進藤一生×香坂たまき
![]() 「それにしてもずいぶん派手にやってくれたな」 キッチン。 そう、たしかにここはキッチンであった筈だ。 今朝まで……いや、オレが帰ってくるまでは。 改めて見てみると、キッチンは惨憺たるものだった。 「べ、別に…わざとじゃないわよ・・・?」 そう言いつつも心の中は自己嫌悪でいっぱいだ。 どうしてキッチンがたった数時間でこんな乱闘現場みたいになってるんだろう。 …やっぱ私、料理向いてないのかしら… ダメな意味での自分の才能に自分で傷つきつつ、ボウルの中を覗いてみる。 …やはりチョコは固まってはいなかった。 薄々解ってはいたものの、がっくりした気持ちでそれを流しに捨てようとしたところで、 「何してるんだ?」 背後から、少し低めの…怒ったような進藤の声がした。 「何って、捨てるのよ・・・」 「それって俺のために作ってくれてたチョコだろぅ? …何故捨てる?」 「…こんなみっともないの、あげられないわよ・・・。 とろとろして全然固まってないんだもの…」 「・・・固まってなくても、いくらだっておいしい食べ方はあるさ」 「えっ?どうするの!?」 「俺がやってやるからよこせ」 進藤の笑みに何か裏があるような気がしつつも たまきはもう神にもすがるような気持ちでそれを渡した。 すると何故か押し倒され、服を脱がされる。 そして何をするかと思えば、たまきの白くやわらかい肌に 進藤はホワイトチョコレートをぺとりと塗りたくる。 「え?!一生?!?」 「エロい眺め」 「っ…ん…」 そしてそれをちゅうっと吸いつくようにして舐め取っていく。 舐め取られたあとの肌には、濃淡さまざまの花びらが散っていた。 「お前のカラダ、何処も甘い」 進藤の言っていた『おいしい食べ方』とは、こういうことだったのだ。 「ば…か、…悪趣味!」 たまきは羞恥に顔を真っ赤にしながらも毒づいた。 既に一糸も纏っていない姿で食卓の上に押し倒されている。 4人掛けの食卓はたまきが乗り上げてもまだ余裕のある大きさで 進藤はそこに手をついて覆い被さってくる。 「何とでも言え。」 ボウルに手を入れた進藤は、チョコレートまみれになったそれを 再びたまきの身体に這わせていく。 少し冷たい、とろりとした感触にふるりと震えた。 「…っ!!貴方がこんな変態だったとは、ね・・・」 「俺はただ色んなやり方でお前を愛したいだけだ」 腹の上にたっぷりとチョコレート液を垂らしてうっとりと笑うその表情は ひどく愉しそうで 何となく…危険を感じる。 つい流されるままにこんな状態になっているが 実は諾々と従ってる場合じゃないんだろうか・・・? 混濁としている頭でも解る。 首、肩、胸、お腹…ときたら このまま行けば次はどうなるか…。 ……わからないほど経験が無い訳じゃない。 「あっ、一生!…キス、して」 たまきはおかしなチョコレートプレイの餌食にされてたまるか、と 危険地帯へとだんだん下がっていく進藤の髪を引っ張り なんとか普通の形、正常位に持ち込もうと頑張る。 しかしそんなたまきの思惑に、進藤が気付かない筈がなく。 「可愛い事言ってくれるな」 進藤は、たまきの誘導にわざと乗る形で、ねっとりと口付けを交わしながら その白い胸のふくらみに指を這わせた。 「っ…んっ、んむ…ぅっ」 大きくて、温かい手の感触。 捏ねるようにゆっくりと揉みしだかれると、胸の奥が漣のようにざわざわして …息が苦しくなる。 思わず口付けをほどくと、進藤の唇はそのまま顎、喉、鎖骨…と降りていき 胸の上でかすかに自己主張する赤い粒に到達した。 「っ…ひゃ…ぁっ」 なだらかな丸みをじゃれつくようにやわやわと齧られ 舌を這わされて、ぞくりと背中を何かが駆け抜ける。 先端にちゅっと吸い付かれて、思わずびくりと身体を跳ねさせた。 「ああ…!んっ」 頭の中が真っ白になるほどの衝撃。 背を反らしたせいで、腹の上に溜まっていたチョコレート液が重力に従って流れ落ちた。 そしてそれは、淡い茂みの奥にまで伝い落ちていき・・・。 「っ…!!」 チョコレート液がとろりと秘部を伝う感覚。 それにすらぞくりと感じて身を震わせる様子を、進藤は目を細めてゆったりと眺めている。 両脚をそっと左右に押し広げられると、チョコレートは蜜と絡んで淫靡に光っていた。 「いけないな。俺以外のモノでここを白く濡らすなんて」 「っ…ふ…っ」 この状態を避けるための手段だったはずなのに …まんまと墓穴を掘ってしまった。 