君の魅力は、僕に理解ができそうだ(非エロ)
湯川学×内海薫


「先生って、女性の魅力を分かっていませんよね。」

実験室でまたもやカタコトやってる先生に向って私は一言そう呟く。
すると、さっきから聞く耳持たずだった先生が私の方を振り向く。

「突然何を言い出すんだ君は。」
「なっ!突然じゃありませんよ!さっきからずっと呼んでました!3回ぐらい!」
「ああ、それは済まなかった。あまりにも忙しかったもので。」

……本当に失礼な人だ。
3回も呼ばせといて、その反応はひど過ぎる。
………そうだ。

「ふふっ、教えてあげましょうか、先生。」
「……何をだ。」

食いついてきた、心の中で一言呟く。
そして私は「ちょっと来て下さい」と、先生を誘導して個室に入る。

ガチャリ

鍵を掛けた音が密室に響く。

二人きり、
…………今なら、今ならできる。

そう悟った私は小さく、だけど強く、先生の耳元で呟く。

「教えてあげますよ、女性の魅力を。」

先生が私の方を真顔で見つめてくる。

「君は一体、何を言って」

先生が発したその言葉は最後までは続かなかった。
それは私が、深く、そして熱くて溶けそうな、
キスをしたから。

「……ん、……ぷはっ。」

名残り惜しそうに唇が離れる。
一瞬、銀の橋が唇と唇を繋ぎ止めていたような、そんな気がした。

「えへへ、……女性の魅力、伝わりましたか?」
「………よく分からなかった。……だから。」

そして、先生は耳元で囁くように言い放つ。

「もっと、君をくれ。」

「……しょうがないですね、先生は。」

先生は私の言葉を聞き終え、ゆっくりと近くにあったソファに私を押し倒す。

「……あ。」

近いようで遠かった先生が、こんなに近くにいる。
私の鼓動は先生の耳に届きそうなほど大きくなっていた。

「……内海君、君は、……実に美しい。」

一言そう言うと、先生は私の唇に優しく自分の唇を重ねた。

「……ん、……!?」

口の中に入ってくる異物感。
……これって!?先生の……舌!?

「ん、……ふぅ……っ!」

先生はぎこちないながらも、優しく愛してくれた。

「………ぷはっ。」

そして唇が離れる。
銀色の橋が私と先生を繋ぎ止めるかのように名残り惜しく消えていく。

「………せん、せ……?」

先生の方を向いてみると少しだけ優しく微笑んで私に告げる。

「……女性の魅力は僕に分かりそうにないな、残念だったね内海君。」

分かりそうにない、……それって私の事は好きになれないという意味だろうか。
……先生が喋り出すのを待ってると、私をギュウッと痛いぐらいに抱きしめてくる。

「……え?」

突然の事に驚きの声しか出せない私を差し置いて、先生は囁く。

「……女性の魅力は僕には理解が出来なかった。……でも。」

でも?

「君の魅力は、僕に理解ができそうだ。」

その先生の不意打ちに、胸が熱くなるばかりだった。






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