類の匂い
花沢類×牧野つくし


類は父親について、ヨーロッパへ出張していた。
交渉が思いがけず長引いているようで、帰国が延期されていた。
つくしはフィニッシングスクールに通い、昼間は忙しくしていたが、
夜になると類を思い出す。ひとりぼっちの夜。

ふと、ウォークインクローゼットに類のワイシャツを見つける。

「あれ?1枚だけクリーニングに出すの、忘れてたんだ。」

シャツからはかすかに類の匂い。
つくしはシャワーを浴び、シャツに袖を通す。

「あは、やっぱり大きい。これなら下着つけなくても平気かな?」

ゆっくりとベッドに横たわり、自分を抱きしめ、類を想う。
類の匂いに包まれて、すぐ隣にいるような錯覚にとらわれる。

「なんか、ヘン‥‥、花沢類の留守にこんな気持ちになるなんて‥‥。」

つくしは類がいつもするように、胸の突起に触れる。しばらくすると、
下腹部が収縮するような感覚に、そろそろと手を伸ばす。

「やだっ!」

伸ばした右手がヌルヌルするものに触れ、驚く。
太ももを強く擦りあわせると、ますます気持ちが昂ぶってくる。

「はなざわるい‥‥」

類の動きを真似て、指を一本入れてみる。
クチュ‥いやらしい音が部屋に響く。

「あ、こんなの‥‥ダメだよ‥‥」

いけないと思いつつ、のめりこんでいく。次第に指の動きを速める。

「ぁ‥ん‥‥ふぁ‥ぁぁ」
「牧野‥‥?」

カチャリと寝室のドアが開く。

「は、花沢類っ!早かったね!」

ガバッと上半身を起こす。

「連絡無いから、今夜は帰らないと思ってた。」

早口でまくしたてるつくし。

「ん、もう遅いから、寝てるかと思って。でも、何でオレのシャツ着てるの?」
「えっ?コレ?」

明らかに慌てている、挙動不審なつくしの様子から、類はすべてを悟る。

「牧野、何してたの?」

つくしは真っ赤な顔をして、うつむいたまま答えない。

「牧野‥‥?」

ネクタイをゆるめながら、ベッドに近づき、腰を下ろす。

「この手は何?何で指、濡れてるの?」

類はつくしの右手を取り、わざと音を出して舐める。
びくっとつくしの身体が硬くなる。

「言えないようなコト?」
「ちがっ」

懸命に首を横に振るつくし。

「じゃ、続き、して見せて?」
「え?」

類の言っていることが、すぐには理解できない。

「そのシャツ貸してあげるから。さ、見せて?」

類はつくしの手を下腹部に戻す。

「そんな、続きなんて、できない‥」
「どうして?聞き分け悪いよ?じゃ、こうすれば平気だよね。」

類はネクタイをはずし、つくしに目隠しをする。

「牧野の視界から消えてあげたよ。シャワー浴びてくるから、続きしてていいよ?」

類はつくしの肩を押し、ゆっくりと横たえる。

カチャリ、バスルームに続くドアが開いた音がする。つくしは戸惑ったまま、まだ動けないでいる。
しばらくすると、シャワーの音が聞こえ、つくしはまた指を動かし始める。

「んぁ‥‥あふっ‥ぁ‥‥」

つくしの押さえた喘ぎ声が寝室に響いている。
類に言葉で攻められ、目隠しされ、さっきより敏感になっている。
類が戻るまでに、というあせる気持ちがよりいっそう感度を高める。

「‥ぁくっ‥‥」

ピクンと一瞬のけぞったかと思うと、動きを止めた。
軽く横を向いて、両手で秘部を押さえ、足をぎゅっと閉じている。まだ痙攣しているようだ。

その様子を見て、類が声をかける。

「ふうん、牧野って、こんなふうにするんだ。」
「イヤッ!見てたなんてひどいよ。」

全身に汗を滲ませ、呼吸が整わないまま類をなじる。

「でも、いつもより感じたんでしょ?かわいかったよ、牧野。」

つくしの隣に横たわり、汗で額に張り付いた前髪をそっとはがす。
目隠しはそのままで。

「今度は、オレが気持ちよくなる番だよね?」

類の手が何度もつくしの髪を往復する。
つくしは類の胸に顔をうずめ、軽い寝息を立てている。

「ここで寝ちゃうのが、牧野なんだよね。」

つくしからネクタイを外し、今度は本当にシャワーを使うため、ベッドを出る。

「しばらく休んでるといいよ、お楽しみはこれからだよ。」

つくしにブランケットをかぶせ、シャワールームに消える。
シャワーを済ませ、一度書斎へ行く。書類をまとめ終わると、2時間経過していた。
おもいっきり伸びをして、首をコキコキと左右に傾ける。

「さて。」

寝室に戻り、つくしが寝ているベッドに潜りこむ。
こちらに背を向けて眠っている。

「悪いけど、オレ、眠くないんだよね。」

類はつくしの背中にぴったりと身体を重ね、久しぶりのつくしのぬくもりを感じる。
少しはだけたシャツの隙間から手を差し込み、大きく胸をまさぐる。
しばらく探っていると、頂がツンと存在を主張してきた。

「‥ん‥‥」

身体を少しよじっただけで、まだすやすや眠っている。
類はつくしの足の間に自分の足を差し入れ、秘所を圧迫するように足を動かす。
最初はゆっくり、徐々に小刻みにゆさぶったり、不規則なリズムで刺激を与える。

「‥ぁ‥ん」

まだ夢の世界と行ったり来たりしているようだ。

「‥ぅ‥ん‥」

ようやくつくしは類のほうを向き、

「はなざわ‥るい」

寝ぼけているのか、しがみついてきた。
類の手がつくしの背中から腰を何度も往復する。
同時にキスの雨を降らせる。
類の舌がつくしの口中を探る。
つくしの眉間に縦の線が入る。
何度目かのキスのあと、たまらず首をのけぞらせた。
その瞬間を逃さず、類はつくしの胸の頂を口に含む。

「…き…ぅ…」

つくしの手が類の髪を掴む。

「ぁ…ん…はなざわ…る…い」
「どうしたの?」
「…イヤ……ぁ…ふぁ」
「イヤなの?じゃ、やめる?」
「あ…イヤ…じゃない」
「どうしたいの?」

つくしは答えることができない。

「牧野‥?」
「はなざわるい…入れて……」
「ヤだ」
「いじわる…言わないで…」
「ね…オレの上に乗って?」
「ぇ…うえにのる…?」

うまく言葉が飲み込めない様子で、オウム返しにつぶやく。

「そんなこと…できな…ぃ」

真っ赤になって言う顔が愛しくて、また少しいじわるを言ってみた。

「じゃ、今日は、ここまでだね。」

しばらく考えていたつくしが、いきなり類の腹部にまたがってきた。
いつもと違うつくしの大胆な行動に驚いたが、更に続ける。

「自分で入れてみて。欲しいんでしょ。」

もう何も考えられないつくしは自分の秘所を類のモノにあて、軽く擦り合わせる。
類はつくしの腰を軽く持って、上手く入るように誘導する。

「そのまま、腰を落として…そう、自分で動いて…」

類の両肩を強く握って、つくしが懸命に腰を振っている。

「…んく…いっしょに…うごいて、もっと…おねがい」

一人でいくつくしを見たかったが、類の理性も限界にきていた。
つくしの腰を押さえ、下から突き上げる。

「…っ!イヤッ!…ぁ…も、ダメッ!」
「つくし、いっしょに、いくんだ!」
「んぁ…ダメッ!類…るいっ!」

類はつくしの中にすべてを注いだ。
つくしはまだ繋がったまま、くたっと類の上に倒れこむ。
つくしの髪をおでこからはずしながら、やさしくキスをする。

「また乱れてね。」

「〜〜〜!」

からかって笑う類を叩こうとするが、そんな力は残っていなかった。

牧野、知ってる?アンタ最中だけは素直にオレのこと『類』って呼ぶんだよね。
ま、そんなとこも好きなんだけどさ。






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