熱烈交際
道明寺司×牧野つくし


牧野が、俺から離れていく…。

いつもそんなことを考えてしまう自分に、道明寺は苛立ちを感じていた。
なんで、俺がこんな感情を…!
それでも、つくしが腕の中からすり抜けてしまうような気がしてしょうがない。

牧野…。おまえはどうすれば、俺のものになる?

どうすれば、俺だけのものになる…?

「牧野。」

道明寺の声がして、つくしはきょろきょろと辺りを見回した。

「ここだ。」

教室の扉を開き、それに背を預けて薄く微笑む道明寺がいた。
促されて教室に入るなり、唇を重ねて来る。
片手でつくしの身体を抱き、もう片方の手でドアを閉めた。
唇の弾力を楽しむようについばみ、舌を滑り込ませる。

「っう……ふっ……」

つくしの声が漏れ、キスだけでとろけてしまう様子を楽しみながら、口腔内を楽しむ。
顔を赤く染め、眉根を寄せているその様子が、道明寺をたまらなくさせる。

「…っはぁっ……」

唇を解放すると、甘い息を吐く。
突然の激しいキスに戸惑いながら、道明寺を見上げている。
もう一度、唇を重ねようと屈み込み、顔を近づけると、つくしが道明寺の胸を弱く押した。

「?」
「…だめ。この教室の前、F4の溜まり場になってる廊下だよ。声が、きこえちゃう…。」

うつむいて言った言葉に、道明寺はむっとした。

あいつに…、俺に抱かれていることを知られたくないってことかよ。……類に…。

途端、道明寺の胸に激しい嫉妬が生まれる。それはすぐに身体中を駆けめぐり、気がつくと、つくしの身体をきつく抱きしめていた。

「…った…!…苦しい…よ。」

その声にはっとして、腕の力を緩める。
道明寺は意地悪な微笑みを浮かべると、つくしを机の上に座らせた。

な…、何…!?

その笑顔を見ると、条件反射で胸の鼓動が早くなる。

あたし、…また…

これから起こることを期待している自分に気が付き、赤くなる。
道明寺が少し身をかがめるようにキスをすると、つくしののどの奥で甘い声が生まれた。

キスで、こんなに感じちゃう…。

激しいキスは、しつこいぐらいに繰り返され、つくしをとろけさせた。
道明寺の手がスカートの中に潜り込む。もう片方の手はブラウスのボタンを一つずつ外し、ブラのホックを外して、胸の膨らみを露わにさせた。
その形の良い膨らみを捏ねるように揉み、ピンク色の蕾を、指の腹でくりくりと転がす。

「…っあっ……!」

甘い声が唇から漏れてしまい、つくしは慌てて唇を強く噛んだ。
その様子を道明寺が楽しげに見つめている。
頬を染め、眉根を寄せ、唇をきつく結ぶその姿が、道明寺を煽る。
指でいたぶっていた蕾を唇で甘く噛み、舌の先でちろりと舐めた。

「っぁっっ…!」

声にならない声が、絶えきれずに出てしまう。

相変わらず、感度がいいねぇ…。俺の奴隷は…。

ちゃぷちゃぷと、わざと音が漏れるように口の中で蕾を転がし、時折きつく吸い付ける。

「…っく……ふっ…」

声が漏れないように手の甲を唇に押しつけている。
スカートの中の手は、腿を撫で、その滑らかな肌を楽しんでいた。
下着の中に指を潜り込ませ、クレバスを撫でる。

「っひゃ……ぁっん…」

耐えきれない声が小さく漏れる。
そこはすでに蜜をたっぷりと含んでいた。

「もう、こんなに…。」
「っやぁ…。言わないで…。」

ちゅくちゅくと、音を立てながら指がうごめく。

蜜が指にまとわりつき、滑らかな動きを助ける。
下着に指をかけ、引き下ろす。頼りなげな茂みがあらわれ、恥ずかしさにつくしが身をすくめた。

「かわいいな。」

「…恥ずかしい…。」

消え入りそうな声が、道明寺をたまらなくさせる。

「自分で、脚を開いてみろ。」

意地悪な、けれど熱の籠もった声で道明寺が言う。
弾かれたように道明寺を見つめると、まっすぐな瞳にぶつかった。

「っは…恥ずかしい…」

さっきよりも更に小さな声でつくしが訴える。
それがいいんだよ…。

「俺の言いつけが聞けないか?」

つくしは泣きそうな顔で道明寺を見つめ、ゆるゆると脚を開いた。
机の上に座っているせいで、いつもより露わに見える。
艶やかなピンク色のそこは、狂おしいほど道明寺を惹きつける。

「いい子だ。」

道明寺がつくしの恥ずかしい所を見つめている。
それを感じるだけで、つくしの蜜は更に溶けだす。つくしはぎゅっと目を閉じた。
ふいに、廊下の方で人の気配がした。誰かがしゃべりながら歩いてくる。

「西門、今何股だよ?」
「んー…。わかんないなぁ…。お前こそ、あのマダムとどうなってんだよ。」
「順調。」

西門さんと美作さんだっ!!
つくしの身体がこわばる。

「静とはどうなんだよ、類。」

ひえ〜っ!花沢類までっ!

