天界の生活-3
ニケ×ククリ


「今すぐじゃなくていいから・・・将来・・・け、けっ・・・結婚・・・してほしいっていうのか・・・その・・・。」
「・・・えっ!」

この時代、結婚を制限するものは何一つ無い。ニケやククリもそう幼いわけではないし、
今すぐ結婚したところで至って問題は無い。

「・・・だめ?」

思い切って言ってしまったが、後々ククリの返事がどうなるのか分からない、という不安が生じた。
たとえククリがニケのことを好きであろうと、OKの返事がもらえるかどうかは分からない。
もしかすると断られるかもしれない。そういう不安にニケは襲われていた。

「勇者様・・・」
「・・・ん?」

「その言葉・・・ずっと待ってた・・・。」

「つまり・・・その・・・OKって・・・こと?」
「・・・当たり前じゃない・・・。」

ククリの瞳から涙がこぼれる。

「うれしい・・・うれしいよぉ・・・。」

最初はすすり泣き程度だったが、次第に号泣になっていく。

「やっと・・・やっと勇者様が・・・結婚してくれるって・・・言ってくれたぁ・・・」
「・・・オレも・・・うれしいよ・・・」

「最初は・・・断られるかと・・・思っちゃった・・・。」

ニケの目からも涙がこぼれる。

「やっと・・・やっとククリと・・・一緒になれるんだな・・・。」
「・・・そうね・・・ずっと・・・待ってたんだから・・・。」




2人とも泣き止むと、まずは服を着直す。
流石にだんだん寒くなってきているこの季節、裸では寝られない。
知らぬ間に嵐は去り、外は満天の星空である。

そして2人同じ布団に入り、枕を並べて寄り添いながら、ゆっくりと眠りについた。


次の日、天界には雪が降った。今年初めての雪だ。
農作業に出ていたニケが戻ってくると、部屋からククリが飛び出してきた。

「あ、勇者様!」
「ん?何?」
「これ、勇者様のために作ったの。」

差し出されたのは暖かそうなセーター。ちょっと下手な出来だが、着る分には問題ない。

「へー、ククリはこんなの作れるんだ。ありがとう。」
「どういたしまして。」

ニケは農作業で汚れた服を着替えると、さっきククリにもらったセーターを着てみる。

「結構かっこいいじゃん。」
「そう?よかったぁ・・・。」

ククリも一安心する。

「あのさあ、ククリ・・・。」
「何?勇者様?」

「こんなの作ってもらっちゃって悪いから・・今晩も・・・その・・・しない?」
「・・・いいよ。」
「いやー・・・昨日の晩してから・・・どうも病みつきになっちゃったみたいで・・・。」
「・・・もう、勇者様は本当にえっちなんだから・・・。」

そう言いながらも受け入れるククリもククリである。
さて、今晩はどうなるのやら・・・。






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