約束の日
進藤一生×香坂たまき


約束の日がきた。
ずっと心待ちにしていた日。
彼は無事なんだろうか?
空港でその便が着くのを標記で確認するも
探している人物が発見できず
焦る気持ちはどんどんと、たまきを不安にさせた。

まさか…そんなはずない…
今日、この時刻に帰ってくると
そう彼は約束してくれた。
絶対に私の元へ帰ってくると・・・

最悪の事態を迎えているかもしれない、という不安と
それを否定する気持ちのせめぎ合いにたまきの瞳から涙が零れだした。

「…一生…っ」

「呼んだか?」

耐え切れず呟くように呼んだ名に
背後から返された声にたまきは驚いて振り返った。
そこには…

「…一生!!・・・良かった・・・」

進藤が立っていた。
黒い短髪に漆黒の瞳。
渡米前と変わらぬ進藤の姿にたまきは思わず駆け寄る。
嬉しくて堪らなくて、進藤の姿を見たいのに涙で滲んでよく見えない。

「何を泣いているんだ・・・約束しただろう、信じてなかったのか?」

涙で濡れたたまきの瞳に苦笑して、進藤はそっとたまきの涙を指で拭い
もう片方の手でたまきの肩に触れる。

「心配させて悪かった・・・」

そのまま進藤はたまきの肩を引き寄せて、自分の胸に抱きしめた。
零れるように進藤の声が漏れる。

「無事でよかった…本当にっ」

絞り出すような声で進藤は強くたまきを抱きしめた。

「・・・会いたかった・・っ」

抱きしめられる腕の強さと温もりに、たまきも進藤の背に腕を回して強く抱きしめる。
互いの愛しい温もりを確かめ合っていると
進藤の後ろから大袈裟な咳払いが聞こえた。

「嬉しいのは解るんだけどね、お二人さん」

その声にたまきは慌てて進藤の後ろを窺う。

「馬場先生!?」

アフリカへとまた行っていた馬場と偶然、再会し
共に日本へと戻ったのだと、進藤は説明した。
思いも余らなかった人物の登場に、たまきは反射的に進藤から離れようとしたが
進藤の腕がそれを許さず、ぐっとたまきの肩を抱く。
二人の関係を知っている馬場には今更だったが
周りが見えなかったのが恥ずかしくて、たまきは頬を赤らめた。

「愛されてるねぇ〜」

たまきを離さない進藤に馬場はからかい口調で言う。

「悪いか?」

「いや、悪くはないっすよ〜?ないんですけどね・・・」

邪魔するなと言わんばかりの進藤に、馬場は苦笑し

「目立ってるんで、部屋へでも行ってやってくだないな」

と二人を促した。
馬場の言うとおり、空港の通路は帰還した人たちが行き交い、
絵になる2人を通行人たちはちらちらと盗み見ていた。

「…部屋にいくか」

流石の進藤も通行人のその視線には耐えられず、そそくさとたまきの肩を離して促した。

「そうしましょ…」

たまきも小さくそれに頷く。
そして思い出したように馬場の方に振り返った。

「ん?」

たまきに気づいた馬場が、何だろう?という目をする。

「おかえりなさい、馬場先生も無事でよかった」

優しく笑って言うたまきに、馬場は一瞬驚いて目を丸くしたが
すぐに照れたように小さく笑った。

「おぅ。サンキュ」

馬場が笑って言ったのに、たまきは笑みを深めると
進藤に促されて彼の部屋に向かった。

「嬉しいこと言ってくれるね・・・香坂先生」

寄り添うように去っていく二人の後姿に、馬場は笑って見送った。

「んっ!」

部屋に入った瞬間、たまきは進藤に強く抱きすくめられて唇を奪われていた。
進藤のキスは熱く激しい。
滑り込んだ舌がたまきの口腔内を犯すように動き回る。

「んん・・ふっ」

進藤の舌の激しい動きに耐え切れず、たまきは喉の奥で小さく声を上げた。
その声に進藤はそっと唇を離すと、何も言わず
たまきの身体を自分の胸に押し付けるようにぎゅっと抱きこんだ。

「ん…一生?」

何も言わずに、顔も上げられないほど強く抱きしめられ、たまきは彼の名を呼ぶ。
名前を呼ぶと、進藤はいつも自分しか知らない顔をしてくれるから。
だけど…
たまきの呼びかけに進藤は反応しない。
ただぎゅっとたまきを抱きしめていた。

「……」

痛いほどの進藤の腕に、たまきはそっと彼の背中に腕を回した。

「…私は生きてるわ…」

静かな声で優しく進藤の背中を撫でながらたまきは言う。
たまきの声に進藤の肩が小さく震えた。

「私は生きてる・・・そして貴方も・・・」

言い聞かせるように、たまきは進藤の身体を抱きしめる。

「ここに…貴方の傍にいるわ」

そっと、少しだけ身体を離して、進藤を見上げて柔らかく笑った。
たまきの優しい笑顔に、進藤は柄に似合わずに泣きそうになってしまう。
そんな進藤にたまきは困ったように微笑んだ。

「そんな顔しないで、私も貴方もここで生きてる」

そっと進藤の頬を包むように両手で触れる。

「解るでしょ?」

そして額をあわせるように進藤を引き寄た。
額を合わせ頬に擦り寄って、そっと唇を重ねる。

生きていること、生きていてくれて嬉しいこと
そして愛していることを伝えるようにたまきは優しくキスした。
羽のように優しく柔らかいたまきの口付けに、進藤はそっと彼女を抱きしめ
その唇の感触と温もりを堪能することに集中した。
失うことを恐れていたのは同じで、互いの温もりを確かめあうように
キスは次第に深く甘くなっていく。

「ん…っふ、ぁ」

重ねた唇を割って、ゆっくりと進藤の舌はたまきの歯列をなぞり
その奥の柔らかい舌を舐める。

「ぁん、ん…んぅ」

舌先を少し舐められただけで、たまきは小さく肩を震わせる。
そんなたまきを進藤は唇を合わせたまま
ひょいと横抱きに抱き上げた。
抱き上げられた拍子に、更に深く進藤の舌が侵入して
たまきの舌を絡め取る。

「んんっ!・・・ふあ…っん」

吸い上げるようにたまきの舌を弄びながら、進藤はたまきを抱き上げたまま移動すると
押し付けるような強さで彼女をベッドに下ろした。
ちゅ…っと濡れた音を立てて、甘く長いキスからたまきの唇を開放する。
二人の唾液で濡れて艶かしく光るたまきの唇に
進藤はそっと指先で触れて微かに笑った。

「あぁ、解った。だから…」

唇に触れた指が滑るように下に移動して、たまきの上着のボタンに手をかける。

もっと感じさせてほしい。
生きていることを、愛していることを。
進藤はたまきのジャケットのボタンを外し、上着の前を開いた。
シャツの下、柔らかな胸の膨らみにそっと手を添えるように滑らせる。

「ん…一生」

布越しに感じる進藤の手に、たまきの喉がひくっと震えた。
それにくすっと笑って進藤はシャツをたくし上げ、下着に手をかける。

「あ…っ」

進藤が片手で器用にフロントホックを外すと
形のいい乳房が開放されるように露わになった。
白く柔らかで、それでいて適度な弾力のある可愛いそれの片方を
進藤は包むように片手で触れて優しく揉みだす。

「アッ、あ…ん、いっせ・・」

揉み解すように優しく動く進藤の手に、たまきは甘い声を上げた。
その声に誘われるように、進藤はもう片方の胸に唇を近づける。

「あくっ、んんっ」

方胸に甘く走った刺激にたまきは声を上げた。
その声をもっと上げさせるように、進藤は揉みしだく手を早め
食いつくように口に含んだ乳首を舌で弄ぶ。

「んあっ、はっ…んっ、あぁっ」

いじる度に顕著に発せられるたまきの声に
進藤は指先で乳首を摘まみ上げ
同時にもう片方のそれにも緩く歯を立てた。

「ひあっ!ああっ、んんっ」

胸の先端だけに与えられる刺激と
そうされる度に上がる自分の声に
たまきは恥ずかしくて手の甲で唇を押さえた。

だが、進藤はそれを許さないというように
腰を抱いていた腕を離して声を遮るたまきの手を取り
ベッドに押さえつける。

「久しぶりなんだ、聞かせてくれ」

胸から唇を離して囁くように進藤は言う。
自分の手で乱れるたまきの甘く誘うような声が聞きたくて
進藤は今度は先ほどとは反対の胸に舌を這わせた。

「っあ、やっ、ん…ふ」

指で弄んでぷっくりと赤く立ちあがった乳首を擽るように
周りを円を描いて舐める。
時折先端を掠めるように舐めながら
空いた手で腹部からわき腹をまさぐると
耐え切れないというようにたまきはまた甘い喘ぎを零す。

「ふ、っんく…あぁ、い、っせっ!!ンン」

「たまき…」

弄んだ乳首を吸い上げると、たまきの腰が浮き始め膝が
進藤の下でもじもじと動きだした。
その様子にくすっと笑うと、進藤は

「解ってる、急かすなよ」

ちゅっと音を立てて吸い上げた乳首を離すと
たまきの肌をなぞるように
唇と手をたまきのウエストへと滑らせた。
するりとたまきのスカートのファスナーを外し下着ごと脱がせる。
白く滑らかな肌に進藤の視線が注がれる。
外気と進藤の視線に触れてたまきの下半身がふるっと震えた。

「っやッ、一生、…っ」

進藤の視線に耐え切れないようにたまきは彼の名を呼ぶ。
その声に誘われて、進藤はたまきの下腹部に唇を落とす。
きつく吸い上げて白い肌に紅の華を咲かせ
ゆっくりとたまきの足を開かせた。

「んふ、あっ、はん…っう」

下腹部から足の付け根、内股に舌を這わせると
たまきの秘所からとろりと透明な雫が溢れ出す。
ぺろりと内股を舐め上げて、進藤はたまきの割れ目を指でなぞった。

「ひあっ!や・・・あうっ」

敏感な部分に触れる進藤の指に
びくっと震えてたまきは高い声を上げた。
たまきの甘い声に進藤はごくっと喉を鳴らすと
我慢できないというように濡れた秘所の中に指を押し入れる。

「あうっ!んくっ、アッ」

一気に根元まで胎内に入ってきた進藤の指に
たまきは背中を仰け反らせた。
その身体を支えるように
進藤は指を入れたままたまきの身体を抱く。

「っ一生、ぁっ‥んあっ、はぅ」

胎内で探るようにゆっくりと動く進藤の指にひくひくと感じて
たまきは縋るように進藤の首に抱きついた。
進藤は蒸気した体からふわりと香るたまきに香りに誘われるように
彼女の首筋に噛み付くようにキスする。
何度も場所を変えて激しくたまきの首筋を貪ると
それに比例するように中で動く指も激しくたまきの中をかき回し
親指が敏感な下の突起を押すように捏ねる。

「ひっ!ああっ、ふあっ、んんぅ…やあっ!」

与えられる刺激に耐えられず
たまきは喘ぎながらイヤイヤをするように首を振った。
潤んだ瞳が進藤を求めるように見つめるのに
ふっと口元で笑って進藤は入ってきたときと同じように
一気に指を抜き去る。

「あぁうっ!は…ぁ…っ」

ずるりと指が抜ける感触に腰がビクリと震えるたまき。
そして、逃した快感を求めるように
たまきの入口が収縮を繰り返し、淫らな音を立てる。
ひくひくと疼く胎内に我慢できず、たまきは進藤に催促するように
彼の上着の胸を震える指できゅっと掴んだ。
その仕草に進藤はそっとたまきの手を解き、自分の上着を脱ぎ捨てる。
肩にかかったままのたまきの上着を落として
胸の上まで上げたシャツを脱がせてやる。
さらりとたまきの長い髪がベッドに広がり
漆黒の髪の上にたまきの細い身体が横たわる。
更に鮮明に浮き上がる白い肌。
その美しさと同時に
沸き立つような艶かしさに進藤は思わず息を呑んだ。

「たまき…」

囁くように呼んで、進藤はたまきの腰を引き寄せるように掴む。

「あっ…んっ!」

先刻まで進藤の指が解したたまきのそこに
進藤の熱い先端が押し当てられる。
その熱さにたまきは小さく期待の声を上げた。
たまきの声に、進藤はぐっと強くたまきの中へ
自身を押し込むように侵入する。

「ああっ!ひうっ、っんん」

指よりも熱く大きな進藤自身が半ば強引に胎内に入ってくる衝撃に
たまきは悲鳴に似た高い声を上げた。
待ち焦がれた内壁が進藤に絡みつき、奥へ誘うように蠢く。

「く…っ」

その誘いに応じるように進藤は、更にたまきの中に自身を進めて
根元までを納めてしまった。

「っんん!あぅっ」

奥に届く進藤の感触にたまきは声を上げる。
進藤は小さく息をつき、たまきの様子を窺う。

「っあ、はぅ…んっく」

奥で脈打つ進藤自身に
たまきはひくひくと身体を震わせて耐えていた。

「辛いか?」

たまきの様子に、進藤は極力身体を動かさないようにして
そっとたまきの頬に触れる。
蒸気した頬は熱く薄らと汗ばんでいて
進藤は優しくたまきの髪を指で分けた。

「久しぶり、だから、ね・・・でも、へ…ぃき」

その優しさと心配そうに覗き込む進藤の顔に
たまきはふっと笑って答えた。
大丈夫だから、そんなに心配しないで。
そう言うようにたまきの目は優しく笑う。
それに安心して、進藤はたまきの腰を両手で掴むとゆっくりと
腰を動かした。

