道明寺司×牧野つくし
夜中にふと目が覚めると腕の中にいるはずの牧野の姿がない ベッドには微かに温もりが残っていてベッドサイドのライトを点け部屋を見渡したが姿はない シャワーか?トイレか? いてもたってもいられない俺はシーツを乱暴に跳ね除けベッドから抜け出した。 部屋に備え付けのシャワールームを覗いても姿はなかった。 時計をみると午前2時を指していてこんな時間に散歩をするとも思えず 妙な胸騒ぎを覚えて部屋を出た。 隣室から、かたっぱしにドアを開けて声をかけるが返事は返ってこない 深夜だからか?俺が大きな声で『牧野』を呼んでも使用人すら出てこない 廊下を進むとドアが少し開いて光が漏れる部屋をみつけた。 多分あそこだな何やってるんだよ。 まったく迷子なってんじゃねーよ 驚かせてやるか 光が漏れる部屋に足音を忍ばせて少し開いたドアから中を覗いてみる やっぱり・・・ 覗いてみると窓辺に立つ牧野の姿が目に飛び込んできた。 心配させやがって ドアに手をかけた時、牧野が優しく微笑みかけ誰かに話かけている 誰と話してんだよ?たまか? 誰とこんな夜中に話してるのかと不思議に思った俺は様子を窺う事にした 誰かが牧野に近づいてくる 類・・・・ なんでだよ お前はこんな時間まで起きてられねーだろ? なんで居るんだよ 牧野に近づくとなんのためらいもなく手を伸ばし牧野も拒むこともなく 類の背中に腕をまわした・・・ どうなってるんだよ 待て落ち着け・・・ 解った新年早々の悪趣味なドッキリだろ 俺が部屋に怒鳴り込んだらどっかからあきらと総二郎が笑いながらはいってくるって魂胆だろ そんな子供騙しひっかかるかよっ 逆にはめてやるからな・・・ だってよここは俺の自宅だぞ? ほんの数時間前までダチで集まって飲んではいたが類は早々と「眠い」って帰ったし 総二郎も女からの呼び出しで帰ったし、あきらは桜子と滋と連れ立って遊びに行ったし ぜってー罠だろ ダチとはいえ勝手にこの家に、いやこの敷地内に入るのは野良猫だって難しいんだからな 類が戻ってきたなら尚更だ、俺の耳に入らないわけがない 残念だったな新年早々にお前らの悪巧みは失敗だぜ!!! 「やっと2人きりになれたね」 「うん・・・でも」 「大丈夫だよ案外さ、敵のテリトリー内の方が安全だよ」 「うん」 お互いが相手を優しく包み込むように抱き合ってる ムカツク 演技だってわかってても腸が煮えたぎって拳を力任せに握った お前らは演技の練習でもしてんのかよっ 少し空いたドアの影から微かにみえる世界 月明かりが2人のシルエットを照らし出しそっと重なった どうなってるんだよ 抱き合ったまま角度が変わったのか2人の姿がシルエットでしか確認できない 少し離れた影はまた重なり重なった時間が長くなった・・・ 何してんだよ? 「んっ待って・・・」 「オレは今のままで平気 司には悪いと思うけどそれ以上に牧野と一緒にいたい」 「あっあたし」 「司がいなかった4年間、誰にもばれなかったでしょ?」 「うん」 誰だよシナリオ担当は? 類か?あきらか?総二郎か?悪い事はいわねーよ 会社継ぐよりそっちの道に進め 俺様が投資してやるよ 声に釣られるように中を覗き込むと見詰め合ったまま 動かない2人 ははぁ〜んここまでかシナリオはだったらここからは2人のアドリブだな? 見せてもらおーじゃねーか 類の手が牧野の頬を優しく包み顔がどんどん近づいていく どうせフリだろ? 顔の角度が変わって俺は一気に硬直した フリだと思っていたキスは頬ではなく唇に繰り返されていた 一度触れた唇は優しく啄ばむようなキスに変わり角度を変える度に 牧野の顔が赤く火照っていく。 お前らマジなんか? 俺が居なかった間に2人はそんな関係だったのか? 一瞬にして頭に血がのぼった もう限界だ!!! ドアノブに手をかけ勢い良く引いた ドアが開いたはずが・・・ 一ミリも動いちゃいない なんだよっ 「おいっなにやってんだ?」 ドアの隙間から叫んだ。 あれ? 今確かに大声で叫んだのに2人共キスを辞めるどころか一層深くキスを繰り返す 「おいっ」 「おいっ類、牧野っ」 俺がどんだけ叫んでも2人はびくともしねー あきらと総二郎も現れない こんなに大きな声を上げても使用人すら現れない なんだよっクビだっ全員クビだ 再度ドアノブに手を伸ばそうとしたがもびくともしねー なんなんだよっ 「おいっ誰か?あきら、総二郎いるんだろ? おいっ類、牧野っもーわかったから おいっタマ、タマはいねーのかよっ 」 俺がどんだけ体を動かすとしても石の様に重くて動かねー 俺がどんだけ叫んでも誰も気づかねー 部屋の中の2人は俺の声なんか聞こえてない様子でいつの間にか 部屋の片隅にあるベッドに移動していた 横たわった牧野に覆いかぶさるように重なる類 何度叫んでも届かない声 何度動かそうとしてもビクともしない体 どうなってんだよっ 俺は爪が掌に突き刺さるほど強く握り足を前に出そうと必死にもがく 額には嫌な汗が滲み 届かない声、動かない体、2人の密会に苛立ちがピークにきた ベッドの上でお互いの服に手をかけ一枚、また一枚と床に投げられる 繰り返すキス 類の手が牧野の体を撫で回す 唇から首筋に 体中にキスが繰り返され 類の手が牧野の胸を捉えて形にそって撫でられる 愛撫が繰り返されると鼻にかかった甘ったるい声が部屋に響く おいっやめろっ やめてくれ 血がのぼった頭じゃ考える事さえできねー ジタバタしてみたもののビクとも動かず ただ隙間から2人の情事を肩で息をしながら眺める事しか出来ない 下着を剥ぎ取られた牧野の形のいい胸の突起を口に含んだ 「あっんっ」 類から与えられる快楽に喘ぐ姿が艶かしく 行為の合間に愛しそうにみつめる2人は正に演技ではないと思った 俺の耳には胸の突起を愛撫する類の唇の音と荒い息 愛撫に答えるように吐かれる甘い吐息が直ぐ傍に感じた 「んっはぁっ」 類の愛撫が激しくなったのか牧野の手が類の頭をかき回し さっきより大きな喘ぎ声が聞こえてくる 胸への愛撫と同時に体を弄る手 潤んだ瞳で類をみつめる牧野 「気持ちいい?」 「んんっはぁっうん」 「司とどっちがいい?」 「あっそっそんな事わかんないっ」 繰り返す愛撫に限界なのか足と足を擦りつけ ベッドにかかとを何度も擦りつけシーツに大きなシワを作っていた 体を弄っていた手が太ももに移動して内ももの柔らかな肉を抓むように楽しんでいる どんどん頭がぼーっとしてきた みたくもない行為を見続けなければいけない状況に爆発しそだ 「あぁっんんんっんっはぁっ」 ごくりっ 生唾を飲み込んだ音が脳に響いて心臓が大きくドクドクト波打つ ドア一枚隔てた直ぐそこで世界でたった一人の愛しい女とガキの頃からのダチの情事 全身に嫌な汗をかいて気持ち悪い 輪郭をなぞって滴り落ちる汗を拭うことも出来ない 「はぁっんっんっんっ」 ちゅっちゅぱ 牧野の喘ぎ声にねっとりとした愛撫の音 今すぐ瞼を下ろして見たくない 今すぐ耳を塞いで牧野の声も聞きたくない 今すぐ部屋に乗り込んで類をぶっ飛ばしたい 今すぐ部屋に乗り込んで牧野に事情を聞きたい 今すぐ部屋に乗り込んで・・・嘘だといって欲しい 想いと裏腹に部屋を覗いたままの俺は牧野の姿に欲情した・・・ 俺だけが知っているはずの牧野の淫靡に歪む顔は類も知っていた そんな光景を見ながら下半身が硬くなり始めた自分に心底幻滅した 足を開かせた類は溝に指を沈めた 「はぁんっつ」 ゆっくりと指が上下してその度に類の頭を牧野がかきむしる 体は仰け反り速さを変えて抜き差しされる度に一層大きい喘ぎ声が部屋に響いた 「あぁんっあっつ」 「んっ牧野っいつもの言って?」 胸への愛撫を止めた類が牧野に声をかけた 下半身の指は相変わらず動いていてその動きに合わせて牧野の腰も上下している 口元を手で覆った牧野が照れたように類をみつめている 「言わないとっここで終わりだよっ」 「んっんんんっるっ類・・・好きっ」 「オレも好きだよっ」 はにかんだ笑顔で類を引き寄せる牧野・・・ やめろっやめろっ 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」 聞きたくない言葉・・・ 拳を力任せに握り大声で叫んだ・・・・・ 「うわぁっ」 雄叫びを上げベッドに飛び起きた。 ぜーぜーと肩で息をしながら額からこめかみを流れる汗を拭った 状況が上手く呑み込めねー 夢だったのか?現実だったのか? 体は妙にだるいのに頭ははっきりしていて徐々に平静になるにつれて 体に掻いた汗でパジャマがべっとりと張り付いて不快感に襲われた。 まて、牧野は? 慌てて左手にゆっくり視線を落とすとシーツに包まるように眠る牧野が目にはいった 「はぁ〜」ほっとしたのか酷い脱力感に襲われる 夢とはいえ瞼を落とせばあの光景がリアルに浮かんでくる あいつ夢にまで出てきやがって全く嫌な奴だな!!!! さっきだって牧野と親しげに話しやがって・・・ まー俺の夢に登場できただけでもありがたいと想えよ 2度目はねーからなっ 夢なんて久し振りに見たぜ今年はいって初かっ 体に張り付いたパジャマがイライラさせる 隣で無防備に眠る牧野の寝顔までむかついてきた シャワーだ さっぱり綺麗に洗い流してやるさ 現実にあんなことが起きるわけねーからな 今日はちょっとあいつらが仲良さそうにしてたから気になっただけだ 俺はベッドからそっと抜け出すと足早にシャワールームに向かった 汗を含んだパジャマを脱ぎ捨てると鈍い音がした 金色の蛇口をひねるとほわほわとした湯気を立てながら勢い欲お湯が流れ出した 頭から熱いシャワーを浴びながら脳裏に浮かぶのは類と牧野の情事 淫らに絡む2人の姿・・・ あーーーーーーーやっぱムカツク 殴りてーーーーーー だめだだめだっ牧野がまた怒るし、あきらに総二郎がまた面白がって 3年は言い続けるからな やらしー顔しやがって 何が好きだよっ あんときの類と牧野の顔を思い出すと・・・ なに考えてるんだよ!!! 時間がたつにつれて曖昧になる記憶に所々現実が交差して さっきより苛立ちが抑えられなくなってきた どうにも落ち着かない俺はシャワールームから戻ると ベッドの片隅に腰を下ろした。 シャワーを浴びてすっきりするはずが胸の中はまだもやもやとしていた タオルで髪を大雑把に拭きながら牧野の寝顔をみつめる やっと逢いたいと思えばいつでも逢えるようになった やっと手を伸ばせば触れる事ができる やっと心と体がひとつになれたっててーのに 夢と現実が逆転したな 俺は思わず苦笑した。 離れていた4年は仕事と勉強に明け暮れて たまに見る夢に牧野が出てくるだけで幸せだった。 くじけそうになった日も怒りでブチ切れそうになった日も 牧野に逢える事だけを信じてつっぱしった。 