可児収×菊池理花
![]() 「いつから俺を好きやったん?」 俺は、ずっと疑問に思っていたことを理花に聞いた。 「そ、それは・・・・。。」 理花は顔を赤くして、下を向いてしまった。 そんな表情も可愛いかなと思ったけど、俺はどうしても答えを聞きたかった。 理花の頬に手を添え、顔をこちらに向かせる。 「で、いつからなん?」 理花は答えにくそうに、でも、きちんと俺の目を見て答えてくれた。 「多分始めて会った時から・・かな。。」 「俺達が始めて会ったのは、中1の時やで。どうしてその時言わへんかったん? そうしたら、もっと長い間一緒にいられたのに」 俺の最もな質問に、理花は即答した。 「だって、あの頃の可児くんは、いろんな女の子とデートしてたやん。 ・・・・大勢の中の1人になるなんて、嫌やったん・・」 ああ、そうか。俺はなんとなく理花という女の子の事が、また少し分かった気がした。 理花は理花なりに、恋愛に対する理想を持っていたんだろう。 たった1人の運命の男性と巡り会い、幸せになる。 なのに好きになった相手が、何人もの女の子と同時に付き合っている俺だとは、 とても認めたくなかったんだろう。 だから、ああいう態度に出たんだ。いや、ああいう態度に出ざるをえなかったんだ。 「ごめんな。気づいてやれなくて…」 俺は、理花に出会った頃の自分を殴ってやりたい気分がした。 なんで気づかなかったんだ。本当の運命の相手が、すぐ側にいたことを。 「過去を振り返っても始まらへんよ。これからはずっと一緒にいるんやし。ね?」 そう言って、理花は俺をそっと抱きしめた。 「勿論。そうにきまっているやろ!」 俺は理花を強く抱きしめかえした。 理花の体温を感じながら、もう2度と離さない、そう俺は自分に誓った。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |