第七部 スティール・ボール・ラン
彼女の胸の柔らかさがまだ手に残っている。 事故とはいえ「彼」のフリをしている「彼女」の 秘密を知ってしまったんだ。ぼくは。 騎乗な振る舞いをしているのに。 男にも勝る運動神経、精神力をしているのに。 細身だが美しくも思えるような鍛えられた体つきをしているのに。 キミは女だ。 ぼくは知ってしまったんだ。 ぼくだけが知る秘密、ぬくもり。 ぼくだけが知る女としての一面。 どうしたんだろう、体が今とても熱いんだ。 胸の底から溢れてくるとめようもない熱情。 どうやら、惚れてしまったらしい。 胸の感触が残っている手を確認するように握り締めた。 ズボンの突っ張りが収まらない。 「ホットパンツ…。」 そんなこんな考えて悶悶としているうちに、 どうやら夜はあけてしまったようだ。 SS一覧に戻る メインページに戻る |