金属の感触
道明寺司×牧野つくし


つくしは、目を開けた。…はずだった。
目を開けているつもりなのに、何も見えない。
目の周りの感触で、何かで目隠しされていることに気が付いた。

「な、何…?」

外そうと、手を動かそうとしても、何かで繋がれているようで動かない。
手を動かそうとするたびに、冷たい金属音が響く。
左右の手が、手錠のような物で繋がれ、それが頭上で固定されているようだった。

な、何なのっ!

必死になって手を動かしていると、人が動く気配がする。

「誰?」

くすり、と笑うと、ベッドを僅かに揺らして、つくしのすぐ側に腰を下ろす。

「そんなに手を動かしたら、傷になるぞ。」
「ど、道明寺!?…な、なんで、こんなことするの?早くこれを外して!」

両手を揺らし、金属音を響かせる。
突然、唇に柔らかな感触が触れた。
道明寺のキスは、優しく、つくしの抗う力を抜いてしまう。

「おまえが嫌がるようなことや、痛いことはしないから、安心しろ。」

耳元で、そうささやくと、再び唇を合わせてくる。
舌がつくしの唇をなぞり、するりと滑り込む。つくしは、それに自分の舌を絡め、求め合う。

唇は、耳元へ移動し、舌がその輪郭を撫でた。
それだけで、身体がしなってしまう。
柔らかな耳朶に軽く歯を立てると、つくしの甘い声が漏れた。

「おまえ、今、どんなかっこしてるか教えてやろうか?白いキャミソールと、ヒモパンってやつしかつけてないんだぜ。」

耳元で意地悪な道明寺がささやく。
瞬間、その姿をしている自分が頭に浮かぶ。
恥ずかしさに、太股をすり寄せるようにして、脚を寄せた。

「そんな事しても、無駄だ。おまえの恥ずかしいとこが、レース越しに透けて見えてるぜ。」

いいながら、秘部と胸の頂きを指がなぞった。

「っやっ……!」
「ほんとに嫌か?ここはもう硬く尖ってるぞ」
「っひゃぁ…ん」

胸の蕾をレース越しに摘まれ、身体が大きくしなる。

「ここは、どうだ?」

レース越しに指がクレバスを撫でる。

「っく……ふぅ…ん」
「牧野…。もう、こんなに……?」

道明寺は、つくしの花びらの中心から湧き出る蜜に、目を奪われた。

「ああっ…!……ど、…道…明寺…っ!」

レースをしっとりと濡らし、溢れそうになっている。

「もう、やだ…。恥ずかしい…」

自由の利かない身体を最大限によじり、逃れようとする。
逃れられるはずもないのに、抗う。抗いながらも、こんなにも濡れて、感じている。そんなつくしが、道明寺を煽っていることも知らずに…
道明寺の理性は弾け、つくしの肩を捕まえると、唇を乱暴に奪う。
つくしは首を振るが、精一杯の抵抗も虚しく、道明寺の手は、自由につくしの身体をまさぐる。
道明寺は、キャミソール越しに、つくしの胸を鷲掴みにして揉みしだく。指の先で頂の蕾をくりくりと刺激し、堅さを味わう。
もう片方の膨らみは、キャミソールからむき出しになり、舌が甘く這い、唇が強く吸う。蕾に舌がからみつき、舌を押しつけるようにして弾力を楽しむ。
歯で甘く噛まれ、やわやわと唇越しに歯を立てる。
逃れたいはずのつくしは、悦びに声を上げ、身体をしならせていた。
道明寺の指や唇が動くたび、甘い電気が身体を走る。
目隠しされている分、他の感覚が研ぎ澄まされ、触れている部分の刺激がいつもより敏感になっている。

「これは、もう、いらねぇな」

そう言うと、何かを手に取った気配がした。
と、ジャキ…ジャキ…と音がする。

え?…キャミソール、切ってる?