「しかも…まだココには触れてもいないのに、こんなにぐちゃぐちゃなんて、な」 進藤がそこをつつ…と指でなぞる。 「ゃ・・っ!…んぅ!!」 「どうなるか、解ってるな…?…さっきみたいな誤魔化しは無駄だ」 まるで視線で犯されているような、情欲を隠しもしない雄の目で見つめられ 頭の芯が蕩かされていく…。 ゆっくりとそこに唇が寄せられるのを感じて たまきは観念したようにそっと目を閉じた。 ぴちゃぴちゃと厭らしい音が響き渡る。 「ふっ、んぅ…っ!」 丹念に花弁を舐められ、前の粒には特に念入りに舌を這わされる。 「あ、ん…!やぁっ」 ちゅ、と柔らかく吸いつき、小さな穴を舌先で抉るように刺激された途端 ものすごい衝撃が身体の中を駆けぬけた。 「やあっ、あ…あぁ…っ」 頭の中が真っ白になる。 耐えきれなくて嫌々と頭を横に振ると、進藤の指が宥めるようにそっと太腿を撫で上げた。 「…もうこっちの方までチョコ流れてきてるな」 「ひぅっ」 蜜とチョコレートが交じり合った奥に進藤が舌を滑らせると 濡れたそこがきゅ、と反応して、ねだるようにひくひくと収縮を繰り返す。 いつもと少し違った水音が耳に入ってくるのが恥ずかしい。 「あっ…やあっ、いっせ…っ!」 「ココ、こんなにとろとろにして…チョコ、気持ちいいか?」 「ぁっ…違っ!!!」 そうは言ったが、全身痺れたように力が入らなくなった体。 身も心も、進藤の思い通りに蕩かされていく。 「っ…やめて…もう…!」 「…残念だが、まだチョコが残ってる。…たまきの蜜が俺以外のものと絡み合ってるなんて許せないからな」 進藤がゆっくりと身を起こし、覆い被さるように顔を近づけてくる。 「……何に嫉妬しているのよ・・・貴方の為に用意してた…ただのチョコ、じゃない…」 「たまきのこんな姿見せられたら、俺は物にだって嫉妬する。」 「貴方のそうゆう思考回路、本当解らないわ・・・独占欲の塊みたいよ?」 「それだけお前に惚れてるってことだ。」 唇が触れあうほどの至近距離で微笑まれて、心臓が高鳴った。 この人にはいつもしてやられる。 進藤が目尻にキスを降らせてくる。 ちゅ、ちゅ、と繰り返されるそれに、溜息をひとつ吐いてからゆっくりと瞳を閉じた。 「もう・・・解ったわよ…今日は貴方の好きなようにさせてあげる・・・」 そう言って身体を弛緩させると、瞼に口付けを落とす。 すると進藤の指が、なめらかに下肢へと降りていった。 「珍しく従順的だな。…初めはあんなに騒いでたクセに」 「いつまでも騒いでいて欲しいの?」 「いや・・・でも何か気味が悪いな」 「私にだって考えくらいあるわよ」 進藤は思わず身構えた。 言われなくても勿論、好きにさせて貰うつもりだが …その前に、この甘い空気にそぐわないたまきの意味深な言葉が引っかかって仕方ない。 そもそも羞恥心の強いたまきは、許容範囲を超えたこういう行為は恥ずかしがって いつもなら止めさせようと必死になるのだ。 ついさっきだってチョコレート液の行方を巡って、水面下で攻防を繰り広げたばかり。 それなのに、そんなたまきが先ほどからされるがままになっているのを どうしたのかとは思っていたが…。 十中八九とんでもないことを考えたに違いない。 「…その考えってのは何だ?」 「・・・いいじゃない。それよりチョコがどんどん下に垂れてきてるの・・・舐めて?」 潤んだ瞳で言われ、視線を下げると 目に飛び込んでくるチョコに濡れた下肢。 殺し文句に加えて、この光景。 どこまでも俺を惑わすつもりなんだろうか・・・? 進藤はたまきの体を再びテーブルに押し倒した。 「…一生?」 「…遠慮なく頂かせてもらおう。…覚悟しろ?」 「覚悟って…っ!」 「ああ、もしかしたらこの奥にもチョコ入っちゃったかもしれないからな。ちゃんと確かめて綺麗にしてあげないと」 「ひゃうっ…そ、な奥になんて…入って、な…ああぁっ」 太腿をがっちり腕で固定され、柔らかく濡れた舌を中に差し入れられ 奥を舐められ、たまきは身悶えた。 「あっ…やぁ、いっせ…も、それやめ…っ」 指を埋めて中を広げ、より深くまで舌を侵入させようとしてくる。 「煽ったのはお前だろう・・?」 「そ、かもしれないけど・・っ!、も…そこ…はっ!あぁ…許し……やああぁっ」 ――――その夜、たまきの鳴き声がやむことはなかったという。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |