寒い寒い…(非エロ)
村井茂×村井布美枝


今日は大晦日
すずらん商店街でお買い物しちょったら、みちこさんに会って、丸いお餅をいくつかいただいた

「つきたてよ〜
夏に帰省するから、年末年始は東京に残るって太一君、うちにきて餅つき手伝ってくれたの」

嬉しそうに話してくれて、なんだかこっちまで温かい気持ちになる

「お宅は、ご実家にご実家に里帰りされるの?」
「いいえー我が家の国家予算では里帰りは無理ですけん
夫婦2人こっちで慎ましく新年を迎えようと思っちょります
うちの人も正月はゆっくりしたいからって今夜は徹夜するって言っちょりました
だけん夜食もかねて温かい年越し蕎麦を作ろうと思っちょります♪」
「そう〜それだったら、うちでささやかだけれど新年会やろうと思ってるの
先生に読者の集いの時のお礼もしたいし…夫婦でいらっしゃいな」
「ありがとうございます。ぜひうかがいます」

「ただいまー」

家に着いて荷物をおろし
いただいた丸いのお餅を重ねて鏡餅にして飾ってみると、ちょっこしお正月らしく見えた♪

仕事部屋を覗くと一生懸命漫画書いている、うちの人の背中が見えた…
この一年この人の背中を見てきた日々を振り返っていた
見つめ過ぎたのだろうか…うちの人が、こちらを振り返って怪訝な顔をして

「そんなところでボーっとなにしちょる?」
「い、いいえーあ、お茶!お茶にしましょう!今日は冷えますけん熱いお茶で暖まってください」
「おぉーええな。」

2人でお茶をすすっていると、ふと…うちの人の足元に目がいった

「あら!靴下に穴開いちょります。縫いますけん脱いでください」
「脱いだら寒い。ええ」
「開いたままではもっと寒いですよ。あなたがお茶飲んでる間に終わらしますけん」

渋々靴下を脱いで渡してくれた

「んっ?鏡餅かー久しぶりに見たな」

そう言って立ち上がり鏡餅に顔を近付けた

「みちこさんにいただきました。まだ柔らかいですけん触ったらいけんですよ」

靴下を繕いながら応える

ムニュ…ムニュムニュ「72点」ボソッ…

「しかしこれはアレに似ちょるな」ボソッ…

「?どうかしました?」「いや」
「そうですか」

「今日は冷える…手がかじかんでいけん」

そういいながら私の後ろにやってきた
きっと靴下の催促だろう

「そげですねー雪ふるかもしれませんね……はい、靴下できましたよ」

顔を上げたと同時に胸元にするりと、何かが入ってきた

「きゃ!あなた!どこに手ぇ入れちょるんですか」
「こう手が冷えては漫画を書くのも大変だけん。あんたがちょっこしあっためてくれ」
「もぉー」

仕事と言われたらこちらはむげに出来んことをこの人はよぉ知っちょる

ふいに胸の柔らかいところを指でつつきながら

「………ボソッ…点…」
「??はい?」
「なんでもない。我が家にはえぇ鏡餅があるから正月が楽しみじゃな」
「はぁ???そげですか…」






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