満足そうな顔
花沢類×牧野つくし


 花沢類 アンタに見つめられると カラダの真ん中がとろりと熱をもつのよ。
甘くて 熱くて、あたしはどうしたらいいのか わかんないの。

「見ないでよ」 小さく呟くと 「ん?」 
何もかも見透かした瞳が更に近寄ってきた。
アタシの熱は更に上がって きっと顔も赤いはず。
アタシ イヤラシイ女だ。

花沢類に気付かれたくなくてうつむくと
しなやかな指がアタシの顎を持ち上げて 視線がぶつかった。
花沢類の細くて長い、綺麗な男の指が アタシの頬を撫でる。
熱を持った頬にヒンヤリとした指が心地良い
牧野… アタシの熱が指を伝って感染したのか、甘い声。
名前を呼ぶその声だけでピクリとカラダが反応してしまう色気を含んでいる。
 花沢類の瞳が熱を持っている。

「はな・・っ」

花沢類、と呼ぶ前に口を塞がれた。
開いた口から、舌が入ってくる 意図的に遠慮がちに動くソレは、
動きこそ少ないけれどクチュリ、ピチャっ 音を立ててアタシを扇る。
唇が柔らかく、アタシの口を塞ぐ。

 アタシの口から んっふぅっんっ 苦しげで甘い声が出て、腰が、求める様に動き出す。

花沢類はそんなアタシを満足そうに眺めると、更に舌を激しく交わらせた。
顔を包みこむ両手がアタシの耳を塞いで、絡み合う音が激しさを増す。
あたしは、キスだけで達してしまいそうなほど、興奮してしまう。
クールな花沢類が悔しくて満足そうな顔をキッと睨む。
こんな乱れきった自分が悔しくて、そして相変わらずヒョウヒョウとした花沢類が悔しくて、
思わず涙目になるアタシを、抱きしめて、キスが下に下りてくる。
  顔を覆う手が、唇が、アタシを伝う。 首筋に、胸元に。 段々と下に降りてくるソレは、
触ってほしい処には届かない。 服を脱がされても、まだ。

パチンと小さな音を立ててアタシの体からブラが外される。
ひんやりした外気に晒されるこぶりな胸はすっかり赤く色付いてピンと立ち上がったモノが存在を主張していた。
その先を霞めて、花沢類の指が周りを触っていく。 脇腹を指がなぞって、アタシは堪らず、声をあげた。
はっ花沢類っ ねぇ… 何? 求める事を知っていてしらばくれる顔は楽しそうなイタズラな瞳をしている。
尚も肋骨を一本いっぽん確かめる様に遊ぶ指先が、するりとお臍のあたりを撫でると、アタシは下着を脱がされ、生まれたままの姿になった。
すごいね牧野。ジラされて感じたんだ。もう濡れてるよ?
耳元で囁かれると アタシのカラダがビクンと跳ねて、花沢類にしがみついた。
囁いた耳元から、キスが降りてくる。指が、アタシの胸の先を優しく撫でる、摘む、こねる…
あぁっ ふぅんっ 花沢類ぃっ 甘い声が洩れる。自分の声じゃないみたい…
花沢類の指が中心に伸ばされる。 花芯を霞めた処で止まる指先。

「類。」  「 え?」
「 類って呼ばないと触ってあげないよ?」

る…類? 満足そうに細められる茶色のビー玉。
よくできました。つくし。 口元を類の唇が落ちて、舐め降りた舌が胸の先に届いた。
止まっていた指が花芯を撫で、ゆっくり中心の花ビラを割る。指先が器用に踊る。

チュプリ、 指がアタシの中に入ってくる。 グチュっ 指が液体に手伝われしなかやに動きだして、
中をぐるりと円を描く。指を増やされて、抜き挿しを繰り返す。 親指が、花芯に触れ、押し潰される。
胸の突起を舌が這う。

カラダが悲鳴をあげる。 隙間をもっと埋めてほしくって。  隙間を自分の中に感じられるのに、 もう限界を、迎えそうだった…

「お願い。類・・・」

 出来るだけ、甘く囁く。 そうしないと花沢類はもっと意地悪なのをアタシは経験的に知っている。
それでももっと。 花沢類は、類は 言葉で、アタシを蹂躙するのだ。

 カラダを重ねたことはいままで誰ともなかった。 花沢類は友達だった。 だと、思っていた。
いつのまにか、恋人というステップを飛ばして、あたしは花沢類に抱かれるようになった。
  
道明寺。心の中で思う。 道明寺を好きだと思っていた頃の自分と共に清い思い出を。

 子供だった自分は、好きだと言ってくれた道明寺に恋をしていると思い込んだ。 
寂しかった現実世界を、救ってくれる存在だと信じた。  
  実際は、寂しい現実を救ってくれたのは花沢類だった。
 あの学園で、唯一の友達。 一緒に居て、居心地のいい場所。あの、非常階段。

 恋だったのか友情だったのか。今の自分ではわからない。 淡い恋心は、
道明寺に向けられていたと思っている。 それでも花沢類の手をほどくことは出来なかった。
 道明寺から手を離して、花沢類の手を、取ってしまった。 寂しくて、心細くて、弱くなった心が
花沢類の仕掛けた罠に落ちた。 もう、アタシは汚れてしまった。 愛されなくてもいいと、
自分を構ってくれる優しさにしがみついてしまった。
 
花沢類に、徐々に侵食され、調教されることで
女としての自分が強くなって、昔の純粋で猪突猛進の自分を薄れさせていく。  嘘も、世渡りも格段に巧くなった。
 好きだ、とも付き合って欲しい、とも言われずに 花沢類はアタシの体を手に入れた。 
ベッドの中で囁かれる「好きだ」は信じないほうがいい。 それでも、信じようとしてしまう。愛されていると、
思ってしまう。 花沢類に愛されたいと、ベッドの中での言葉を信じたいと思う心に自分の真実を見つけた気持ちになる。
 アタシは、花沢類が、好きなんだと―――――

「お願い。類・・・」

甘く囁いてみても、涼しい顔ではぐらかす。

「ん? なに?なにしてほしいの?」
「お願い、入れて?」 このセリフを言う時のアタシは、屈辱を味わう気分になる。

決して、自分から挿入しようとしない花沢類に、焦れて懇願する自分が浅ましいと思う。
そのなかに甘美なものが混じっているのを、痛いほどに意識してしまう。 悔しくなる。
 この行為は、あたしが望んだものなのだ、と言われてる気分になるから。

このまま、一回イっとく?

 そういうと、顔が下に降りてくる。 カラダの真ん中にキスされて、
腰が跳ねる。 びくん、中が蠢く。 
 花沢類の腕がアタシの腰を固定して、されるがまま。 
アタシを、思いのままに味わう。  そりゃ、気持ちよくしてもらってるのはアタシなのだけど。
 こういうとき、何事もしなやかに受け入れる彼の、意外に強い独占欲と顕示欲が露になって
彼も、歳相応の男なのだと、思う。 彼に抱かれたまま、中途半端に終わった恋心を想うあたしを、
カラダで拘束するのだから。 

今日は、いつもより激しい・・・。
 そう、思うとアタシの頭は本当に真っ白。 今のことすら考えられなくなってただ、声をあげた

「ひっ ぃやぁっ ぁあああっっ」 

 あたしが果てると、一瞬花沢類が離れ、そのまま上に乗りかかってくる。
限界を迎えて過敏になったカラダを、一気に貫く

花沢類が、入ってくる。 アタシの中をいっぱいにして なにも考えられなくなって、あたし達は動物になる。
 ただ、ひたすら快感を求めて動くカラダ。 花沢類の動きにあわせて動く腰。 密着していたいと、縋りつく腕。
耳元を唇がかすめ、少し苦しそうに囁かれる名前を、器用に這う指を、隙間なく埋まる彼自身を、
すべてを愛おしく感じて、アタシのすべてが彼を求めて 真っ白な頭とうらはらに、動くカラダ。

 抜き差しを繰り返す彼は、先ほどの指と比べ物にならないくらい、アタシを満たす。 次の限界もすぐそこにある。

「類っっ もっ・・」 もうダメだと、彼の腕にしがみつく。
「一緒に・・っ」 吐息交じりのそれは彼の限界も近い証拠。

腰を打ちつけながら、キスを落とされる。
首筋あたりを舐められて、口を塞がれて呼吸をするのも
もどかしいくらい激しく舌を絡ませる。
永遠のような、長くて短い時を精一杯堪能するかのように舌が踊る。

ふっ うぅっ んっ。 塞がれた口から漏れる声。 
花沢類が舌を解くと大きく腰を動かす。
奥まで入ってくる重圧感と、合わさったままの唇に気を失いそうなほど感じて
あたしは喘ぎ声を発して果てた。
一瞬遅れて、花沢類が熱いものをあたしの中に放出したのが、わかった。

 
花沢類の重みを感じて、その重さが離れる瞬間、酷く寂しい。
 整わない荒い呼吸と、手を動かすのもだるいカラダの隣に同じくぐったりと
体を沈める花沢類の温度を感じて、寂しさがあたたかさに変わる。 
 
 余韻に浸っていると、どろりと体内から逃げ出した液体。
そういえば、彼はいつもお腹辺りに出すか、きちんと避妊をしてくれていた。
 不安になって、無理に体を起こしてゴミ箱やその周囲を確認すると、
ゴムを使った形跡がなく、責める様な視線を体を横にしたまま、
涼しい顔に戻った花沢類に向ける。

ふふっ。 いかにも満足そうな顔が

「責任とるつもりだから、安心していいよ」

と破顔した。
 あっけにとられて睨むのも文句を言うのも一瞬忘れたあたしに
追い討ちをかける様に

「あんたに似た根性ある子供だといいね」

と幸せそうに笑った。

 天使の笑顔、じゃなく悪魔のそれは
 結局あたしを魅了してやまないのだ。

それから数日後、生理痛に苦しむあたしはなんとも複雑な心境で、
それを横目に花沢類はなんとなく残念そうに肩を落としてちいさく舌打ちをした。

・・・・・・という姿があったとかなかったとか、らしい・・・・






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