道明寺司×牧野つくし
![]() いねぇ…いねぇ…ここにもいねー! 「おい!牧野みなかったか!」 「俺見てない。美作みた?」 「見てねーよ。つーか、なんかあったのかよ?司」 「うるせぇ!おい類!寝てんじゃねぇ!」 「…ん…なに?牧野なら見てないけど」 「てめ、聞いてたならすぐ答えやがれっ!」 なんだどうしたと騒ぐ総二郎と美作、シカトをしていた類を放って俺はまた足早に歩き始めた。 (牧野のやろう、どこいきやがった!場合によっちゃただじゃおかねー!) *** ことの始まりは昨日の放課後。 いつものようにそそくさとバイト先へ行こうとする貧民牧野を校門で捕まえると、俺は用件をきりだした。 「なに?あたし今日バイトだから急いでるんだけど」 「わかってんよ。お前明日の放課後空いてるか?つーかあけとけ」 「はぁ?何いきなり。ていうか命令しないでよ」 この俺様からの誘いに眉根を寄せて食ってかかる女はこいつぐらいしかいない。 さすが俺様の選んだ女だぜ…なんてことはどうでもいい。 「いいから言う通りにしろ。約束破ったら羽千本食わせるからな」 「それを言うなら針でしょ。じゃーね」 ぐっ…バカにしやがって。まぁいい、明日になればこいつも俺様の魅力にメロメロになるのだから。 「いいか、放課後だからな!」 さっさとその場を去っていく牧野の背中にむかって、俺は忘れるなよという気持ちを込めつつそう叫んだ。 そして今日の放課後。俺は最初意気揚々とした気持ちで牧野のクラスを訪れた。 「ど、道明寺さま!」 「どうなされたんですか!?」 ワラワラと集まってくるクラスの女共は無視してクラスを見回す。 「おい、牧野いねーのかよ」 「ま、牧野さんですか!?」 「さ、さぁ…今日は見てませんけど。もうお帰りになったんじゃありません?」 牧野と聞いた途端ヒクリと顔を引きつらせる女を睨みつけると、少し怯えたような声で 「本当ですのよ。あの方アルバイトをしてるそうなので、今日もそうかもしれませんわ」 と言ってきた。どうやら本当にクラスにはいないらしい。 (どこ行きやがった…?俺としたことが場所くれー決めとくんだった) 一杯の不覚とはこのことだなと思いつつ、それから俺は手当たり次第に牧野を探した。 別にもっと探しやすい方法がないわけでもないが(校内放送や他の生徒に探させる等) 今日はダメだ。目立つ事は避けなければいけない。 しかし捜せど捜せど牧野は見当たらず、怒りを通り越して廊下の壁を蹴りつける今に至る。 (まさかあいつ、本当に帰ったのか?まさか何かあったんじゃねーだろーな) 怒りが段々と不安に変わってきた俺は、ふと目に付いた音楽室に足を向けた。 (そういえばここはまだ捜してねーな。あいつがここにいるとは思えないっちゃ思えないんだが) 夕方近くでオレンジ色に染まった音楽室にカラカラ…とドアの音が響く。 整頓された机。ポツンと置いてあるピアノ。 (ちっ…やっぱいねーか) 軽くため息をつくと気晴らしにピアノでもひこうか、と珍しく思いたつ。 (途中までしか弾けねーんだけどな…!!!) ピアノに近づくとそこには牧野がいた。 鍵盤に腕をのせ、その上に頭を預けて寝息をたてている。 (なんだこいつ…ピアノなんか弾けんのかよ?想像つかねー) さっきのイライラした気持ちとは違って、牧野のめずらしく無防備な格好に口元が緩む。 「ったくしょーがねー奴。さんざん心配かけやがって」 口にだしてボソリというと、起こすのも可哀想かと思いながら軽く頭をなでた。 「ん…花沢類…?」 ピクリ、と反応した牧野の口からでた名前-それは類の名前だった。 はっとして牧野の顔を見ると、寝ぼけただけだったらしいのかまたスヤスヤと寝息を立てている。 なんだ?なんで類の名前がでるんだよ? 心の中から黒い気持ちが滲みだす。 無意識のうちに拳は硬く握られていた。 (お前は今日俺と約束してたんじゃなかったのかよ?類をここで待ってたっつーのか?俺を無視して?) いつもならここから出て行ったかもしれない。でも、今日は優しさより怒りや嫉妬の方が強かった。 牧野の制服の襟を掴むと、そのまま引き釣り上げる。 「うわっ…!何!?…ちょ、道明…んぅっ!」 いきなりの事に飛び起きた牧野と目があった瞬間、自分の唇を牧野の唇に強く押しつけた。 何が起きたのか分からない牧野は、それでも必死に抵抗して腕で俺を突っぱねようとする。 その拍子に椅子からずり落ちると、牧野から体当たりを食らった鍵盤がバァン!と音をたてた。 「ッはぁっ…いきなり何すんのよ!?」 へたり込んだ牧野が俺を見上げて声を荒げた。怯えた目が黒い気持ちをくすぐる。 「何よ…!」 俺は、自分でも驚くような静かな声で口を開いた。 「類を待ってたのかよ」 「え?」 