狂わせる
進藤一生×香坂たまき


「きゃっ!!」

進藤に腰を引き寄せられたたまきは、ぴったりと身体を密着させられ逃げ場を失った。

「は、離してっ!」

たまきは力の限り進藤を押し返そうとするのに、進藤の体はびくともしない。
それどころか押し倒されるようにして覆い被さられてしまう。

「やぁっ…や、やめて…ッ…」

荒々しく片手で襟元から大きな手を差し込まれて、進藤の熱を胸に直接感じる。
進藤はそっと頬を掌で包んで、たまきを自分の方に向かせると、ポロポロと溢れる涙を舌で掬って舐めとっていく。

「…『やめて』は仰りか?」

「…違…!んっ…い、いやぁぁっ!」

強引に上着を割り開いて、その蕾のような胸を白日の元に晒した後、進藤はその膨らみを掌で確認するように掌で包み込んで柔らかく揉みながら、その頂を口に含んだ。
そっと吸い上げながら軽く歯を立てると、たまきの体がビクりと跳ねた。

「…ッ…いや…ぁ…、っく、ど…して…」

たまきはしゃくりあげながら、力の入らなくなった体を横たえて、溢れ出る涙でぐちゃぐちゃになった顔を両手で覆っている。
一旦胸から唇を離して、その震える耳朶を唇で挟んで舐め上げながら、耳元で熱く進藤が囁いた。

「…たまき…お前が悪い。」

「…私、何…も…してな…!」

「……お前の無防備さが…俺を狂わせるんだ…。このように、な?」

「いやぁぁぁっ!!!」

スカートのホック部分を両手で掴んだ進藤は、もどかしげにスカートを引き裂いてしまう。

静かな玄関に布の引き裂かれる音とたまきの悲鳴が響き渡った。

「…こんな所でするのは初めて、か…。」

嬉しそうにほくそ笑むと強引にたまきの足の間に自分の体を滑り込ませ
性急な動きで下着まで引き裂き、まだ潤んでいないその部分に口付ける。
たまきは驚きと恥かしさで体を震わせて、進藤の頭に手を差し込んで引き剥がそうとしながら泣き叫んだ。
 
「当たり前じゃないっ……!!…ぁ!!こんなところで、嫌っ!」

誰かに気付かれるかもしれない玄関で泉に口づけされ、たまきの身体が一気に沸騰する。

「恥ずかしいなら、声を上げない方が懸命だと思うぞ?」

進藤はそう言うとたまきの足をさらに広げて抑え、露になった泉にさらに口づけを落とす。

「やっ…!んっ…んうっ…っ……!!」

泣いて喉をひくつかせるたまきに愛おしさを感じながら、進藤は泉にひっそりと咲いた花びらをなぞるように舌で何度もなめ上げていった。

「んんっ!…うっ…あ!…やあっ……」

びくんびくんと身体が跳ね上がり身体を硬くしながらも、たまきの泉からは甘い蜜が次々と溢れだしてきた。

「溢れてきたよ、 たまき の甘い蜜が…」

「やっ…こんなとこで…こんなのいや…」

「…お前のここはそんなことを言ってないようだが?」

いじわるそうに進藤はそう言うと、溢れ出した蜜をたまきに聞こえるように舌をピチャピチャと音を立てて動かしていく。

「っ!……んっ…ひあっ…んっ…やあっ……」

たまきが断続的な喘ぎ声が上がるのを確認すると、進藤は、今度は指に泉から溢れだした蜜を絡ませて一気に根元まで差し込んだ。
泉の中でまるで円を描くように刺激を続けると、自然にたまきの腰が浮いてくる。

「あっ!…もっ…許して…やああああっ…」

跳ね上がる体を押さえつけるように、胸を乱暴に掴んで激しく舌を吸い上げる。
たまきの体が著しく反応する個所を執拗に攻め立てる。
進藤は、はやる気持ちを抑える事が出来なかった。
独占欲や嫉妬心が、余裕や労わりさえも奪ってしまう。

「ん…ぁ…ん…ふッ…」

激しく舌を絡ませたせいで、たまきの口腔に納まりきれない唾液が頬を流れる。
それを追って耳元に舌を滑り込ませて進藤は甘く、残酷に囁いた。

「… たまき 、もう逃げられないのは解ってるな?」

胸を掴んでいた手が離れて、進藤が自分の着衣を寛げている事を知ったたまきは、涙目で進藤を見上げ、弱々しく許して、と首を振る。

「…い、いや…よ…」

「……ダメだ、止めてあげられない…」

今まで散々指でかき回されて、熱を孕んだ泉の入り口を、指より遥かに硬くて質量 のある進藤自身がぬるぬると擦りつけられ、たまきは体を強張らせた。
入れられてしまうときっと声が外に漏れてしまう…
抑えられる訳がないのだから……

「…まぁ…せいぜい頑張るんだな」

鎖骨を舌でゆっくりとなぞりながら、体の上で進藤が低く囁くのを、たまきは絶望的な思いで聞いていた。

もう逃げる事も適わないと悟ったのか、たまきの体から力が少しだけ抜ける。

「ここでしても…いいから…激しく…しないで…?声…出ちゃうから…ね?お願い」

小さく震えながら呟かれる言葉に、進藤はそっと優しく額に口付けを落として、うっとりと瞳を覗き込む。

「あぁ…努力するよ」

「…んんっ!あ、ぁ…!」
足を益々大きく広げられ、進藤の押し付けられたものが益々質量を増すのを感じてたまきは腰を無意識に引いてしまう。

その腰を引き寄せるように掴んだ進藤は、覆い被さり全体重をその部分にだけかけるようにして、ゆっくりと、それでいて強引に確実に奥へ、奥へと楔を打ち込んだ。

「…ッ……んぅっ…ぁぁぁ…ッ…」

たまきの胎内は進藤を熱くて締め付けて、強引に入り込んだ男を喜ばせる。

「熱いな…お前の奥は…」
たまきは、進藤自身が自分の身体の内側に強引に入り込む度に、噛み殺しきれない喘ぎ声を口の端から漏らす。

「んっ…はぁっ…!んぅっ…っ……あああっ!」

進藤もたまきの艶やかな唇から奏でる甘い声を逃さないとばかりに、時折自分の唇でついばみながら、さらに腰を進めてたまきの最奥を目指す。

「んんんっ…!ひっ…あっ!…あ!いっせ…もぅ…あっ」

「それでいい。お前はそうやって俺の名前を呼んでいれさえいればいい…」

瞳にたまったたまきの涙が進藤の動きで空に舞う。
進藤は、突き上げた勢いで空に浮いたたまきの腰を抱え込むようにしながら、深く、そして激しく繋がっていった。

「やっ…あっ…一生!!激しくっ…しなっ…で…っ!声、が…っ…ああぁ!」

たまきの中を容赦なく進藤自身が突き上げてくる。
その度に、たまきは進藤の名を呼びながら大きく跳ねる。
その繰り返しで、たまきの意識は次第に遠のいていくように思えた。
たまきは自分の身体でありながら、自分のものではないような感覚にとらわれる。
繋がった部分がまるで燃えているように熱くてとろけそうで…。

「もっと感じれるだろ?」

進藤は目の前で揺れるたまきの胸の果実を口に含みながらも、さらにぴったりと繋がった腰を進めていく。

「やっ…ダメっ…!抑えられなっ…あああ……!」

ビクビクと収縮を繰り返す胎内と、首を反らせて艶やかにのけぞる体に進藤も余裕をなくして、一旦入り口ぎりぎりまで引き抜いた自身を一気に奥まで差し込んで貫く。

「あぁ…ッ…?!やぁぁ…ッ…ぁ……」

進藤の背中に回された指が強く食い込んむのを進藤は満たされる想いで感じていた。

甘美な締め付けにひとたまりも無く、最奥に飛沫を放ったものの
渇きは納まる事なく、まだ硬さを保ったままの自身を、今度はゆっくりと動かす。

「あぁ!待って…!まだ、無理っ!これ以上は…やぁぁぁ…ッ…」

達したばかりで過敏なほど反応を示す体を、それでも進藤は責めつづけた。

過ぎる快感が、痛みすら感じさせている事に気付いても、繋がっていないとたまきが何処かへ行ってしまう気がして、何かに取り付かれたように、その体を求めつづける。

「まだだ…もっと与えてくれ…欲深い俺に…」

たまきの体のあらゆる所に唇を落とし、歯を立て、自分の印を刻み込む。
いっそこのまま本当に喰らい尽くしてしまえたならどんなにいいだろうと
進藤は果てる事のない欲望を抱えてそう思った。

「はあっ…!んぅっ…ああ…んっ…ふあぁっ……!!んんっ…だ…だめ……!本当にっ…」

進藤の攻めに、たまきは息をつく暇もないほど喘ぎ続けている。
幾度となく流した涙で喉はひくつき、声も枯れてきていたが
発する言葉とは裏腹にたまきは抵抗することもなく、自分でも気付かず身体をよじらせながら進藤を受け入れていた。

辺りは日が暮れ始め、二人の繋がったままの影が静まりかえった玄関の中に伸びている。

「んっ…あっ…んっ……んんっっ……もう……やめ…て……」

虚ろな瞳で進藤を見つめるたまきの身体は限界に達していた。
がくがくと震える足、今にも意識が飛びそうだった。進藤の腕に支えられているたまきの身体は、自分の力では抑えることもできないほど進藤に壊されかけていたのである。

「…ふっ…確かにこれ以上攻めたら壊れるかもな…」

残酷な笑みを浮かべつつも、進藤は腰の動きを止めようともせず、固くなったままの熟した胸の果 実を強く刺激するように歯で噛む。

「あっ…!!!ああああっっっ!!!」

いよいよたまきの中が今までで一番強く締まっていくのを感じると、進藤も律動を繰り返していた腰の動きを一点に集中する。

「いやああっ!!そこはいやっ!!やあああっっ!!!」

たまきの一番感じる箇所を…。

「あっ!!あ…あっんんっ!!ダメっ!あああっ!!」

「俺を全部受け止めておくれ。このどす黒い感情も全て…」

進藤は絞り出すような声でそうたまきに囁くと、さらに腰をすすめ、たまきの達する時に合わせてその情熱を放った。

「ひっ…んっ…ぁぁあ…っ!!!!」

「 たまき っ!!」

たまきは進藤が自分を呼ぶ声を白くなっていく意識の中で聞いた。






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