卒業の日
道明寺司×牧野つくし


今日はつくしの高等部卒業の日。
いよいよプロムが始まる。

去年のドレスは道明寺が用意してくれたが、結局は破いて着れずじまいだった。
苦い想い出を思い出しながら、ドレスに袖を通す。
ふんわりとうれしい気持ちがこみ上げる。
会場に入ると、すでに大学生のF3と、桜子や和也が待っていた。

「お、なかなかいいじゃん。」

西門が意外そうに微笑む。

「え、えへっ。なんか照れちゃうね。」

そうこうしているうちに、音楽が流れ出す。
なんだか、思い出しちゃう。去年のプロム・・・
胸がじ・・んとなり、涙が視界を揺らす。

「踊ろっか」花沢類がつくしに手を差し出す。
「うん」

花沢類のエスコートでホールに進み出たつくしは、慣れないステップを踏みながら美しく整った顔をしげしげと見つめていた。

「あんま、見んな。照れる」
「去年は踊れないとか言ってたのに、踊れるようになったんだね。」
「ま、な。」
「それで、二人で突っ立ってしゃべってたら、道明寺がバーンって入ってきて・・・」

と言っていると、会場のドアが広々と開け放たれた。

「ど、どう・・」

現れたのは、タキシードに身を包んだ道明寺そのものだった。

「は、花沢類。これって、夢?」
「夢じゃないよ。」

言いながら、つくしの手を道明寺へ差し出す。

「サンキュ。類。」

道明寺は、自然につくしの手を取った。
周りの生徒達はざわざわと騒いでいるが、F3達はにやにやと笑みを浮かべている。

「み、みんな知ってたの?」

道明寺は、あたふたしているつくしの腰を引き寄せ、滑らかにステップを踏む。

「驚いた?」

がくがくとつくしが頷くと、満足げに微笑む。

「行こうか。」

どこに? と聞く間もなく、道明寺はつくしの手を取り、会場を後にする。

「しっかりやれよ!」

と、西門と美作の声が聞こえた。

やる?・・・やるって・・・

つくしは、道明寺に押し込められるようにして、高そうなスポーツカーに乗り込んだ。
低いエンジンの音が響き、滑らかに車が走り出す。

「これって、あんたの18歳の誕生日の時に、プレゼントされたやつだよね。」

たしか、あの時は運転がめちゃくちゃで・・・
ちらりと横顔を盗み見ると、ぞくっとするほど美しい顔が目に飛び込んだ。
道明寺、1年会わないうちに男っぽくなった・・・
車は港に着き、目の前にはいつかの豪華客船が停泊していた。

「こいよ。」

道明寺に手を引かれ、船に乗り込む。

客室に入るなり、道明寺はつくしを引き寄せ抱きしめた。
つくしはされるがまま、うっとりと道明寺の胸の中の感触を味わう。
しばらくそうしていると、不意に腕の力が緩められ、目の前に道明寺の顔が現れた。
夢にまで見た、愛しい人・・・

「会いたかった。すげー会いたかった。」

かすれたような声で呟くと、唇を重ねる。

ああ、やっぱりキスが上手。
うっとりと唇の感触を味わい、両手を道明寺の背中に回した。
それが合図のように、道明寺の舌がつくしの唇をなぞる。
知らず、うっすらと唇を開く。
舌は滑らかに滑り込むと、丹念に口の中を撫でまわす。つくしも、おずおずと道明寺の舌をつつくように応える。
溶けちゃいそう・・・
道明寺は、名残惜しむように唇を離すと、改めてつくしを見つめた。

「そのドレス、似合ってる。」
「これ、去年せっかくもらったのに、着れなかったから直してもらったの。」
「脱がせんの、もったいねーな。」

再び唇を合わせると、深く舌を絡め合う。
道明寺の唇は移動し、つくしの耳を唇で撫でる。
わずかな吐息がつくしの耳をくすぐり、身体をぴくんと震わせる。
そのわずかな反応も見逃さず、耳朶を甘噛みする。

