第五部 黄金の風
僅かな差で暗殺チームに囚われた娘は 拷問&強姦された挙句、ボスの秘密を吐かされ ティレニア海へ流されるかと思いきや、 意外とフツーにチームに馴染んでいた。 そんな話です。 まったく、こんな都合の良い事が(ry フィレンツェ中心から少し離れた所にあるアパート。 そこが彼らの根城だ。 灯台下暗し、海外へ逃亡するよりも 国内で普通に生活する方が、ボスに見つかりにくいと踏んだのだろう (本当かどーか知らんけど……) ソファーの上、少女は退屈そうに欠伸をする。 「遅いなぁ……」 ショッキング・ピンクの髪を数本指に絡め、窓の外へ視線を移す。 見える景色は茜色。家路につく人間が忙しなく動いている。 しかし、その中に彼の姿は見えない。 「手間のかかる仕事だからな……」 怪しいマスクをした男…メローネが カップを口につけながら言う。 トリッシュはメローネの方向に顔を向けると 「それだったら、メローネのスタンドが行けばよかったのに……」 と、悔しそうに言う。遠隔操作型のスタンドなら簡単なのに。 「オレのはターゲットの血液が必要なんだよ。あと母体ね」 くるくると円を描くように指先を回すメローネ。 「そうだ!お前が母親になるか?ベネ!名案だ!」 ショッキング・ピンク色のベイビィ・フェイス。 鮮やかなビビットカラーは見た目的にもディ・モールトベネ! 「絶対イヤ!!どうしてアタシが!!!」 「いいじゃないか。毎日種付けしてるんだろ?」 ゴンッ!と、ガラステーブルに頭を打ち付ける娘。 突然、そんな事を言われたのだ。当然の反応だろう。 「ーーーーーーなっ何それ!!し、知らない!!訳解んない!!」 暫く言葉に詰まった後、顔を真っ赤にして反論する。 「とぼけても無駄だぞ。毎日ハメてる事ぐらい知ってるんだからな」 「ちょ!!!やってないわよ!!」 「二日に一回くらいよ!」 「してんじゃねーか」 おもしろメガネのギアッチョ、ついついツッこむ。 「たまには違う男もベネだぞ!」 「違う男ってスタンドじゃねーか!」 おもしろ(ryのツッこみ。 「オイオイオイオ〜イ……しょ〜がね〜なぁ〜 何時の間に種付けあう仲になったんだぁ?」 先ほどまで雑誌を読んでいたホルマジオが、興味津々に聞いてくる。 「ちょっと!変な言い方しないでよ!」 「兄貴〜種付けってなんだよぉお?」 愛らしい瞳をくりくりさせ、ペッシが兄貴に質問。 「出かけるぞペッシ」 「何でだよぉお兄貴ぃい〜待ってくれよぉ〜」 席を立つ二人。ペッシにはまだ早いのか兄貴が過保護なのか…… とにかく、こういう話題は聞かせたくないのだろう。 そそくさとリビングを後にする。 「しっかし、チビちゃん相手にヤるよなぁ。本当、しょ〜がね〜なぁ〜」 チラチラとトリッシュを見ながらニヤニヤ笑うホルマジオ。 「そんな事はないぞ。この腰つき……見事だ。やはり母体に…」 メローネの指がトリッシュの腰をなぞる。 「きゃあ!!」 瞬間、飛んできた掌に頬を叩く。 しかし…… 「いいビンタだ」 うっとり……恍惚とした表情。そしてお約束のペロリ。 「きゃあああ!!」 最悪のカウンターを食らって半狂乱になるトリッシュ。 「何で舐めるのよ〜〜〜!!うわぁああん!!」 ソファーに顔を埋めて泣き出す。 彼との関係もバレるし、掌を舐められるし…… 折角彼が『仕事』を終えて、帰宅する日だと言うのに つくづく悪い事づくめだ。 「まぁまぁ。そう泣くなって。 そうだ……いいビンタをしてくれたお礼に……イイ事教えてやるよ」 「……?」 泣き顔を上げるトリッシュ。 その耳元でメローネがある秘策を言い出したのだ。 SS一覧に戻る メインページに戻る |