赤くなったり青くなったりのつくしに、道明寺はおもしろくなかった。
っつ…っ……と、クレバスに指を滑らせる。

「ひゃあ…っあ……んっ……」

不意打ちの行為に、思わず声が漏れる。

「…何か、聞こえたか?」

廊下の方で声がした。

やっ!…だめぇっ…!!

つくしは力一杯道明寺を押しやった。

「どうした?」
「ここじゃ…だめ…。声が聞こえちゃう。」

上気した顔で訴えるつくしが、道明寺を舞い上がらせる。

「気にすんな。雑音だ。」

あいつらなんか、放って置け。と、道明寺は気にしていない。
さあ、と始めようとする道明寺に、つくしが必死で抗う。

「っち…違う!あたし達の声が、F3に聞こえちゃうって!」

あたしなんかを相手にしていることがばれたら、道明寺が困るでしょう…?
そんな気遣いをつくしがしているとも知らずに、道明寺はムッとした。
類に、俺に抱かれていることを知られたくないってのかよ。

「……じゃ、声が出ねーように、我慢しろ。」

言うと、つくしの秘所に唇を寄せた。
腰を折り、つくしの秘所に顔を埋めているその様子に、つくしは目眩を感じた。

愛されている……。そんな錯覚に陥ってしまう。

あたしは、…ただの奴隷。その度に、自分にそう言い聞かせる。
襞の隙間に舌を這わし、溢れ出る蜜を舐め尽くす。
丹念に舌ですくい取っても、とろとろと溶け出す蜜が、つくしの快感を表していた。

「……っ…!」

つくしを盗み見ると、手の甲を唇に押しつけ、健気に耐えていた。

かわいー…。

膝を大きく割った体育座りのような姿勢が、また、道明寺のつぼにはまる。
快感から逃げないように、華奢な足首を掴んだ。
小さな花芯が、ぷくりと腫れている。
ピンク色のそれを舌先でつつくと、つくしの身体がふるふると震えた。

「ここが、いいんだろ?」
「…ふ……っぅ……はぁ…」
「ここを、舐めて欲しいんだろう?」

言いながら、指先でくりっと撫でる。

「…っ…」
「ここを舐めたり、吸ったり、唇で噛んだりしたら、つくしちゃんは壊れちゃうんだよなぁ…?」
「…ゃっぁ……!」
「我慢できるかなあ?」

言葉で責め、意地悪な微笑みを浮かべると、つくしの花心を強く吸い付けた。

「……っ…っっ……っ…!」

快感に耐えきれず逃げようとする身体を、力強い両腕が押さえ込む。
硬く腫れたその感触を、いたぶるように味わう。
舌先で突つき、転がし、舌全体を使って舐め上げる。
その間も、指が蜜壺に潜り込み、温かなぬめりと締めつけを楽しんでいた。

お……おかしく…なっちゃう……

ひくつくように締め付けるそこは、つくしの限界を知らせていた。
悔しいくらいに、俺を夢中にする。苛立つほどに、お前に焦がれる…。

「…ゃぁっっ…!…もう……許して…。」

小さな声が震えている。

「牧野?…何を怖がってる?……何もしない。……気持ちよくなるだけだ。」

艶やかな髪を撫で、潤んだ瞳を見つめる。

「どぉ…みょう…じ…」

甘い声で自分を呼ぶ声に、身体が熱くなる。

なんで、こんなに、愛おしんだろう…?

唇を重ねると、震えながら応えた。小さな唇が、小さな舌が、道明寺を求める。
道明寺の指はつくしの中をうごめき、快感を生み続けている。

「……っ…っっ……っ…!」

喉の奥が小さく鳴く。
指を僅かに曲げ、快感のポイントを探り出す。

「…ふ……っぅ……はぁ…」

重なった唇から吐息と声がこぼれ出す。

締めつけが、きつくなってる…?

「…ゃ……っぁ……!」

道明寺の指でつくしは登り詰め、広い肩にしがみつくように果てた。
そのまま、ぐったりと身体を預けるつくしが愛おしくて、道明寺はその広い胸板に抱きしめた。

「……牧野…。…牧野。」

切なさに、声がかすれる。名前を呼びながら髪を撫でていると、幸福感で胸が満たされた。
どうして、そんなに優しい声で呼ぶの…?
かすれた意識の中で、つくしは泣きそうになる。

そんな声で呼ばないで…。そんな風に抱かないで…。優しく…しないで…。

「そんでさー、そのクラブで……。……司?!」

廊下の向かいにある教室のドアが勢いよく開き、いつものようにダベっていたF3の前に道明寺が現れた。
その腕には、つくしが横抱きにされ、顔を赤く染め、くったりと脱力している。
それは、まるで…。

西門・美作がごくりとつばを飲み込んだ。

「牧野、どうしたの?」

すっとぼけた顔で類が聞いた。

「ちょっと、ヤりすぎちまった。」

ばつの悪い顔をする。瞬間、西門・美作が飛び上がるほど驚く。

「ヤっ…?!」
「続きは、俺んちでヤる。」

つくしを大事そうに抱えたまま、すたすたと歩き去っていった。

「つ…司…?」

翌日には、学園中に「道明寺司様・牧野つくしさん。熱烈交際!!」のビラが行き渡っていた






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