あの計画
道明寺司×牧野つくし


「で、このところの司は?」
道明寺楓が書類に目を落としたまま口を開いた。

「は、はあ、それが…。」

秘書の斉藤が思わず口ごもる。

「どうなの?はっきり言いなさい。」
「は、はい。司様は多忙なスケジュールでお疲れのご様子でいらっしゃるようで…」
「つまり、またまた凶暴癖がでてきたってことでしょう?」

黙って話を聞いていた椿が呆れたように口を挟んだ。

「つくしちゃんの卒業プロムで一瞬だけ帰った後は、はりきってたのにね〜。
わがまま聞いてやって、帰して正解だったけど、薬の効果は切れちゃったのね。」

単細胞バカ男…と呟きながら、椿がティーカップに手を伸ばす。
しばらく考えた後、楓が顔を上げた。

「いいでしょう。私にも考えがあります。斉藤、あの計画を進めなさい。」
「は、はい。」

道明寺はその日の予定を全て終え、NYの屋敷に帰り着いた。

分単位で組まれているスケジュール。うわべだけの笑顔…。
たまんねー…

身体が泥のように重く感じる。
そんなとき、つくしのことを思い出すと、自然と顔が緩んだ。

つくし・・・…

手のひらに、唇に、身体全体につくしの感触を思い出す。
神経をとぎすませると、甘い時間を身体にまとえるような気がする。

「おかえりなさい。道明寺。」

そう、声も聞こえる……。 ……んなわけねえ!!
声のした方に体ごと振り向くと、つくしがそこに立っていた。

「おかえり。遅いんだね。」

照れたように微笑むつくしを見据えたまま、呆然と立ちつくす。

「どうしたの道明寺。…道明寺?・・・…道明寺君?」

目の前でひらひらと手を振りながら、名前を呼ぶ。

「来ちゃ、だめだった?…迷惑?」

眉を寄せて気弱に微笑む。

「んなわけねーだろっ!おれはもう、びっくりしてっ!」

言うなり抱きしめる。

「来るんなら、一言言えよ。迎えに行ってやったのに…。」

柔らかな髪に頬を埋め、存在を確かめる。

夢じゃねー…。

「よかった。また、追い返されるかと思った…」
「ばかやろう。同じ事2度もするかよ」

「よくこの屋敷に入れたな。ここはお袋のテリトリーだぞ。」

なぜか、使用人は一人も姿を現さず、つくしがてきぱきと動き、お茶を入れていた。
カップから、紅茶の香りが立ち上り、柔らかな気持ちにさせる。

「う…ん。あのね、怒らないで聞いてくれる?実はあたし、ここで働かせてもらうことになったの。」
「はっ?」
「ここで働く代わりに、住まわせてもらって、NYの大学に通わせてもらうことになったの。」
「へっ?」
「3日まえ、突然あんたのお母さんから電話がかかってきて、そういうことに…」

常に世界の情勢に耳を澄まし、掌握しているつもりだったのに、自分の身近では、予想もしていなかった事態が発展していた。

「ばばあ、何企んでいやがるんだ…」

呟きながら、考えを巡らせる。
わかんねぇ…。見当もつかねぇ…。

「ね、道明寺。」

声がして目を上げると、つくしがすぐ側で立っている。

「今は、なんにも考えないで…」

首にふわりと腕をまわし、屈むように唇を合わせる。
柔らかな唇が心地いい。
つまり、こいつは俺の使用人で、俺はこいつのご主人様、って訳か…
つくしが唇を離すと、道明寺のいたずらっぽい瞳がそこにあった。

「今夜は覚悟しろよ。」

「きゃっ…!」

道明寺はつくしを横抱きにして自分の寝室へ入るなり、ベットに押し倒した。
恥ずかしげに戸惑うつくしをよそに、唇を合わせる。
はじめは柔らかく、唇の感触を味わい、舌を割り入れる。まんべんなく舌を這わせると、上顎の裏を舌でくすぐる。

「ん…ん…っ…」

つくしの髪をかき分け、形のいい耳を露わにすると軽く歯を立てた。

「っはぁ…っ。…道明寺、あの、先にシャワーを…」
「シャワー?そんなもん、後だ。おまえの匂いが消えちまうだろう。」
「に、匂い?!」
「おう。おまえは甘くていい匂いがする。どんなコロンにも負けねー…」

