昂ぶる感情
花沢類×牧野つくし


「花沢類・・・」

英徳学園の昼休み、非常階段のドアを開けたつくしが先客を見つける。
司の記憶が戻って以来、つくしと類が二人になるのは
はじめてのことだった。
つくしの気持ちに微妙なぎこちなさがよぎった。

「突っ立ってないで座れば?」
「うん・・・」

類の言葉に従うつくし。

「い、いい天気だねっ。朝は結構曇ってたのにさっ」
「牧野、司と旅行するんだって?」
「えっ」
「さっき司から聞いた。」

類の唐突な問いに動揺するつくし。

「う、うん・・・そういう約束してる・・・・」

類はつくしから視線を逸らし、少し間を置いて

「ホントのこと言うと俺、」

遠くの空を見ながらポツリポツリと話す。

「心のどっかで、司が牧野のこと忘れたままでもいいって思ってた。」
「花沢類・・・」

つくしは類の横顔を見ながら困惑の表情を浮かべる。

「司の記憶が戻ってから、俺、なんかヘンだよ・・・」

うす茶の瞳がつくしを見る。
類の瞳に宿るいつにない激しさにつくしは息を飲んだ。

《キーン コーン カーン コーン♪》

「チャイムだっ。授業始まっちゃう。あたし行くね。」

司の記憶が戻って以来、誰もがタブー視していた問題に類本人から触れられ、
思わず逃げるように立ち上がろうとしたつくしの手首を
類が掴んで床に抑えつけた。

「行くなよ」

類の両手がつくしの両肩を激しく掴む。

「旅行、行くな、牧野」
「花沢・・・類・・・?」

そしてつくしの体を掻き抱いた。

「行ったら、あいつに抱かれるんだろ?」

「ま、待って、花沢類・・・」
「あんたと司がうまくいってればそれでいいって、
俺自分に言い聞かせてきたけど・・・」

もがくつくしの体を類は非常階段の手すりに押さえつける。

「やっぱりイヤだ。
 あんたが完全に司のものになっちまうの
 堪えられないよ・・・」
「花沢類・・・あたし、道明寺が好きだって言ったでしょ・・・」
「牧野好きだ」

類の唇がつくしの首筋にむしゃぶりつく。

「牧野好きだ!牧野好きだ!!」
「あっ・・・」

首筋を強く吸われ、歯を立てられ、
そして思いも拠らない類の激しい愛の告白に、
つくしは腰がぬけたようにへたり込み、動けなくなってしまった。

「司にあんたを渡さない」

類の声は昂ぶる感情に掠れていた。

類の手が、つくしの制服のリボンをほどき、
ブラウスのボタンをはずすのももどかしく、
はだけた襟もとから胸元へと押し入ってくる。

「やっ、やめて・・・花沢・・類・・・」

類はつくしの白いブラジャーを上へたくし上げつくしの乳房を露出させる。
小振りな乳房は、類の華奢ながらも大きな手のひらにすっぽりと収まり
激しく揉みしだかれる。

「痛っ・・お願いやめてっ・・・」
「司に触らせた?」

類がつくしの耳もとで問い詰めるように囁く。

「触らせたの?」

類の唇が胸元へ降り、そこを荒々しく吸う。

「あっ」

つくしが苦しげに目を閉じ、かぶりを振る。
白い乳房に、内出血の小さな紅い痕跡が残った。
制服の前をはだけさせ、ぐったりするつくしを左手で抱きながら
類の右手はつくしのスカートの中へ侵入する。

「花沢・・・る・・・ダメっ」

つくしはハッと我に返りもがくが、類の腕の強さに全く歯が立たない。
類はつくしの下着に手をかけた。

「や――――っ」

つくしはありったけの力で類の手を振りほどき、
コンクリートの床を這って逃げようとしたが、
難なく類に背中から覆い被られてしまった。

うつぶせに抑えこまれたつくしは、もう身動きがとれない。
重なった類とつくしの荒い息遣いだけが、静かな非常階段に響いた。
耳元に類の熱い息を聞き、服の上から優しい愛撫を受けながら、
肉体的な快感と、伝わってくる類の愛情に、つくしの心体は溶け始めた。
同時に、司に対する罪悪感に涙が溢れた。
類の手が、ぐったり動かないつくしの白い下着を膝の辺りまで引き下ろした。

「る・・い・・・」
「ごめん牧野、ごめん・・・」

うつ伏せで横たわるつくしの背後からカチャリと
類のベルトのバックルの音が聞こえた。
そこではじめて、類の指が、直につくしの中心に触れる。

「あっ」

つくしは生まれてはじめての感覚に、感電したように打ち震えた。

「牧野・・・・あんた・・・」

類が自分の光る指先を見つめる。

「こんなに、濡れてる・・・」

「痛っ」

つくしの溢れる泉の中に、類が侵入しようとする。
が、はじめての出来事につくしの体は硬くなり、
類を深くは受け入れようとしない。

「牧野、力抜いて・・・やさしくするから・・・」

類は、うつ伏せのつくしの下に手を差し入れ、はだけたブラウスに右手を入れた。
そのふくらみを揉みしだき、硬くなった頂きを時折指で転がし、つまんだ。

「あっ・・・」

つくしの声に甘さが混じり、体の硬直が緩みはじめた。
類はそれを見計らって、自身を深く、つくしの中に穿った。

「ああっ・・・」

苦痛と喜びの入り混じったつくしの声に、類は一層昂ぶった。
はじめてのつくしに痛みを与えると分かっていながら、
一層大きく硬くなる自分を抑えられなくなっていた。
つくしを背後から抱きしめ、自分の情熱をぶつけながら、
類はつくしの耳もとに熱い呼吸とともに繰り返す。

「ごめん牧野、ごめん・・・」

類の掠れた声が切なく、つくしは嗚咽しながら類を受け止めた。

類の限界はすぐに来た。
類はつくしのスカートを捲り上げ、自身をつくしから抜き出し
つくしの白い臀部に想いを解き放った。

「牧野、好きだ・・・・」

ぐったりうつ伏せのまま横たわったつくしの内腿に、
鮮血の赤がひとすじ流れていた。






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