道明寺司×牧野つくし
ルームサービスのディナーを楽しみながら二人はお祝いと言うことで、ちょっとだけワインを飲んだ。 そのとき話した内容は、つくしの弟の進は今晩両親のところに泊まりに行っていること、 つくしが枕もとに置いたお弁当が記憶を取り戻す鍵になったこと、 海が作ってきたお弁当を食べたけれど、にせものだと言うことを細胞で感じたこと、 ボールをぶつけられる前につくしのことが気になりだしていたけれど、つくしが聞く耳持たずにボールを投げつけて帰ってしまったこと、などだった。 司「あのボールはほんとに痛かったんだからな。」 つくし「だって、あんまり思い出さないもんだから、いらいらしちゃって。 あのボールは今どこにあるの?」 司「庭中さがしたけれど、見つからなかった。どっかに飛んでいったのかもなあ。」 つくし「記念のボールだったのにね。でもニューヨークでおじさんに言われた通り、あのボールはグッドラックチャームだったんだ。」 司はちょっとぐらいお酒を飲んでも普段と変わらないのだが、つくしは結構弱かった。 食事が終わったころになると、つくしは船をこぎ始めた。 司「牧野、弟がいないんだったら、もうちょっと遅くてもいいんだろ?送ってってやるから、ちょっと休んでけ。」 そう言って司はつくしを軽がると姫抱っこでベッドまで運んだ。 つくしは抱き上げられるときにちょっと目を覚まし、司の首に腕をまわして、抱きついた。 司はつくしをベッドに寝かせると、つくしの上に覆いかぶさって、キスをした。つくしもそれに応えた。司はキスしながらつくしの服に手を入れてブラのホックを外した。 前に司の家で寸止めになったときは、ブラのホックを外して、軽く胸を触ったところで、椿の邪魔がはいり、気がついたら、つくしは泣きそうな顔になっていた。 今日はどうだろう、と思ってつくしの顔を見たら…… なんとつくしはお酒を飲んだのと疲れたのとブラのホックを外したせいで、楽になってぐっすり眠っていた。 こいつに酒を飲ませるとこうなるって事を忘れてた。司は苦笑した。 アルマーニのスーツにげろをかけられたこと、 直接は知らないけれど、桜子に騙されて、トーマスとか言う奴にホテルに連れ込まれたのも、酒のせいだったな。 司はしばらくつくしの寝顔を見つめ、頭をなでていたが、目を覚ますまで待とうと思い、 シャワーを浴びる事にした。 つくしはベッドに運ばれてキスしたところまでは起きていたのだが、そのあと怖い夢を見ていた。司がバスルームに行ってから5分ぐらい経ったところで、怯えて目が覚めた。 司がまた自分の目の前で何者かに襲われる夢だった。 汗びっしょりで目を覚ますと、司の姿が見えない。 つくしは泣きそうな顔になって、ホテルの部屋をあちこち探し回った。 するとシャワーの音が聞こえて来た。 怖かったのとお酒のせいもあって、つくしは大胆にも自分の服を脱いで、裸になりバスルームに入って行った。 シャワーを浴びている司の背中が見えた。生々しい傷跡が残っていた。 つくしは司の背中に抱きついた。そして傷跡に唇を押し当てた。 司は突然背中に抱きつかれて、振り向くと裸のつくしが立っていたので、びっくり仰天した。 司「牧野、お前寝てるかと思ったのに。なんだよいきなり」 つくし「あんたがまた襲われる夢を見ちゃって、怖かった」 司「あの船の時もそうだったけど、いつも突然裸で俺の前に現れるんだな。 心臓にわりー。」 つくし「あのときのこともやっぱり覚えてるの?忘れてくれてもよかったのにな。」 司「この前はお前のことを類に譲ろうと思っていたから、なるべく見ない様にしたけど、今日は違うからな。」 と言ってつくしに向かい合う格好になった。 司がつくしの裸を見るのは2回目だったけど、つくしが司の裸を見るのは初めてだった。 上半身裸は見たことがあったけれど、何も身につけていない司は初めてだった。 つくしは今さらながら、自分が大胆な行動をしていることに気がついて、赤くなった。 つくしの赤い顔を見て、司も恥ずかしくなり、何でもない風を装うために、つくしの髪をシャンプーし始めた。シャンプーが終わるとお互い全身洗い合った。 つくしは自分の裸を見ても、司がなにもHなことをしてこないことに、不安を感じ始めた。 前にあと5年待ってって言ったことを本気にしてるのかな? あの時とはだいぶ心境も違ってきて、もうOKなんだけどな。 体を洗い終わって泡を流し終わると、司はつくしにバスローブを着せてくれた。 そして自分も着た。 それからまたつくしをさっきみたいに抱き上げるとベッドまで運んで行った。 いよいよ司が抱いてくれるのかと思って、つくしはドキドキした。 ところが、司は今度はつくしの髪を優しく拭き始めるだけだった。 前にもこんな風に道明寺が髪を優しく拭いてくれたな…とつくしは少し寂しそうに思い出した。 司はつくしが自分を追って裸でバスルームに入って来たことにものすごく驚いて、まだその事実を頭の中で消化しきれずにいた。 またこの前みたいに焦って怯えさせてもいけないからな。ゆっくりゆっくり。 と自分に言い聞かせていた。 それにさっき牧野は俺がまた襲われる夢を見たと言って怯えていた。ここでさらに怯えさせちゃまずいだろう。今日のところはあきらめて、また後日トライしよう。 司は動物的な勘がかなり鋭い方なのだが、つくしのこととなると途端に鈍くなるのだった。 つくしは道明寺が優しくしてくれることは嬉しかったのだが、さっきみたいに仲良くお風呂に入ったり髪を優しく拭いたりしてくれるのは、今みたいに抱いて欲しい気分なときにはちょっと寂しくなるような気持ちだった。なんだか兄妹みたい。 つくしは西門やあきらたちから鉄のパンツを履いてるとか、勤労処女とか言われるほど、オクテだったのだけど、無人島でのキスの後の海の出現によって、司を独占したいという気持ちがようやく出てきていたのだ。 今日の道明寺はHなことする気分じゃないのかな?自分から裸になったのがまずかったのかな?あんまり女が積極的だと男はひくって言うし。 どうしたらいいのか分からなくなってつくしは泣きたくなって来た。このまま二人でじゃれあっているだけでも記憶喪失中のことを考えると夢のようだったけれど、それだけでは物足りなくなっていたのだ。道明寺楓の存在も忘れるわけにはいかない。 1年の猶予と言ったけれど、いつまた気が変わって自分や優紀たちに酷いことをするか分からないのだ。それから、司はこの間みたいに刺されてしまうかもしれない。抱かれるなら今夜しかない…でもどうやって伝えたらいいの? 司「お前もう眠らなくていいか?明日学校もあるし、そろそろ送ってくよ。」 それを聞いてとうとうつくしの目から涙があふれた。 つくし「もうちょっと一緒に居たい。道明寺はもう帰りたいの?」 司はつくしが泣き出したのを見て慌てた。 司「俺はお前とずっと一緒に居たい。でもお前のことはゆっくり待つことに決めたから。」 つくし「もう待たなくていい。抱いて」 と言ってつくしは司に抱きついた。 司は自分の鈍さにようやく気がついて、やっと状況を飲みこんだ。つくしの涙の訳も理解した。 それまでは努めて自分の欲望を抑えてきた司だったが、その必要はないと分かったので、情熱的なキスを始めた。つくしも望むところだった。 再びベッドに倒れ込み、司はつくしのバスローブを荒荒しく脱がせ、自分も脱いで裸になった。さっきバスルームで見たときは、司のペニスは通常サイズだったのだが、今度は二倍以上に大きくなっていた。興奮はしていたが、つくしがまだ高校二年生なのを配慮して 司は、どこからかコンドームを取り出して装着した。 司の髪はまだ濡れたままでいつもよりずっとセクシーだった。キスを何度も繰り返し、司の唇や舌はつくしの首筋から胸元にだんだん降りて行った。つくしは時々嬉しそうな叫び声を上げた。全く抵抗はしなかった。 つくしも司の首筋や胸、肩などに口づけ続けた。二人ともじっとりと汗ばんで来た。 司の愛撫はだんだんお腹から脚の方に降りて行って今度はつくしの脚を広げ始めた。 つくしは脚をものすごく広げることに驚いていたが、司に身を任せた。そして、司はつくしの中に入った。初めてだったので痛かったが二人はようやくひとつになれた喜びでいっぱいだった。 この日は正常位一回だけで終わった。つくしも司も初体験の興奮で疲れて、ことが終わると眠ってしまったのだ。 次の日目を覚ました二人は、照れてしばらくのあいだ、いつもみたいな漫才を続け合った。 その日は学校もあるので、慌しくホテルを後にすることになった。一旦お互いの家に帰らないとまずいから。 部屋を出るときに、二人は西門、優紀のカップルと鉢合わせすることとなった。 SS一覧に戻る メインページに戻る |