湧いてくる喜び
進藤一生×香坂たまき


目が合ったら最後。
彼に捕まってしまった。
どんなに意地を張っても覆せない。

気がついた時には唇が触れていた。
どんどん深みにはまる。

「あっ…あなたがこんなひとだなんて…」
「…お互い様だ…ふっ」

互いの唇を貪る。

「どこまでも強がりだな。」
「誇りが高くなきゃ、やってられないわよ…」

この女は分かっていないのだろうか…
言えば言うほどに俺を欲情させてるということに…
壊れるまで、抱き締めてやる。
その強がりな声が、ことごとく淫らな叫びに変わるまで。
どこまでも啼かせてやる。
進藤は不敵な笑みを浮かべながら、たまきの躰を愛撫していく。
手慣れた手つきで服を脱がせ、たまきの感じるところを炙り出していく。

初めて体を重ねる相手なのに、この人は一体どれだけ知り尽くしているのか。
くやしくてたまらないけど、まさにゴッドハンドだわ。
たまきは顔を歪めながらも、進藤がもたらす快楽をたのしんでいた。
その快楽も緩急つけて波があり、なかなかたまきをイカせてくれない。

じれったさに抗議の声をあげる。
お構い無しと言わんばかりに、また新たな波をもたらす。
その波に呑まれ、また堪えられない。

「…早く素直になったほうがいい。」
「きゃあ…いじわる…!」
「たまき?」
「…あなたが…欲しい…!」
「よし。」

たまきの秘所に入れていた指が抜かれる。
しかし躰に残る余韻に、肩を上下させながら呼吸を乱し、耐えていた。

このまま、やられてばかりではいられない。
細い指で進藤の服を器用に脱がせ、そそりたったモノをつまみ出す。
愛情深く見つめ、その先端に口づけた。
それを口に含み、上下させる。
時折、上目遣いで顔を窺う。
進藤もまた顔をしかめ、快楽の波に耐えていた。

やっぱり、ただの男じゃない…

たまきは意地悪にもそう思うと、動きをさらに早めた。
口のながで、そのモノが脈打ち、熱くなる。
限界が近かった。

「あっ…たまきぃ!!」

たまきの口内に欲望を放つ。
進藤の目を見ながら、意地悪い笑顔で欲望を飲み込んだ。

「あなただけ、イッてないのもズルいわ!」

こんな場においても、強気なんだな。
挑むような目で、俺を見上げている。
しかし、そんなたまきが愛しくて仕方がないのも事実だ。

「…いいか?」
「…うん。」

優しいキスを降らせ、たまきの体に入る。
ため息がこぼれる瞬間。

「動くぞ…」
「もうちょっと…待って…」

動こうとする進藤の腰に手を回す。

「やっと、本当のあなたに逢えた気がする。」

だからもう少し…
たまきが呟く。

どこまでも強情だと思っていたが、やられてしまったな。

「私の負けよ。
今夜は、壊れるまであなたに抱かれたい。」
「いいんだな。」

艶っぽい顔でたまきが頷いた。

嫌だ…
さっきの発言を撤回したい…

「…いっ…せい…」
「なんだ…?」
「うぅん…いぃ…すごく…きもちいい…」

もうとっくにおかしくなりそうだった。
またしても彼はたまきの中を探るかのように、体を沈めている。

ふと、たまきは思った。
今までいろんな男に抱かれたが、ここまで感じたことはあっただろうか?
どんな男に抱かれても、快楽に溺れる自分は変わらないと思っていた。
今日はちがう。
彼がもたらす快楽に、自分の躰が悦んでいるのが常に感じられる。
躰の奥から湧いてくる喜び。
この行為で、愛されてることが何よりも感じられる。

長身な体を屈め、またしてもキスを浴びせてくる。
たまきは進藤の逞しい躰にしがみつく。
耳元でささやく。

「…たまき…」

そろそろ、限界が近い。

「…うっ…俺もそろそろ…イキそうだ…」
「…はぁっ…いいよ…中に…出して…ああっ!」

返事の代わりにたまきの唇を貪ると、進藤は動きを早める。
つかんだ腕をさらに強く握る。
細く白い指が、大きな手に絡まる。

ドクンっと進藤のものが脈打つと、熱い欲望がたまきの中に広がる。
あまりの快感に涙を流すたまき。
進藤もまたさらに強く顔をしかめ、快楽に耐えていた。
永遠にも思える一瞬だった。






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