恋しい
進藤一生×香坂たまき


「ふ〜……」

夕飯を済ませ、切りの良いところまで論文を進めた後、就寝の準備を調えたたまきは、吐息を漏らした。

明日も仕事だ、早く寝てしまおう。
そう考えたたまきだったが、ふと、思い出した。
もうどれ位、プライベートで進藤の顔を見ていないだろう?、と
それは、自分が論文をまとめたいから、と言ったからなのだが・・・
本当に1度も来なくなるとは思っていなかったのだ。
会いたい・・・
そう思うも、自分から言い出した事なので論文を仕上げるまでそうはいかない。

だが、そろそろ限界だった。
彼が恋しい。
寂しくて、仕方が無かった・・・
それなのに素直になれない自分の性格が憎くて。
だから今日の、この夜だけは彼の事を想おうと決めた。

が、思い出した途端、心だけでなく身体もが熱くなった。
進藤がいた晩は、ほぼ必ず進藤は身体を求めて来た。
指で、掌で、唇で、舌で、彼は自分の全身を愛撫し
意思の力ではどうにもならない快感を送り込んで来る。
たまきは思わず、寝間着の上から自分の乳房に触れた。
掌で包み込み、強弱を付けて揉みしだき、そして指は先端の突起を摘む。

「……んっ……、ん……」
喉の奥で声を殺しながら、たまきはいつも進藤がするように
自身の乳房を揉み始めてしまっていた。
指の先で膨らみの頂上を軽く引っ掻くと、寝間着越しに硬く膨らみ始めているそれが布地を押し上げている感触が分かった。

…どうしてこんな事をしてしまっているのか分からない
ただ身体が熱くて、考えるよりも早く手が勝手に自分の身体をまさぐっていた。

身体の中心が熱い。
疼き始めたそこが既にとろりとした液体で濡れてしまっている事を
たまきは自覚していた。
寝床に寝転がると、片方の手で乳房に刺激を与えながら軽く脚を開き
もどかしげに寝間着をずらすと指でそこに、触れた。

「……ぁ……っ」

思わず声が漏れる。
進藤の指はいつも、そこに触れるといやらしく蠢く。
花弁を開き、指の腹を前後に滑らせ入り口に刺激を与え
かと思うと中に入って来て彼女の特に敏感な辺りをまた指の腹で刺激する。
そうかと思えば指は彼女の中を激しく出入りして、また別の指が膨らんだ彼女の突起をこねくり回すのだ。

「ゃ……っ、ん、あぁ……」

吐く息は荒く、漏れる声は甘い。
たまきはただ一心に、濡れそぼる自身の身体を慰めていた。

自分の指が泉を出入りする度、くちゅくちゅと音がする。

「……は、ぁ……、も……ぉ」

腰を突き上げ、指の出入りさせる速度を上げ、ただ快楽に身を委ねる。
だがもう一息、というところで邪魔が入った。

「たまき。俺だ」

インターフォンの呼び鈴と共に扉の外から聞こえたのは、進藤の声だった。

「ぅそっ!?!」

夢から醒めたかのように、一瞬で顔色を変え、思わず跳ね起きた。

「たまき。開けてくれ」

「〜〜……っ」

何て間の悪さで来るんだろう・・・
たまきはそう思ったが、ここまで来られてしまってはどうしようも無い。
たまきは急いで乱れた寝間着を戻し、自身の愛液で濡れた指を手拭で拭うと
何事もなかったかのような顔をして、扉を開けた。

「限界だ」

短くそれだけ言うと、進藤はたまきの返答も待たずに上がり込んだ。

「……何しに来たの?」

たまきは再び戸締まりをし、既にソファに座り込んでいる進藤の側まで言いながら歩いて行く。

「最初に言っただろう?限界だ、って」

そう言いながら進藤は彼女の全身を眺めた。

「……な、何よ……?」

つい今しがたまでの秘めた行為に気付かれているのではないかと
たまきはぎくりとしながら、思わず両手で軽く自分の体を抱き締めた。
……目線で、だけでも彼女を焦がす。

「そのせいか、いつもよりお前がエロく見える・・・・」

そう言い放ち、進藤はまだ立ったままだったたまきの腕を引き、抱き寄せた。

「っ……」

体勢を崩したたまきは、そのまま進藤の胸の中へと倒れ込む。
進藤はすぐに彼女の唇を奪い、舌を使ってそれを割り開き、たまきの口腔内を蹂躙する。
片方の腕ではたまきを逃がさぬよう、彼女の腰を強く抱き寄せながら
もう片方の手で胸の膨らみに触れた。

「……んっ! ん……んぅ……」

喉の奥からくぐもった声を漏らしながら、たまきはびくりと体を震わせる。
進藤は彼女の乳房を揉みながら、指を滑らせその先端の辺りに触れた。

「あっ……ぁ、ん!……ぁあっ!!」

普段、この程度触れたくらいでは発しない程の艶かしい声が
たまきの唇から零れる。
いつもならば抵抗の一つもして来るはずの彼女は
見ればとろんとした表情で頬を上気させ
進藤を見上げている。
指先に触れた蕾は、既に硬くしこっていた。

「…………」

進藤は黙ったまま、乳房から手を離すと、そのままたまきの寝間着の裾を開き、脚に触れる。
それにたまきは慌て、声を上げた。

「なっ……、ちょ……っと待てっ!」

指は拭ったものの、股間までは拭いていない。
しかも、今ほんの少し進藤に触れられただけで、更に熱く潤みを増した事に気付いていたからだ。
だが進藤がそんな制止を聞く筈もなく
半ば力の抜けかけたたまきの脚を強引に割り開き、その付け根に触れる。

「あ、ふぁぁ……っ!」

哀しい程正直に、たまきの唇から喘ぎが漏れる。
だが進藤は、そのまますぐにそこから指を離し
唸るような低い声で、言った。

「・・・何でもうココがこんなになってるんだ?」

そう進藤が思ったのも無理からぬ程に、たまきの股間はぐしょぐしょに濡れそぼっていたのだ。
言われた途端たまきは俯き、顔を赤く染める。

「お前・・まさか・・・」
そう意味深に続けられ、たまきは進藤の言葉を遮って即座に反論した。

「べ、別に私何もしてないわよ?!」

だが声は上ずり、動揺しているのが自分でも解る。

「・・・素直に言ってみろ」

たまきが浮気なんでする女じゃない事なんて解っている。
そうなると思い当たる節はたった1つ。
今の態度と、たまきが初めから妙に妖艶に見えたのも、それなら説明がつく。
たまきの口から言って貰おうじゃないか・・・
進藤は静かにほくそえむと再び指を彼女の秘部に触れ、陰唇を開き入り口を擦り立てる。

「やぁっ、あ……っ、あ、んんっ」

常よりも過分に敏感になっている秘めた場所を刺激され
たまきは答える事も出来ずに声を上げ、身を仰け反らす。

「ちがっ……、あっ、ぁ…ぁ…!」

だが進藤の指は、たまきを絶頂に導こうとはしない。
彼女が極まって来たと見るや、そこから離れた。

「……っ、……ぁ、……?」

満たされず、たまきは濡れた瞳で進藤の顔を見上げた。
進藤はただ黙って、彼女を見下ろしている。
このまま言わなければ、一晩中これを繰り返されるのではないかという恐れが
たまきの心に浮かび観念して、たまきは口を開く。

「た……、たまたま……、そういう、気分に……なって・・・それで……」

だがそれ以上を自分で口にするには
まだ少し決心が足りなかった。
そこまで言って黙り込んだたまきを見て、進藤は再びほくそえむ。

「自分で慰めていた、か」

その言葉に、またたまきの顔が真っ赤に染まる。
進藤は喉を鳴らし、低く笑った。

「なら俺が来て都合が良かったじゃないか」

「…………」

たまきは目を逸らした。
進藤を思い出した上に、その記憶に頼って自慰を行ったなどと
もうこれ以上は口が裂けても言いたくなかった。
だが進藤はそれ以上の言及はせず、たまきの体を敷いてあった寝床に押し倒す。
彼女の寝間着を開いて体の前面を剥き出しにさせ、掌で包んで乳房を揉み立てながら
片方の乳首を指で摘み、捻り、こねくり、もう片方のそれを唇で挟むと尖らせた舌先で突付く。

「あ……っ、あ、ぁ……」

達し切れなかった体は敏感で、たまきの口からは絶えず甘く喘ぎが漏れる。
でも、それだけでは、到底足りない。
しばらくそのまま乳房だけに愛撫を受け、たまきはたまらずに懇願した。

「あぁ……一生っ……、……ん……下もっ……、触って………っ」

焦れてねだる声を聞き、進藤はまたも喉を鳴らし、笑った。

「あぁ」

片手で乳房への愛撫を続けながら、進藤は片手をたまきの胸から
腹、そして下腹部の先、濡れた茂みへと滑らせる。

「んぁっ……!」

その感覚に、たまきはぞくぞくと体を震わせる。
進藤の指が、そこに触れた。
くちゅくちゅと音を立てながら陰唇の中を擦り立て、彼女の中へと浅く指を出し入れする。

「あっ、あ……っ、あ、あぁん……」

身悶え、たまきは軽く背を仰け反らす。
進藤に割り開かれた訳でもないのに、その両脚は大きく開かれていた。

「……たまき。……もう、欲しいか?」

たまきの耳元で、進藤が甘く囁く。
たまきは短く呼吸を繰り返しながら、閉じていた目を開いて進藤の顔を見上げ
そして、羞恥に染まった顔で、小さく頷いた。
進藤は満足げに笑い、素早く下を剥ぐと既に熱く、硬く猛っている分身を取り出した。

もう少し焦らしてやろうかとも思ったが
こんなに淫らなたまきを、今まで見た事が無かった。
愛でてやれば最初の態度がどうあろうと解いた身体を彼に委ね
感じて乱れもするが、彼女に求められた記憶は無かった。
あまり焦らして熱が冷め、常と変わらぬ態度に変じてもつまらない。
驚く程、大量の蜜で塗れそぼっているたまきの入り口へ、剛棒の先端を押し当て、囁く。

「たっぷり味わえ」

そう言うと、進藤は一気に彼女の奥まで貫いた。

「あっ……、あぁ、あ……っ!」

たまきは全身を震わせながら悦びの声を上げる。
進藤を呑み込んだ彼女の蜜壷は、ひくひくと蠢きながら
ようやく与えられた悦楽の塊を逃さぬよう、強く吸い付いて来る。

「…っ、きつく締めるな……。俺の方が持たない」

何処か可笑しげに、進藤が囁いた。

「そんなっ…ぁ…事、言わせて…も…」

たまきは小さく呟いて進藤から顔を逸らす。

だが、その身体は彼を更に奥へと迎え入れようとでもするかのように
腰を突き上げ、自身の股間を進藤のそこへと押し付けている。

「知らな……ぁ、あ!自分でも、…コントロール…出来な…ぃ…の」

うわ言のように呟きながら、たまきが小さく腰を揺らす。
進藤は愉しげに笑うと両腕をたまきの体の両脇に突き、腰を引いた。
そしてすぐさま、強く突き入れる。
「あっ……あ、あ、あっ、っ……っ!!」

進藤の剛直で粘膜を激しく擦り上げられる度、たまきは淫らな声を発する。
突き上げられる度に胸の上で乳房が揺れる
その様に進藤も更に興奮を覚える。
ぐちゅぐちょと音を立てながら彼女の中を掻き回してやると
たまきの喘ぎは更に甲高くなって行く。

「ああっ、はっ、あっ……あんっ、あぁ……ん、も……、ぁ」

自らも腰を振りながら、たまきの唇が絶頂を訴えた。
進藤は更に速度を上げ、彼女を激しく幾度も突いた。

「はぁ、あっ、あっ、あぁ、あああぁぁ     っ!!」

一際大きな声を上げ、たまきの身体が大きく仰け反った。
進藤を咥え込んだままのそこも、激しく痙攣を繰り返す。

「っ……」

詰めた吐息と共に、進藤も達し、そこへ熱く粘る液体を放った。

「は……、ふ……ぅんっ」

満足げな吐息混じりに声を漏らすたまきの中から進藤が引き抜くと
その感覚にか彼女はぞくぞくと身を震わせた。
はぁはぁと乱れた呼吸を繰り返しながら、まだぼぅっとした目でたまきは進藤を見上げている。
自身も呼吸を整えながらその視線の意味を少しだけ考え、やがて進藤は笑った。
もはや袖を通しているだけに過ぎない彼女の寝間着を剥ぎ取り、寝床の外に放る。

「……いっ、せい……?」

掠れて囁くような声で、たまきは彼の名を呼んだ。

「まだ足りないだろう? ……俺もだ」

そう答え、進藤は一度たまきの身体を抱え上げ、後ろに返すと四つん這いの体勢を取らせた。

「えっ……」

驚いたように声を漏らし、たまきは振り返る。

先程の彼女の痴態を思い返せば
…否、思い返さずとも、すぐに大きさと硬さを取り戻した己の一物を
突き出させた彼女の中心にあてがい、そして、腰を進める。

「はっあ…!…ぁ、ああぁ……」

ずぶずぶと進藤を呑み込みながら
たまきはまたもぞくぞくと身を震わせ、官能的な声を漏らした。
両手で彼女の腰を掴み、すぐに進藤は激しく腰を使い始め、幾度も叩き付ける。
「ぁあっ、あっ、あ……あぁっ……ぉ、奥に……当たっ……あ、ぁん」