思わず体を硬くするつくしに、道明寺は苦笑を漏らした。

「心配すんな。」

キャミソールは真ん中から切り開かれ、二つの膨らみがこぼれ出た。道明寺に抱かれるようになってから、大きさを増し、誘うように震えている。

「いいな、そのかっこ」

むき出しになった白い肌に、貪るようにして唇を這わせる。
手は、すべすべとした太股の感触を楽しみながら、つくしの恥ずかしい部分を辛うじて隠している布に触れた。
両側に付いているリボンを引くと、はらりとほどける。
何の役目も果たさなくなった布を、引き抜こうとすると、布がつくしのクレバスに食い込んだ。

「ひゃっ…あ……っん」

つくしの蜜でぐっしょりと濡れているそれを、ゆっくりと引き抜くと、つくしの華奢な身体がふるふると震えた。

声が漏れないように、口を硬く結び、眉を寄せて耐えている。
そんな反応も、道明寺をたまらなくさせた。
秘部を覆う茂みは淡く、まるで少女のように頼りなげで、愛おしさが込み上げる。
クレバスへ指を差し入れると、すり寄せている脚に、更に力が入る。

「こら。力、抜け」

そう言われても、目隠しのせいで、次にどこを触れられるのか見当も付かず、身体がこわばってしまう。
それが、また、快感を呼んでいた。

「しょうがねぇな…」

と言うなり、つくしの両足首を掴むと、M字に開かせる。

「っやっ…」

恥ずかしさのあまり、道明寺の手から逃れようと、脚に力を入れても、びくともしない。
手を固定され、両足も捕まってしまったつくしには、身体をよじるほどしか、抗う方はなかった。
それすら、何の抵抗にもならない。むしろ、道明寺を誘う。
ぴちゃ、と音を立て、つくしのクレバスに舌が触れた。

「っひゃぁっ……あ…」

舌は、何度もクレバスを行き来して、つくしの秘部を探る。
つくしの甘い声と、淫靡な水音が、部屋の中に響いていた。
蜜を啜るように花芯に吸い付くと、つくしは今にも頂点へ登りつめそうになる。
甘く捕らえられ、自由の利かない身体をいたぶられている。この状況に酔ってしまっていた。

「いつもより、感じるだろ?」

意地悪な声に、つくしの身体は更に熱を帯びた。

「手錠で繋がれて、感じてるんだろ?ここも硬くして、ここはこんなに濡らして…」

ふいに胸の蕾を摘まれ、クレバスに指が差し入れられる。

「っくふっ……ん…」

もっとも敏感な部分をいたぶられ、つくしの唇から甘い声が漏れた。

「もっと、声を聴かせろ。その声が、聴きたいんだ…」

胸の膨らみに唇が触れ、音を立てて吸い付ける。もう片方の膨らみも、やわやわと揉みし抱かれ、指先でくりくりと蕾をいたぶる。
クレバスには指が差し入れられ、くちゅくちゅと甘い水音を立てていた。
つくしの唇からは、鳴き声のような嬌声が漏れだし、白い太股を震わせている。
道明寺の指を、膣壁が締め付け、頂点を知らせている。

そろそろか…

ふいに、つくしの身体から道明寺の両手がはなれ、甘い痺れだけが体の中で疼いていた。
そしてすぐに、腰を両手で捕まれ、蜜が湧き出る花びらの中心へ、熱いモノが押しつけられる。
それは、蜜に誘い込まれるように、深く、つくしの中に自身を沈めた。

「っひゃぁっ……ああぁっ…」

突然の快感に背中をしならせ、一段と声が大きくなる。

「牧野、そんなに締め付けたら、もたねぇ…」

道明寺の切ない声が言う。

「あ…あたし…、何にも、してない…」

無意識のうちに、膣壁は道明寺を締め付け、悦びを与えている。その不規則なリズムが、何とも言えない快感を生み出している。
道明寺は、思いのままに打ちつける。そんな乱暴な行為も、道明寺の素直な気持ちを表しているようで、つくしは悦びを感じる。

もっと、激しく、あたしを求めて欲しい……

口には出来ない恥ずかしい言葉が、心の中で溢れ出す。
すでにいきかけていたつくしは、再び頂点へ登りつめていた。
泣いているような嬌声を上げ、内股を震わせている。

「いきそうか?」

つくしはこくこくと頷く。

「いくときは、ちゃんと言えよ」
「っい……いくうっ……!」

つくしの中は、道明寺のものを激しく締め付けている。

「っひゃぁっ……ああぁっ…」

背中を弓のようにしならせて、つくしが果てた。
ふるふると震える白い身体を抱きしめると、再び腰を打ちつける。
いった後のつくしの中は、更に熱を帯び、締め付けも強くなり、道明寺を頂点へ誘う。

「っくぅ…」

道明寺の口から小さな声が漏れ、つくしの中で自身をびくつかせている。

よかった…。道明寺も、気持ちよかったんだ…。

道明寺はつくしの小さな身体を抱きしめた。その頼りない華奢な身体を、腕の中に包み込むと、不思議な充実感と安心感が心の中に広がった。
気が付くと、道明寺はシャワーを浴びた後らしく、バスローブに身を包み、オーディオをいじっていた。

「お、気が付いたか?」

つくしは、側にあったバスローブを羽織り、裸体を隠す。

「なにしてんの?」
「ちょっと、な…。おまえも、シャワー浴びてこいよ」

再びつくしに背を向け、ビデオデッキをいじりながら言う。

「う…、うん」

あの様子じゃ、途中で入ってきたりしないな…
なにやら夢中で、ビデオデッキに向かっている道明寺に安心し、つくしはシャワーを浴びた。

浴室から出ると、部屋の中は真っ暗で、ブラウン管だけが光を放っていた。
音声は消され、何も聞こえない。
何?
正面から見ようと体の向きを変えたとき、急に音が鳴り出した。

悲鳴のような、嬌声……

驚きと恥ずかしさが入り混じり、途端につくしの身体は真っ赤に火照った。

や、やだ!何これ?!Hビデオ!?

「いいだろ、これ」

声のした方を振り向くと、ベットの上でつくしを見つめる道明寺がいた。

「何、これ。アダルトビデオってやつ?…悪趣味…」

明らかに拒否反応を示しつつ、画面から目をそらす。
そんなつくしを背後から抱きしめ、耳元へ唇を寄せた。

「よく、見て見ろよ。」

抱きかかえられるようにして、画面の方へ目をやる。
画面の中には、手錠で繋がれ、目隠しをされた、白いキャミソール姿の女がいた。
いやいやと首を振りながら、快感に悶え、悦びの声をあげている。

「ああっ…!……ど、…道…明寺…っ!」

画面の中の女が、愛しい人の名前を呼んだ。
体中の血液が、沸騰したように熱くなる。

あたしだ……

カメラは、アングルを変え、つくしの身体を舐めるように映し出す。
たおやかな胸の膨らみも、その頂のツンと尖った堅い蕾も、潤んだクレパスも…

「い、いつの間に…?」
「ずっと。……気付いたら、おまえ、嫌がるから、目隠ししてた。」

道明寺は、つくしの首筋に唇を這わせながら、画面を見ている。
つくしの鼓動は、先ほどから早鐘をうち、息苦しくなっていた。
画面の中のつくしは、淫らに声をあげ、身体をしならせ、悦びに溺れている。

「きれいだろ。」

バスローブの肩をずらし、剥き出しになった肩に舌を這わせ、胸口の合わせ目から手を滑り込ませる。

「もう、硬くなってる」

弾力を楽しみながら、蕾を指で挟むように刺激を加える。
それまで、人形のように身じろぎもしなかったつくしの身体がビクンと震えた。
もう片方の手は、するりと太股を撫で、バスローブの裾に潜り込む。指が秘所をなぞり、くちゅりと音を立てた。

「あ……っくふっ……ん…」

かくんと膝の力が抜け、全身が甘い痺れに支配される。その身体を、道明寺の厚い胸板が抱き留める。

「もう、こんなに濡れてんのか…」

熱い吐息と共に吐かれた声には、悦びがにじんでいた。

また、長い夜が始まる……






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