花沢類×牧野つくし
前回:温泉パニック(非エロ) それぞれに露天風呂を満喫した後…。 お決まりの大宴会。 お祭りコンビと桜子、滋のペースに巻き込まれた司と優紀はすでにダウンし、それぞれ部屋の隅で意識を失い、マイペースの類は、座布団を抱えて夢の中。 何とか理性を保っていたつくしは、酔いを醒まそうと浴衣に丹前を羽織って裏庭に出てきていた。 空を見上げると、木がジャマして星も月も見えず、つくしはちょっとがっかりしていた。 「牧野」 「あ、類」 やはり浴衣に丹前姿の類が立っていた。 「ここじゃ、空は見えないよ」 「え?どこか見えるところ、知ってるの?」 「ああ。この旅館は子供の頃から来てるから、いろんなとこ知ってるよ」 「じゃ、夜空がきれいに見えるところ、ある?」 「あるよ、こっちおいで」 類が先に歩き、つくしがその後ろを歩く。 「足元気をつけて」 類が差し出した手に、自然とつくしが手を重ねる。 さりげない所作に、つくしはハッと我に返るが、類はつくしの手を握ったまま離さない。 「類…、手…」 「牧野が転ばないように…、ね?」 暗闇の中でもわかる類の天使の微笑みに、つくしは頬を染める。 「ここなら空がきれいに見えるでしょ?」 「うわ〜ぁ〜」 そこは、裏庭の奥にある東屋。 母屋の周囲は背の高い木々が植えられていたが、東屋の周辺は背の低い木ばかりだったので夜空がきれいに見えた。 「すっご〜い、きれ…」 「……牧野のほうが、きれいだよ」 「へ?」 キョトンとしたつくしが類を見る。 つくしの目の前に類のきれいな顔が近づき、そっと唇に柔らかい物が落ちた。 「……は…なざわ…、るい…?」 「何?」 「……」 「キス?」 「…う…ん…」 「したかったから」 「なっ、なんですと?」 「牧野、かわいいから」 「へ…?」 類はつくしの手を取って東屋の中に入る。 「ここにもね、露天風呂あるんだよ?アイツらは知らないけど」 類は楽しそうに話すが、つくしはパニックになっていた。 「入っておいでよ。牧野、体、すんごく冷えてるよ。風邪ひいちゃう」 「うん…」 「庭よりも露天風呂のほうが星がきれいに見えるよ」 つくしは言われるまま、露天風呂に入る。 そこから見える景色は、先ほど入った露天風呂よりもきれいで、一人で入っている心地よさもあってのんびりと湯に浸かった。 「星、きれいでしょ?」 「類っ!!!」 「俺もこっからの星空見たくって」 つくしの顔がボボボっと赤くなる。 ザバァッ!!! 「あたし、出る」 つくしが立ち上がる。 「牧野…、大胆だね」 「へ?」 「………」 そこでつくしは自分が全裸で立ち上がったことに気づき、あわてて湯船に入った。 ―――――全裸を見られてしまった…///// 「俺、前にも見たことあるじゃん」 「うっ……」 「牧野、胸、前より大きくなったね♪」 ニッコリ笑う類。 つくしは何と答えていいかわからず、ただ湯船の中で腕で体を覆っていた。 「ほら、星、見ようよ」 類はいつもと変わらず外の景色に体を向ける。 つくしも少しだけ距離を置いて外の景色に向かった。 「なんかさ、ココって非常階段みたいだね」 「俺もさ、そう思ってたんだ。だからここにアンタを連れてきたかった」 「類…」 「今日、あきらがココを予約したのは偶然だったんだけど、一度は牧野を連れてきたかったんだ」 「そうなんだ」 「……牧野、何かあった?」 「え?」 「今日、ずっと俺のほう見てたでしょ」 「そっ、そんなことないよ…」 「司が2年ぶりに帰ってきたのに、うれしそうじゃないよね?」 「……気持ちがついていかないの……」 「気持ち?」 「うん。うれしいんだけど、前みたいにときめかないっていうか…。久しぶりに“友達”が帰ってきたみたいな…」 「ふ〜ん」 「あたしって鈍感だから感動も気づかないのかな、アハッ」 「それって、司に恋してないってことじゃない?」 「え…?」 「恋はさ、“恋してるんだ”って自分に言い聞かせるようになったら終わりだよ」 「どういうこと…?」 「牧野は司に偽りの恋をしてる」 「え…?」 「好きなんだって思おうとしてる」 「そ…んな…」 「牧野、目を閉じてみて。