進藤一生×香坂たまき
![]() こんなにも人を好きになるなんて 以前には思わなかった事。 彼と出会って 彼を好きになって きっとそれから… それから全てが変わった 自分だけを見て欲しい。 自分だけに触れて欲しい。 彼を独占したいと言う欲望が どんどんと膨れ上がる一方だった。 たまきと体を重ねるようになって、もう随分たつ。 けれど、この夜はどこか違った。 求めれば、いつも恥ずかしがる彼女が、なぜか積極的で 進藤は戸惑わずにはいられなかった。 「たまき…?」 先ほど、積極的に唇を押し付け、舌を絡ませてきたかと思うと、今ではその唇は進藤の首筋辺りを彷徨っている。 時折、ちくりとした痛みを感じるのは、いつも進藤がするように 所有の証を刻んでいるからであろう。 白い指先が、器用に進藤のシャツのボタンを一つ一つ外していく。 露になっていく肌を、ちろちろと舌が這う。 なんだかくすぐったくて、進藤は僅かに身を震わせた。 けれど、触れられてばかりではなく そろそろ自分も触れたい。 「たまき…俺もお前に触れたいんだが…?」 そう言うと、一瞬だけ顔を上げて、再び行為に没頭する。 「聞いてるか?」 「…ダメょ。今は私が貴方にやってるんだから…」 たまきは唇を徐々に下へとずらせていく。 進藤の分身は、たまきの愛撫によって、ズボンの上からでも分かるほど、膨らんでいた。 たまきはためらいもせず、それに手を伸ばす。 布越しにやんわりと与えられる刺激に 思わずもれそうになる声を、懸命に堪えた。 ベルトとズボンのホックを外し ファスナーをゆっくり下ろす。 そして、下着とズボンとを共に僅かずりさげ 先端から白濁の液を流し始めているそれを、銜えた。 「…っ!たまき…ッ!」 たまきは輪郭をなぞるように、それを舐め、銜えたまま、顔を上下に動かす。 そして、時折、軽く歯を立て、熱の解放を促した。 「…たまき!もう…いい…ッ」 いつも余裕綽々で、いやらしい言葉で自分の羞恥を煽る進藤の、珍しく切羽詰ったような声。 なんだか楽しくて、たまきは愛撫の手を進める。 進藤の分身は、たまきの口には治まりきらないほど、そそり立っている。 「…ッ!」 強く吸い上げられた瞬間、進藤は口内に欲望を放っていた。 放たれたそれを、たまきはコクリと喉を鳴らして飲み干した。 「一生…」 熱にうかされたような瞳で、進藤を見つめ 伸ばした両手で、進藤の頬を包む。 そのまま引き合うように唇を重ね、口づけを交わしながら たまきは進藤を押し倒していった。 「なんか不思議…」 進藤の腹辺りに跨ったたまきがポツリと漏らす。 「何がだ?」 「いつも見下ろされてるから…」 「…そうだな。」 触れようと、頬に手を伸ばすと、たまきはその手から逃れるようにして 進藤から体を離すと、纏っていたものをすべて脱ぎ捨て、再び進藤に跨る。 「貴方が…欲しい…のッ」 「ああ…たまきの望むだけ…やる…」 いつもとは逆だなと、心の中で苦笑ながらもそう答える。 たまきは手を添え、進藤の分身を自分の秘所へと押し当てる。 そして、ゆっくりと腰を下ろしていった。 「あ…っん!」 堪えきれず漏れた声は艶を含んでいて、進藤の欲望をさらに煽った。 「一生の…びくびくしてる…ッ。気持ちいい?」 「ああ…いいよ。すごく…」 たまきはゆっくりと、腰を動かし始める。 まだ、何の準備もしていなかったはずだが たまきの中は、スムーズに進藤を包み込んだ。 「あっ…あぁ…ん…イイ…ッ」 ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が,、二人の欲望を刺激していく。 まるで、けもののように、互いの体を貪りあった。 「はぁ…っん…一生…ッ……ぁ、ん…」 「たまき…ッ…もう…」 共に限界が近い。 「あぁ…っ…いい…わよ…中に…っ…出して…もっ」 たまきの中がきつく締まる。 その刺激に耐え切れず、進藤はたまきの中に熱を叩きつけた。 「あぁぁぁっ!」 それと同時に、たまきも高く声をあげ、絶頂を迎えていた。 そして、力の抜けた体が、進藤の上に倒れこんでくる。 その体を抱きとめ、繋がりあったまま、体を反転させた。 やはり、こうしてたまきを見下ろす方がいい。 攻められてばかりというのも、男の沽券に関わる。 手首を押さえつけ、やや乱暴に、進藤はたまきを突き上げた。 「あぁ…ぁっ…もっと……!」 たまきに強請られ、欲望のままに、彼女の体を貪った。 止むことのない狂宴は、日付の変わるまで続けられた。 「今日はどうしたんだ?」 たまきはぐったりと進藤の胸に身を委ねている。 柔らかな黒髪を撫でてやりながら、そう聞いた。 「別に…」 けれど、伏せた瞳にはどこか暗い影が背負っているようで、進藤は追求をやめない。 「たまき。」 少し強く名前を呼ぶと、たまきは漸く顔を上げた。 「貴方…今日、どこにいたの?」 本当は昼間から会えるはずだった。 けれど、急用が出来たからと、待ち合わせ時間を夕方に変更された。 余った時間をつぶすために、出た街中で、進藤の姿を見つけた。 けれど、彼は一人ではなく、その隣には知らない女の姿。 自分だけに向けられるはずの優しい笑顔をしている進藤に、たまきは胸が締め付けられるように痛くなった。 その女と会うことが自分の約束よりも優先させることなのか。 まるで、逃げるように二人に背を向け、その場を去った。 その事を、進藤に話すと、進藤は複雑そうな顔をしていた。 「私は…嘘をつかれるのは嫌。」 他の女と会うなとは言わない。 けれど、会うなら会うで、ちゃんと話をして欲しかった。 「悪かった…」 たまきを抱きしめる腕に、若干力が籠もる。 「内緒にして、驚かせようかと思っていたのが、逆効果だったな…」 進藤はそう言うと、床に散ばったスーツの上着のポケットから、小箱を取り出した。 そして、それをたまきの手のひらに乗せる。 「開けてみろ。」 言われるままあけると、中にはダイヤモンドの指輪。 「これ…」 「結婚…して欲しいんだ。俺と…」 「一生…え?じゃあ、あの女の人は誰だったの?」 付き合い始めてもう三年。 いつかはと言う約束はあった。 けれど、それを形にした事はなかったから… この指輪はその証。 「こういうの、選んだことないから。妹に相談したら、一緒に行って見立ててくれると言って…」 たまきは、感極まって、一生に抱きついた。 「ありがとう!…妹さんにも今度お礼言わせてね」 そう言った声は、涙声だった。 体を離したたまきの左手をとり、薬指に指輪をはめる。 そして、まるで結婚式のように、誓いの口づけを交わした。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |