類との不倫、司の激しい嫉妬 続編
花沢類×牧野つくし


「ババァの仕事だろうが、何で俺が行かなきゃならねぇんだ」
「再三申し上げております通り社長は昨日からフランスへ2週間の出張にお出かけになっております」
「じゃぁ姉ちゃんは、姉ちゃんを出席させればいいじゃねぇか」
「椿様は今月で臨月を迎えられます。飛行機での移動は無理かと思われますが。副社長いい加減諦めて下さい」

司は焦っていた。
今週行われる大物政治家の喜寿を祝うパーティーに道明寺家から1人出席しなければならない。
しかしパーティー当日、司はニューヨークで契約がまとまった取引先との調印式とその後のパーティーに出席しなければならなかった。
喜寿の祝いに出席できる者といえばつくし以外にいなかったのだ。
司はつくしを1人で出歩かせることをいまだに拒んでいた。

「花沢物産からは誰が出席することになっている」
「社長がご出席と聞いております」
「本当だろうな、類が出席するようなことはねぇだろうな」
「はい、確かに社長が出席すると」

司は腕組みをして考えていた。

「斉藤を呼べ」
「かしこまりました」

間もなく斉藤が司の前に姿を現した。

「司様、お呼びでしょうか」
「つくしを大森ジジィの喜寿の祝いに出席させる。つくしの側を片時も離れずにしっかり見張れ。いいな」
「かしこまりました。しかし会場には私どもは入れませんので側についているわけには参りませんが」
「バカ野郎!!そんなことはわかってる!会場の様子が見えるところからつくしを見張ってろって言ってるんじゃねぇか。

少しでもおかしな行動をとったらさっさと連れて帰って来い。
今度しくじりやがったらお前は本当に首だからな!!」

「は、はい」

司は大声で斉藤を怒鳴りつけた。

「何大声出してるの?」
「い、いや何でもねぇ。それよりお前からだの調子はどうだ」

司の大声に驚いたつくしが部屋に入って来た。
つくしは類の視線を感じた翌日から体調を崩していた。

「うん、大分良くなったよ。仕事中だったんだ、急に入って来てごめんなさい。佐々木さん今晩はいつも司がお世話になって」

つくしは司の秘書の佐々木に頭を下げた。

「つくし様お加減は如何ですか、今週大森先生の喜寿の祝いには出席できますか。もしあまり調子が良くないようでしたら先生にじきじきにお
話申し上げて代わりに私が出席してもかまわないのですが」

「心配いらないわ。道明寺家の人間が行かないと納得されない方なのですから私が必ず出席します。先生のご機嫌を損ねると大変なことになってしまうのでしょう」

この場を丸くおさめるにはつくしを出席させるしか方法がなかった。司は考えた挙句つくしをパーティーに出席させることを決めた。
実はつくしは司に体調が悪いと偽っていた。類の瞳が頭から離れない。類に見られている気がしてどうしても司に抱かれる気持ちになれなかったからだ。

パーティー当日

つくしは髪をアップにし少し濃い目のルージュをひき、そろいのネックレスとイヤリングをつけ黒のイブニングドレスに身を包んだ。
ボディラインがはっきりとわかるドレスに最近女らしい体つきになってきたつくしは色気を放っていた。
SP達に囲まれながらつくしはパーティー会場である大森代議士の自宅に到着した。
廊下に斉藤を置き、つくしは1人会場へと足を踏み入れた。
何度出席してもなれない雰囲気。
パーティーが苦手なつくしにとって苦痛この上ない場所であった。

つくしは早々に挨拶を済ませ、なるべく目立たないように会場の隅の方で立っていた。
ふいに誰かに後ろから肩を叩かれて振り返るとそこには類が立っていた。

「牧野」
「は、花沢類、どうしてここへ」

「牧野がこのパーティーに出席することは調べてあった。
この機会を逃すと2度と牧野に会えないような気がして親父に
頼んで代わってもらったんだ」

つくしは嬉しさのあまり思わず言葉を失ってしまった。

「牧野、今日は色っぽいね」
「そ、そう。ありがとう。花沢類もカッコ良いよ」

喉の奥から何とか声を絞り出してつくしは答えた。

――なんだか胸がドキドキして、苦しい

「つくし様帰りましょう」

斉藤が廊下から慌てて飛んできた。

「何を言っているの?」
「司様からのご命令です。つくし様に不審な動きがあればすぐに連れて帰るようにと言われております」
「私がいつ不審な行動をとりましたか。私は花沢さんと話をしているだけです。下がりなさい、ここはあなたが入ってこられる場所ではないでしょう。主人のいう事が聞けないのですか、斉藤、下がりなさい」

あまりにも威厳のある態度と言葉に斉藤はその場を去ることしかできなかった。

「牧野なかなかやるね」
「私だってだてに道明寺夫人やってないわよ」

つくしの一言が類の胸に突き刺さる。

――道明寺夫人か・・・・

「廊下から見えない場所に移ろうか」

類はつくしを従えてバルコニーに出た。
ケーキのローソクに火がともされると会場内の照明が落とされた。
類は決心していた。

「牧野時間がない、行くぞ」
「行くぞって何処に」

すると類はひらりとバルコニーから飛び降りた。

「牧野急げ、俺がお前を受け止めるからそこから飛び降りろ」

つくしは少し躊躇したが、あたりを見回すと履いていたヒールを脱いで下へ落とし、類めがけて飛び降りた。

「ウッ!重い」
「ご、ごめん花沢類」

類の腕の中で恥ずかしそうにしているつくしに類は優しく微笑みかけた。

「さぁ行こう」

類はつくしをおろし、手をとると車へと走った。
後に残されたSP達が大騒ぎしたことは言うまでもない。

車を運転する類の横顔をつくしはジッと見つめていた。

「牧野、俺の顔に何かついてる」
「うんん」
「じゃぁ何?さっきからずっと俺のこと見てるでしょ」
「気がついてたんだ」
「まあね」
「花沢類、どこかで私のこと見てた?」
「エッ!牧野変なこと聞くね。けど見てたよ毎日。あんたの結婚式の時に俺とツーショットで撮った写真をね」
「そうなんだ」
「もしかして俺の視線でも感じた?」
「エッ、う、うん」
「ホント、嬉しいね。俺の思い牧野に通じたかな」

相変わらず恥ずかしげもなく本音を言う類につくしは少し呆れていた。

類は以前つくしと会ったホテルに再びつくしを連れてきた。

「牧野、俺と別れたあの日司に何かされた?それと今までどうしてた?」
「言わなきゃ駄目かな」
「言いたくないの?大体察しはつくけどね」

つくしは膝のほうに視線を落とし黙ってしまった。
長い沈黙の後、つくしが重い口を開き始めた。

「花沢類と別れて帰ってみると司が珍しく早く帰ってきていてそれで・・・・・」

つくしは一部始終を話した。

「牧野、俺今ものすごく司に嫉妬してる。それに一度ならずも二度までもあんたの手を離してしまったことをものすごく後悔してるよ。今日は絶対に帰さないから」

類はつくしを痛いほど抱きしめた。
つくしは類の胸の中で自分の心に問い掛けていた。

――同じ過ちを再び繰り返していいの?
――司は今とても優しい
――2度も司を裏切るの、それでいいのつくし

つくしは類の胸を手で押して類から離れた。

「どうしたの?」
「ごめんなさい、花沢類。私やっぱり・・・・」
「じゃぁ何故俺に付いて来た。何故バルコニーから飛び降りたの」

何も答えられず俯くつくしの顎をあげ類はつくしの目を見ながら言った。

「もう、答えは出てるじゃん」

類はつくしの首から静かにネックレスを外すと大きく切れ上がったドレスのスリットから足を擦りながら鎖骨に舌を這わせた。
ガーターベルトに手をかけ外そうとするとつくしは類の動きに反応し、再び類を手で押しのけた。

