がんばれ東海林くん(非エロ)
東海林武×大前春子


とっくり、俺より年上だったのか・・・。

いや、考えてみれば横柄で上から目線で
あんなふてぶてしい態度は若い女がとる態度じゃないし
あの資格の数々を取るにも相当な時間がかかるよなぁ。

俺、年上と付き合った事が無いからな・・・どうしようかなぁ。
あ、まだ付き合ってないから心配しなくてもいいのか。

しっかし、なんであんな怪物好きになったんだろ。
たしか俺のタイプはいつも笑顔がふわっとしてて可愛いくて
俺にいつも甘えて頼ってくれる年下の女の子。
ちょうど、もう一人のハケンの子みたいな。

・・・あれ?

そうだよな。
考えてみれば森さんの方が完全に俺のタイプだよな。
何でそっち行かなかったんだ?
あの怪物の大前春子があまりにも強烈すぎて
すっかり気を取られてたよ。

あの子だったらなんか頼りがいあるオレって所を見せたら
結構好きになってくれそうな感じだしな。
よしっ!!ケンチャンも誘って森さんとお昼に・・・。


「東海林主任」


突然、俺を呼ぶとっくりの声。

「うわっ!!でた!!ごめんなさい!!もう浮気はしません!!」
「は?」
「いや、何でもないっ!!」
「・・・突然ですが、ウェービーなタフガイに頼みごとがあるのですが」
「え?」

もうね、ガッカリだよ、俺。

なんで俺がとっくりの真上の「電気」が切れたからって
ハシゴにのぼって交換してやってるんだろ。
背が高くて落ちてもタフそうだからという理由を言われて
ちょっとだけ得意げになってしまったからなのか?
絶対にこいつは俺をバカにしてるに違いないのに。

でもなぁ・・・。
なんでいつもコイツには負けてしまうんだろ?
勝ちたいのに勝てない。

こんなんじゃ、俺、1ヵ月後は
どうなってるんだろ。

99%失恋かもだけど、
こんなに本気になってるんじゃ
きっと泣くな・・・俺。


◇ ◇ ◇


ハシゴの下で黙々と電卓を叩いている春子と
文句を言いながらも交換している東海林。

美雪はそんな変な光景を見ながら、
不思議そうに近に話しかけた。

「近さん〜東海林主任はなんで楽しそうに笑いながら、
電気換えてため息ついてるんでしょう」
「そうだねぇ〜男はね・・・」

近もそんな変な光景を見ながら
にっこりと笑顔で答えた。

「・・・負けてもいい相手には、絶対に勝てないんだよ」






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