ニケ×ククリ
「今すぐじゃなくていいから・・・将来・・・け、けっ・・・結婚・・・してほしいっていうのか・・・その・・・。」 「・・・えっ!」 この時代、結婚を制限するものは何一つ無い。ニケやククリもそう幼いわけではないし、 今すぐ結婚したところで至って問題は無い。 「・・・だめ?」 思い切って言ってしまったが、後々ククリの返事がどうなるのか分からない、という不安が生じた。 たとえククリがニケのことを好きであろうと、OKの返事がもらえるかどうかは分からない。 もしかすると断られるかもしれない。そういう不安にニケは襲われていた。 「勇者様・・・」 「・・・ん?」 「その言葉・・・ずっと待ってた・・・。」 「つまり・・・その・・・OKって・・・こと?」 「・・・当たり前じゃない・・・。」 ククリの瞳から涙がこぼれる。 「うれしい・・・うれしいよぉ・・・。」 最初はすすり泣き程度だったが、次第に号泣になっていく。 「やっと・・・やっと勇者様が・・・結婚してくれるって・・・言ってくれたぁ・・・」 「・・・オレも・・・うれしいよ・・・」 「最初は・・・断られるかと・・・思っちゃった・・・。」 ニケの目からも涙がこぼれる。 「やっと・・・やっとククリと・・・一緒になれるんだな・・・。」 「・・・そうね・・・ずっと・・・待ってたんだから・・・。」 2人とも泣き止むと、まずは服を着直す。 流石にだんだん寒くなってきているこの季節、裸では寝られない。 知らぬ間に嵐は去り、外は満天の星空である。 そして2人同じ布団に入り、枕を並べて寄り添いながら、ゆっくりと眠りについた。 次の日、天界には雪が降った。今年初めての雪だ。 農作業に出ていたニケが戻ってくると、部屋からククリが飛び出してきた。 「あ、勇者様!」 「ん?何?」 「これ、勇者様のために作ったの。」 差し出されたのは暖かそうなセーター。ちょっと下手な出来だが、着る分には問題ない。 「へー、ククリはこんなの作れるんだ。ありがとう。」 「どういたしまして。」 ニケは農作業で汚れた服を着替えると、さっきククリにもらったセーターを着てみる。 「結構かっこいいじゃん。」 「そう?よかったぁ・・・。」 ククリも一安心する。 「あのさあ、ククリ・・・。」 「何?勇者様?」 「こんなの作ってもらっちゃって悪いから・・今晩も・・・その・・・しない?」 「・・・いいよ。」 「いやー・・・昨日の晩してから・・・どうも病みつきになっちゃったみたいで・・・。」 「・・・もう、勇者様は本当にえっちなんだから・・・。」 そう言いながらも受け入れるククリもククリである。 さて、今晩はどうなるのやら・・・。 SS一覧に戻る メインページに戻る |