「本当に駄目」

類は悲しそうな瞳をつくしに向けた。

――この瞳は私が感じていた視線そのもの
――いや、やめてそんな瞳で私をみないで、私の心を奪わないで

「牧野、たまには自分の気持ちに正直になりなよ」

そう言うと類はふわりとつくしを抱き上げてベッドに運んだ。

「牧野がどう思おうと俺は知らない。俺の気持ちはもう止まらないから。司みたいなことはしたくなかったけど仕方がないな」

つくしの腕を押さえ込み類は唇を重ねた。
舌を絡ませ何度も何度もキスを繰り返す。
つくしは観念したかのようにおとなしくしていた。

「抵抗しないの?」

つくしは黙って頷いた。

「良いんだね?」

再びつくしが頷くと類はつくしの背中に手をかけファスナーを下ろした。
ドレスと同じ色の下着が類の目に飛び込んでくる。

「黒の下着ってそそられるね。それにこのガーターベルト凄くエッチな感じ」

少し顔を赤くするつくしを抱き寄せ、胸に唇を寄せた。ブラのホックを外すと弾力のある胸が飛び出してくる。
胸の頂に下を這わせ、それを舌先で転がすとそれはすぐに硬くなっていった。

「胸少し大きくなったね」

類はつくしの胸を優しく揉みしだいていく。
つくしをいとおしむように触れてくる類の愛撫につくしは言い知れぬ快感を覚えていった。

つくしは両手を頭の後ろへまわすとアップにした髪をほどいた。
何度か頭を振るとつくしの艶のある美しい黒髪がシーツの海に漂った。
類はつくしの髪を手で梳かすように撫でながらつくしの耳に息を吹きかけ、耳たぶを軽く噛んだ。

「あっ」

耳の奥がくすぐったいのと噛まれた刺激でつくしは思わず声をあげた。
耳の中を類の舌が這うとつくしは背筋にゾクゾクするような快感が走り、ビックッと体を震わせた。
類の唇と舌は首筋を伝って鎖骨に下りてくる。
時折つくしの様子を上目遣いに見ながら片方の手は髪を撫で続け、もう一方の手は胸の先端を弄んでいた。
類に触れられる全ての場所から寒気に似た快感がつくしの体を駆け巡った。

「牧野、今日は感じやすいみたいだね」

類は唇を離し囁くと途端につくしは顔を赤くし、横を向いた。

「駄目だよそっち向いちゃ。顔は見せて」
「いや、花沢類の意地悪」

類は薄く笑いながらつくしの口をふさぐかのように唇を重ねた。
類のキスは徐々に深くなりつくしの口腔内を犯していく。
つくしは少し息苦しくなっていたが類の唇を離したくなかった。

「・・んぅ・・・はぁ・・・」

わずかにできる隙間から必死に息を吸い込む。

お互いを少しでも逃すまいと舌を絡め、そして吸い続けた。
キスがこんなにも感じることをつくしは改めて思い知る。
唇を重ねたまま類の右手はつくしのわき腹からお腹にかけてゆっくりと滑りながらどんどん下へと伸びてくる。左手は胸を揉みながら時折先端をくりくりといじったり、摘んだりしていた。
器用に右手だけでガーターベルトを外すとその手はつくしの割目へと伸びていった。
既に湿っている下着の上から優しく割目をなぞると閉じていた花園への扉が開きどんどん蜜をたたえながら類の指を誘い始める。
類の指はその誘いに応じ、下着の脇から花園に滑り込んだ。
指を巧みに操ると蜜はたちまち溢れ出す。

「はぁ・・・あぁぁん・・・んん・・・」

つくしはたまらず類から唇を離すと腰を捩じらせながら声をあげた。

「牧野好きだよ」

つくしの表情を見ながら類は囁いた。

・・・類が見ている・・・恥ずかしい・・・

つくしはギュッと目を閉じて類の愛撫をうけ続けた。
類の右手の中指は根元まで花園へと入り込み内壁を掻き乱す。

「は・・・あん・・・はっ・・んん・・・」

・・・司とする時よりも感じるみたい・・・・

裏切り、この自虐的な言葉で気持ちが高ぶり普段よりも感度のレベルが上がっていることにつくしは気づかずにいた。

類は体をゆっくりと起こし上げるとつくしの下半身の方へと移動した。
指を一旦引き抜き、すばやくストッキングと下着を脱がせるとつくしの足を開いて膝を折らせた。
花園に舌を這わせるとつくしはビックッと震え背中が仰け反った。

「んぅぅ・・・・はぁ・・・はぁぁぁ・・・」

つくしは所在無げに左手でシーツを掴み、右手で類の頭を抱え込んだ。
類は溢れ出す蜜を味わうように舐めあげ、指で花園の扉を大きく開きそこへ舌を侵入させる。
再び指を差し入れ、ぷっくりとした蕾を舌で転がすとつくしの喘ぎ声は一段と大きくなった。

「やぁ・・あぁん・・うぅぅん」

花園に指を出し入れしながら類は自分の洋服をもどかしげに脱ぎ捨てる。
指を引き抜くと両手でつくしを引き上げ抱きかかえるように自分の上に座らせた。類は自分のそれをつくしへとあてがいつくしの腰を沈めた。
「はっ・・・ぁぁあん・・」

つくしの体が少し後ろに反り返った。
類が腰を動かすとつくしは両腕を類の首に回し声をあげた。
そんなつくしの様子を盗み見ながら類は思った。

・・・こんなにも誰かを抱きたい、抱しめたいと思ったこと今までにあっただろうか?俺は牧野に溺れている・・・・

柔らかな胸の感触を確かめるかのように類は何度もつくしの胸に頬擦りする。
類はつくしの腰を支えていた片方の手を離し胸を揉みながらつくしを揺らし続けた。
類の動きにあわせるようにつくしも動き始める。
自分で動けば動くほどしびれるような快感に包まれていく。
1番感じる部分を探り当てると夢中でそこへ類を擦りつけた。

「はな・・・類・・もぉ・・・もぉ・・・ダメ・・・」
「牧野イっていいよ」

その言葉が合図のようにつくしは大きく声をあげた。

「あぁぁぁ・・・・」

つくしはスッと力が抜け後ろへ倒れそうになるところを類がしっかりと抱きかかえていた。

類の肩に顎を乗せてイった余韻に浸っているつくしを類は繋がったままベッドに押し倒した。

「イったばかりで辛いだろうけど、もう少し頑張ってもらうよ」

類はゆっくりと腰を動かし始めた。

「うそ・・・ちょ・・・まって・・・あぁぁ」

1度イって感じやすくなっているつくしはすぐにものぼりつめてしまいそうになる。
無意識につくしの腰が逃げていく。その腰を追いかけ類はつくしを貫いていった。
激しく腰を動かすとつくしに再び絶頂の波が押し寄せてきていた。

「やっ・・・・もぉ・・・あぁぁん・・・・」
「もう少し、もう少し頑張って一緒に・・・」

類はつくしの腿を両手で抱え込み腰を浮かせると更にスピードを増して激しく深く、奥へ奥へと自分を打ち込んでいった。
つくしは指を噛んで絶頂の波を逃そうとしていた。

「牧野ごめん・・・・」

呼吸を乱し、少し苦しそうに類は言った。
次の瞬間類はつくしの中で熱い思いと共に全てを吐き出した。
類はつくしの上に倒れてきた。

「はぁはぁ、牧野左手出して」

乱れた呼吸を整える間もなく類はつくしに要求する。
目の前につくしの左手がスルリと伸びてきた。

「これはもういらないね」

つくしの薬指から結婚指輪を外し床へと放り投げた。

「あっ」

小さく声をあげたが身動きのできないつくしは為す術もなかった。

「俺はもう後へは引かないからね」

類はギュットつくしを抱きしめた。

「牧野重い?」

つくしは黙ったまま首を振った。類はつくしを抱しめたまま静かに目を閉じた。
乱れた呼吸が元に戻ると類はつくしの上からおり横に寝転んだ。
顔をつくしに向けると、つくしも類のほうを向いた。
2人の瞳が重なる。類は薄く笑みを浮かべた。

「花沢類、私・・・・」

つくしが口を開くと類はつくしの唇に指をあてて言葉を止めた。

「牧野、何も言わないで。あんたの気持ちはわかっているつもりだから」

つくしの瞳から涙が溢れ出す。
類は涙を指でそっと拭うとつくしを引寄せ再び抱しめた。

「牧野、花沢つくしにならないか。簡単に答えを出せることじゃないことはわかってる。
あんたが自分自身で結論を導きだせるまで俺はいつまででも待っているから。
たとえそれがどんな結論であっても俺は受け入れるから」
「ありがとう花沢類」

震える声でつくしは答えた。今言える精一杯の言葉で。


翌朝2人は司のドアを叩く音によって起こされる事になる。
3人にとっての修羅場の始まりであった。
果たしてつくしは司と類どちらを選ぶのであろうか?






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