明日、地球が滅ぶことになったらさ、誰と一緒にいたい?誰の顔が思い浮かぶ?」 つくしは目を閉じて想像する。 そこには……。 ―――――類…、類がいる…… 「牧野っ???」 つくしはそのまま逆上せてしまった。 「あれ?ここ…、どこ?」 「気づいた?」 「類…」 気がついたつくしは、布団の中で、頭に氷の入ったビニール袋を乗せられ、類が心配そうに顔を覗き込んでいた。 「類っ、はっ裸っ!!」 一緒の布団に入っている類が裸でいることに動揺するつくし。 「牧野、気失ってあわててたからね」 ニコッと笑う類につくしは頬を染める。 「ここに運んでくれたの?」 「うん」 よく見ると、自分も裸でいることに気づいたつくしは、パニックになる。 「ゆっ浴衣…」 「あ、脱衣所に置いてきちゃった」 「え…」 「この場合、しょうがないでしょ」 「うっ……/////」 「牧野…」 類がつくしの首筋に顔を埋める。 チクリとした軽い痛みを感じるつくし。 そこには赤い花びらがついていた。 「俺、牧野が好きだよ。ずっと」 「類…」 「牧野以外の女なんていらない。司になんて譲りたくない」 「る…」 類の唇がつくしの唇を覆う。 深く…、深く落とされるキスに、つくしは抵抗しようという気持ちが湧かなかった。 この唇が欲しいと、無意識に思っていた。 もっと類が欲しい…。 つくしは類の首に腕を回した。 「いいんだね…?」 キスの合間に類が問う。 「うん。あたし…、類が好き…」 「俺も大好きだ…。愛してる…」 「類…」 類の掌がつくしの体を這う。 柔らかい乳房を揉みしだき、唇がその突起を刺激する…。 「はぁう…」 「ほんと、吸い付きたくなるね…、かわいいよ」 ちゅぅっと乳首を吸う類。 舌で転がすように愛撫する。 細くて折れそうなつくしのウエストをなぞる類の指先。 薄い茂みをなぞり、クレバスを丁寧に上下する。 しっとりと潤んだそこに、ゆっくりと指を沈めていく。 「あ…」 思わず漏れる声に、自分自身が驚くつくし。 右手の甲を口元に置き、その声をガマンする。 類はその右手をそっと取り、唇をつける。 「もっと、聞かせて…。牧野の声…」 「…は…ずかしい…」 「俺は聞きたいよ…」 類の指が入った先が、クチュリと音を立てる。 「あン…」 「かわいい…、牧野…、感じてくれるんだね…」 「あ…、なん…か…わかん…な…」 類の指が執拗につくしの体内を探る。 何も受け入れたことのないそこは、類の指を締め付け、そして蜜を溢れさせる。 丁寧に拡げ、刺激を与える類の指先に、つくしは初めて感じる感覚を覚えていた。 「牧野…、辛かったら言って…」 類は張り詰めた自身をつくしのそこにあてがった。 少しずつ…、進入させる…。 「いっ…」 「牧野?」 「だい…じょ…ぶ…、して…、類…」 「ごめん」 類はそのまま根元まで埋めた。 「うっ……!!!」 「…全部、入ったよ…、牧野…」 「類…」 「すごく…、気持ちいい…、ごめんね、牧野は辛いよ…ね?」 「ううん…、うれしい…」 うっすらと涙を浮かべたつくしの瞳が類を見つめる。 類は愛おしくて愛おしくて、つくしを抱き締めた。 「動くね…」 「うん…」 ゆっくりと類の腰が動く。 壊れないように… やさしく… それでもつくしには鈍い痛みが走る。 「くっ…」 「平気…?」 「うん、平気…ちょっとだけ…、でも…やめな…いで…」 「…つくしっ!!」 類はつくしの名を呼び、激しく腰を打ちつけた。 大切で、大切で… 愛おしくて、愛おしくて… つくしも痛さとは別の感覚が訪れ、必死に類の首に回した腕に力を込める。 「ああ…、類…、あン、はぁああンああ…」 「つくしっ!!」 類の体がゆっくりとつくしの体に覆いかぶさった。 つくしは自分の中でヒクヒクとする感覚を感じ、力がフッと抜けた。 しばしのまどろみの中、つくしは類の背中に腕を回す。 「類…」 「俺…、最高に幸せ…」 「……あたしも」 「司に殺されるな」 クスリと笑う類。 そんな類につくしも微笑を返す。 「あたしが殺させないよ」 「つくし…」 「あたし、はっきりわかった…。類の傍にいたい…。だから離さないで…」 「離さない、絶対に…」 SS一覧に戻る メインページに戻る |