村井茂×村井布美枝
トントントン…トントントン… ネギを刻む規則正しい音に誘われて 茶の間で座布団を枕にスヤスヤと眠っていた茂が目を覚ました 「んっ…」 ボサボサ髪をかきながら起き上がると掛けられていた毛布がずり下がる ボ〜ッと焦点定まらない目で辺りを見渡す 「あら。」 「俺…寝てたんか?」 「えぇ。気持ち良さそうに、よう寝ちょってましたよ」 「そげか…んっ…もう夕方かぁ」 「もう少ししたら夕飯出来ますけぇ。お茶飲まれますか?」 「んぅ…んっ…ええ」 眠くはないが、ゴロゴロと寝転がってみる このところの慌ただしさからやっと解放されて久々の休日といったところの茂だった トントントン…トントントン… なにげなく音がする方に目を向けてみる 野菜を刻む音も 寝てる間に掛けられていた毛布も独身の頃には無かったものだ 日常の何気ない事に結婚したのだと改めて実感する 日頃は、ご飯が出来て呼ばれるまで仕事部屋に籠っているのが常なので 布美枝が料理をする姿を目にするのは案外初めてかもしれんと、のんびり考えながら眺めていた 幼い頃は近所の悪ガキに『電信柱』と揶揄され 夫にも『一反もめん』にたとえられた長身の布美枝にとって古い日本家屋の台所は小さすぎた そのため何か作業する度に人一倍、前屈みになったり 腰を曲げたりしなければならなかった その度に丸みのあるお尻が自然と強調され スカートの裾もヒラヒラと揺れる そんなつもりは無かったはずだが男の悲しい性なのだろうか 体制を何度も変えながらついつい覗きこんでしまう 布美枝が火加減を見ようと屈んだ拍子にチラリと茂のお目当ての物が目に飛び込んできた 「………白か……一反もめんだけあって、よう似合っちょる」ボソッ 「はい?何か言いました?」 「いや。なんも言うちょらん」 「そげですか」 特に気にする風もなく料理を続けた 旨そうな匂いにつられて、もそっと起き上がり台所の鍋をのぞいてみる いろんな野菜がコトコト、コトコト煮えていた 「煮物かぁ。うまそうだ」 「よぉ煮たんで味が染みちょりますよ。一つ味見してみますか?」 「あぁ」 布美枝が鍋から野菜をひとつ箸でつまんで 「熱いですけん」と、ふぅーふぅーと冷ましてから茂の口に運んでやる 素直に『あ〜ん』と口を開ける姿は、まるでエサを待ちわびる雛鳥のようで布美枝は、思わず笑ってしまった 「どげですか?クスクス」 「ええ。よう味が染みててうまい!」 「そげですか。クスクス」 「なんね?なに笑っちょる?」 「いいぇなんでもなかですよ。クスクス」 「うそつけっ。言え!」「クスクス。うちには手のかかる大きな子どもがいるなぁと…フフフッ」 「俺か?40男になに言うちょる」 「いまの『あ〜ん』は、可愛らしかったですけん。」 「かわいい言うなっ!」 「はいはい。すんませんでした。クスクス…危ないですけん、あっちで座って待っちょってください。フフッ」 言いながら茂に背を向け鍋の火を消す 布美枝に軽くあしらわれ、ムッとした茂が布美枝の背後から抱きついて反撃に出た 「きゃっ!なんです!危ないですよ」 「ふんっ。俺が子供なら、あんたは母親じゃろ?甘えとるんじゃ」 「えぇぇ!これじゃ夕飯の支度出来ませんて!」「知るかっ!!子供扱いしたんはそっちだ!」 「すんませんて!