夜のたくらみ
花沢類×牧野つくし


12月も終わりにさしかかり、類とつくしは花沢家のオーストラリアの別荘に来ていた。
類の「牧野の誕生日も近いし、真夏のクリスマスもいいもんだよ。」の一言で、出かけることが決まった。
遅い朝食を済ませ、簡単に後片付けをし、コーヒーを飲んでくつろいでいた。

「ね、すごくいい天気だし、泳ごうよ!」

2人は水着に着替え、リビングからプールに出た。
パラソルの下のチェアーにバスタオルを置き、つくしはいきなり泳ごうとした。

「牧野、ちょっと待って。」
「あ、準備体操?」
「この国の陽射しをなめてたら、後でひどい目に遭うよ。」

そう言ってつくしの背中に日焼け止めのローションを丁寧にぬった。

「花沢類は泳がないの?」
「ん〜、泳いでおいで。」

右手をヒラヒラさせた。読みかけの本の続きが気になるのか、
パラパラと片手で文庫本をめくる。

小一時間程経った頃、

「ね、花沢類、お腹空かない?」
「ん〜、そういえばそうだね。何か食べに行く?」
「サラダとスープくらいでよければ作るけど。」
「そうする。」
「じゃ、あたしシャワー浴びて準備するから、花沢類はもうちょっとのんびりしてていいよ。」

そう言ってつくしはリビングを通り抜けバスルームに向かう。
つくしの姿が見えなくなったのを確認し、類ものろのろと動き出す。
リビングのファンを回し、つくしの後を追う。
つくしはシャワーブースでシャワーを使っていた。

「ま〜き〜の、来ちゃった。」
「ぎゃっ!ここじゃなくても、シャワーいっぱいあるでしょ!」

鉄拳をかわし、するりと滑り込む。

「その格好で反撃するアンタもすごいね。」

つくしは自分の姿を思い出し、真っ赤になっている。

「ほら、やっぱり焼けてる。」

うっすらついた水着の跡に、類の繊細だが男らしい指が這う。
ぴくっと首をすくめたつくしの鎖骨のくぼみにシャワーの水が溜まる。
すかさず類はそのくぼみに口を近づける。

「鎖骨ってそそられる。」
「だめだよ、そんな水…お腹こわしちゃう…」
「身体、洗ってあげる。」

類はそう言うとボディーソープを手であわ立て、さわさわとつくしの全身をなでる。
両手で胸を包み込むようになで、わき腹に沿って秘部に到達したとき、

「ぁ…」

つくしの口から声にならない吐息が思わず漏れた。
頭がぼんやりしてきて、何も考えられなくなる。
類はかまわず愛しい場所を丹念に愛撫する。

くちゅ…いやらしい音がバスルームに響いている。
つくしの上半身がぐらりと傾いた。

「おっと。」

片腕でつくしの身体を支え、もう一方の手でつくしの左足を高々と上げる。
俄かに硬さを増したモノをつくしにあてがう。

くちゅ…くちゅ…わざと大きな音が出るように角度を変えながら。

「……ぁ…ぃゃ…」
「…牧野、この体勢つらくない?」

類の言葉がつくしの意識を次第に覚醒させる。

「イヤ…」

続けてほしいのか、止めてほしいのか。さらに追い討ちをかける。

「この、続きは、後で、ね。」

一語一語区切りながら、つくしに認識させようとする。
類に見つめられ、否定できる女性なんて存在するのだろうか。
つくしの首も自動的に上下に動いた。
ボディソープを洗い流し、丁寧に体を拭き、つくし用の軽い素材のバスローブを羽織らせる。
自分は腰にバスタオルを巻いたままの格好で、リビングに行く。

「あ、コレ、総二郎から牧野にプレゼントだって。」

指の先には平らな箱があった。ご丁寧に和風のラッピングで。

「???西門さんから、わたしに?」
「うん、持ってけ、持ってけってうるさいから、持ってきた。」
「開けてみていい?」

ガサゴソ包みをほどく。

「は?何これ?」

中から真っ赤な長襦袢が出てきた。まさかクリスマスを意識したのではないだろう。

「いつ着るの、こんな色?」
「あはは、ソレ着て、オレのサンタクロースになって。」
「サンタクロースって、どういう意味?」
「よろこばせるということ。」

一瞬、眩暈がしそうになる。さっき中途半端に火のついた身体の奥がうずいている。

同じ頃、東京の西門邸の留守をあずかる優紀の所へも、同じものが届けられていた。

「デパートの呉服売場から…、差出人は総二郎さん。」

優紀の頭にはいくつものクエスチョンマーク。
西門家はいつも京都の老舗の呉服屋で誂えていた。

「帰ってきたら、聞いてみよう。」

優紀の疑問をよそに、総二郎は帰宅を急いでいた。
その端正な横顔からは、夜のたくらみなど何も感じられなかった。

いつの間にかつくしは例の襦袢を着せられてしまった。

「おいで。」

類に手を引かれ、ベッドにそろそろと近づく。

「これ着たままだと、クシャクシャになっちゃう。」
「クスッ、いいんだよ、そんなことは。」

まだグズグズ言い訳しているつくしの手をぐっと引き寄せる。
バランスをくずしたつくしが、一瞬ふわりと宙に舞い、あっという間に
類に組み敷かれている。恥ずかしさのあまり、直視できない。

「牧野‥まきの…」

類の唇がつくしの仰け反った喉もとを攻撃する。
こんな性急な類は見たことがない。
唇を肌から離さずに、くぐもった声で類が短くつぶやく。

「アンタ、オレを狂わせる…」

腕を押さえつけたまま、肌蹴た胸元を攻める。
頂を舌で転がすように、執拗に。首筋から胸元に紅い花が咲いていく。

「…ぅん…花沢類…」

押さえていた両手の力を緩めると、つくしは類の首に両手を回してきた。
何を思ったか、類はそのまま上半身を起こし、自分の膝の上につくしを座らせた。

「座った方が、興奮する。」

襦袢の裾を割って、類の手がつくしの愛しい場所に触れる。
バスルームの名残で、まだじっとり濡れているようだ。
円を描くようになぞってやると、残っている力で足を閉じようとする。
そうはさせまいと、類は背後から覆いかぶさるように、つくしの動きを封じる。
足をまたぐ様に座らせ、執拗に愛撫を加える。

つくしはもはやあられもない格好であるが、類は、すべてを脱がすことをためらっている。

「…イヤ…ぁ…んっ…」
前のめりに倒れこんだ時に、類は自分のモノをあてがい、ゆっくり腰を進める。
つくしが奥まで呑み込んだ所で再び身体を起こす。

「…んくっ…くぅん…」

さらに奥に硬いものがあたる。

「イヤッ…イクッ…」
「まだ…イかせない」
「るい…る‥いぃ…」

その声を聞いて、類はいっそう攻め立てる。

「オレ‥も」

類の呟きが聞こえたのか、つくしは意識を手放した。

「まいったな。」

類はつくしを背後から抱きしめたまま、ゆっくり横たえる。

「オレがこんなに入れあげるとはね。赤に興奮するなんて、牛じゃあるまいし。」

おかしさが込み上げる。

「総二郎にお礼言わなきゃね。」

心地よいけだるさを感じながら、類もまた眠りにつく。






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