とっくりとくるくるの7日間1〜(非エロ)
番外編


とっくりとくるくるの7日間

春「俺とっくりになっちまったのかよ!」
東「…私としたことが」
春「俺もこれでマグロ解体したりトラック運転したり
何でもできるんだな!!」
東「あなたのくるくるパーな頭では無理です」
春「なんだと!じゃあ俺の体でお前が運転してこい!」
東「あなたは資格がないので運転できませんが何か?」


賢「東海林さーん、お久しぶりです〜」
春「賢ちゃん!!会いたかったよ〜」
賢「ええっ!?大前さんどうしたんですか?」
春「賢ちゃん、俺とっくりになっちまったんだよ」
東「どうやらそのようですが何か?」
賢「ええっ!」



とっくりとくるくるの7日間 2

賢ちゃん「どうして入れ替わったりしたんですか?」
春「とっくりとぶつかって気が付けばこうなってたんだよ」
東「あなたはいいかもしれませんが私はこんなくるくるパーマに
なってしまってもう生きていく自信がありません」 
春「賢ちゃん、とっくりの奴あんなこと言いやがって生意気だな」
賢「東海林さん、今は東海林さんが大前さんでしょ?
あと大前さんの姿でくっつかれると照れちゃうよ…」
春「そっか、おれ今とっくりなのか…
それが何か!?、って一回言ってみたかったんだよなー」
東「人の体で遊ばないで下さい!とりあえず私はあなたの仕事を
こなしますのであなたは私の仕事をやってください。」
春「わかったよ、それでこれからの仕事はなんだ?」
東「スーパーで新製品のウグイス嬢です。」
春「…ウグイス嬢?」


とっくりとくるくるの7日間 3
賢「大前さんの東海林さん、ウグイス嬢大好評だったね」
春「まぁな、マツケンのモノマネなんかおばちゃんに大ウケだったな」
賢「篠原涼子の歌マネもすごい面白かったよ」
春「女の声だと歌いやすいんだよ。女でいるのも結構悪くないなぁ」


東「私は大迷惑ですが、何か?」
春「びっくりした!お前なぁ俺の体で瞬間移動するんじゃねえ!」
東「たまっていた仕事全部終わらせましたが何か?」
春「早いねぇ〜さすがとっくりだな、このまま俺の体でバリバリ
働いてくれよ」
東「嫌です」
賢「まあまあ二人とも、僕もそろそろ帰りますね。
あ…そう言えば家はどっちに帰るんですか?」

春東「家!?」



とっくりとくるくるの7日間 4

春「わりぃ、ちょっと用事思い出したからその話は後で!」
賢「ちょっ、東海林さーん!じゃない大前さん!」
東「……」


スーパー銭湯


春「いや〜俺って頭いいなぁ。とっくりの体で
女風呂に入ったら裸見放題じゃないか!」
店員「いらっしゃいませ〜何名様でしょうか?」
春「あ、あの〜女性、一名で」
店員「後ろの方も一名様ですか?」
春「へ?後ろ?」




東「あなたはこんなときに何をしているんですか?」
春「とっくり!?」
東「あなたの考えそうなことはお見通しです!さっさと家に帰りますよ!!」
春「はいっっっっ!!!」


とりあえず春子の家へ向かうことになった二人…。



とっくりとくるくるの7日間 4

東「本当にあなたは思考もくるくるパーマですね」
春「今くるくるパーマなのはお前だろ…折角いいところだったのに」
東「…」
春「どうした,急に立ち止まって」
東「トイレ…」
春「ん?トイレなら行ってくればいいじゃないか」
東「どっちにはいれば良いんですか…」
春「どっちって、そりゃお前は今男なんだから男子トイレだろ」
東「そんな男ばかりのところでトイレだなんて私としたことが…」
春「いいから早く行って来い!!!」




ジャー。



東「……」
春「おお、スッキリしたか」
東「あなたは…」
春「なんだよ、まさかちびったのか?」
東「あなたは態度がでかい割にはあそこは小さいんですね」



春「ちょ、おま見やがったなーーーーー!!!」
東「プッ」



とっくりとくるくるの7日間 5


―とっくりの家。

東「どうぞ。」
春「お邪魔します…ってお前の部屋殺風景だなぁ。
もっと女らしく花とか置かないのか?」
東「余計なものは置きませんが何か?とりあえずお茶でも入れてきます。」
春「ああ、ありがと」


部屋を離れるとっくり。
その間に部屋を物色するくるくる。

春「しかしこの部屋資格の本と服しかないってつまんねーな。
どっかに下着でも…っていや、だめだだめだ!」
ちらりとタンスを見るくるくる。
春「いや、でも今とっくりなのは俺だし…そうだそうだ
汗かいたし服でも着替えたいなー…」
そう言いながら引出しを開けるくるくる。
するとその中には下着が。

春「うおーーーっ!!!あいつ…結構かわいい下着つけてるじゃねぇか…」
東「何やってるんですかーーーーーーーーー!!!!」
春「うわっ!?」

びっくりして思わず引出しを思い切り閉めるくるくる。
その拍子にタンスの上にあった箱が落ちる。


春「いや、これは違うんだ…そうそう箱が落ちちゃったな」
東「ごまかさないで下さい!ほんっとにあなたは最低ですね」
何とかごまかそうと落ちた箱を拾うくるくる。

すると箱の中からひらりと何か紙が出てきた。

春「ん?なんか落ちたぞ…」
東「…あ!?」


その紙を見て思わず硬直するくるくる。
春「おい、これって…」



とっくりとくるくるの7日間 6


―東京。

賢「東海林さんと大前さん、大丈夫かなぁ」
家に帰っても二人の事が気になっている賢ちゃん。
賢「でもぶつかって入れ替わるなんて
一体なにしてぶつかったんだろう?…そういや
昔同じような映画があったなぁ…」
その映画のことを思い出してネットで検索する。
賢「あ、あった!映画ではどうやって元に戻ったんだろう?
そうだ、東海林さんにも教えてあげよう」

携帯を取り出して東海林に電話する。

プルルル…プルルル…



賢「あれ?出ないや…お風呂にでも入ってるのかな?」
電話を切り、また後でかけなおそうとする。


賢「お風呂…ん?そういえばお風呂はどうするんだろう…?」



とっくりとくるくるの7日間 7

―名古屋


くるくるが落とした箱の中に入っていた紙。

見覚えのある、くしゃくしゃに丸めて広げたような紙は…

春「これ、俺が渡した電話番号じゃねぇか」
東「…」
春「まさか、ずっと取っておいたのか?」
東「…違います、その箱はゴミ箱です。」
春「嘘をつくな、嘘を!どこにこんなちっちぇごみ箱があるんだ!」
東「…」
春「ほんと、訳わかんねぇ女だな。今日だって番号知ってたなら
さっさとかけてこいよ!そしたらあんなややこしい事にならずに済んだのに…。」
東「あんなトラブルを一人で解決できないあなたが無能なんです。」
春「はぁ!?…お前のそーゆーとこがムカつくんだよ!俺の姿で
淡々とバカにしてんじゃねぇ!!」


すると、くるくるの携帯が鳴り出す。
東「電話ですよ。」
春「今はお前が俺なんだからお前が出ろ!」
東「わかりました」


東「もしもし」



とっくりとくるくるの7日間 8


賢「東海林さん…じゃなかった大前さん」
東「里中主任、お疲れ様です」
春「賢ちゃんか!?」
賢「大前さん、僕、二人が元に戻れないかと
いろいろ調べてみたんです」
東「そうですか、ありがとうございます」
賢「それでもとに戻る確率が一番高そうなのは…入れ替わった時と
同じ事をするようなんです、確かぶつかった衝撃で入れ替わったんですよね?
だったらまたぶつかってみてはどうかな、と思いまして。」
東「同じ事…」
賢「ちなみにどんな事をしていてぶつかったんですか?」