進藤の男根に幾度も抉られ
たまきの唇は絶え間無く淫靡な調べを奏でる。
後ろから貫いたのは初めてだったが、これも悪くはないと進藤は思った。
少し腕を伸ばせば、揺れる彼女の乳房に触れ
それを鷲掴む事も出来る。
「あぁっ、あ、あぁ、あ……っ」

悶え喘ぎながら、たまきは無意識の内に更に尻を突き出し、進藤に押し付けてしまっていた。
激しく出し入れされる度に、大量の水分が掻き回される卑猥な音と
肌と肌の打ち合わさる乾いた音とがたまきの寝室に響く。

「も、だめ……ぁ、も……う…イキそ…なのっ」

既に力は抜け切り、進藤に抱え上げられている腰以外をぐったりと布団に預け
たまきは普段なら決して口になどしない言葉を吐く。
目が回りそうな程気持ちいい。
自分を満たす進藤の熱い塊が幾度も激しく天井までを突き上げる
その感覚がたまらない。

「あぁぁ、あぁ〜……っ、はぁっ、あぁぁぁ……!!」

もう幾らも持たず、深い吐息のような声と共にたまきは果てた。
達してはいないはずの進藤の感覚が、一度、胎内から消える。

「んっ……、……ん……っ」

全身を、そして秘所をひくつかせながら、たまきは声を漏らす。

その彼女の身体を、進藤の手が今度は横向きに寝かせると
上になった片脚を抱え上げ、そのまま交差するように貫いた。

「ひぁっ、あ……、あ!」

余韻醒めやらぬままに挿入され、たまきの身体がびくん、と震えた。

「俺がまだだ」

荒い呼吸と共に、進藤の声が熱く囁く。

「……んっ、ぁ、あ……ぁ、も、もう……!」

たまきが喘ぐ。
視線を落とせば、二人の繋がっている部分が進藤の目に映る。
彼がたまきの中を出入りする度に、花弁がめくれ上がり
また押し込まれる様は、例えようもなく淫猥な眺めだった。

その光景に、進藤は更に興奮を募らせる。
限界が近い。
たまきの方も、二度も達したというのに休む間も無く責め立てられ続け
あまりの快感におかしくなりそうだった。

「あー……っ!あっ、あぁ……は、ぁ……も……無理っ……」

たまきは悲鳴のような嬌声を上げた。
こんな体勢で進藤の好きなように肉体を貪られているというのに
どうしてか、それすらもぞくぞくした熱となって彼女を燃え上がらせる。

「たまき……、行くぞ」

激しく繰り返される呼吸に混じり、進藤が言った。

そして、もう快楽に喘ぐしか出来ないたまきの返答を待たず
彼は動きをより速く、力強いものへと変化させて行く。

「ああ!あっ、あん、ああぁ、あぁんっ!!」

より一層強く、激しく抉り、突き上げ、擦り立てられて
たまきはまたも感覚の果てを感じた。
絡まり合う結合部から立ち上る音が間隔を狭め
そして一際強く進藤が彼女の身体の奥に叩き付けた時
それと同時にそこへ熱い液を浴びせ掛けられ
たまきはびくびくと全身を震わせながら声を上げた。

「ぁはっ……あ、あ……っ! あ、ああぁ     !!」


翌朝、進藤は普段よりも早く起き出し、身なりを整えた。
そして、まだ布団の中でよく眠っているたまきに声を掛ける。

「いきなり来て悪かった。俺はそろそろ出る」

「……ん〜……?」

声を掛けられ、たまきは薄く目を開けた。
枕元の時計をチラリと見て、眠い目を擦りながら答えた。

「貴方、今日早番?」

「いや、そうじゃないが」

進藤の返答を聞き、たまきは掛け布団を抱えたままむくりと体を起こす。

「……じゃあ朝ご飯でも一緒に食べましょ?」

「そぅだな」

「すぐ作るわね」

返事をしながら、たまきはとりあえず昨晩進藤に剥ぎ取られた寝間着を身に着け直し、立ち上がった。

「予想外に冷蔵庫の中に材料がなくて、こんなモノしか作れなかったけど・・・」

そう言いながらたまきが進藤の前に用意したのは
こんがり焼けたパンと色とりどりの野菜が入ったオムレツに珈琲。

「十分だ」

そう答え、進藤はオムレツを口に運ぶ。

たまきも進藤の前に座ると、自分の分の食事に手を付けた。
するともくもくと食べていた進藤が食べ終わるなり、いきなり口を開く。

「たまき」

名を呼ばれ、パンを口の中に放り込みながら、たまきは進藤を見た。

「ご馳走様。・・・うまかった」

「…どう致しまして」

うまいと言われ、隠し切れないらしい嬉しそうな笑みを浮かべ進藤の言葉に答えた。






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