17巻の夜
花沢類×牧野つくし


「花沢類、もう寝た…?」
「いや…」

ここは滋さんの別荘。
なぜか道明寺と滋さん、そして花沢類とあたしのメンバーでここに来ることになって
あたしは温泉でのぼせてしまい、気が付いたら花沢類と同じ部屋で寝るはめになった。

「手…つないでもいい?」
「……いいよ」

布団の中でそっと重ねられる二人の手。
つくしは、類の意外に熱い手に驚く。

(…変なの。この人、いつも体温低いのかと思ってた。今日は温泉入ったばかりだから熱いのかな?)

いつもながら鈍感なつくしに対して、類は何食わぬ表情をしながらもその心情は穏やかではなかった。

(…こいつ、本当に男の気持ちが分かんねー女だよな。)

もっとも、こういう素の彼女が好きなのは自分なのだが。
今、司が婚約者と二人きりで寝室にいる。牧野の胸中ははりさけんばかりだろう。
そんな彼女の心中を察していながらも、類の意識はつないだつくしのほっそりとした
柔らかな手に集中していた。
何しろ、さっき露天風呂の中で気を失っていた全裸の彼女を救い上げたのは自分だ。
熱っぽくぐったりとして自分に全身を預ける牧野は、今まで見たことのないほどの
女の色気を感じさせた。
だがさっき目を覚ました牧野が事態に驚いて真っ赤になっていた時、俺がサラッと
かわしたせいで、牧野は俺が男だということに警戒心をなくしてしまったらしい。
ただでさえ、好きな女と同じ部屋でしかも同じ布団の中で寝ているのだ。
この状況を17歳の男に意識するなという方が無理だろう。

類は次第に耐えきれなくなって、つくしの方へ身を向ける。
いきなり自分のすぐ上に類の顔が近づいて、つくしは驚いた。

「は、花沢類?」
「牧野」

類の瞳は真剣で、その薄茶の瞳にはつくししか映っていなかった。

「牧野、こんな状況になってもまだ司のこと忘れられない?」
「忘れるって…別にあたし、あいつのことなんて何にも…!」

いまだに強がるつくし。

「本当に?」
「しつこいなあ。本当よ!」
「じゃあ…俺が告白してもいい?」
「?」
「今まで言えなかった。別に言うつもりもなかったけど、もうこれ以上辛そうな牧野の顔は見ていたくない」
「花沢類…?」
「好きだ」

言葉を失うつくしに、類の長いまつ毛がふれそうなほど近くで類がもう一度言う。

「好きだ…」
「!」
「あんたが司を忘れられなくてもいい。それでも全然かまわない」
「あ、あたしはもうあいつのことなんて…!」

まだ強がるつくしに、類はふっと微笑む。

「じゃあ…あんたの体に聞いてみる…」

え?と思うつくしの唇を類の唇が激しく奪う。
柔らかな唇の間から舌を割り込ませ、深い深いキスをする。
そしてつくしの乱れた浴衣の襟元から手を差し入れ、そっと脱がしていく。

「あ…いや…」

恥ずかしそうに身をよじるつくしにかまわず、類の手はつくしの胸をあらわにする。
もちろん浴衣以外のものは何も身に着けていない。

白くて柔らかな胸もとに類の唇がふれる。
片方の手でつくしの胸を優しくもみしだき、ツンをとがった乳首を類は口に含む。
その瞬間、つくしはビクッと小さく痙攣した。

「は、花沢類。あたし、なんだかおかしくなりそう…」

甘い吐息を吐きながらつくしが素直につぶやくと、類は愛しくてたまらないようにつくしを抱きしめる。
類のジーパン越しに硬くなったものがつくしにふれる。
つくしがそれが何なのか気が付いた瞬間、類の手がつくしのほとんど脱げかけていた浴衣の大腿の裾から
入ってきて、今まで誰からも触れられたことのない茂みにたどりつく。
そこは既にしっとりと泉が溢れていた。
類の長くてきれいな指がそっと入り口をまさぐる。

「ああんっ…!!!」

思わず声を上げるつくしは、類の欲情を更にかきたてる。

「牧野、もうこんなに濡れてるよ」

つくしは恥ずかしさに真っ赤になりながら、声を上げる。

「や、やだ…。お願い、そんなとこさわらないで…」
「でも、あんたの体はこんなに欲しがってる…」

その通りだった。
未知の世界の扉をつくしは開けようとしていた。類と共に・・・。

「なんで抵抗しないの?」

類はふと手を止め、つくしを見つめる。
つくしはその眼差しから目を反らしながら、恥ずかしげにうつむく。

「わかんない…でも花沢類となら、嫌じゃない…。もうどうなってもいい」

つくしのその反応を確認してから、類はそっと指を深くつくしの中に差し入れる。
溢れる蜜の中で類の指が音を立て、つくしは耐え切れずに声を上げる。

「…んんっ…はあっ……あ……ああんっ…」

その切ない声と表情に、類は自分の手によって普段勝気な彼女がどんどん乱れていくのを目の当たりにし、
自分も気が遠くなるほどの熱を感じる。

「牧野・・・あんた、すげー可愛いよ…」

類の低くてかすれた声が、つくしの耳元で囁く。
長い時間をかけて、つくしの中を卑猥な音を立てて類はせめる。最初は1本だった指も2本、3本…。
類は素早く自分の服を脱ぎ、それからつくしの両脚を優しく広げる。

「俺、もう我慢できない。行くよ…」

硬く大きくなった類自身の熱いものがゆっくりとつくしの中に入ってきた。
その瞬間、思いがけない痛みが貫き、つくしは思わず類の背中にしがみつく。

「大丈夫?」

これが初体験の辛さなの・・・?
思わず涙がにじむつくしに、類は優しくささやく。

「大丈夫だから・・・俺を信じて・・・」

類は優しくゆっくりと徐々に激しく腰を動かし、つくしを快感の世界へと誘う。

つくしは初めてながら、類の優しい声と愛撫でその痛み以上の大きな幸福感を得た。
類が果てた時、二人は汗びっしょりになって大きく息をしていた。

「牧野・・・温泉入りに行かない?」
「え?二人で?」
「うん」

つくしは恥ずかしかったが、お風呂で汗をさっぱり流したいと思い、二人はそっと部屋を出た。
真夜中の露天風呂はシンとした寒さの中で温かな湯気が漂っていた。
類は迷わずつくしを男風呂の方へと誘い、つくしも抵抗しなかった。
羽織っていた浴衣を岩に脱ぎ捨てると二人はお湯の中に浸かった。

「あー気持ちいい」

つくしが幸せそうに笑うと、類はそっとつくしを抱き寄せた。

「ちょ、ちょっと花沢類!」
「気持ちいい」

温泉のお湯のせいか、さっきよりもいっそうなめらかなつくしの肌に手を這わせ、類はつくしにキスをした。
そのまま類の手はつくしの胸をまさぐり、腰へと落ちていく。
お湯で洗い流したばかりのつくしの秘部はまた甘い蜜でいっぱいになる。

「やだ、こんなところで…」
「いいじゃん。誰も来ないよ…」

類はつくしの腰を引き寄せ、自分の上に座らせると再びつくしの中へと深く入って行った。
つくしの声にならない声が漏れる。
類は自分を締め付けるその快感の中で、激しく腰を上下に動かす。

「ああっ」

お湯が勢いよくはねるのも気にせず、二人は愛しあう。
ややして類はつくしを抱き上げると、露天風呂の岩肌につくしを座らせ、脚を広げると立ったまま熱い自分のものを
挿入した。もう放心状態のつくしに類は激しく行為を繰り返した。

その後、もう立っていられないつくしを類は抱き上げて部屋に戻った。
布団に寝かせ、なんと3度目に突入した。
女の喜びを完全に類によって目覚めさせられてしまったつくしは、やるせない甘いため息をつく。

「花沢類が、そんなに体力あったなんて知らなかった…」
「今まであんた、俺のことまるで聖人君子のように思ってたかもしれないけど、俺はただの普通の男だよ…」

その同時刻、別の部屋では滋のリードによってまた性に目覚めた司が激しくセックスに耽っているとは全く知らず、
類とつくしも一晩中お互いの体に夢中だった。






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