茂のたくらみ再び
村井茂×村井布美枝


あれから半月近く後・・・。
今日の締め切りに間に合わせるため、明け方まで仕事をしていた茂は、
好きなだけ眠れるように仕事部屋に敷いた布団で、昼近くまで惰眠を
むさぼっていた。

ふと目覚める。台所ではフミエが昼食の支度をする音がしている。
茂はしばらく考え事をしていたが、起き上がってフミエを呼びつけた。

「おーい、ちょっこし、手伝うてくれんかね。」
「はーい。」

フミエはエプロンで手をふき、火を止めて仕事部屋のフスマを開けた。
布団の傍らに座ったフミエを、茂がいきなり抱きすくめた。

「てっ・・・手伝うてくれって・・・?」

戸惑うフミエに、茂は起き抜けにみなぎっているものを誇示してみせた。

「こげなっちょるけん、あんたがしずめてくれや。」
「こっ・・・こげな明るいうちから、やめてごしない。」
「前にも、明るい時にしたでなーか。」
「あれは・・・朝、起きた時ですけん。今は昼ひなかですよ?
誰か来たらどげしますか?」
「下宿人はどうしちょる?」
「今朝早く、出版社まわりをすると言って出かけられました。」
「そりゃええ。夜まで帰って来んわ。電車賃がもったいないけんな。」
「でも、お客さんが来たら・・・。」
「そげに気になるんなら、玄関しめてこい!」

フミエは、着衣の乱れを直しながら玄関の鍵を閉めに行った。
わずかな愛撫で火をつけられ、茂に抱かれる為に玄関を閉めに行くという
行為の淫靡さに、歩くのがつらいほど感じてしまっていた。

部屋にたどり着くと、茂は寝巻きを脱ぎ捨てて布団に入り、頭から
すっぽり掛け布団をかぶっていた。

「見んようにしとってやるから、早やとこ脱いで来い!」

フミエはあわてて服を脱ぐと、きちんとたたもうとしたが、布団から
出て来た腕に引きずり込まれた。

抱きしめられ、口づけされる。素肌と素肌のふれ合うここちよさに、
ずっとこうしていたい気持ちになるが、茂は性急にフミエの両腿を
ヒザで割った。ヒザが濡れるほどしたたらせているのを知ると、先ほど
見せつけた昂ぶりを突き入れてくる。
一気に根元まで突き入れられ、フミエはうめき声をあげた。
これから加えられるであろう責め、与えられる快感を半ば恐れ、半ばは
期待しながら待っていると、茂がフミエの両腿を極限までひろげ、
抱えあげるようにして自分の太腿の上に乗せた。

これでは、つながっているところが、まる見えになってしまう・・・!
あわてて上体を起こそうとすると、肩をつかまれて引き起こされ、茂の
ヒザの上に乗せられてしまった。
明るい日ざしの中、茂の顔とまぢかに向き合う恥ずかしさに、フミエは
目を伏せた。

下から貫いているものが、自分の体重でさらにもう一段めりこんでくる。
フミエは唇をかんで耐えた。

茂は、ねっとりとひとつ口づけをくれると、

「これなら、いくらでも抱きつけるし、セップンもし放題だ。ええだろ?
ただ、ひとつ難を言うと・・・あんたが動かんと、始まらんということだ。」

そう言ったくせに、そのまま後ろに寝そべってしまった。
フミエはすがるものもなく、取り残されて途方にくれた。
ただ下から貫かれているだけでも、たまらなく感じるのに、このうえ自分で
動くなんて、出来っこない。泣きたい気持ちを押しとどめたのは、

「何でもお手伝いします。」と言う自分の言葉だった。

フミエは、茂がいつも自分にしていることを思い出し、ヒザをついて
おそるおそる腰を上下に動かしてみた。

「・・・・・・っ!」

ぬるつく自分の入り口と、そこに出入りする茂を否応なく意識させられ、
ひどく感じるうえに、慣れぬ動きにすぐ疲れてしまい、息があがった。

「無理に俺のマネをせんで、自分のエエ所を探して動けばええよ。
疲れたら、代わってやるけん。」

それならばと、今度は前後に動かしてみる。・・・敏感な部分がこすれて、
ますます自分で自分を追い込んでしまい、茂の胸に手をついて、
結合部分から全身にひろがってくる快感をやりすごした。

下から見上げている茂にとって、新妻が自分の上でつたない技巧をつくし、
かえって自分で自分を追いつめて乱れるさまは、このうえない目の
ごちそうだった。目からの刺激が加わって、あなどっていたフミエの
手管に、ややもすればもっていかれそうになる。

フミエは、涙にぼやける目で茂を見おろした。茂は、さきほどの余裕の
ある口ぶりはどこへやら、目を閉じ、眉をひそめて時折乱れる息を
おさめながら、何かを必死にこらえる表情をしていた。

(感じてくれとる・・・?!かっ・・・かわいい!)

10歳も年上で、いつもフミエを引っ張っていってくれる茂。とりわけ
夜の生活では、何もかもを茂に教え込まれ、フミエの初めては、すべて
茂のものだった。そんな茂が、自分の責めに、感に耐えぬという表情で
必死にこらえている。
うれしくて、つい責める腰に力が入った。だが、それがいけなかった。
フミエは激しく感じ、のけぞって後ろに倒れそうになった。
茂があわててヒザを立てて支えてくれる。

「あなた・・・私、もう・・・。」

茂は上体を起こしてフミエの両腕を自分の首にまわさせると、

「なんだー、もう降参か。しょうがないなあ。ほんなら、俺の首ッタマに、
しっかりつかまっとけよ。」

後ろに片手をつくと、ひと突き、ふた突き、大きな力で突き上げた。
ただのふた突きで、フミエは自分では越えられなかった壁を乗り越え、
絶頂に達した。甘い悲鳴を耳にここちよく聞きながら、茂も熱情の
たぎりをフミエの奥深くたたきつけた。

しばらくの間、きつく抱きあったまま息をととのえていた二人は、
深く唇を結びあわせた。まだ息がおさまらないのにむさぼりあうものだから、
くるしくてハアハア言いながら思わず笑いあった。お互いに、いとおしくて
たまらなかった。しばらくして、茂が聞いた。

「エラかった(しんどかった)か?」
「・・・はい。男の人って、大変なんですね・・・。でも、アノ・・・私、どうでしたか?」

茂は内心、思わず吹き出した。フミエの手管など、かわいいものであり、
茂を感じさせたのは、その肉身の柔らかさと、たくまざる媚態の方だったからだ。

「初めてにしては、よかったぞ。」

茂は、笑いをこらえながら、それでも新妻をほめてやった。

「ふふ・・・。あなたがイキそうなのをこらえとる顔見たら、私、かわいいなって・・・。」
「なっ・・・?!///」

茂は思わぬフミエの言葉に、激昂しそうになった。その時、

「キューッ!グルグルグルッ」

茂のお腹が派手な音をたてた。

「たいへん!お昼の用意しとるとこだった!お腹、すいたでしょう?」

フミエはすばやく身支度をととのえると、台所へ立って行ってしまった。
ひとり取り残された茂は、

(かっ・・・かわいいだと?あげにメロメロになっとったくせに、エライ余裕
じゃなーか・・・?これだから女は油断ならん!今度は、そげなヒマがないほど
メッチャクチャにしてやるけん、覚えちょけよ!)

「は〜・・・、しかし、朝メシを食うとる奴にはかなわん・・・。」

茂はまぬけな姿をさらしたまま、またしてもよからぬ考えをめぐらせ始めた。

おばば:「あのなあ茂さん・・・男というもんは、女房にかわいい、思われとるのが
いちばぁ〜ん、得というもんなんですよ・・・。
ま、今にわかるようになるでしょうが。
それまでは、せいぜい、たぁ〜んと、おしげりなされ。」






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