やっと日本に戻ってきて慌しい毎日にくたくたになっても牧野の声を聞くだけで パワーが湧く どんなに疲れてても牧野に逢う為に睡眠時間を割いてでも逢えれば疲れなんか吹っ飛ぶ NYで吸い始めたタバコも牧野がキスするたびに「不味い」って言いやがるからやめてやった 日本に帰ってきたら自然にタバコが不味くなったんだよ 多分、牧野に逢えないストレスからタバコに走ったんだな今はタバコは必要ない こんな大口開けて眠るお前さえも愛しいぜ そうだ夢なんだよさっきのは 現実が幸せだから逆の夢みたんだよ そりゃ4年間逢えなかった間の2人には興味あるぜ? だけどよ牧野のこと信じてやれるのは俺だけだからな 馬鹿馬鹿しいぜ全く まて、類のやつ変な念力で俺の夢に侵入してきたんじゃねーだーろな? あいつは寝てばっかだから眠りに関してはプロだからな よしどんどん来い!!! 俺の夢に出てるって事は牧野の夢には出てないって事だろ? まーいいさ災厄な夢だったが忘れてやるさ 体も乾ききった所でさてと寝るか今度はいい夢みせろよ パジャマを用意させるのも面倒でバスローブを脱ぎ捨ててシーツに潜り込んだ 「んんんっ」 俺がベッドに入るとマットが沈んで牧野がうなるような声とともに俺と反対方向に寝返りをうった おいおい、お前はこっちだろ? 肩に手をかけ俺のほうに体を転がそうとしたとき 「んっ花沢っるっいっ」 俺は自分の耳を疑った こいつ類の名前呼んだだろ? 収まったはずの怒りの感情が一気に噴火した やっぱりこいつら俺のいなかった間に 夢の中でもいちゃこいてんのか? ふざけるなよ 俺は感情のままに牧野の肩にかけた手に力を込めた 「んっいたっ」 肩に痛みが走ったのか牧野の眉間にシワがより寝苦しそうな声が吐き出された 牧野に覆いかぶさると微かに瞼が動いた 邪魔なシーツを剥ぎ取ると牧野のパジャマの上着の襟ぐりに手をかけた 「んっ道明寺?」 体制を変えて馬乗りになった俺を下からみつめる牧野 まだ寝ぼけている様子で瞼は開ききっていない 襟元からきっちりとはめられたボタンに手をかけると 「ちょっちょっと何してんのよっ」 慌ててもがき始めた牧野を無視してパジャマの胸元を掴むと一気に引き裂いた 「きゃっなななんなのっ?」 ボタンがベッドのあちこちに飛んで肌蹴てみえた素肌には先ほどの行為でついた印が 体中にいくつも浮かび上がっていた 「ちょっとなに?なんなの?どいてよ」 牧野の口から次々と言葉が吐き出され逃げようと俺の体の下でもがいている 掴みかかってきた牧野の手を簡単に左手で止めてベッドに押さえつけた 不安に揺れる瞳ではなく鋭く睨みつける瞳から逃げるように唇を重ねた 「んんんんんんんんんっ」 唇を割って舌先を進入させる 右手は素肌を楽しむこともなく下着の上から胸を鷲掴みし強く揉んだ 「んんんっんっうぅうううっ」 掌にレースのざらざらとした感触が邪魔で下着をズリ上げる 掌で円をかくように強弱をつけて揉むと抵抗とは違う声が混ざり始めた 強く揉むたびに胸の突起が主張し始め逃げていた舌先も痺れるほど絡められる 突起を親指で弄れば体を仰け反らせて反応する 唇を離しぶつかった視線 先ほどまでの鋭い瞳から快楽で濡れた瞳に変わっていた 「んっはぁっやめてっ どうしたの?」 潤んだ瞳から視線を逸らすと首筋を辿ることもなく胸の突起を口に含んだ 「あぁんっちょっとんっ待って」 固くなった突起を舌で転がし甘噛みを繰り返す 「はぁっんっ」 「類となにしてたっ?」 「はぁっんっ?花沢っ類と?いつのことはっ」 「さっきだよっ」 「あぁっんっんっんなんのこと?」 ベッドに押さえつけていた手を開放してやると俺の肩を力一杯押してきた どっかりと覆いかぶさった体は微動たりすることもなく肩を掴まれる度に 爪がくい込んで痛みが走った 「お前の体に触れていいのは俺だけだっ」 「はぁっなにいってんの?」 牧野の体から離れるとパジャマのズボンに手をかけた すぐに俺の手を止めようと重ねられる牧野の小さな手 下着と一緒に膝まで下げるとジタバタと暴れる足を掴み開かせた ベッドの隙間から体を無理矢理ねじ込んでパジャマが邪魔で開ききらない足の間に 顔を埋めた 「ちょっとヤダやめてよっ」 肩に乗せた足はジタバタと暴れだし自由になった手で俺の肩を何度も押している 指で蜜部を開くと固くなった突起を口に含んだ 指で弄る事はあったが始めてする行為 俺の頭を何度も掴み押しやる手も突起を舌でれろれろと舐める度に弱くなってきた 「はぁっはぁんっんっんっいやっ」 何時もなら牧野が快楽に仰け反り素直に反応する顔をみながら愛撫するのが好きだ だが今日はとても顔をみられる心境じゃなかった 類との行為で淫らに悦んだ顔がちらついて声さえもムカツク そんな2人の行為に苛立ちとは裏腹に反応する下半身・・・ なんなんだよっ まだ濡れたりないそこからはとろりとした愛液が溢れてきた 女の体は恐ろしい 嫌だと口で言いながら体を弄ばれれば体は悦び男を誘い込む準備を始める 大きく舌を動かすたびに大きくなる喘ぎ声 くちゅくちゅといやらしい音をたてながら舐めれば抵抗していた手も今では頭を撫でている 「んっんっあぁっ」 ぐちゃぐちゃの心境 類が牧野に愛撫を繰り返す姿 類の愛撫で淫らに喘ぐ牧野の姿 俺の愛撫で抵抗しながらも淫らに喘ぐ牧野の姿 どれに自分の体が反応しているのか解らず下半身は一気に硬くなった 突起を開放してやると荒げた息を落ち着かせるように肩で息をする姿が瞳に映った 足の間に体を割り込ませるといきり立ったそれを泉に押し当てた 「まってっつけて?」 「めんどくせーよっ」 俺は泉に押し込むとまだ濡れきっていないのか俺が焦りすぎで入らないのか なかなか収まらずぐいぐいと押し込んだ 「いたっいたいっ」 眉間にシワを寄せ俺の腕にしがみつく そんな声を無視して蜜を絡めるように泉に押し込むとゆっくりと動かし始めた 「あっいたっんっんっ」 愛撫を怠ったとはいえ、ほんの数時間前にした行為と唾液で充分かと思ったが まだ充分ではなかったようだ 逃げようとする腰を押さえつけ浮かしては沈め角度を変える度に苦痛の声は消えた 体がぶつかる音と蜜部からのいやらしい音が耳に残る 「んっんっんっはぁっん」 「はぁっはっお前、類としてんだろ?」 「んっんっしてないっ」 「類のこと好きなんじゃねーの?」 「はぁっんんっ好きじゃないっ」 「嘘ついてんじゃねーだろーな?嫌なんだろ?やめてやろうか?」 「あんっいやっ嘘なんてっついてない」 今のも泣きそうな表情 俺の腰に絡まる足は離れるどころか痛いほどに引き寄せられて濡れた唇からは 荒い息と甘い吐息が混ざり腰も動いている 「あんただけっあたしが好きなのは道明寺っあんただけっ」 物欲しげに見上げる表情と打って変って潤んだ瞳だけは真っ直ぐ俺をみつめている 速度を上げて突き上げればシーツにしがみつきキレイに敷かれていたはずのシーツは 大きなシワを幾つもつくっていた。 腰を動かすたびにベッドが軋み海を泳ぐマーメイドの様にシーツの中で乱れる姿は妖艶に映った シーツを握り締めていた手が背中を駆け巡りお互いの腰の動きは早く深くなった 「あはぁんっもうダメっんっふっつ」 「我慢しろ」なんていった所でできるわけもなく 俺の背に爪を立てて乱れている 「はっもうっいきそうか?」 