東「……」
春「賢ちゃんと何話してるんだ、替われよとっくり」


東「このくるくるパーマが私を押し倒そうとしたので
思い切り蹴ったら倒れこんできて頭をぶつけてしまったんですが
それをまた再現しろというんですね。」

賢「ええっ!?」

春「とっくりーーーー!!お前賢ちゃんに嘘言ってんじゃねぇーーー!!」

東「嘘ではありません」
賢「いや…余計なこと聞いてスイマセンでした。じゃあ今日はこの辺で…」
春「待って、賢ちゃん違うんだ…」

プープー。

春「とっくり…お前」
東「じゃあ、しますか?」
春「え?」
東「入れ替わる前と同じ事です。言っておきますが
元に戻るためにするんですからね。」



ドサッ。



とっくりとくるくるの7日間 9


―入れ替わる前の話


名古屋の養鶏場。
本社に送る名古屋コーチンを視察しに行ったとっくりとくるくる。
東「それにしてもすごい数の鶏だなぁ」
春「そのくるくるパーマとトサカがなんとなく似ていますね。」
東「似てねぇよ!!無理やりネタにするんじゃねぇ!」

すると、養鶏場の人が慌てて駆け出す。

おじさん「た、大変だーー!!オスとメスに分けていたひよこが
混ざっちまったーーー!!!」

養鶏所社長「何ぃーーー!!今日は鑑定士さんがいないんだぞ!?どうするんだ」


春「ヒヨコ…」
東「ヒヨコ鑑定士…どっかで聞いたような…」

バッグから認定書を出し
春「ひよこ鑑定士の大前春子です!!!!」



とっくりとくるくるの7日間 10

入れ替わる前の話 2


一人車で会社に戻る東海林。
春子はひよこの判別をする為後で電車で帰ってくるといって
東海林を追い返した。
東「はぁ…主任のくせに何も出来ないなんて情けないよなぁ。
俺もとっくりみたいになれたら…って、いやあんなブアイソな
女には絶対なりたくねー!」
一人ブツブツ言いながら会社に戻る。

会社に戻ると、もう出発しなければいけないトラックがまだ
残っていた。
東「あれ?まだ出てないのか?また博打に夢中になってるな…」
すると運転手が東海林に駆け寄り
運「大変だー!山さんが腹壊して広島に荷物が届けられねーよ!」
東「何ー!?」

東「よしっ!!ここは俺が替わりに運転…って免許もってねーー!?
…仕方ない、もうすぐ福岡へ配送に出るはずだからそっちに入るだけ荷物押し付けて
途中で寄ってもらってくれ、後は何とか遅らせてもらうよう頼むから。」

東(ああ、こんな時とっくりだったら自分で運転して持っていくんだろうなぁ…)

その後電話をするも、取引先は怒ってしまい結局
取引は止めさせてもらうといわれる東海林。

東「はぁ…また一つ大事な取引先が消えた…」
ため息をついて、休憩室で一服する東海林。
東「そういやとっくりの奴またひよこやってるのか?」
テレビの上にある時計を見て、とっくりの事を気にする東海林。
すると休憩室のテレビからニュース速報が。


―16時頃、名古屋の地下鉄で脱線事故


東「へー?こんな近くで脱線事故かぁ、怖いよな………!?」



とっくりとくるくるの7日間 11

入れ替わる前の話 3


地下鉄での脱線事故。

そのニュースを受けて春子が電車で帰ってくると言ってた事を思い出す。
養鶏場は地下鉄に乗らないと戻ってこれない。

不安になった東海林は養鶏場にに電話する。
しかし1時間ほど前にひよこの判別を終わらせて
帰ったと言う。

東「まさかあいつ、脱線事故に巻き込まれたんじゃ…と、とりあえず
携帯に連絡を…あ、番号しらねぇ!!」
携帯を片手にオロオロする東海林。
東「とにかく病院に…じゃなくて電鉄会社に連絡を…」

ピピピッ


電「もしもし」
東「さっきの脱線事故の車両に大前春子って女が乗っていないか
調べてくれないか?」
電「今の段階ではわかりません、現場に行って確認してください」
東「そんな、今現場に行っても邪魔になるだけじゃないですか?」
電「じゃあ連絡が来るまで待っていてください」
電鉄会社の対応にイラっとくる東海林。

東「待ってられないからこうやって電話してるんじゃないか!
とっくりがあの電車に乗っているかもしれないんだぞ!とっくりに
何かあったらどうしてくれるんだ!!」



「とっくりがどうかしましたか?」
東「うるさい!今とっくりが大変なんだ…ん?」
春「とっくりこと大前春子ですが、何か?」


東「とっくり……?」



とっくりとくるくるの7日間 12

入れ替わる前の話 4


東「と、とっくり…お前無事だったのか?」
春 「地下鉄が止まっていたので競歩で帰ってきました。」
東「競歩って何だ競歩って!!遅くなるなら連絡ぐらいして来い!」
春「さっき事務所に電話したら出ませんでしたが?」
東「さっきまで休憩室にいたんだよ、つーか誰か電話に出ろよ!」
春「で、私に何かあったらどうするんですか?」

東「そ、それは…お前のこと心配して…」

春「さっき聞きましたが広島に運ぶはずの荷物は
私が運んで謝りに行ってきます。」
東「って、聞いたくせに無視してんじゃねー!」

そう言うと颯爽と荷物を運ぶ準備に取り掛かる春子。
その春子を遠目に一人呟く東海林。

東「ちぇっ、心配して損したな」


―次の日。

広島の取引先から電話が。
広「いやー荷物も無事届いたことだしまた取引続けさせてもらうよ」
東「えっ!?ありがとうございます」
広「それにしても、あの大前くんだっけ?女性なのにしっかりしていて
いい従業員じゃないか」
東「とっく…うちの大前が何か?」
広「遅れたお詫びと言ってうちの梱包の仕事を手伝ってくれたんだか
これがものすごく早くてね、正直うちの従業員よりできるね、彼女は
どうだい?ぜひ大前くんをうちの会社に…」
東「いえ、大前はうちにとって必要な人材ですから」

そう言って電話を切る東海林。

東「はぁ…情けな」
春子がいないと何も出来ない自分に嫌気がさす東海林。



とっくりとくるくるの7日間 13

入れ替わる前の話 5


次の日、春子に用事を頼もうとデスクへ行くと
春子は席を外していた。
東「あいつどこにいったんだ?…ん?携帯おきっぱなしじゃないか」
周りをキョロキョロ見回し、誰もいないことを確認すと
東「いいよな、ちょっとだけ…」
こっそり春子の携帯を開ける東海林。
東「何だこの待ち受けのアホ面した犬は…それより
電話帳に俺の番号入れてあるのかな…」
昨日自分の携帯に連絡がなかったことを気にしていた東海林。
電話帳のサ行を開く。
東「…あれ?賢ちゃんの名前はあるのに、俺の名前ないじゃないか!!
なんだよあいつ、俺の番号教えてやったのに登録してねーのかよ!」

春「人の携帯勝手にいじらないで下さい!!!」
東「うわっっ、とっくり!!携帯勝手に見たのは悪かったよ
でもお前なんで俺の番号登録してねーんだ」
春「登録しようがしてなかろうが私の勝手です」



東「…ちっょと来い」
とっくりの腕を掴んで奥に連れて行く東海林



とっくりとくるくるの7日間 14

入れ替わる前の話 6


―会社の奥の倉庫前

春「もうすぐ出ないといけないので、用件は手短にお願いします」
東「…あのさぁ、お前って俺のためにここまで来たんだろ?」
春「…」
東「なのに相変らず無愛想だしえらそうだし、東京にいた時と
ぜんぜん変わってないじゃないか。携帯の番号だって
登録してないし…なんでサ行に賢ちゃんがあって俺が登録されてないんだよ」


春「サ行………
…あなたはほんとにバカですね」

東「バカ!?」

春「私はあなたのためだなんて一言も言ってません。あなたに社長賞を
取っていただくために来たんです。勝手に捏造しないで下さい
あなたが社長賞を取って本社に戻ってもらわないと
私が困るんです」

東「何でお前が困るんだよ!俺が左遷されようがお前には
関係ないだろう」
春「元派遣先の上司が左遷されたまま一年も戻って来ないだなんて
私の経歴に傷がつくからです、だいたいあなたも戻る気があるんですか?
こんな子会社でいつまでもくすぶっていて…そんなんじゃいつまでたっても
社長賞どころか一生運転手にバカにされて終り…」



バンッ!!

春子が罵倒している途中、春子の肩を押さえつけて
壁に押し付ける東海林。

突然のことに驚いて硬直する春子。



とっくりとくるくるの7日間 15

入れ替わる前の話 7

春子の手首をきつく抑える東海林。
振りほどこうとするけど、力が強くて動かすことが出来ない春子。

春「離して下さい…」
東「…女のくせに、偉そうに言ってんじゃねーよ」

春「ハケン差別の次は男女差別ですか?」

東「所詮女なんて男の言い成りだ
逃げれるもんなら逃げてみろ」

そう言うと、片手で手首を抑えて
もう片方の手で春子の体に触れる。

春「…ちょっと、今仕事中ですよ…」
東「そんなの、どうでもいい」

スカートの中に手を入れようとする東海林。

春「…ちょっ…やめ、やめな…さいっ…」



…プツッ。


春「この、変態クルパーがっっ!!!!!!!!!!!」

ガンッッッ!!!!

東海林の股間を思い切り蹴り上げる春子。
東「ぎゃーーーーーーー!!!!!!」

急所を蹴られてフラフラになる東海林。
東「おまっ…何てことするん…だ」


すると、フラフラになった東海林が春子に倒れこむ。
春「きゃっ、ちょっと危ない…」

すると倒れてきた勢いで、壁に頭を打ち付ける
春子。



とっくりとくるくるの7日間 16

入れ替わる前の話 8

二人とも頭を打って気絶。
しばらくすると目を覚ます東海林。

東「…あいたたた…こいつあんな所蹴りやがって」
そう言って股間を触る。
すると、ある異変に気がついた。

東「……?ん、何かスースーするぞ」
春「東海林主任…」
東「おい、とっくり!!!お前何てこと…」


春子のほうを振り返って、思わず固まる東海林。


東「あれ……?俺?」
春「私がそこに…」


頭を触る東海林
東「クルクルパーマじゃねぇ…」
首筋を触る春子
春「とっくりじゃない…」

東「俺とっくりになっちまったのかよ!」
春「私としたことが…」



とっくりとくるくるの7日間 17



――入れ替わる前のことを思い出す春子の中のくるくる。
東「何ボーっとしてるんですか?」
東海林の中のとっくりに押し倒されて固まっていたが
ふと我に返るくるくる。


東「早く蹴ってください」
春「…ちょっと待て、一日に二回も蹴ったら
俺のあそこが機能しなくなるだろ!!」
東「そんなのどうでもいいです、早く元に戻りたいんです私は!」
春「いや、もうちょっと考えよう…変な汗かいたし俺
風呂入ってくるわ」
東「お風呂…その体で!?」



洗面所で服を脱ぐくるくる。
春(俺、昼間あいつに何てことしたんだろう…今になって
すげー恥ずかしくなってきた…だって、さっき押し倒されたときに見た
俺の顔…)

春(すっげーブサイクだったじゃねーか!!!
…俺あんなツラでとっくりに迫ってたのか…恥ずかしすぎる…)

ブツブツいいながら服を脱ぐ。
すると目の前の鏡にはブラジャー姿の春子の体が。


春「…そうか…今はとっくりの体だから…」
興奮しながら胸に手を当てるくるくる。

春「こんな事したりして…」

もみっ

春「ブーーーーーーーーッ!!!」
東「何やってるんですかーーーーー!!!」

鼻血を出して倒れるくるくる…。



…過去話が長くてスイマセンorz
自分でも現在がどうなってるか忘れかけていました。
長々続いてうっとおしいとは思いますが
よければまだ書かせてください。
もちろん他の方の投下も楽しみにしています。



とっくりとくるくるの7日間 18


気がつくとベッドに寝かされていたくるくる。
春「あれ、そういや俺…」
東「あなたは私の胸をもんで鼻血を出して倒れたんです」
春「ああっ!!お風呂…」
東「さっき私が拭いてあげたので入らなくても結構です
とりあえず遅いのでもう寝ます」
春「そうか…このベッド使うよな?なんなら二人で一緒に…」
東「私はソファで寝ます」
春「あ、そう…ちぇっ」

ギロッ
東「何か言いましたか?」
春「いえっ、なんでもないです!」


―次の日。

足にわざと包帯を巻くくるくる。
トラックの運転が出来ないことをごまかす為に
考えた策だかこれもいつまでごまかせるか…。
そう考えると気が重いくるくる。
事務所につくととっくりがもうデスクに座って仕事をしていた。

しかし、よく見るとドライバーの土屋ともめている。


土「おいネクタイ!このシフトきつすぎるだろ!」
東「大前さんが運転できないんだから仕方ないでしょう?
働かないくせに文句ばっかり言ってますね」
土「なんだとー!?お前さっきから偉そうに…」

東「ガタガタ言わずにヒゲはさっさと出かけなさい!!!」

土「…わかったよ…急に強気になりやがって」

ブツブツ言いながらも事務所を出て行く土屋。


そのやり取りを見てボーゼンとするくるくる。

春「……おい、おれはそんな偉そうな奴じゃないぞ」
東「あなたが運ちゃんたちにびびって何もいえないから
代わりに言ってあげただけです」

春「なんだよ人をヘタレみたいに言いやがって…っていねぇ!!」

気がつくと奥のファイル棚に移動していたとっくり。
春「また瞬間移動かよ!」
東「もう就業時間ですよ、あなたもさっさと働いてください」
春「わかってるよ、そんな事!」



とっくりとくるくるの7日間 19


とっくりのデスクで仕事をするくるくる。
机の上も引き出しの中もきちんと整理されている。
春「キレイにしてるなぁ…一応あいつも女だしな
さて、仕事するか」
そう言ってパソコンを開くくるくる。
しかし、開こうとしたらパスワードの画面になり
手が止まる。

春「おい、とっくー…東海林主任、パソコンのパスワード
教えてください?」
周りに人がいるのに気がついて慌てて春子になりきるくるくる。

東「パスワードですか?…”ケーオーアイエヌユー”です」
春「あ、ありがとうございます」

パソコンにパスワードを打つくるくる。
すると、あることに気がついた。


春「K、O、I、N、U…仔犬!?」



とっくりとくるくるの7日間 19


―昼休み

一人デスクでノートにあることを書き込んでいるくるくる。

春「昨日入れ替わってからの出来事…」

・俺が渡したメモが残ってた→でも携帯の記録がない
・押し倒された→元に戻る為で別に欲情されたわけじゃない
・乳もんだ→結構でかかった
・パスワードが”KOINU”だった→賢ちゃんのパスワードと一緒


春「……頭で考えてもわからねぇからノートに書いたけど
それでもわけわかんねぇよ!!」

ノートを叩きつける東海林。

春「あ〜もう頭巻いてきた!!って今はストレートだけど…
だから、携帯のメモが載ってたのは俺に電話したかったけど
恥ずかしくて電話できなかったって事で…いや
ただほったらかしにしてただけかも…つーか何で携帯にも賢ちゃんで
パスワードも賢ちゃんと一緒なんだよ!…賢ちゃんのパスワード知ってたのなんて
俺くらいだぞ…」


その時ふっと思いつく。


春「そうか…何で気がつかなかったんだ…
あいつは本当は賢ちゃんが好きなんだ!!」

春「パスワードだってきっと賢ちゃんとおそろいにしたくて…
それに俺を本社に戻すのは、賢ちゃんが寂しがってるからで
昨日電話に出たときもなんかちょっと嬉しそうだったぞ…」

一人でブツブツ考えをまとめるくるくる。

春「そっか…やっぱりとっくりは賢ちゃんが好きだったんだな…
一人勘違いしててバカじゃねぇか」

バサッ

ゴミ箱にノートを捨てて事務所を出るくるくる。



とっくりとくるくるの7日間 20


くるくるが休憩から戻るととっくりが
本社から届いたFAXを差し出した。

東「本社の企画課からの依頼です。来月開催されるご当地フェアで
名古屋コーチンを使ったメニューを考えているので
協力してくださいとの事です。」
春「協力?この間見に行った鶏はこのためか…。
でもここは運送会社だぞ、何で企画に協力するんだ」
東「そんな事知りません、きっと里中主任があなたに手柄を
取らせようとしてるんじゃないですか?」

春「また賢ちゃんかよ…」
東「はい?」
春「いや、何でもない…でも俺企画立てるの苦手だしな…お前が考えてくれよ」
東「…どっちが解体うまいでショー…プッ、確かに」
鼻で笑うとっくり。

春「うるさい!!そんな昔のこと持ち出すな!!」
東「とりあえず考えるだけ考えてください」

春「急に言われてもなぁ……あーもう
パンに手羽先はさんで売ればいいんじゃねーか?」

東「……」

春「何だよ、もっと真面目に考えろってか?」


東「いいですね、それ。」
春「へ?」



とっくりとくるくるの7日間 21


超高速でパソコンを打つとっくり。
東「出来ました!」
そう言って企画書を差し出す。
春「もう出来たのか?早すぎ…」
企画書をパラパラめくる。


春「…おい、これ原価がめちゃくちゃ安い設定じゃねーか。
これじゃ利益は…」
東「それはあなたが営業で安くかけあってください」
春「俺が?」
東「あなたの口の上手さは私も認めています。この企画が
成功すれば社長賞にも一歩近づけるかもしれませんよ」


春「ああ…いいよわかった、じゃ今からかけあってくるわ」
東「よろしくお願いします」

そう言って事務所を出て行くくるくる。


春(でもあいつの姿で交渉していいのか…まぁいいや)


その後事務所で仕事を続けるとっくり。

すると、事務所の入り口からどこかで聞いたような
声が聞こえた。

「おーい、東海林はいるか?」


声のする方を振り返るくるくる。
するとものすごい速さでキーを打っていた手が止まる。


「久し振りだな、元気にしてたか?」

東「桐島部長…」



とっくりとくるくるの7日間 22

―会議室

桐島部長にお茶を差し出すとっくり。
東「どうぞ」
桐「ああ、悪いな…そういや大前さんはどうした?」
東「大前、ですか?」
桐「噂じゃお前のためにここへ働きに来たんだろう?
びっくりしたよ」
東「東海林主任のためではありません!私のためです!」
桐「…何言ってるんだ?」
東(はっ…私としたことが)
東「それより用件は何ですか?」
桐「いや、近くに用事で来てたから寄っただけだよ」
東「そうですか、ではすぐお引き取りください」

桐「…冷たいな、お前をここに飛ばした事を根に持ってるのか?」
東「いえ、自業自得だと思っています」

桐「…まぁ今思うとお前には酷な事をしたと思うよ
…プレゼンの前日に里中を飛ばすだなんて言ったりして」




東「え……?」


桐「だからってプレゼン放棄して辞表を出されたときはびっくりしたが…
そこまで里中の方が大事だったんだな」

東「……」

桐「里中も本社で頑張ってる、お前も頑張って本社に戻って来いよ
…懐いてくれる部下がいないと寂しいもんだ」

東「はい…お疲れ様です…」


先に会議室を後にする桐島部長。




―数分後、会議室を出るとっくり。

すると通路で運ちゃんたちとすれ違いにぶつかりそうになる
運A「おおっと、あぶねぇな…ん?」
運B「どうした?」

運A「おい、あいつ見てみろよ」



運A「男のくせに泣いてるぜ」



とっくりとくるくるの7日間 23



トイレで顔を洗うとっくり。
上を向いて鏡をのぞくと
目が少し赤くなってはいるが
涙は止まっていた。
東「……」
そのまま立ち尽くすとっくり。


東(里中主任は…きっとこの事は知らないはず
…だとしたら、ずっと一人で抱え込んでいたの?)

一年前のことを思い出す。

ハケン弁当プレゼンの日。
あのまま自分がプレゼンをしていたら
里中主任は確実に飛ばされていたはず。

それを止めるには、企画を譲って会社も辞めてしまえばいい。

彼は、自分を犠牲にして里中主任を守った。

その決断にたどり着くまで、きっとジレンマに押しつぶされそうに
なりながらも一人で悩んでいたはず。

…それなのに、あの時私はやさしく手を差し伸べるどころか
冷たい言葉で突き放してしまった…。


思い出していると、また目から涙か滲んできた。

東「…私としたことが…」

とっくりは手で涙をぬぐい、鏡に映った顔を睨みつけた。
東(…でも、入れ替わらなかったらずっと知ることのなかった事。
…そう考えたら入れ替わった事も何か意味があるのかも…)

とっくりは何時もの凛とした表情で
事務所に戻った。



運「お、来た来た。お前これからはネクタイじゃなくて泣き虫…」
東「うるさい!目にゴミが入っただけです!!人をからかう暇があれば
さっさと働きなさい!!!」


運転手を怒鳴りつけ、デスクに座り
再び超高速でパソコンを打ち出すとっくり。

東「…絶対に社長賞とらせてみせます…」









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