異物
北田秀一×藤ノ宮千歳


カツカツカツカツ…

新田舎ノ中の昼休み。
小刻み且つ、堂々と響くその音。
校舎に響くその足音は、その学校に通っている生徒ならば誰のものか直ぐ判る。
この学校の理事長兼生徒会長である、藤ノ宮千歳のものである。

校舎の最上階にある2−Bの教室から、2階にある理事長室に向かうその階段。
毎日必ずこの時間に通る。
だからこそ、普段通りにこの階段を下りなければならない。

「…はぁ…」

千歳の小さな唇から甘い吐息が漏れる。
一歩降りる毎に、秘肉の奥に入れられた異物が内壁を擦る。
体内の奥から痺れるような甘い疼きに、階段を下りる足がガクガク震え、
上手く階段を下りることが出来ない。
一歩。
また一歩と。
いつもの千歳とは違い。ゆっくりと階段を下りていく様子に、すれ違う生徒達は不審な目を向ける。

「普段通り貴女らしく堂々と降りないと、すれ違う人達に不審な目で見られますよ」

後ろから突然声を掛けられ、ビクンと千歳の肩が反応する。
その瞬間。

コロン…

千歳の両足の下。粘液で濡れた小さな球体が一つ落ちた。
その瞬間。
千歳の顔がカァッと真っ赤に染まる。
まだ救われるのは球体が落ちた瞬間、千歳に声を掛けた人以外その場に居なかったこと。

「あーあ、落としてしまいましたね。言ったでしょう?落としたらお仕置きをするって」
「…北田くん…」
「でも、もう一つはまだ中に入ったままですね。このまま、早く理事長室に行きましょう」
「…お願い北田くん。せめてショーツだけでも履かせて…」

懇願するような瞳で秀一を見つめても。
笑顔のまま、秀一の表情は変わらない。

「理事長室に着いたら履かせてあげますよ。だから頑張って辿り着いてください」

秀一は、その落ちた球体を手に取ると、愛液を味わうようにペロリと舐め上げた。
その舌使いに。
それが自分の秘肉を這う瞬間を思い出し、千歳の顔は真っ赤に染まる。

「ほら、普段どおりに振舞って。もうすぐわぴこが此処を通りますよ」

ドタドタドタと階下から響くその足音で。
二人と仲の良い、元気一杯の女の子が来ることを千歳に伝える。






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