな。内海君?」 「せん…せぇ…!」 湯川の言葉に、耳から感じる吐息に、薫の背筋をぞくぞくとした感覚が走り抜ける 腰が熱く疼き、薫の秘所は更にきつく湯川を咥え込もうと蠢いた 「…ぁっ」 その感触に耐えられなくなったような声を上げると、湯川は薫の片足を抱え上げ、 ソファの背に乗せた 薫の足が大きく開かれ、二人の結合部が白日の元に晒される 押しこんだ腰を軽く引くと、湯川は見せ付けるように薫に話しかけた 「内海くん…よく見たまえ。今君を抱いているのが誰かを」 名前を呼び掛けられた事に対して、反射的に目を向けた薫は 自分の秘所に突き刺さる湯川を目の当たりにして真っ赤になった 「やっ・・・ゆか…せん…っせ…」 目を逸らしたいのに逸らせない。 無機質な研究室の蛍光灯に照らされて、赤黒く屹立した湯川自身が 薫の秘所から溢れる愛液に塗れてテラテラと濡れている 半分だけ見える湯川自身の先端が自分の中にある事を目の当たりにさせられ 薫は反射的に体を捩った 「内海君?」 冷静な中に熱を秘めた湯川の声が薫を追う 体の中に立ち上る熱から逃れようとする薫を逃さないように 湯川が くっ と腰を押し付けた 「あぁ…!」 押し入られた湯川自身の熱に薫が堪らず声を上げる 「や…せ…んせ…っ…」 上半身を捻らせたまま、薫は涙目で湯川を見上げた 「さぁ。どうして欲しい?内海君。君の望むようにしてあげよう」 完全な陥落を目前にして湯川は楽しそうに薫に声をかけた 「あ…あぁ…っ!」 腰から湧きあがる疼きに耐えられないように薫が腰を揺らすと 湯川がその様を見ながらニヤリと微笑むと薫の腰を掴んだ 「内海君?ご褒美が欲しかったらちゃんと口にするんだ」 揺さぶる事も、止める事も出来るように湯川は薫の腰を掴んだまま 低く甘く囁く 薫の理性も常識も、全ては湯川の与える快楽の前に屈して 薫は我を忘れて湯川を求める言葉を口にした 「お願いです…先生…!動いて…先生の全てを私に下さい!」 陥落した薫に湯川は勝利の笑みを浮かべると、湯川は薫の顔に顔を近づけ 「いい子だ」 と囁くと唇を塞いだ 舌と舌を絡ませ、湯川の唾液が薫の口の中に流し込まれる 「んっ・・・」 苦しそうに薫が声を上げると湯川は唇を離すと同時に激しく腰を動かし始めた 「あっあっあぁ…っ!」 研究室の中にぐちゅぐちゅと湿った音が響き渡る 薫の中を湯川の熱が責めたて、薫の手が縋るように湯川の背中に廻された 湯川が薫の中を出入りする度に薫の愛液が溢れ、零れた愛液がソファの上に流れて行く 「はっ…あぁ…っ…せん…せぇっ・・・!」 快感に潤んだ瞳の薫に呼ばれ、湯川の僅かに残った理性は瓦解し 薫の望むままに湯川は自身を叩き付けた 「ああぁぁぁっっっ……!!!」 薫のつま先がピンと伸び、快感に打ち震えながら湯川をキツク締めつける 体を仰け反らせる薫を見ながら湯川は楽しげに薫の乳房に手を伸ばすと つんと天を仰ぐ薫の乳首を指先でぴんと弾いた 「あぁっっ!」 薫の秘所が一際強く湯川を締めつけると薫の手が何かを掴もうとするかのように 湯川の腕に爪を立てた その痛みが辛うじて 持っていかれそうだった湯川を押し留める 「やぁぁぁっっっ…!」 上り詰めた薫の声が部屋中に響き渡った 柔らかく締め付け続ける薫の中を堪能しながら、肩で息をする薫の髪を撫で上げながら 湯川は楽しげに、快感に染まる薫の顔を見つめた 「内海君?これで終わりだとは思っていないだろう?」 SS一覧に戻る メインページに戻る |