私が悪かったです」 そう言いながら顔だけ振り返った布美枝のブラウスの第一ボタンが緩んでいたのか、ぷつりと外れた 布美枝は気付いていない 開いた襟元から胸の谷間が見えて茂はドキリとする 困ったように見上げてくる瞳や 半開きの口元が誘っているように見えてきて茂の体に火を灯してしまった 茂は、ぐっと布美枝に体を押しつけより密着させた 布美枝は流し台と茂に挟まれてしまい身動きが取れない 茂の腕がスッと布美枝の体から離れたかと思うと 次の瞬間 「!!」ススッ…と、尻を撫でられ驚き 何か言いかけた布美枝は、身を捩ろうと動いた 不意に項に生温かい茂の吐息を感じて背筋に電流が走り身震いして言葉にならない それに気付いた茂は、すかさず首筋に唇を這わせたり 耳朶を甘噛みして攻撃してくる 「んっ…ふっ…」 布美枝は流しの縁を力一杯掴んだり、下唇を噛んで快楽に流されそうになる自分をなんとか押しとどめようとする そうこうしているうちに、だんだんと素足に風を感じ、スカートを捲り上げられ手が忍び込んで内腿を擦ったり 下着越しに布美枝の敏感な部分を撫でられているのがわかった 「ちょっ…待ってください!ちょっこしイタズラが過ぎますっ!」 必死に訴える布美枝のお尻に茂は、熱くなった自身の下腹部を押し当てる 「!!!」茂がすでに戯れだけでは済まないと知ってうろたえる布美枝 「あんたが誘ってきたんだろが」 「さ、誘って…なんて…んっ…」 「ほれ、見てみぃ」と、襟を広げられ布美枝にも自分の胸がはだけているのがわかった 更にブラウスのボタンを一つずつ外され 柔肌を掴まれ、揉まれ、乳房が茂の思うがままに形を変える すでに立ち上がって固くなり始めた胸の先端を指で弾かれ 思わず声が漏れる くるりと体の向きを変えられ布美枝は茂と向き合う 布美枝は懸命に両手で茂の胸を押して抵抗しようとするが 腕に力が入らず、茂はぴくりとも動かない むしろ体を押しつけられ手を動かせなくなってしまった 「あ、あな…た…ごげなとこ…ろで…いけ…」 茂は、唇を合わせて布美枝の言葉を封じる 布美枝は逃げようとするが後頭部に手を添えられ固定されては動けない 布美枝が息苦しさに思わず口を少し開くと茂は、すかさず舌を捩じ込んできた 「んっ…ふっ…」 言葉にならない声が漏れ部屋に響く 布美枝の膝は震え立っていられなくなり流し台に寄り掛かっていた 手をついた拍子に台に上がっていたまな板と包丁は派手な音を立てながら流しに滑り落ちていったが、2人の耳には届かないほど激しく淫らに舌を絡ませあっていた 茂の支えがなければ床にに崩れ落ちそうな布美枝の腰に腕を回して少し抱き上げて 流し台に腰を下ろさせる はだけたブラウスから零れて揺れる乳房に誘われて思わず吸いつく きゅっと軽く歯を当てられ思わず布美枝は体をのけ反らせる とうに布美枝は抵抗する気も失せて茂と快楽に身を任せていたが… うっすらと目を開けると天井が映った ……………………!! 今日は、2階に居候の中森がいることを思い出し布美枝は慌てて茂に伝える だが茂は「声だけ我慢せい」と、言うだけで止める気配はまったくない 乳房に吸い付きながら 手は布美枝の下腹に手を伸ばしていた 布美枝の下着はすでに甘い蜜にしっとりと濡れていた 茂は半ば強引に下着剥ぎ取り床に投げ捨てる 布美枝は足を閉じようとするが 茂は、それを許してはくれなかった 左足を持ち上げられて流し台の上に乗せられ 茂の眼前に布美枝の秘所が晒された 恥ずかしさのあまり布美枝は涙を零すが 茂は構わず、もう片方の足も流し台の上に上げてより足を開かせる いつもは夜、薄暗い部屋の布団の中で交わるため茂も布美枝の秘所を明るい中でじっくりと眺めるのは初めてだった 親指で恥豆を擦りながら布美枝の顔を見上げると髪を振り乱し、涙で頬を濡らしながら 手の甲を噛んで声を押し殺して堪える姿に興奮した とめどなく蜜を溢れさす泉に中指を差し入れて、ゆっくりと動かすと ビクリッと布美枝の体が跳ねる ――熱い…指がとろけていまいそうだ―― 何度も何度も指を差し抜きする その度に淫猥な水音がグチュグチュと部屋にこだまする もちろん布美枝にも聞こえているのだろう 懸命に羞恥に耐え顔を背け目を固く閉じていた ビクッ「!!」 指とは明らかに違う生温かく柔らかな感触に驚き目を開くと なんと 茂が布美枝の秘所に顔を埋めて舌で愛撫していた! このような愛撫をされるのは初めてで、布美枝は驚きを隠せない 茂の肩を掴んで押し戻そうとしながら 「いけん…そげな…とこっ…あっ…あぁ………んっ!きたな…い……い…けんで…す…よ!……やめっ……や…めてご…しなぃ!はっ…あぁ…!」 茂は、むしゃぶりついて離れようとしない 布美枝はあまりの刺激に気が狂いそうになり、泣きながら髪を乱れるのも構わず 頭を左右に振る 茂は、やっと顔を離して右手で軽く口を拭ったが、まだ口の周りは濡れていた (あれは…私の…はぁ…あげなこと…) 茂もかなり限界まできていた ちらりと部屋を見回し先程の毛布の上に布美枝を寝かせようと流し台から下ろした 布美枝はよろけて茂の肩にもたれかかり乱れる息を整えながら、ぼんやりと目を開く 「いやっ…!」 急に茂のシャツを握り締め、胸に顔を埋め震える布美枝 布美枝を落ち着かせるため背中を優しくさすりながら なにごとかと慌てて問いただす茂に 「あぁ…いけんですよ……おばばが…おばばが見ちょります!恥ずかしくて耐えられん…駄目です…」 茂が振り返ると棚の上に布美枝の亡き祖母の写真が飾ってあった 「あぁ。ははっ!そうか。なら…見えんよう、あんたはそっち向いとけばええ!すまんが…俺も我慢できん」 と、茂にしがみつく布美枝の体の向きを強引に変え 流し台に手をつかせた 布美枝は、力が入らず自身を支えていることが出来ず流し台に上半身を投げ出すようになだれ込む ひんやりとした台の冷たさが火照った体に心地よく、ほぅ…と一息吐き出すと同時に後ろから茂に一気に最奥まで貫かれた 「!!!はぁっ!…あっ…あぁぁぁ!」 慌てて手で口を抑えるが突かれる度に淫らに声は漏れるばかり どうすることも出来ない 茂は、攻める手を緩めてくれず 後ろから手を回し布美枝の恥豆を弄ぶ 泣き叫びたくなる衝動を抑えきれない布美枝は力を振り絞って蛇口をひねる 勢いよく水が溢れ流しを叩く音が 布美枝の声をかき消してくれた 2人は一緒に果てて茂は布美枝の中に迸る熱いものを吐き出した 茂は布美枝から自身を抜くと 腿をつたってドロリと滴り落ちる 布美枝は床にへたりこみ子供のように泣きじゃくる 茂は、蛇口を捻り水を止め 布美枝の前にしゃがみ込んで、そっと抱きしめる そんな茂の胸をポカポカ叩きながら 「うっ…うえっ…ご…げな明る…い……こげな…うぅっ…ところ…で…ひくっ… おばばも…えぇ…ん…見とる…の…ぐすっ…にぃ」 「あぁ悪かった…よしよしっ しかしなぁ〜俺が子供なら、こんなに初心なあんたは、まだまだ赤ん坊じゃな。あはははっ」 「もぉ…うぇぇぇえん…ひっく…ぐすっ」 茂は日が暮れても布美枝の気が済むまでいつまでもいつまでも抱きしめていたとさ SS一覧に戻る メインページに戻る |