何を言っているのかわかない、というように眉根をよせて首をかしげている。 「類を待ってたのかって、聞いてんだよっ!!」 爆発した気持ちが叫びとなって教室に響き、びくり、と震えた牧野の肩を屈んで強く掴むと、 「痛ッ!」 と言って顔を歪ませる。 「何が痛ーんだよ。俺よりお前のが痛がるのか?おかしいだろうが」 「何いってんの…?つーか、花沢類を待ってたとか、わけわかんないよ」 その言葉にキレた俺は、そのまま牧野の肩を乱暴に床に押し付けた。 「やっ…!」 「てめーが呼んだんだよ!類の名前を!」 それを聞いた牧野は、目を瞬かせて口を開いた。 「…いつ?」 「今、俺が頭撫でたら言ったんだよ。『花沢類』ってな。上等じゃねーか。俺との約束はシカトして、 類と仲良くやろうってか?とんなことさせて、たまるかよ!」 そういうと、牧野の制服の胸元のボタンを無理やり引きちぎった。 「ちょっと道明寺!やめてよ!やぁっ…!あ、」 そのまま首元に吸い付くと、舌を這わせて鎖骨を舐める。 片方の手で牧野の両手を頭上で押えつけ、もう片方の手をちぎれた制服の間から肌に滑り込ませた。 「っふっ…ぅ、あ…や、だ…!」 荒く息を吐きながら抵抗しようとするが、体に力が入らないのか足で軽くもがくだけに終わる。 「なんだよ?嫌いやの割には興奮してんじゃねーか。なぁ?牧野」 耳元でぼそりと呟くと、体をビクリとさせて反応する牧野に、自分自身も興奮を抑えられない。 もっと虐めてぇ、思い知らせてやる、お前が誰のものかって事を- 邪魔な下着をずり上げると、柔らかい感触がするそれを乱暴に掴んだ。 「いたっ!いたい、よ、道明寺…!」 「あー?聞こえねーよ。こここんなにしといて何言ってんだお前」 硬くなった突起を軽く撫でると、それだけで反応する牧野は喘ぎながら俺をなみだ目で睨みつける。 「ん…!ぁ、はぁっ…サイテー…」 「…テメーに言われたかねーな」 ふっと笑うと腕をスカートと太ももの間に入れる。 「そこはやだッ…!」 足を閉じて拒む牧野の間を無理やり開くと、サラリとした感触が指先から伝わった。 そのまま割れ目に這わせるとしめった感触に突き当たる。 「なんだよ、濡らしてんじゃねーか。こっちはすっかりヤル気みたいだぜ?」 「そんなこと、ない…!あはぁっ!んぅッ…!」 否定しても体は正直で、突き当たった場所を強く押すと牧野は体を仰け反らせた。 「邪魔くせーな。おい、脱がすぞ」 「だめだってば!んんっ…」 下着をずり降ろして片足だけ脱がすと、そのまま指をツプリと埋め込む。 「あああっ!や、ぁ…待って…ふぁ…」 「待たねー」 最初は嫌がっていた声に快感が混じり始めると、もう止められなかった。 指を引き抜いてズボンのファスナーに手をかける。 自分のそれを取り出すと、牧野にあてがった。 「ほ、ほんとに…?」 「当たり前だろ。いくぜ」 強く押しつけると、少しずつそれは中に入っていった。 「…っつ!」 「痛っ…!い、はぁ、…んぅっ…」 その時辛そうに顔を歪める牧野を見て、初めて罪悪感が頭をもたげる。 「牧野…」 拘束していた手を解いて動き始めると、牧野は手をのばして俺の頭を抱え込んだ。 「道、明っじっ…!」 動かされて辛そうにしながらも離さない牧野の耳元で、情けないくらい小さく、小さく囁く。 「…ごめん…」 *** 「ほんと、バカじゃないの!?」 「…わりぃ…」 「謝ったって、しらないよ!道明寺なんて大っきらい!」 情事が終わったと同時に頭をはたかれて、俺は自分が勘違いしていたことを知った。 『あたしちゃんと道明寺のこと待ってたよ。てか、あんたが場所言わなかったから 自分で捜したんだから。でも見つからなくて疲れて…。ていうか花沢類のことだって、 あいつがたまにバイオリン弾いてたからそう思っただけなんだからね!覚えてないけど!』 それからは非難轟々、牧野は背を向けたまま座り込んでいる。 「それに…」 「なんだよ、だから悪かったって。」 ふてくされている牧野に何度言ったか分からない言葉をかける。 この俺様が謝るなんて、何の大安売りだ? けど、そこでぽつりと呟いた言葉に俺は死にそうになった。いや、死んだ。 「してる最中、道明寺一度もキスしてくれなかった…」 ズキューン!!!! 「ま、牧野…!」 「知らない!バカ!アホ!天パ!死んじまえ!」 すっくと立ち上がった牧野は俺の顔面に蹴りを一発食らえると、そのまま教室を飛び出していく。 「待てよ!おい!牧野!……好きだコノヤロー!」 こうして俺と牧野はまた一歩深い仲になった。 俺が本当は今日何をしたかったかって、それは言えねーな。 ま、終わりよければすべてまし、だ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |