一番振り回されてんのは(レオーネ・アバッキオ×トリッシュ・ウナ)
第五部 黄金の風


彼と仲間達が組織からボスの娘ートリッシューの護衛を命ぜられたのは数日前の事だ。
それからと言うもの、彼らは襲い来る裏切り者チームの猛攻を避け、
時には交戦し、まさに命掛けの日々を過ごしていた。

しかし、命懸けで戦っている自分達を傍目に娘ートリッシューは我儘し放題だった。
いつ何が起こるか予断出来ない状況だと言うのに
当の本人は気がついていないのか、危機感の足りないお花畑なのか
自分を守るギャング達に無茶な命令ばかり出しては困らせていた。

「ミネラルウォーターはフランス製ね」

この一言でナランチャは街まで買い出しに行き、そこで遭遇した暗殺者と戦い死にかけた。

「ジバンシーのホホ紅は?」

この一言で新入りのジョルノが化粧品一つを買いに街へ出た。

「何だか臭うわ」

この一言でミスタは亀の外へと追い出された。

「いたの?」

この一言でフーゴは空気化した。

まるで、自分達を家臣かパシリの様に扱うトリッシュにアバッキオは怒りを蓄積させていった。
しかし、『下っ端を顎でコキ使うだけ』ならまだ許せる。

問題なのは、小娘のブチャラティに対する態度だった。
小娘はブチャラティの根の良さを見抜いたのか他のメンバーにする以上に我儘を言うのだ。

「ねぇ、ブチャラティ アタシ喉が渇いたわ」
「ねぇ、ブチャラティ」
「ねぇ…」

その度に右往左往するブチャラティに
「お前が甘やかすからガキが調子に乗るんだ」と 注意をしたが
「我儘もそのうち飽きるだろう、我慢しろ」と取り合ってもくれない。

しかし自分達のチームリーダーが、ボスの娘とはいえ5つも年の離れた
小娘に顎で使われる用では他のメンバー(得に新入りのジョルノ)に示しがつかない。
しかも、その優しさが小娘を益々のさばらす事となっているのだ。
自分が心を許せる、ある意味尊敬の念さえ抱いているブチャラティに
これ以上横暴な態度を取る事はアバッキオにとって許せない事であり、
まさしく『我慢の限界』だった。

「ねえ、聞いているの?」

この場合、「聞いているの?」とはアバッキオに対してだろう。
度重なる我儘のお陰でで亀の部屋内にはアバッキオとトリッシュだけしか居ないのだから。

「ねぇ」

小娘はソファーに座り、雑誌片手にアバッキオを呼んでいる。
どうせくだらない用事なんだろう。
彼は椅子に座り目を瞑っていた。勿論返事はしない。

「……」

唯一、言う事を聞かない所か返事さえしない部下に
少しムッとしたのか、小娘は声を強める。

「ねえ、あなた、聞いているの?」

ーいい加減にしろ、オレは他の奴らとは違うからな
アバッキオはナメた態度の小娘に心中で悪態を付く。

「ちょっと!」
「……」

何度呼んでも振り向きもしないアバッキオに諦めがついのか
小娘は雑誌を乱暴に閉じると

「もういいわ、ブチャラティに頼むから!」

その一言でアバッキオは切れた。

「てめぇ、いい加減にしろよっ!」

急に立ち上がるとガタンと音がし、遅れて椅子が倒れた。
突然の事に、目を丸くしている娘の前まで行くとその細腕を掴む。

「痛ッ……!」

小娘は一瞬戸惑い瞳を大きく見開いたがすぐに手を振り払い

「何するのよ!失礼な男!」

と侮蔑の言葉を吐いた。

「いい加減にしろよガキがッ!あんまりナメてると承知しねぇぞ」

顔を近づけドスの効いた声で威嚇する。

「承知しないってどうする気よ!アンタ達みたいなチンピラに何ができるって言うの!?」

小娘も負けていない。ギャング相手に啖呵を切る。

「教えてやろうか?ええ?」
「やってみなさいよ!出来るもんならね!」

ーこのガキ…!!

この位のガキなら凄味だけで泣き出すか、
目を反らしブツクサと捨て台詞を吐きながら逃げ出すのが普通なのだが
この小娘はどちらでも無かった。
怯む所かその気丈な瞳はアバッキオ一点を射抜くかの様に睨んでいる。
その仕草が余計に彼をイラつかせたのだ。

ーこのガキ……何としても泣かせてやる。

「ああ、やってやるよ」

アバッキオの口元が妖しく歪んだ。
トリッシュがその表情に疑問を持った時には遅かった。
瞬間、アバッキオはトリッシュの顎を掴み素早く顔を寄せ柔らかな唇を奪った。

「ん!?」

アバッキオの理解を超えた行為に不意を突かれたトリッシュの体が硬直してるのが解る。

生意気なガキ……女のガキを黙らすのに一番良い方法だった。
散々遊んでいるのだろうし、キスぐらいじゃあ怯まないだろうが
チーム内に一人でも反骨精神を持っている奴がいると
理解させれば、その我儘も少しは成りを潜めるだろう。

唇を押しつけたまま、角度を変え挿入しやすい位置を探す。
肉厚な唇を甘噛みすると、トリッシュの体が少し解れたので、
隙間を無理やりこじ開け、舌を中に滑り込ませる。

「んんんっ…」

異物の侵入に驚いているトリッシュを無視し
奥の方で縮こまっている舌に自身の舌を絡ませる。

「んー!!」

くちゅくちゅと湿った音が部屋内に響いた。

ーこいつ、慣れてんのか?

トリッシュは舌を差し込まれ咥内を蹂躙されても、くぐもった声を洩らすだけで抵抗しない。

「ん…んん…」

それどころか、自身の背中に手を回してきたのだ。

ーなんてガキだ…

しかし、それは自分の思い違いだとすぐ解る事になった。
小娘は伸ばした腕で彼の背中を思いっきり叩き始めたのだ。

「んんんー!!!」

悲鳴をあげ、何とか彼から逃れ様と体を左右に捻りやっとの事で唇を離す。

「いやぁ!」

トリッシュは手を振り払うと彼の腕の中から逃げた。
肩を大きく震わせながら今まで奪われていた酸素を取り戻すべく、ぜぇぜぇと呼吸する。
俯いたその顔の中、大きく見開らかれた瞳には涙が溢れ今にも零れ落ちそうになっていた。
何とか呼吸を整えたトリッシュは

「なんて事すんのよ!」

と声を擦れさせながらも叫ぶ。
そして渾身の力を籠めて掌を振り下ろすが、寸での所でアバッキオに掴まれてしまった。

「…ッ!」

顔を顰める小娘、アバッキオは正直驚いていた。

ー遊んでそうに見えたんだが……
露出度の高すぎる外見で判断してたが…このガキ、案外処女かもしれない

…なるほどな……

アバッキオの苛虐心に火がついた。

処女なら簡単だ。
処女を黙らす方法なんざ、幾らでも知ってる。
少し脅かして二度とブチャラティに生意気な口を聞けない様にしてやる。

今まで何故クソガキの我儘に我慢していたのか不思議に思った。
こんなに簡単に行くじゃないか?
一度火のついた苛虐心はメラメラと勢いを増していく。

ゆっくりと近づく彼に、トリッシュは後ずさりするが
すぐにソファーの背もたれにぶつかってしまった。

「……こ…来ないで」

怯え震える小娘に顔を近づけ囁いた。

「生意気なガキには仕置きが必要だよなぁ」

そう言うと、簡単に細腕を捻り上げソファーの上に押し倒した。

「嫌ぁああ!」

トリッシュが小さく悲鳴を上げる。
その身体に伸しかかり片手で頬を掴むみ顔を覗く。
完全に怯えきった小動物かの様に見える表情は、アバッキオを満足させた。

再度、唇を塞ぎ片手で黒革のブラを剥ぎ取ると遠くに投げる。
急に外気に晒された乳房にトリッシュは悲鳴を上げた。

「きゃあああ!」

これで暫くは動けないだろう。
亀の外ではミスタやフーゴが見張っている。ジョルノもいるかもしれない。
まさか、今まで手下として使っていたー格下に見てたー男達の前に
上半身裸というみっとも無い格好で現れる訳にはいかないだろう。

コイツの様なプライドの高いクソガキは特にそうだ。
だからコイツは逃げ出す事も無いだろうし、助けも呼ばない。
後々、「チンピラに組み敷かれた、ただの小娘」として
部下達から見られる位なら、大人しく犯される方を選ぶ筈、だ。

案の定、小娘はアバッキオの下で暴れるだけだった。
所詮、小娘が暴れた所で大の男に適う筈がない。
結果、可愛らしくもがいてるだけにしか見えず、益々苛逆心を煽る事となるとも知らず…

