一生そばにいろよ
道明寺司×牧野つくし


プロムが終わって。
大歓声とF3の笑顔に見送られ、あたしは道明寺と会場を後にした。
家族が心配だから家に帰る、というあたしの言葉には当然のごとく耳
をかかさず、半ば無理やりに車にのせられてしまう。

「もう!あんたって本当に勝手よね!」
「……」
「大体、あ、あんな大勢の前で、プ、プロポーズとか、ほんっと恥ずかし
い奴!」
「……」
「ちょっと!聞いて……っ」

売られた喧嘩は買うはずの道明寺から、反論の声が聞こえない。おか
しいと思って顔を覗きこんだところを、引き寄せられた。
自然と、唇が触れ合う。けれどその柔らかさより、あたしをみつめる
道明寺の瞳の強さに驚いて息を飲んだ。

「もう、黙れ」
「どうみょ……」
「俺もお前も、口を開けば喧嘩ばっかだ」

それも悪くはねぇんだけどな、と優しく微笑んだりするもんだから、
今度こそあたしは何も言えなくなって、うつむいてしまう。
道明寺は大人しくなったあたしの肩を抱いて、

「好きだ」

そう囁いた。
その一言に込められている思いを、あたしは知っている。嫌と言うほ
ど。

長かったね、道明寺。ここまで。

「好き」だけでは一緒にいられなくて、本当にたくさん遠回りをして。
それでもあたし達、いま一緒にここにいるんだよね。
道明寺の「好き」の中には、切なかったこととか、悲しかったこと、
やりきれなかったこと、それでも一緒にいたいと思ったこと、そんな気
持ちが全部込められている気がした。

道明寺の家についたあたし達には、やはり特に言葉は無く。
ただ真っ直ぐに彼の部屋に連れて行かれて、ベッドの上に押し倒され
た。

「ま、待って!あたしね、泥だらけで……、お、お風呂にっ」
「待つのは飽きた」

いきなりのコトに動転してベッドの上でもぞもぞと抵抗するあたしを
、道明寺は男の人らしい力強さで組み敷いたまま、ピシリと言い放つ。
その強い力とは裏腹に、落ちてくるキスはとても、とても優しい。あ
たしのより潤っていそうな唇の向こうから、器用な舌がやってくる。
勇気をもってそれを迎え入れれば、遠慮なく口腔へ侵入してきた。
まずは歯列をなぞり、そこから上腔をまるいくぼみのラインに沿うよ
うに舌先でなぞってくる。
向きを変え、深さを変え、何度も何度も繰り返されるキス。
気がつけば、あたしの視界は涙でかすんでいた。

「つくし」

初めて、道明寺があたしの名前をよんだ。

「なによ」
「つくし」
「なに」
「つくし」

馬鹿みたいに何度も名前を繰り返す道明寺に、あたしはおかしくなっ
てて噴出してしまう。笑ったはずなのに、どうしてか涙がこぼれた。

「好きだ」

その言葉を言わないで、おかしくなるから。
じんと、脳が痺れて。お腹の下のほうがずんと疼く。
ああ、「あたし」が道明寺を求めているんだ。

「抱くぞ」

いうなりあたしのスカートをめくり、太股を長い指がなでていく。そ
れだけで息があがっていくのを感じた。

「んっ……」

道明寺の指が、あたしの大切なところに触れる。ショーツの上から何
度かそこをこすれば、濡れていくのが自分でわかった。
触れて欲しいと思ったのが伝わったみたいに、道明寺の指が薄い布を
押しのけて中へとやってくる。
くちゅ、といやらしい音がしたと同時に、痺れるみたいな快感が背筋
を走った。

「ぁ……や、ど、みょ……」
「すげぇ、溢れてくる」
「や、……い、わないで」

恥ずかしくて思わず顔をかくせば、その手をとって、道明寺はあたし
の秘所に触れさせる。
自慢じゃないが、自分で触れたことは一度だってないそこを無理矢理
触らせられて、顔から火が出そうだった。

「ば、ばかっ」
「これだけ、お前は俺を求めてんだよ。自覚しろ」

そのままあたしの指を自分の指と一緒に中へと入れていく。熱い。い
まあたしのどの部分より、ここが燃えている。
行き場のないあたしの指を中にほうったまま、道明寺の指が増えてい
く。一本、二本、と増えた指があたしの中を犯した。

「わりぃ、もっとゆっくりしてぇんだけど」
「あっ……」

指を引き抜かれ、思わず声が出てしまう。
けれどすぐにショーツを脱がされ、もっと熱くて固いものがそこに当
てられた。

「我慢がきかねぇ」

ぐいっ、と道明寺のものが入り込んでくる。
指なんか比べ物にならないくらいの重量に、一瞬あたしの視界がはじ
けた。

「ひゃっ、あ、い、たぁ……っ」

いまだ誰も受け入れたことの無いそこは、大きなそれを受け入れると
ひきつるように痛んだ。けれど、それさえも愛しいとおもう。

「わり……、とまらね……っ」

何故だか道明寺も苦しそうで、その額に汗が浮かんでいた。思わず手
をのばしてそれをぬぐうと、彼は「馬鹿っ」と赤い顔をして更に腰を進めてくる。

「全部、入ったぞ」

報告するなり、自身を引き抜いて、ぎりぎりの所でまた打ち付けてき
た。

「はぁ、ああっん」
「ん、な声だすなっ」

気持ちいいと感じているのは、体だろうか、心だろうか。
そんなことを考えてる間もなく、余裕のない道明寺のうめき声が聞こ
えてくる。

「っくしょ、も、むり……っ」
「えっ」

いうなり、道明寺はもう一度深くあたしのなかにそれを突き刺して、
そのまま奥へ全てを吐き出してしまった。
思わず「もう?」と聞いてしまいそうになったのを、なんとか押しと
どめる。けれど目で伝わってしまったらしい。
道明寺は真っ赤な顔で、

「し、仕方ねーだろ!お、俺だって初めてなんだよ!」

そう叫んだ。
最初の余裕はどこへやら。

「って、いうかあんた中にだしちゃったの!?」

はっと我に返ってあたしが叫ぶ。

「婚約してるんだからいいだろ」
「そういう問題か!」

まだ文句をつづけようとしたあたしの口を、また道明寺がふさいだ。

「お前、本当に一生そばにいろよ」
「わ、わかってるわよ」

ふと気付けば、あたしたちいくら急いでいたとはいえ服を着たまま。そのことに気付いて赤面していると、変なところで聡いこの男は笑って上着を脱ぎだす。

「よし!じゃあ次が本番だ!次は服を脱いでヤるぞ!」
「ちょ、体がもたないってば!」

暖かくて強い力に抱きしめながら、あたし達の幸せな夜が更けていく。

「道明寺」
「ん?」
「好きだよ」

その言葉に、たくさんの思いをこめて。






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