資料室
道明寺司×牧野つくし


『あ〜やっと終わった・・。』

つくしは少し眠そうな顔で軽く伸びをする。
午後の授業が終わり、帰り支度をはじめると、開け放たれた教室の扉の向こうに司の姿があった。

『道明寺・・待ってたの?』
『ああ。もう終わる頃だろうと思ってな・・。』
『あ・・あたし、先生からこの本、資料室に戻しておくように言われてるの。ちょっと行ってくるね。』
『俺も行くよ・・。』

2人で歩く長い廊下。
その長い廊下のつきあたり。放課後の資料室はしんと静まりかえっていた。
膨大な資料が無機質に収められているこの部屋は思ったよりも広く感じられる。
つくしと司は書棚の間をすりぬけるように部屋の奥へと進んで行った。

『えっと・・ここに置いとばいいかな。』

つくしは本を書棚に戻すと、普段足を踏み入れる事の無いこの部屋をちょっと興味深げにぐるりと見まわした。

『あたし、資料室って初めて入った・・。』
『俺もこんな部屋入ったことねーな。』

つくしは資料室を探検するように歩きまわる。司はちょっと退屈そうにつくしの後をついて歩いていた。

『へえ・・英徳学園の歴史≠セって。こんな本もあるんだ。・・あれ?これって・・?』

つくしはふと目をやったキャビネットの上に何かを見つけた。

一冊だけ、忘れられたように置き去りにされた卒業アルバム。
それは英徳学園の幼稚舎の卒業アルバムだった。

『これ、英徳の幼稚舎の卒業アルバムじゃない?なんでこんなとこに・・あ、ねえ、この卒業年度ってちょうどあんたが卒業した時期じゃない?』

つくしは卒業アルバムの表紙を司に見せた。

『あ・・そういやそうかもしれねえ・・。』
『・・ってことはあんたの写真あるよね?捜してみよう!』
『あ・・おい、ちょっと待て・・』

司は卒業アルバムを取り上げようとするが、つくしはだめだと言わんばかりに卒業アルバムを胸に抱えこみ、ページをめくり始めた。

『ねえ、あんた何組だったの?』
『覚えてねーよ。』

司は写真を見つけて欲しくなさそうな素振りでつくしの様子を伺っている。
その顔はすぐにつくしの目に飛び込んできた。
くせのある髪。誰かを睨みつけるような眼差し。それでいて幼さの残る表情。
つくしは大勢の生徒の写真の中から難なく司を見つけた。
昔の司を見つけ出したつくしは、ちょっとうれしそうに弾んだ声で司をからかう。

『あんた、せっかくの卒業写真なんだから、もうちょっと笑顔で写ればよかったのに・・。』
『そんな写真、笑顔で写ってたら気色わりい・・』

司は照れ隠しのためか、少しぶっきらぼうに応える。
司の写真の周りにはF3の写真もあった。

『花沢類や西門さん、美作さんも写ってるね・・皆かわいいじゃん〜!』
『おい・・もういいだろ・・?あんまり見るんじゃねえよっ・・。』

司は恥ずかしそうに顔を赤くしながらアルバムをつくしから取り上げた。

『あっ・・もうちょっと見たかったのに。昔のあんたの写真。』
『ちょうど荒れててメチャクチャやってた頃のだしな。あんまし見られんのも恥ずかしいんだよ。』

司は卒業アルバムをキャビネットの奥に隠すようにしまいこんだ。

『そういえば、初めて会った頃のあんたってあんな風に睨みつけるような目してた
っけ・・。』

つくしの指が司の目元を撫でるように触れる。

『道明寺の目、やさしくなったよね・・。』

つくしの指先に司の指が触れた。その指先はやさしく重なり、絡まりあう。
絡まる指先につくしの鼓動が高鳴りを覚えた瞬間、司がふいにつくしを抱き寄せた。

『あ、だめだよ、こんなとこじゃ・・誰かに見られる・・』

急に抱きしめられたつくしは慌てて司の腕を振りほどこうとするが、司はさらに強く、
つくしを抱きしめ、唇を重ねあわせてきた。
つくしは司の行動に困惑し、司の侵入を拒むように硬く唇を閉じて抵抗する。
そんなつくしの様子を伺いながら、司はなおもつくしの唇を吸い続ける。
やがてつくしは根負けしたように、唇をうっすらと開き、司の誘いに反応し始めた。
司はつくしに深くくちづけながら制服のリボンへとそっと手を伸ばした。
司の手の動きを察したつくしは唇を離し、小さく頭を振った。

『だめだよ・・人が来ちゃうよ・・』
『こんなとこ、誰も来ねえって・・。』

司は強引につくしを抱えあげ、キャビネットの上に座らせた。

『ちょっと、だめだっ・・』

司はつくしの足を無理矢理押し広げ、躰を割り込ませると、つくしの口をキスでふさいだ。

『ん・・・』

キスのやさしさに思わずつくしが甘い吐息を漏らす。
司はふたたびつくしの制服のリボンに手を伸ばし、結び目を解き、つくしのベストに手をかけた。
ベストを胸元までたくしあげると司はつくしにささやいた。

『腕上げろ・・』

つくしは恥ずかしそうに俯いていたが、やがてゆっくりと腕を上に挙げた。
司はたくし上げたベストをそっと脱がせると、ブラウス越しにつくしの胸元に顔を埋めた。

『ねえ、やっぱりここじゃだめだよ・・。違うところでしようよ。あんたの家とか・・』

司はつくしの言葉をまるで聞いていないかのように、ブラウスのボタンを外し始める。

『ん・・もう・・聞いてないんだから・・』

司はつくしの背中に手を回しブラのホックを外すと胸のふくらみを手で被い、胸の蕾に唇を寄せた。
つくしは抵抗することを甘く諦め、司を胸にかき抱いた。

司はつくしの胸元に唇をよせながらつくしの秘部を下着の上からそっとさぐりはじめた。

『ああっっ・・んんっっ・・』

敏感な場所に触れられ、つくしは喘ぎ声を漏らしてしまう。司の指はやがて下着の下へと入ってゆき、襞の奥をゆっくりとさぐりはじめた。
『ああっっ・・やめて・・・』

司はつくしの言葉に、秘部から涌き上がる蜜を拭いながらささやく。
『嘘つけ・・やめて欲しくないんだろ・・。』
快感と、いつもと違う緊張感がつくしの躰を否応なく支配する。
司はつくしのそんな姿をどこか楽しむかのように、つくしの躰をさらに責めたてていった。
司とつくしが快楽に溺れているまさにその時だった。

―「え〜マジで?」
「ホントだってば〜。知らなかったの?」
「うわ〜、マジでホントなの!!」
女子生徒の甲高い声が廊下の方から響いてきた―

司は廊下にいる女子生徒のことなど眼中にないようにつくしの胸元にくちづけ、襞の奥
をさぐり続ける。つくしは司の愛撫に快感を覚えながらも、声を潜め廊下の様子を伺う。

廊下の女子生徒の声は確実に資料室の前まで近づいてきている。

つくしは小声で司に言い聞かせるようにささやいた。

『ダメだよ、離して。今廊下歩いてる子達、入ってくるかも・・』

司は顔をあげ、悪戯っ子のように微笑んだ。

『入ってきたら、見せつけてやろーぜ・・・』

司はふたたびつくしの胸元に唇を埋め、つくしの襞の奥をさぐる。

『あん・・だめだってば・・』

快感はつくしを容赦なく責めたてる。

『こんな時に・・・』

女子生徒達の声は資料室の前でさらに大きく響いた。

つくしは司の愛撫に耐えながら息を潜め廊下の様子を伺う。
資料室の前でしばらく留まっていたその声は、徐々に遠ざかってゆく。

『入ってこなかったな。』

司は悪戯っぽく笑った。

『もう、ばかっ・・だいたい、何でこんなとこでこんなことすんのよ・・』

つくしは司のおでこを軽く弾いた。

『俺の目に触れた時のおまえ、すっげえかわいかったから・・』

司のまっすぐな言葉。あまりにも無邪気な笑顔で見つめ返す司に、つくしは怒る気も失せてしまった。
つくしは司の髪をくるくると指に捲きつけるように弄びながら、とっておきの一言を司にささやいた。

『いいよ。今日は・・なくても大丈夫だから・・』

つくしの言葉に司はうれしそうに目を輝かせた。
つくしはそっと腰を浮かせ、下着を自ら取り去った。
司はつくしの腰を引き寄せ、熱く滾るものをファスナーの奥から取り出し、ゆっくりとつくしの中へと挿入した。

『はあっっっ・・んっっ・・・』

声が廊下に響いたかもしれない。
そう思いながらも、つくしは声を潜めることができなかった。
司は少し不安定な姿勢のつくしを支えるように力強く律動を送り、襞の奥をやさしく愛撫する。
つくしはうっとりとした表情で司に身を任せた。
ふたりがお互いを求めあう音が、資料室の静寂な空気を乱してゆく。
司の動きがつくしの腰が軋むほどに激しさを増す。

『ああっっっ・・』

つくしがたまらずひときわ大きな喘ぎ声をあげたその瞬間、司はつくしの中へと欲望を解き放った。

すべてが終わり余韻に浸りながらつくしは司を見つめる。
つくしの腕の中にはまるで子どものようにうれしそうに微笑む司がいた―






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