アバッキオは剥き出しになった乳房に指を這わす。
滑らかな肌は彼の指を適度な弾力ではじき返す。

「やめて!触らないでぇ!」

触られる事に嫌悪感を抱いた小娘が小さく叫んだが無視した。
やわやわと円を描くように周囲をなぞり
感触を楽しみながら段々と中央へと移動していく。

その頂点の薄ピンク色の乳首を指で転がす。

「くぅっ……」

敏感な箇所に触れられて一瞬小娘が『女の顔』をしたのが解った。
乳房を揉み解しながら、太い指で重点的にそこを攻めていくと
段々と硬度を増しながら勃起していった。

それは生理的現象なのだが、それでもアバッキオを興奮させるのは十分だった。

「いやぁ……」

執拗にそこを攻めていくと 彼女の頬に赤みが射し、息が荒くなっていく。

「感じてんのか?こんな状況でよ?」
「ああっ!」

ツンと起った乳首を指の腹で扱くとトリッシュの身体が大きく跳ねた。
トリッシュは羞恥に染まった顔でこちらを睨み悪態をついた。

「誰が…アンタみたいな下手くそなんかに!」
「減らず愚痴だけは立派だな」

その生意気な唇を再度奪うと、顔を首筋へと移動させる。

舌先で首筋をなぞり鎖骨辺りをきつく吸うと赤い染みができた。

「あ〜あ〜残念だったなぁ痕ができたぜ。他の奴らに何て言い訳するか?」

赤い斑点を指でなぞり見下す様に言い放った。

「最低…!」
「何とでも言え」

侮蔑の言葉を物としないまま、勃起した乳首をちゅうと吸う。

「ひぁああ!」

あまりもの刺激に、彼女の口から悲鳴が上った。
舌先で乳輪をなぞり、ぷっくりとした乳首を唇で甘噛みする。

「はぁあ……!嫌ッ!嫌ぁあ!」

トリッシュは初めて与えられる刺激に耐えるように顔を振る。

「だめ……やめてぇ」

その間にも片手は彼女の腹をなぞり腿の付け根へと移動する。
スカートの間に滑り込む指。
一瞬、悲壮な顔をするトリッシュにアバッキオは笑みを浮かべた。

初めの頃は此処ら辺で許してやろうと思っていたが
トリッシュの憎らしく可愛らしい反応に彼の思考は麻痺し、
事態はもはや歯止めが利かない物となっていた。

「てめぇが悪いんだからな」

自身を睨むトリッシュにアバッキオは言い放つ。

ー早く泣いちまえ!叫んでみろ!

今や、彼女が泣き叫び、自身に許しを乞う姿を楽しみに行為をしてるも同然だった。

しかし……

「す…好きにすれば…」

小娘は虚勢を張り必死に睨みつけてきたのだ。

ー完全に誤算だった。

トリッシュは普通に生きて、普通に女子学生をやっていた。
それがある日突然『ギャングのボスの娘』だと宣告され訳の解らないまま拉致された。
命の危険性も教えられ、緊急にボスとの対面を余儀なくされたのだ。
あの優しそうな……それでいて威厳のあるペリーコロの
おじいちゃんは自分を護衛してくれる男達を「彼らは信頼できる」と言った。

しかし、年頃の男達の中に一人ポーンと投げ込まれたのだ。
何が起こっても可笑しくない状況で、自分の身は自分で守るしかなかった。
だから、トリシュは彼らに舐められない様
散々コキ使い自分と彼らの立ち位置を分らせてやった。

少しでも弱みを見せれば何をされるか解らないこの状況では
仕方が無いと思っていた。

結果、押し倒されてしまったのだが…
まさかこんな事になるだなんて…
完全に誤算だった。

今すぐ大声をだし叫べば外にいるコイツの仲間が助けてくれるかもしれない。
しかし、こんな情け無い姿を見られるのは死んでも御免だ。
この男は幹部であるブチャラティを心から尊敬し、慕っているのだろう。

彼は怒っていた。
ブチャラティを小馬鹿にする自分に。

それ程まで慕われているブチャラティにトリッシュも心を許しかけていたのは事実だ。
ペリーコロのおじいちゃんの言う通り、彼は信頼できる。
しかし、そんな彼に甘え無茶な用事を押し付けこの部屋から遠ざけたのは
間違いなく自分だった。

ー自業自得だ。
一番恐れていた事態が起こり恐怖が彼女を包む。

この男は自分が許しを乞い二度と反抗しない事を望んでいるのだろう。
これは『罰』だと思った。彼らを信用せず甘く見てしまった自分への。

ーけれども泣き叫んだりするもんか絶対に屈したりするものか。
両手を押えこまれ 貞節の危機に晒されようと消してこの男の望む様は見せない。
それが、何もできない自分の唯一の反抗であった。


「す…好きにすればいいでしょう!…」

思考とは裏腹にぽろぽろと涙を流し、それでいても自分を射抜くように睨みつける少女。

その姿……涙目でしゃくり上げるトリッシュを見て、アバッキオはふと我に返った。
段々と心に罪悪感や嫌悪感が混じった、ドス黒い感情が広がっていく。
と、同時に15の小娘にムキになっていた自分が情けなくなり、急激に気持ちが萎えていった。

「くそっ」

何とも言えない気分になったアバッキオは細腕を解放しソファに腰を下ろす。
犯される事を覚悟していたトリッシュは、
解放された腕とアバッキオを交互に不思議そうに見る。
その視線を気まづく思った彼は

「謝らねぇからな」

と毒づき捨て台詞を吐いた。

事態を飲み込んだトリッシュは何時もの顔に戻り
返事の代わりに彼の頬を思いっきりひっぱだいた。
そして、落ちた黒革のブラを付けると無言で亀の部屋から出て行ってしまった。

一人取り残された部屋でアバッキオは柔らかすぎるソファーに靠れかかる。

「ちくしょう……」

最初は生意気なクソガキにお灸を添えてやるつもりだった。
次に感情に任せそのまま犯してしまおうと思った。
最後は自責の念に駆られ行為を中断した。

ー何だかんだ言って、あのガキに一番振り回されてんのはオレじゃねぇか

何とも言えない、感情を吐きだす様にアバッキオは深いため息をついた。






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