西門総二郎×松岡優紀
![]() 夕方、総二郎が稽古をつけて自宅に戻ると、庭で優紀が花を見繕っていた。 優紀はこのところ接客のため、日中は大抵着物を着て過ごしている。 奥の花を取ろうとさらに手を伸ばしたときに、少し着物の裾が乱れ、白い足首が覗いた。 「いい眺めだな。」 縁側で戸にもたれていた総二郎のイタズラ心に火がついた。 「優紀。」 「おかえりなさい。お稽古お疲れ様でした。」 近づいてくる総二郎を小首をかしげて見つめている。 「ちょっと、相談があって……。」 「何でしょう?」 黙って総二郎の後に続く。 行き着いた先は北西の蔵だった。 中に入るとひんやりした空気が二人を包む。 いきなり優紀の腕を取り、荒々しく唇を吸ったかと思うと壁に押し付ける。 「着付けが崩れてしまいます。」 「大丈夫だから。」 懇願する優紀の身体の向きを変え、壁に両手をつかせ、着物の裾を素早く捲り上げる。 長襦袢、肌襦袢、裾除けと順々に捲り上げると、白い太ももが薄暗がりの中で浮き上がって見えた。 総二郎の言いつけのとおり、事情の許す限りショーツは身に着けないようにしている。 二〜三度、長い指が腿の内側を往復したかと思うと、いきなり突き立ててきた。 「…っ!…痛っ……」 「優紀っ!、すぐに終わる!」 いつもならしつこいくらいに前戯に時間をかけるはずが、今日は様子が違っている。 何度も突き上げられているうちに、優紀の口からも喘ぎ声が漏れる。 「ぁ…やぁっ……あ…」 その声を合図に、さらに突き上げる。ひときわ大きくなったかと思うと、すべてを中に注ぎ込んだ。 まだ繋がったままだ。 「そう…じろうさん……」 はぁっ…はぁっ…乱れた呼吸を整わせながら、優紀から引き抜いた。 自分の衣服を整え、着物を直してやる。 「悪ぃ、急にしたくなって…」 一瞬あきれた表情をし、その後クスクスと笑う優紀の首筋から耳までが紅潮している。 「部屋に戻りましょうか?」 「そうだな。」 蔵から出る頃には、外はすっかり暗くなっていた。 庭へ回ろうとした優紀の足がぴたりと止まった。 「?」 総二郎が追いかける。 うつむいた優紀が小さな声でうったえる。 「そ、そうじろうさん…」 さきほど注がれたものが、身体から溢れ出たのだった。 「あはっ、あははっ!」 隣で大笑いしている。ひとしきり笑い終えると、目尻の涙を拭きながら言う。 「ゴメン、着替え手伝ってあげるから。なんなら、夕食前にもう一回ヤル?」 最後はもちろん、小さな声で。 「いいえ、お腹がいっぱいになってしまいます。」 「ゆうきちゃんも言うようになったよね。」 生意気なこと言って、あとで後悔するぜよ。心の中でほくそえむ。 優紀の手をとり、ゆっくりと歩き出す。 見上げれば南西に十三夜の月。長い夜になりそうだ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |