道明寺司×牧野つくし
「う、うーん・・・」 目をゆっくりと半分開けると、目の前に道明寺の寝顔が飛び込んできた。 「・・・はにゃぁ?」 いつ見ても綺麗な顔だなぁ・・・と寝ぼけながらもあたしは見惚れていた。 だんだん目が覚めてくる。道明寺は静かな寝息を立てている。 壊れそうなものをやさしく抱きしめるように、あたしを包み込みながら。 たまらなく愛しい。愛しくて、愛しくて、気がついたら涙が出てきていた。 多分それは、あたしが今日日本に帰るからだ。道明寺のいるN.Y.にはたまにしか 来れない。たまにしか会えない。今日別れた後、またしばらく会えない。 「おい」 「え?」 顔を上げるとすっかり目を覚ました道明寺がまっすぐにあたしを見つめていた。 「どうした?」 「あ、いや、ちょっと色々・・・」 「色々って何だよ」 「・・・忘れちゃった」 「・・・ふーん」 道明寺は体を起こした。均整のとれた体。美しい顔。芸術作品みたいだ。 そんな美しい獣はしばらくあたしを見た後、突然鼻をぶにっとつまむ。 「んぁっ!?」 「あはははは」 「な、何笑ってんのよ!」 「今日、1日ベッドの中で過ごそうか」 「え?」 「・・・1日ベッドの中でいちゃついて、いろんなことをする、と」 「いろんなことって・・・」 「別に新しくすることじゃねぇだろーし。・・・だから照れるな、お前の照れる顔は 伝染するって言ってるだろーが」 自分で言っておきながら顔を真っ赤にしている。こういうところが、たまらなく好きだ。 歯の浮くような台詞をさらっと言ったかと思ったら、突然照れたりする。かわいい。 「そうだね、それもいいね」 そう言ってあたしは自分の唇を道明寺の唇に軽く触れるように重ねた。 道明寺はわかってる。あたしの涙を見て、あたしが泣いた理由を。 「牧野・・・」 道明寺の腕があたしの剥き出しの背中を包み込む。やさしく包み込んでくれる。 あたしは道明寺の首に手をまわし、鼻と鼻をくっつけた。道明寺が微笑む。 それが嬉しくて、あたしも微笑んだ。 微笑みながら、あたしたちは何度もお互いの唇をついばむように重ねあった。 一呼吸置いて、道明寺があたしを強く抱きしめてキスをした。あたしは唇を 開いて、道明寺の舌を受け入れる。絡め合い、吸い合い、唇を何度も噛んで あたしたちは愛し合う。 道明寺のキスが好き。キスをしている時の顔が好き。 だけどまたしばらくこのキスともお別れ。 また泣きたくなってしまい、唇を離して首にしがみついた。 道明寺は何も言わずに、力強くあたしを抱きしめた。 「道明寺・・・痛いよ・・・」 道明寺の右手がそのまま下に降りていき、あたしのお尻をぎゅっと掴んだ。 「っひゃ!」 顔を上げたあたしにキスをして、道明寺が笑う。「泣くな、バーカ」 お尻を掴んだ右手は今度はあたしの左胸を愛撫する。大きな手のひらで やさしく撫で回し、人差し指と中指で小さな突起の周りをつんつんとする。 「あ・・・はぁ・・・」 たまらず吐息が漏れる。急に2本の指で突起を挟まれた。 「・・・あっ!」 背中を支えていた左手がするすると下に降りて、お尻のカーブに添って 何度も何度も撫で回す。その後割れ目にそっと指を入れてくる。 「ああ!あふぅ・・・:」 体がびくっとして、道明寺にしがみついてしまう。 「聞かせて、牧野の甘い声。もっと声出して。もっと俺の指で感じて。 俺のキスで感じて」 道明寺の囁きがあたしの興奮をさらに刺激する。 「ああ・・・あぅ・・・あはぁん」 声が大きくなる。道明寺、あたしダメだよ我慢できないよ。あたしが腕を動かすと 道明寺の手がそれを止める。「ダメ。動くな」え?どういうこと? 「俺が気持ちよくするから。今はお前はただ気持ちよくなってればいいから」 「でも・・・あぁ、それじゃ・・・あふぅ」 「1日長いから焦らなくていいよ。お前の次は、俺」 「あ、そういうこ・・・あぁん」 道明寺の愛撫が気持ちよすぎて、言葉をちゃんと言えない。 あたしの胸の突起を道明寺は舐めて転がしてたまーにかじる。 そのたびにあたしは声をあげる。両手で胸のふくらみをそっと持ちあげるように (横になるとほとんど真っ平らになっちゃうんだけどさ・・・) 愛撫しながら時々力強くもんでいる。片方の腕はそのままに、もう片方は太ももを撫で始めた。 あたしの大事なところに触れそうで触れない道明寺の指先。胸を満喫した 唇はお腹を通り越して、太ももの内側にキスする。舐めて、強く吸い上げる。 お尻を撫でて太ももを愛されながらも、肝心のところに触れない。焦らされてる。 「あん・・・どうみょう・・・おねが・・・あん」 「・・・もう我慢できねーのかよ」 「・・・いじ・・・わる・・・」 道明寺はふっと笑って、右手の中指で割れ目をそっとなで上げた。 「ひゃぁっ!」 手のひらで撫で回し、指を使ってあたしをいじめる。あたしは言葉にならない声を ただあげるだけ。道明寺の指が1本、2本と入ってくる。最初はそおっと、でも 次第に強くこねくりまわしはじめる。 「ああ!やん・・・ああ、あふぅ、ダメ、だ・・・ああ!」 「牧野」 あたしを呼ぶ声に息を整えながら道明寺を見つめる。美しい人。この人がほしい。 「道明寺が・・・ほしい。お願い・・・焦らしたりしないで挿れて・・・」 「牧野、愛してる」 「あたしも・・・愛してるよ」 道明寺はあたしにキスをした後、硬くなった道明寺自身を挿れてきた。 激しく何度も突き上げられて、あたしは道明寺の背中に何度も爪を立てた。 道明寺のキスと、激しい突き上げに我慢できずに、あたしも道明寺も同時にイッた。 その後、あたしたちは飛行機に間に合うぎりぎりの時間まで何度も愛し合った。 約束通りその次はあたしが主体で。 あたしの体に道明寺が印を残す。あたしが道明寺に印を残す。いくつも、いくつも。 「じゃぁ、もう行くね」 「おう。これ、飛行機のチケットな。気をつけろよ」 「うん、ありがとう。また・・・次会えるまで寂しいけど頑張るよ」 「おう。でも次は俺が日本に行くから」 「・・・え?でも仕事・・・」 「時間作っていくから大丈夫。で、お前の家族に予定空けさせておいて」 「え?」 「ほら」 そういって道明寺があたしに小さな箱を渡す。大きさからいって、中を見なくても分かる。 「これって・・・」 「『お嬢さんを僕にください』って、頭下げてやるよ」 そう言って、道明寺は微笑んだ。 SS一覧に戻る メインページに戻る |