そう言うと、首筋に唇が移動し、ちろちろと舌を動かした。
あたしも、道明寺の匂いが好き。その香りに包まれてるだけで、くらくらしちゃう。
舌は鎖骨のラインをつたい、手がセーターの中でうごめく。
すべすべとした肌を感じ取りながら、器用にブラのホックを外した。
ブラごとセーターをまくり上げると、乳白色の膨らみが現れた。

「これ、俺の大好物。」

いたずらぽく言いながら、桜色の蕾を指先でつついた。

「あっ…ん…」
「食べちゃっても、いい?」
「ばか。……そんなこときかないで…」

真っ赤になっているつくしをよそに、「いただきます…」と呟きながら、舌で蕾を舐めた。
ちろり、と舐められただけで、快感が走る。ちろちろと舌がうごめくと、腰のあたりがむずむずと疼いた。
もう片方の膨らみは、先ほどからやわやわと揉みしだかれている。

「なあ、ここ、こんなに硬くなってる。」

きれいに色づいている蕾が、ぴんと硬く立っている。

「だ、だって、道明寺が…」
「こっちも、まだ舐めてないのに、こんなに硬い…」

と言って、指先に少し力を入れて蕾を摘む。

「ああっ…ん…」

思わず身をよじって逃げようとするつくしの身体を道明寺が捕まえる。

「こら、まだまだこれからだぞ。」
「ね、お願い。…灯りを消して。」

鮮やかな手さばきで、身ぐるみ剥がされたつくしはシーツにくるまっていた。

「ばかやろう。そんな事したら見えねーじゃねーか。」
「そうするために、消してほしいんじゃん…!」

道明寺もすでに全裸になって、つくしのシーツを剥がそうとしている。

「この間、全部見たから、もう隠すことないって。」

そういえば、灯りを消すことも忘れて、道明寺に抱かれてたっけ…

「だから、ほら、もったいぶんなって…」

言い終わらないうちに、つくしは意を決したようにシーツから出、道明寺にキスをした。
唐突なキスに呆気にとられながら、つくしからのキスに身をゆだねる。

「ね、あたしのこと、嫌いにならないでね…」

と、言うと、身をかがめて道明寺の視界から消えた。
同時に、飛び上がってしまいそうな快感が走る。

へっ?!

見下ろすと、つくしが自分のモノにちろりと舌を這わせていた。

「まっ、牧野?!」

驚く道明寺よそに、ちろちろとピンク色の舌を動かす。

なっ、なんだこりゃあ…

予想もしていなかったつくしの行為と、今まで味わったことのない快感に驚き、身動きがとれない。

「あたしも、道明寺に、気持ちいいことしたいの。」

そう言って、遠慮がちにぱくっと先端を口に含んだ。
口の中で舌がうごめき、ちゅっちゅ…と音を上げながら吸い付く。

な、なんて、いいんだ…。

すでに骨抜き状態の道明寺に、つくしはほっとした。

やっぱり、気持ちいいんだ…。がんばらなくちゃ…!

予備知識は、桜子から学んでおいた。教えられているときは、ひえ〜そんなこと出来ないよ〜、と思っていたが、好きな人を目の前にすると俄然やる気がわいてきた。
思い切って、根元の方まで含もうとしたが、のど元まで入れてもまだ余るほどだった。
それでも、一生懸命口の中に出し入れする。

猫が丸まっているような姿勢でがんばるつくしに、道明寺の手が自然に伸びた。
うつむいているおかげで、胸は大きさを増したように、たわわに揺れている。それを両手ですくうように揉みしだく。敏感な蕾は、指でクリクリと摘んだ。

「っ…あ…」道明寺を含んでいる口元から声が漏れ出す。

片手を胸から放すと、滑らかな身体のラインを撫でまわし、下腹部へと移動した。
淡い茂みをかき分け、花びらをかき分けようとした道明寺の指が、動きを止めた。

「牧野…。もう、びしょびしょだぞ…」

つくしの蜜は、したたり落ちそうな程、溢れていた。
蜜を指ですくい取ると、つくしが見えるように顔に近づける。

やだ…、あたしそんなに…

「俺のをくわえながらこんなになるなんて、いやらしいやつだなぁ」

喜びに顔を歪め、わざとつくしが恥ずかしがるようなことを口にする。

や…やだ…っ…

道明寺の読み通り、羞恥心をかき立てられて、つくしのそこはますます潤む。
つくしは熱で浮かされたように、口を動かした。

もっと、もっと、気持ちよくなって…!

