道明寺司×牧野つくし
「ふぁあ…」 「…」 「なによ」 「言っても直んねーだろうから、もういい」 「?何が?」 ムスッとしてこっちを睨む牧野を見て、ほんとにこいつは色気がないと思う。 別にあくびを我慢しろとは言わないが、もう少し女として自覚をしてもいいんじゃないだろうか。 大体こいつがこんなだから一々俺が心配しねーといけねーんだよな… 思わず睨むと、怯むどころか牧野は 「なんか文句でもあるわけ?」 と言って睨み返してきた。 「お前が隙だらけだから悪いんだよ!」 「は、はぁ!?ワケわかんない!どこが隙だらけなのよっ」 「それが隙だらけだっつーんだ!」 ついてけない…とため息をつく牧野に、つきたいのはこちらの方だと心の中で言い返す。しかしコロコロ興味が変わるこいつはもうその話題は終ったらしい。 「ねぇこれなに?アルバム?」 なんていいながら本棚に手を伸ばしていた。 こいつは…と思った矢先、ふとスカートを履いた足に目が止まった。 床に膝をついて尻をこちらに向けているスカートからは、 足のつけ根がほぼ見えている。 (パンツみえんぞ) 微が上気するのを感じながら、顔を下に下げる自分がいた。 (あと少し…) 見えそうで見えないそのギリギリの感覚にイライラする。 あーもうめんどくせー! 次の瞬間、思わず手が伸びていた。 「ギャッ!な、何すんのよ!?」 はっとして自分の手をみると、そこにはめくられたスカートの端を つかんでいる自分の指があった。 「な、何って…スカート捲り?」 「そんなの分かってるよ!早くはなしてよスケベ!」 顔を真っ赤にしながらこちらを振り返って怒鳴る牧野を見ていると、 つい興奮する自分がいるのを隠せない。 「そんな事言っていいのかよ?」 「な、なによ…」 「お前のスカートの運営は、俺が握ってるんだぜ?」 ニヤリと笑っていうと、一瞬牧野がバカにした顔で俺をみる。 「運命、でしょ…」 「う、うるせー!てめー、自分の立場分かってんのか!」 そう言って牧野に掴み掛ろうとすると、足がもつれてバランスを崩して… 「あ…」 ドカッ! 「いっ…たぁー…」 思いっきり俺に乗っかられた牧野のうめき声が聞こえて、慌てて身を起こす。 「わ、わりぃ…」 下をみると、涙目の牧野が下半身を露にしてこちらを見上げていた。 「んなっ!?」 思わず右手を挙げると、そこには破れたスカートが握られていた。 「え…?やだ!さ、最低!早くどいてよ!」 慌てふためく牧野を見て慌てて退こうとする …けれどちょっと待て。 これはチャンスなんじゃないか? 思えばこいつはいつもいつも何かにつけて逃げ回って、一度も素直にやらしてくれた事がない。 けれど今のこいつは… 「なぁ、牧野」 「な、なによ!?」 「お前恥ずかしくないの?そんな恰好で」 「恥ずかしいに決まってんでしょ!」 「だよな。だったら…」 そう言って牧野の顔に自分の顔を近付ける。 「ちょ、何す…」 「だったら従えよ」 「なんで…!」 「従うまでここからどかねぇ」 言って唇を押し付けた。 「んぅ…!」 と言って牧野が強く目を閉じる。 自分の手を俺の肩に置いて押し退けようとするが、力が入ってないのが分かる。 俺は唇を押し付けたまま、右手で牧野のシャツのボタンを外していった。 「…っ!」 半開きになった牧野の目には涙が溜まっていて、それが余計に興奮させる。 唇を首筋に移動させながら胸を下着の上から触ると、 「んんっ…!ど、みょ…じ…」 と息を荒くしながら呟いた。 「牧野…」 はぁ、と息をついて牧野に視線を向ける。 「いや?」 「今更、言われても困るよっ!」 軽く頬を殴られて、思わず右手で押さえた。 「いてぇ…」 「…が、がんばる」 「は?」 一瞬牧野が何を言ったのか解らずに思わず聞き返すと、 顔を真っ赤にしながら牧野が今度は強く怒鳴った。 「だ、だからがんばるって言ってんの! その…限界まで…」 驚きと嬉しさで、自分の顔も赤くなるのが分かる。 「お、おう…」 まさかこんなに素直になるとは思わなくて、どうしていいか分からない気持ちとかわいいと思う気持ちがいり混じる。 「じ、じゃぁ…始めるか」 「ブッ…」 「なんだよ」 「そんなこと言って始めるなんて、変」 くっくっと笑う牧野をみて、一瞬反論しようかと思ったけれど、つられて笑ってしまった。 「そーだな」 「は、あ…」 指を入れられて息を切らす牧野は、顔を腕で被っていた。 それをどかすと、「なんで?」と顔で聞いてくる。 「顔、見えない」 にやりと笑って言うと、最低、と小さく呟いた。 「んんっ…!ぁ…も、…」 指をゆっくり動かすと、牧野が強く顔を横に振る。 「イキそうなのかよ?」 「ち、ちが…!」 「じゃ、なに?」 頬を上気させながらこちらをみるも、 何も言おうとしない牧野を見てさらに指を動かす。 「ひゃ!あ…だ、め…っ!」 「なら言えよ」 いじる指をやめないでそう言うと、 牧野は途切れ途切れに呟いた。 「ど…みょ、じと……」 「聞こえねー」 「…道明寺とっ…一緒に…んぅっ…イキたい…よ」 そう言ってこちらを見上げる牧野は、いつになくかわいくて、 まさかそんなことを言われるとは思わなくて。 「牧野…」 指を抜いて軽く唇を押し付けて。 「大丈夫かよ?」 「…ん…」 自身をあてがってそう言うと、牧野はこくんと頷いた。 それを確認すると、一気に自身を埋める。 「んぁ…!ちょ、いきな…」 「わりぃ。我慢できなかった」 これまで何回かしたとはいえ、まだ慣れていない牧野の体は敏感に反応する。 「は…あ…あ、あ、あ…」 動きと一緒に漏れる吐息の度に、何度も何度も愛しくなる。 「牧野…」 呼び掛けると、こちらに顔を向けてくれた。 「やべぇ、マジかわいい…」 バカ、と短く呟くのを聞いて、思わず口が緩んだ。 「はー…これ、どうしよう」 そう言ってスカートを見つめる牧野はさっきまでの色気が嘘のように、 俺のズボンを履いてあぐらをかいていた。 「どうするって、捨てるしかねーだろ」 「えー!もったいないよ!サイド縫えばまだ履けるかもだし」 貧乏発言にももう慣れた。 「俺が買ってやる」 「ダメだよそんなの!自分のものだし自分で買うよ!」 こんなやり取りにももう慣れた。 「でもまぁ、破いたのは俺だしそんくらいさせろ」 「そ、そりゃあそうだけど…!」 ただまだ慣れない事がある。 こうして牧野が照れながら顔を赤くする、この表情が。 「たまんねーんだよな…」 「は?」 「なんでもねーよ。それより腹減った」 「あんたねぇ…」 呆れる牧野を見ながら、こいつは色気なんぞなくとも、 あの顔だけで十三分だしな と一人で納得しながら、牧野と一緒に部屋を後にした。 SS一覧に戻る メインページに戻る |