知ってる
道明寺司×牧野つくし


大きなベッドの白いシーツの中。
司の愛をたっぷり受けたあと、心地よいけだるさから
つくしは軽い寝息をたてていた。

(だれかが触ってる・・?)

もうろうとしながら、その手が出てくるほうへ顔をむけ、
細く目をあけると訝しげな顔つきの司と目が合った。

「・・なにやってん・・」

夢と現実の狭間でボーッとしながら、司の方へと体を回転させる。
まさぐる手をさりげなくかわし、司のしなやかな腕の中へともぐりこんだ。
高そうなコロンの香りがほんのりする。

「いや、相変わらずむねねーなーと思ってよ」
「あたしのなんだから文句いわな・・」

言い終わらないうちに、再び夢の中へとおちていく。

司は体を少し下にずらし、

「ま、こぶりだけどしょうがねーなー(フンフン)」

鼻歌まじりで小さな二つの膨らみへと顔をうずめる。

「もー・・ねむ・・」

意識の遠いところで、体を触り「おれの」という司のご機嫌な声が聞こえる。

「あ、てめ、ここどうしたんだよ おい おきろ」
「も、うるさ」

半目でシーツを抱えたまま上半身を起こすつくし。
シーツの脇からのぞく小さなふくらみの脇に、明らかにそれと分かる
赤い跡が見えた。
疑いのまなざしの司。

「え、知らないよ」
「おまえ、別のおとこと・・」
「は? んなわけないじゃん。あんたがさっきつけたんじゃないの?」
「おれはこんなん知らね・・そうか それもそうだな」
「バカ」

再度シーツにもぐりこむつくし。
相変わらず胸の前に司がやってくる。

「なあ、おまえミルクとか出せねえの」

閉じかけた目を思わず見開く。

「んなもん出せるかっ」
「おまえってケチっつーかビンボくせえよな」
「あんたケチってそーゆう問題じゃ・・」
「いーじゃん、愛に餓えてんだもん、おれ」

つくしの手をじぶんの首にかけ抱きつかせ、甘えたように見つめる。

「ふ、ふ〜ん」

拗ねたような顔の司には、つい甘くなってしまう。
こうやって肌を重ねあう時、さりげなくリードをする司が、大人の男のように感じていた。
体ごと受け止めてくれる大きな安心感、その図体も態度もでかい男が
自分の腕に入り込むように甘えてくるそのギャップが愛しい。

ふくらみの先にある小さな突起が舌で転がされる。
さっきまで眠っていた体が、敏感さを取り戻してくる。

(あ・・さっきしたばかりなのに・・)

平静を装うとすればするほど体が反応しそうになり、
つくしは思わず足をモゾモゾと動かした。

「感じてんの?」司がニヤリと笑う。
「ちがうよ、寝返りっ」

照れ隠しでつくしは仰向けになった。
シーツを手でよけ、上に乗っかってくる司。

「ふーん、でもここはこんなんだけど」

つくしの堅く尖った乳首に舌先を下からそっと当て、見上げる司。

「なにしたい?」
「・・ばか」

つくしは司に背中を向けた。

「いーじゃん言えよ」

背中からつくしをぎゅっと抱きしめる

・ ・あ・・

司に何度抱きしめられても、ドキドキしてしまう。
でも多分、このドキドキは自分だけではないと思った。
薄いシーツ越しに、司の堅く熱いものがあたっているのが分かる。

「道明寺の考えてることといっしょっ」
「・・ふん、しゃーねーな勘弁してやる」

「はあっはぁっ・・・」

ベッドの背にもたれ、足を開かされたつくし。
華奢な膝と白い太ももを押さえつける司の腕の力が少し強い。

「やだ、恥ずかしいよ道明寺」

その声が聞こえないかのように、顔をうずめ秘部をむさぼる。
荒い息づかいと対照的に割れ目をやさしくなぞる舌。
何度も何度も茂みをかきわけ、中へ入ってこようとする。
ソフトクリームをすくい舐めるように、
下から何度も舐めあげる司の長いまつげを見て、
つくしは恥ずかしさのあまり、赤く染まった顔を手で被った。
司の執拗な舌の動きが、小さな突起をとらえた。

「ああっ・・・だめだよ、だめ 変になっちゃうっ」

M字にされたつくしの踵が何度もシーツをなぞり、衣擦れの音になって響く。

「ならやめるか?」

つくしをためすような表情で、口の端で舌なめずりをした。

「あ・・・・・・」
「あぁ? 聞こえねーな」

つくしは羞恥心でいっぱいになり、泣きそうな顔になる。   

「・・やめちゃ・・」
「やめちゃ・・?」
「・・・やだ・・・」

その声が届く間もなく、つくしの唇は塞がれた。
口の中でその熱を持った舌が何度もうねる。
自分のそこをトロトロに溶かすその舌が愛しくて、つくしもその愛に答える。
司にしがみつき、何度も何度も深いキスをする。
塞がれた口元から、喘ぎ声にならない息がもれる。

「ん・・ふ・・ん・・」

もうこれ以上一つになれないと思うほどに、力強くて甘いキス。
よりかかった体勢から、そっとベッドに寝かされる。
司の細く長い指がつくしの顔を撫で、耳たぶから首筋、胸へとおりていく。
ずっと前から尖って敏感になっていた蕾を刺激され、体がビクンと動く。

「ぁああっ・・・」

摘むように転がされ、そして次第に乳房全体を愛撫する。
しがみつくつくしをゆっくりと剥がすように、
指のなぞったあとを追って、キスが下へおりて行く。
顔、耳たぶから首筋、胸、そしてその敏感な蕾を司が口に含んだ。

「ああっ・・あぁ・・・」

つくしは自分の女の部分から、いやらしい液がさらに溢れて出るのを感じて
体を捻った。
愛撫する部分を舌にとられ、彷徨っている司の手が、腰を撫で尻をまさぐり
その双丘の間から、もうすぐそこに到達する。
もうすぐ、という期待で、もれる息をひそめるように意識がそこに集中する。
しかし、ねっとりと転がされる胸の蕾が、快感を主張する。

「ああっ・・あああっ」
「やべーよ、おまえ、すげぇ可愛い」

そういって、ぐっしょりと濡れたその奥へと少し乱暴に指が入ってくる。

「やっ はああっ  あああっ  んん・・」

再び唇はキスで塞がれる。司が奥へ奥へと自分を求めてくるのが分かる。

「はぁあっ はぁっ」

指で体の中を激しくかきまわしながら、司は唇を離し、つくしの頭を抱え抱き寄せた。

「ああっ もうだめっ ああっ あああっ」
「それ・・声・・・すげー興奮する・・も限界」

腰を持ち上げ一気につくしの体を突きあげた。

「あんましめつけんなよ」言葉と裏腹に声が喜んでいる。
「あああっ」

何度も何度もピストンを繰り返す。
汗と愛液の境目が分からないほど、激しく愛し合う。
汗ではりついたつくしの前髪を、そっとかきあげ額にキスする。
腰をかかえ体を重ね、時に体を離し突き上げる。

「道明寺・・おねがい、手・・」
「司っていえよ」

司とつくしの指が絡み合い、より深く抱き合う。

「あっあっ ああっ つか・・つかさ」
「っ・・・・やべ、イキそ・・」

司が切なげな表情で息をもらす。
その声を聞いて、つくしの子宮が反応する。

「つかまえてて、あたしのこと・・ぎゅっと」
「ああ」
「つかまえ・・あっあっ・・ああああぁっ」

つくしの体が小刻みにふるえ、司も同時にのぼりつめた。

呼吸が穏やかになってしばらくして、司の胸の中で、
つくしはようやく落ち着き。ケロリとした表情で言った。

「道明寺、自分で出たね」
「は?」
「ミルク」
「ぶっ おめー女のくせに、はしたねえこと言うんじゃねえっ」
「なんで」
「簡単にそんなこと口すんな」
「だって道明寺が先に言ったんじゃん。ミルク出せねえのって。こーんな顔して」
「ぐ・・・るせえっ」

枕につっぷす司。

「ちょっと、なんで」

耳が赤く染まっている。
さっきまで自分をいやらしく責めていたのに、こんなちょっとしたことで
照れたりする司を改めて愛しいと、つくしは思った。
そしてつっぷした顔をグイと横に持ち上げ、言った。

「とにかく、す、好きだからね」コホン。

しらじらしいせき払い。

「//////////////・・・知ってる」

もう一度、司の腕にくるまれ、二人はお互い笑顔になった。






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