桜子の教え通り、裏筋に舌を伝わせ、ハーモニカを吹くように唇を這わせる。

「ま、牧野…、だめだ、そんなにしたら…」

苦しげな声に顔を上げると、眉根を寄せて切なげに顔を歪める道明寺がいた。

「痛かった?」

自分を見上げる上気したつくしを見ると、胸が締め付けられるほど愛しさが込み上げた。

「…いっちまいそうだ…」

切ない表情の道明寺に、つくしは満足した。

「いいよ、いっちゃっても。」

つくしが口と舌を使い、道明寺は指先でつくしの秘部を探る。
甘い蜜の香りと、快感にわななく白い腰を目の当たりにして、道明寺は爆発寸前だった。
クリトリスを指でこりこりと擦りながら、もう一方の手で、蜜が出てくる花びらの中心に指を入れた。出し入れする2本の指が膣癖に締め付けられ、蜜が太股をつたい始めている。
つくしは甘い声を漏らしながらも、一生懸命奉仕していた。

やべぇ、まじ限界…

道明寺はつくしの肩を掴んで自らをつくしの口から外すと、そのまま押し倒した。

「あっ…」

シーツの海に背中を預け、驚くつくしの目の前に、男の表情をした道明寺がいた。

「あたしのこと、嫌いになった…?」

いやらしい女だと思われたのかも知れない…。不安が心をよぎる。

「ばか。その逆だ」道明寺の激しい愛撫の雨が降りかかる。

あらゆるところにキスされ、舌が這い、強く吸われる。時には弱く歯を立てられ、体が溶けたように思えた。
さっきまでは自分が優位にいたのに、あっというまに逆転している。
もっと、もっとキスして…
道明寺の心地よい唇に酔いしれる。
唇が離れ、両手が体中をさまよう。

道明寺の手…、大きくて、暖かくて、気持ちいい…

ふと見ると、道明寺が屈むようにしてつくしの秘所をのぞき込んでいた。

「っや…やだっ!」

慌てて足を閉じようとしても、間に道明寺がいてどうにも出来ない。

「なんで?いいじゃん。牧野のここ、すげーかわいい」

指で花びらを押し広げる。

「…っや…!」
「だめだ。もっと見して…」

言うと、つくしの腰を片手で支え浮かせると、クッションを一つ下にかませた。
つくしのそこはすっかり丸見え状態になり、思わず逃げようとする。

「だめだ。全部、見たい。」

指で押し広げ、丸見えになったクリトリスに舌を這わせる。

「ひゃ…ぁぁ…ん…」
「きれいな色してる。ピンク色だ。」

自分でも見たことのないそこを、しげしげと見つめられ、舌が這う。
恥ずかしさに、体中が熱くなった。
クリトリスを指で擦りながら、舌が蜜の出所を探る。

「すげえ。溢れてる…」

道明寺を誘うように、とろとろと蜜が湧き出てくる。
舌を差し入れると、つくしの甘い声が漏れ出す。
自分の中で道明寺の舌がうごめき、身体を痺れさせた。
伸びてきた手がつくしの胸の膨らみを揉みしだく。頂の蕾をくりくりと指がいたぶる。
つくしの全身を掌握したような気がして、道明寺は有頂天になっていた。
全身で感じているつくしの様子が、道明寺を煽る。

「っはぁ…っ、…ど、道明寺ぃ…」

全身をピンク色に染め、あちこちにキスマークをつけて悶えている。

「っふっ…、…っはっ…」

背筋に電気が走ったように痺れ、秘所がびくびくと疼く。

「っあぁ…!道明寺…!」

つくしは道明寺の癖の強い髪に指を埋めるようにして掻き抱く。
腰がかくがくと震え、身体に力が入らない。
あまりの快感に、頭の中が真っ白になった。
つくしは落ち着くまで、道明寺の腕の中に包まれていた。

「…道明寺…。あたし…?」

道明寺は優しく微笑むと、腕の力を入れて、より身体を密着させた。

「いったんだよ。」
「…へ……?」

まだ、入れてないのに?…そんな事って、あるの…?

つくしをいかせたことに、道明寺は満足していた。
つくしが愛おしくてたまらない。壊してしまうんじゃないかと思うぐらい、愛おしい。
つくしの身体には、快感が疼いていた。

狂おしいほど、抱かれたい…

道明寺は無言のまま、つくしの唇に口づけた。
何度重ねても、足りないほど求めている。
舌を差し入れ、口腔内をさまよう。のどの奥で小さく喘ぐ。
細い髪に指を絡め、小さな頭を包む。指が耳に触れ、その小ささに改めて驚き、輪郭をなぞる。
つくしも、道明寺の髪や首筋、肩、背中を手のひらで探る。引き締まった身体を慈しむ。
やがて、道明寺の唇と手はつくしの身体を降りていき、胸の膨らみを見つけた。
すくうように揉みしだき、唇に含み、舌を絡める。

「…っふぅ…っん…」

顔を上げ、ちらりとつくしを伺うと、眉根を寄せ、頬を上気させて快感に酔いしれていた。
頂を甘噛みすると、背中を反らせるように悶える。

たまんねぇ…、どんどん感度が良くなってきた…

胸の膨らみや蕾をいたぶりながら、背中や腰、脇腹に指を這わせると、甘い声が紡ぎ出された。

あたし、何だか変……
身体をなぞられるだけでぞくぞくする。さっきよりも、感じちゃう…

「…あ、あたし、…なんだか変なの…」

道明寺は顔を上げて、にやりと笑った。

「さっき、いったからな。感じやすくなったんだ」

そう言うと、つくしの秘部に指を滑らせた。

「っひゃっ…ん…」

一瞬だけ指が触れただけなのに、電気が走ったように身体が反応する。

「ほら、見ろよ。こんなに濡れてる」

道明寺の指はたっぷりと蜜をすくい、したたり落ちそうなほどだった。
そのまま、いたずらっぽく微笑んだ唇で、指を舐めた。

「っや…」
「嫌じゃねーよ。おまえの蜜は甘くてとろけそうだ。」

道明寺の舌が、直接蜜をすくい取る。舌がうごめき、つくしを狂わせる。
クリトリスを舌で転がすようにもてあそび、吸い付くように愛撫すると、つくしの身体は弓のようにしなった。

「やっぱり、ここが一番感じるんだな。」

道明寺は、熱くそそり立った自らにクリトリスをこすりつける。
たちまちつくしの蜜がまとわりつき、滑らかに滑り出す。
一度いっているつくしには、十分すぎるほどの快感に、甘い声が抑えきれずにいた。
つくしに唇を合わせ、見つめると、視線が絡み合う。求め合う瞳だった。

「痛かったら、言えよ」
道明寺の声が優しくて、泣きそうになる。
小さく頷くと、道明寺は素早くゴムを着け、つくしの花芯へ進み入れる。甘い蜜が溢れた。

「っあっ……ふぅ……っん…」

甘い声が漏れる。
温かく、道明寺のモノが受け入れられる。

「すげぇ、いい…」

道明寺はゆっくりと出し入れし、つくしはその度に甘い声を上げた。
自分を受け入れ、悦びを感じているつくしに、道明寺の激情が溢れ出す。
夢中で腰を動かし、つくしの中で与えられる快感に溺れた。

「…あぁっ…っふ……う…ん……」

つくしの甘い声も、快感に歪む顔も、道明寺を煽る。
おまえの全てが、俺を狂わせるんだ…。
つくしの奥へ深く、強く打ち当てると、淫靡な水音が、部屋の中に溢れる。

「…ど……道明寺ぃ…」

潤んだ瞳で道明寺を求め、手を伸ばす。
覆い被さるようにキスをすると、首に腕を絡めてくる。
そのまま腰を動かしていると、密着度を増した身体に、更に刺激が生まれた。

やべぇ、いっちまいそうだ。

「…っあぁ…はぁっ……ああっ…!」

つくしの腰がわななき、背中がしなる。

「いきそうか?」

耳元でささやくと、恥ずかしそうに小さく頷いた。
そのまま耳を甘噛みし、指でクリトリスを擦る。
大きく背中がしなり、道明寺の手から逃れようと悶えている。

おまえは、俺のもんだ…

つくしの全てを手にしたような充実感が心を満たす。
つくしの身体は大きくわななき、喘ぐ声が頂点を示している。

「一緒に、いこう…」

耳元でささやくと、更に腰を打ち付けた。

「ああっ…!道明寺ぃ…!」

つくしは道明寺にすがりつき、腰を震わせた。

いったか…

つくしを見届けると、激しく腰を動かし、自らも果てた。

「っく…!」

道明寺の口から小さな声が漏れ、つくしの中でびくびくと震えている。
額に汗をにじませ、快感に顔を歪ませている男の顔に、つくしの胸が締め付けられた。

「つくし……」

薄れる意識の中で、初めて名前を呼ばれた気がした。






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