「んっはぁぅっもうダメっ」 「はっはっ一緒にいくぞっ」 額に滲んだ汗は頬を伝い牧野の体に滴り落ちる 腰を一心不乱に振り続けると中がきゅっと締まって 「んんんんっつあぁあああっ」 「んっくっつ」 腕に残った力で体を支え牧野の体に重なるように倒れこんだ ぜーぜーと肩で息をしながら放心状態の牧野 体を離したくなくて繋がったままで牧野の回復を待つ 額や首筋に汗でべっとりと張り付いた髪を指でそっとはがす 「んっつ」 気だるそうに瞼を上げた牧野が怪訝な顔で俺をみている 「どっどいてよっ」 俺の肩を押して体を離すように催促が始まった 「どいてってば・・・で、なんなの?」 「お前夢みてただろ?」 「あーーーみてたような気がする」 「俺も見たんだよっ」 「それとコレがどんな関係があんのよっ」 「お前夢で類となにやってた?」 「はっ?なんでいわなきゃいけないのよっ人に聞く前にあんたが先に話しなさいよ」 額の汗を拭いながらぷりぷりと怒りしまいには俺の胸を数回殴りやがった 「お前がやってたんだよっ」 「はっ?何を」 「何をって今、俺達がしてた事をだよっ」 「なんで花沢類が関係あんのよ」 「だから類とやってたんだよお前がっ」 「ばっかじゃない?」大きな声で叫んだかと思えば腰をぐいぐいと押して 俺を追い出そうとしている 「うるねーなっ鼓膜敗れたらどうすんだよっ」 「あんたがバカみたいな夢みるからよっ」 「じゃーなんでお前の夢に類が出てきてんだよっ」 全く自分の行動がどれだけ俺を苦しめてるか解っちゃいねーんだよお前は 「だからっそのっ」 急に口ごもった牧野に不信感が湧いた 「絶対いわないっ」 「お前が正直に話さない限り離れねーからなっ」 まだ繋がったままの下半身ぐいぐいと押してやった 「ちょっとっ、けっ結婚式で花沢類が居眠りしてたからっ起こしてたの」 「はぁああああああ?なんで類と結婚すんだよ」 「違うわよっあたしとあんたの結婚式で花沢類が居眠りしてたのっ ましてやあたしが花沢類とこんなことするわけないでしょ? あたしが好きなのはあんたなんだから それにあんたと違って花沢類は野獣じゃないんだからっ、ほらどいてっ」 俺の尻をペチペチと叩いて早口で言われた言葉に重要なポイントが3点 シラフの時に牧野の口から「好き」なんて言葉が聞けるのはすっげーレアなわけよ しかも俺から催促されて言うのが殆ど おいっ誰か録音してねーのかよっ しかも俺と牧野の結婚式だぜ? こいつ「まだ結婚なんて」っていっといて俺と結婚したくて仕方ねーんだなっ 俺が野獣ってどうゆう意味だよ 俺が怪訝な顔でにらみつけると牧野の口が開いた 「あっあんた自分の誕生日になんて夢みてんのよっ」 はっ?日付が変わって今日は俺の記念すべき誕生日か 「あんた本当にバカねっプレゼントは後にして先に言っとく 誕生日おめでとう・・・結婚してあげてもいいわよっ」 「サンキューっおい今なんて言った?」 「結婚してあげるって言ったのほら、どいてっあっ」 「マジか?よし気が変わらねーうちにっ」 「ちょっと今終わったばっかりなのになんで固くなってんのよっ」 あまりの嬉しさに下半身も反応してしまった俺は 「よーしっ子供は多い方がいいからなっやるぞっ」 「ちょっとぉおおおおおおおっ」 俺がみた初夢は悪夢だったが牧野が聞いてチャラ 牧野がみた夢は初夢でもなく俺が聞いてしまったが半年後正夢になった SS一覧に戻る メインページに戻る |