「っあ!あぁっ、んく」

敏感な中で動く進藤に、たまきは声を上げてシーツを掴む。
耐えるようなその姿に進藤は我慢できず
たまきの中を抉るように突き上げた。

「ひあっ!ああっ、あふっ…いっせっ、んああっ」

何度もギリギリまで抜いて一気に最奥まで抉る進藤に
たまきの濡れた声と
繋がった箇所から漏れる濡れた音が部屋に響く。
いきなりの激しい行為に、たまきの身体は思わず逃げるように
上へ這い上がろうとするが、進藤はそれを許さず
彼女を抱き上げて自分の膝の上に座らせるように抱きしめた。

「ひっ!やあぁっ、あ・・うっ」

体勢を変えられてたまきは大きく悲鳴を上げる。
自分の体重でさっきよりも更に進藤を深く銜え込まされて
たまきの内壁がピクピクと震えた。
内壁と同様にたまきの身体も深いところで脈打つ進藤に震え
縋るように進藤の首に抱きつく。
自分を受け入れて震える、その華奢な身体を進藤も動くのをやめ
彼女に答えるように抱きしめた。
進藤の耳に早くなったたまきの鼓動が聞こえる。
愛する人の鼓動。
これが命の音だ。
たまきの胸に頬を寄せて、進藤はその音を聴く。

生きて、ずっと俺を待っていてくれた
愛しい・・・たった1人の大切な存在

進藤はかみ締めるよう、そう心のなかで呟いた。

「そう、よ…ずっと、待って・・・たん、だから・・・」

すると、頭上からたまきの声が降ってきた。
胎内にいる進藤自身の快感に耐えながらの切れ切れの声だったが
まるで進藤の心の声を聞いていたようなタイミングのよさに
進藤は驚いて顔を上げる。
そこには、優しく笑うたまきがいた。
そしてぎゅっと進藤を胸に抱きしめる。
その柔らかな温もりと鼓動に進藤も強くたまきを抱きしめた。
そして、貪るようにたまきの身体を撫で
中断していた腰の動きを再開する。

「あうっ!ひぁ、んっ・・・あ!」

たまきの腰を固定して、かき回すように
中で動く進藤にたまきは甘い声を上げてしがみついた。
もっとこの温もりを感じたくて、生きてることを確かめたくて
進藤は激しくたまきを犯す。

「あっあっ、い…っせっ、ああっ、ふあ」

甘く濡れた声と卑猥な音が激しく部屋中に響く。

「ひあっ、あっ、あ、く!」

進藤が与える激しい快感に、たまきの内壁は進藤自身を締め付け
限界が近いことを知らせていた。

「たまき・・・たまき!」

求めるように進藤は愛する人の名を呼ぶ。
それに答えるように、たまきは進藤を強く抱きしめた。
絡みつき締め付ける内壁に進藤も限界が近い。

「愛してるっ」

感情をぶつけるようにその言葉を繰り返しながら
進藤は更に激しくたまきを突き上げる。

「ひうっ、ああっ…あっあっ…っやああぁぁっ!」

その激しい快感にたまきは高く掠れた喘ぎ声を上げて果てた。

「くっ…ぁ」

同時に進藤もたまきの最奥に締め付けられて欲望を放つ。

「あっ…はぅ、ん」

どくどくと胎内で脈打つ進藤自身の感触に
たまきは小さく喘いで快感の余韻に震え
進藤の肩に凭れるように身体を預けた。
合わさった肌から、早鐘のような互いの鼓動が聞こえる。

「たまき…っ」

荒い息を整えながら、進藤はたまきの身体を抱きしめた。
優しく抱きしめてくれる進藤の腕に
たまきは荒い呼吸の合間にくすっと笑った。

「なんだ?」

それに気づいて進藤は怪訝な顔をして訊ねる。

「…いいえ、なんでもないわ」

たまきは笑いながら答えた。

「なんだよ?」

その答えに進藤もつられて笑って言う。
くすくすと笑うたまきを少しだけ離して、進藤は彼女の顔を覗き込む。

すると、たまきは幸せそうに笑っていた。

「嬉しいの。貴方を愛せて、貴方に愛されて」

たまきは真っ直ぐ進藤の目を見つめる。
たまきの言葉に進藤は一瞬驚いた
自分も同じことを考えていたから。

「一生、愛してるわ」

愛おしむような声と笑顔でたまきは言う。
そして進藤も優しく笑って言った。

俺も同じだ、と






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