「あ・・・っ」

膝がかくんと折れてしまっても、つくしは道明寺にしっかりと抱きかかえられていた。

「おいで」

道明寺に抱えられるようにして入ったのは、大きなベットのある部屋だった。
恥ずかしくてうつむいていると、道明寺の長い指がつくしの顎に触れた。
もう片手で器用にドレスのファスナーを下ろすと、ストンとドレスが床に落ちた。
思わず両手で隠そうとすると、道明寺の手がそれを封じた。
そのままベットにもつれ込む。

下着姿のつくしに、道明寺は舞い上がっていた。
いくら紳士的に、冷静にしようと思っても、思い焦がれた女を前に、気持ちがうわずってしまう。
あらっぽくジャケットを脱ぐと、引きちぎるようにネクタイを外す。
ほっそりとした首のライン。華奢な鎖骨。次々に唇を這わせる。その間にストラップのないブラのホックを片手で外すと、そのまま引き抜いた。
小さいけれど、形のよい胸の膨らみが現れる。

「きれいだ・・・」

壊れ物を扱うように膨らみに手のひらを合わせる。
柔らかく、透き通るような白い肌。その頂には、ピンク色の蕾。
思う存分感触を楽しむと、おもむろに頂の蕾を指で触れた。

「あ・・・っ」

手の甲で唇を押さえつけ、声をこらえていたつくしが、小さく喘ぐ。
つくしのそんな仕草を見て、唇を押さえつけていた手を優しく組み敷いた。

「誰にも聞こえねーよ。」

恥ずかしさに眉を寄せ、赤面しているつくしを見ていると、一層愛おしさが増してきた。

「声、聞かせろよ。おまえの声がききたいんだ。」

目を細めて微笑み、ささやく道明寺の頬に、つくしが手を添える。

「道明寺・・・。」

続きの言葉が見あたらない。会いたかった。すき。愛してる。・・・どの言葉も足りないように思えた。
上体を起こし、自ら唇を合わせる。
道明寺に触れたい・・・。肌に手を滑らせたい・・・。
濃密なキスを感じながら、道明寺のシャツのボタンに手を掛ける。

「牧野・・・?」

1年前からは考えられないつくしの積極さに、正直驚いた。
つくしは、頬を染めながらひとつひとつボタンを全て外す。そうして、全開になった胸元に頬を寄せると、うっとりと口づけをした。

「牧野・・・。」

つくしの小さな頭を柔らかく抱きしめ、髪にキスをした。
そうしている間も、お互いの手がお互いの身体を撫で合う。滑らかなその肌を、会えなかった時間を取り戻すように感じ合う。
つくしの脇に手を差し入れ、引っ張り上げると、再びキス・・・
だんだんと、つくしの方も積極的に舌を動かし始めた。
道明寺の唇がつくしの身体を移動する。首筋、鎖骨、胸の膨らみ・・・
その頂にある桜色の蕾に唇を這わし、感触を確かめる。
ツンと尖った蕾は硬くしこり、何かを待ち受けているように思えた。
道明寺は愛おしげに口に含む。

「はあっ・・・」

つくしの身体がぴくんと震える。
口の中で舌をつかい、蕾を転がす。

蕾に舌を絡め、あいている方の膨らみを手で揉みしだく。慎重にしようとしても、気持ちが先走り、強く吸い付いてしまう。それでも足りず、蕾を甘噛みする。

「っ・・・ふっ・・・。ああっ・・・」

つくしの口からは、甘い喘ぎ声が漏れ出す。
あいている方の手は、ゆっくりとつくしの身体を下りていく。
脇腹のあたりをなぞったとき、つくしの身体がしなった。
ここも、弱いのか・・・
名残惜しげに蕾から唇を離すと、脇腹へ移動した。
鼻先が触れただけで甘い声が漏れ出す。唇で愛撫し、舌を這わせ、軽く歯を立てる。

「っはあっ・・・」

つくしの華奢な身体がわななく。
手を太股へ滑らせる。すべすべとした感触を楽しみながら、つーっと指先で肌をなぞる。
空いている方の手が、下着を引きずり降ろす。つくしが軽く腰を浮かせる。
1年前はあんなに怯えていたのに、今夜のつくしは恥じらいながらも協力的だった。

もう、後悔したくない。・・・次に会えるのは何年先かも分からないのに・・・
道明寺を、感じたい・・・

つくしのそこは、淡く茂っていた。
恥ずかしさから膝をぴったりとくっつけ、足を閉じている。

「牧野、力抜けよ。」
「だ、だって・・・はずかしい・・・」
「恥ずかしいことなんかなんもねーよ。すげー、かわいい」

目を細めて微笑む道明寺を見つめ、ゆっくりと足の力を緩める。

道明寺なら、いい・・・。見られたって平気・・・。ううん、見て欲しい・・・
もう、会えないかもしれない・・・そんな気持ちがつくしの勇気を後押しする。

道明寺の指がつくしの花びらを探る。
そこはすでに愛液をたたえていた。
ぬるぬるとした感触を楽しみながら、自分の行為につくしが感じていたことを改めて確認した。

「もう、こんなに濡れてる・・・」
「い・・やあ・・・。・・・言わないで・・・そんなこと・・・」

道明寺の指を敏感に感じ取り、愛液はとろとろと溶け出てくる。
初めての快感にこらえきれず、足を閉じようとしても、すでに道明寺が割って入っている。
道明寺ははだけたシャツをはぎ取り、手早くベルトを外し、下着と一緒にパンツを脱いだ。
初めて目にするそこは、猛々しくそそり立っている。
つくしは視線をそらすことができずに、見入っていた。

「ばか。あんま見んな。照れる。」

意外にも頬を染めている道明寺。
愛おしさがこみ上げる。

聞いたことがある。あの、あそこに、キスをする。舌で舐めたり、口の中に入れたり・・・。
だめっ!絶対、できないっ!
グロテスクな姿を目の当たりにし、つくしは混乱した。
みんな、ほんとにそんなことしてるの?・・・・・道明寺は、喜ぶの・・・・?
そんなつくしをよそに、道明寺はつくしの花びらに唇を押し当てた。

「ひゃあっ!」

柔らかな感触が快感を呼び起こす。
片手で、愛液が流れ出てくる秘部に指を差し入れ、もう片方で、胸の膨らみを味わう。そして舌で、何かを探し当てようと花びらをかき分けていた。
ちゃぷちゃぷと、いやらしい音がつくしの耳にも入る。
あたし・・・そんなに・・・・?
道明寺の舌が、つくしの敏感な部分に触れる。

「ああっ・・・!・・・ど、道明寺っ・・・」

道明寺はぷくりと膨れたクリトリスとしっかりと捕らえ、舌先で転がす。

「っふっ・・・ああっ・・・」

こらえることが出来ずに漏れ出す喘ぎ声に、道明寺はますます興奮する。
吸い付くように愛撫すると、身体をよじり、艶のある声を吐く。

愛液がとろとろと溶けだし、道明寺が舌ですくうように舐め取る。
こんなに濡れてたら、もう大丈夫だろう・・・
試しに指を1本入れる。

「ああっ・・・」

腰をくねらせ、ピンク色に色づいている身体をひくつかせる。
もう一本・・・

「っやあ・・・」
「だめだ。ちゃんとほぐしとかないと、後が辛いぞ」

ゆっくりと指を動かし、慣れさせる。
膣全体がひくつき、道明寺の指を締め付ける。

こんなになるのか・・・。おれ、もたねーかも。

指を出し入れしながら胸の膨らみを口に含んだ。舌先でクリクリと蕾をいたぶると、堅さを増す。
ピンク色のかわいらしい乳輪に沿って舌を這わせると、つくしの甘い吐息が漏れ出た。
見ると、とろけそうな表情で、うっとりと道明寺を見つめている。

こいつ、すげーかわいい・・・

「道明寺・・・。あたし、いいよ・・道明寺なら。道明寺が大好き」

喜びが胸にこみ上げる。
夢にまで見た、愛しい女。今、腕の中にいる。自分を受け入れている。
再び唇を合わせると、ゆっくりと口腔内を味わう。つくしも舌を絡める。

「痛いぞ。我慢できなくなったら、言えよ。」

つくしは小さく頷く。

道明寺は自らを手に取り、先端でクリトリスを愛撫する。

「・・・っはあっ・・ん・・・」

そうして愛液をからめ取ると、そろりと差し入れた。
ゆっくり、ゆっくりと進めても、つくしの痛そうに顔を歪める。
もう少し入れようとしたとき、「いっ・・・」と、小さくつくしが声を出した。

「痛いのか。痛いなら、早くそう言え」

つくしがかわいそうになり、引き抜こうとすると、つくしがとどめた。

「大丈夫。・・・まだ、平気。」
「でも、かなり痛そうだぞ」
「いいの。はじめはみんなそうなんでしょ?慣れたら、きもちよくなるんでしょう?」

気持ちよくなる、という言葉に、一瞬欲情しながら、一生懸命話すつくしを見つめる。

「あたし、道明寺と気持ちよくなりたいの。・・・お願い。して・・・」

自分の発言に恥じらいつつも、「ここで引いたら、また後悔するっ」と、自分に言い聞かせた。

「分かった。ありがと・・・な」

道明寺は胸の中につくしを守るように抱き寄せ、再びゆっくりと進み入れる。
その間も、クリトリスを指で愛撫して、つくしの痛みが和らぐように快感を紡ぎ出す。
一番感じやすい部分をいじられ、力が抜ける。快感が愛液を滴らせる。そうすると、さっきよりは痛みが和らいだ。
それでも、道明寺のものが奥まで入るときは、ミシッと音がしたような痛みを感じた。
目をぎゅっと閉じて痛みに耐えているつくしの瞼に、道明寺の唇が触れる。

「ごめんな。・・・痛いんだろう?」
「う、ううん。痛いけど、道明寺と一つになれたから、うれしい・・・」

そう、あたしは今、道明寺と一つになれたんだ。

「ちょっと、動くぞ。痛かったら言えよ。」

そう言うと、ゆっくりと腰を動かし始めた。
痛みを感じつつも、切なく顔を歪めている道明寺に見とれていた。

きれいな顔・・・

ゆっくり、ゆっくり腰を動かし、出し入れする。まるで壊れ物を扱いように優しく・・・
それでも、十分だった。

こいつの中って、どうなってんだ・・・

膣壁が不規則なリズムで道明寺を締め付ける。
意識してやってんのか?
つくしを見ると、そんな余裕があるようには見えない。
つくしの方にも変化があった。
痛みはなくなり、道明寺のものが動く感覚に合わせて、自分の中が疼くように震える。

快感の波が、二人にうち寄せる。
初めてなのに、こんなに気持ちよくなっちゃって・・・あたしって、ほんとはエッチなのかも・・・

「牧野・・・、俺、限界来たっ」

道明寺は小さく声を出した後、つくしの中で果てた。
つくしの中でひくつかせながら、両腕でしっかりとつくしを抱きしめた。
余韻を楽しんだ後、ゆっくりと抜き出すと、手早くコンドームを外しティッシュでくるむと、傍らのダストボックスに放り投げる。

いつの間につけたんだろう?!

全く気付いていなかったつくしを抱き寄せ、頬を寄せる。

「さいこー、うれしい」

さっきまでの男の顔が嘘のように、子供のように微笑む道明寺に、愛おしさが込み上げる。

「あたしも・・・。」

また、会えなくなっちゃうなんて、悲しすぎ・・・
そんな気持ちは微塵も出さずに微笑んだ。






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