進藤一生×香坂たまき
![]() 寝室のドアを開けると、たまきは明かりも点けずベットに倒れこんだ。 体が重い。。。。 連続勤務の疲労と論文執筆のための寝不足で疲れきっていた。 しかし、それよりもたまきを苦しめているものがあった。 端正な顔に苦痛の影が落ちている。。。。 あの時・・・あの人の言う通りもっとガマンしてれば。。。。 たまきの脳裏に今日の病院での出来事が浮かぶ。 『顔色が悪いな。。。』 進藤はその日、廊下の向こうからやってくるのを見かけたときに思った。 一緒に暮らし始めたものの、お互いに忙しく、すれ違いの生活が続いている。 白くきめ細かい肌が、くすみ、生気がない。 進藤の視線にも気付かない。 腹部に手をやり、眉根をキュっと寄せるたまき。 「おい!」 近くまで来てもぼんやりとしているたまきの腕をつかむと、空室の処置室にひっぱり込んだ。 「ちょっと!誰かに見られたらどうするのよ!」 「何か言いたいやつは言わせておけ。」 進藤がたまきをギュっと抱きしめる。かすかな香水とたまき自身のまざった香りがふわりと鼻腔をくすぐる。 いつもならこうして抱きしめると、進藤の腕の中で文句を言いながらも身体は抵抗をやめる。 しかし、今日は違っていた。 抱きしめた途端に視線を落し、身体を離すたまき。 「!」 だが、その一瞬で、進藤はたまきの身体の変化を感じた。 腹部が異常に張っている。 再び進藤は背後から抱きしめる。今度は腹部を両手を回して。 「やめて。。。」 たまきはうなじまで赤く染めながら、また逃げる。 「どれくらい出てないんだ?」 一週間、いや10日くらいは出てないかもしれない。。。 進藤は平然と、何でも無いことのように尋ねた。 当然のような問いに、恥ずかしがるのもかえって恥ずかしい。 「い、一週間。。。かな。休みの前じゃないと薬飲めないし。。。」 たまきは羞恥に真っ赤になりながらも、同じく何でもない事のように答える。 強い下剤ははっきりとした時間を読むのは難しい。 診察中や処置中に急にもよおしても困るのは、確かだが。。。。 「次の休みは・・・3日後だったな?」 一緒に食事をとる約束をしていた進藤は、処置室の棚の方に向かいながら聞く。 「ええ。。。。」 「これから食事だろ?少し時間はあるな?」 振り向いた進藤の手にあるものを見たたまきは驚いて叫ぶように言った。 「ムリよ!今できるわけないわ!」 進藤の手にあったのは、150mlのディスポーザブル浣腸だった! 慌て後ずさるたまき。 しかし、その先にあるのは処置室のベットだった。 「すぐ済む。5分ガマンすればいいだけだ。」 「そんなのわかってるわよ!でもダメ!絶対に嫌!」 必死に抵抗するたまき。 「3日、持つのか?」 真正面から見つめる進藤に、たまきは射抜かれたように止まる。 そう。ムリ。。。限界。苦しい。。。。 助けてほしい。。。 でも、その願いの先にあるのは恥ずかしい処置である。 「自分で、できるわ。。。」 「俺がやる。お前の主治医は俺だ。忘れたのか?」 最後の抵抗も進藤の言葉に打ち消される。 そうだ。1年前のあの日も、高熱で倒れたたまきに点滴をし、カルテをきったのは進藤だった。。。。。 無言のたまきをベットに促す。 左側臥位(左側を下にして横向きになり、上の右足は胸のほうに曲げる体位)にさせ、 スカートをまくり、パンティをおろす。 首すじまで真っ赤にし、瞼を閉じ、必死耐えるたまき。 いくら、セックスでは、花弁に舌を這わせ、蜜をなめ取られても、 そういった性行為ではないまったくの素面で局所を見られるは、 相当恥ずかしいのだろう。 脚を曲げるのもほんの少しだけ、お茶を濁す程度である。 深く曲げれば、それだけ、はっきりと花芯もアヌスも露呈する。 『ああ。。。あまり見ないで。。。』 そんなたまきの女心を無視するかのように、進藤は足首をつかむと、 タイトスカートからすらっりと伸びた脚をしっかりと胸の方に曲げる。 普段なら人目に触れる事の無い、禁断の秘所が露になる。 進藤は、アヌスにワセリンを塗るりこめる。 ヌルっとした質感がゾクりとたまきの背筋に走る。 軽く円を描くようにクルクルと動く指に「うぅ。。。」たまきの声が漏れる。 恥ずかしい。。。でも。。。 羞恥に染まりながら、身体の奥からじんわりと湧き上がってくる感覚。 しかし、「じゃあ入れるぞ。」という進藤の言葉が現実に引き戻す。 管が体内に挿入された瞬間、たまきはビクンと身体を固くした。 「力を抜いて。」 わかってる。。。 わかってるけど。。。 何も言えない。。。 進藤にこんな姿を見られているなんて。。。。 「息を吐け。そう、ゆっくりだ。」 まるで素人の患者扱い。。。でも、抵抗できない。。。 ふっと息を吐く。 その瞬間に体内に薬液が入ってくる。グリセリンの独特の感触に身震いするたまき。 しっかりとつぶった瞼に涙がにじむ。 『あぁ早く終わって。。。お願い。。。』 その願いとは裏腹に、進藤はゆっくりと浣腸を握り潰していく。 「う。。。うぅ。。。」 ゾワっとする薬液の注入に必死に耐えるが声が漏れてしまう。 腹痛の波がたまきを襲う。 「ま、まだ?・・ハァハァ・・・まだ、お、終わ、終わらない・の・・?」息を乱し、 震える声で訊ねるたまき。 「もう終りだ。」最後、ギュっと握りつぶ進藤。 「あぁ。。。嫌。。。」最期の注入涙がこぼれる。 アヌスから管を引き抜くと「5分のガマンだ。」と言い、進藤は脱脂綿で押さえる。 「んぅ。。。うぅ」 「ん、んんぅ、」 ハァハァと息遣いも荒い。。。。相当苦しいのだろう。。。。 たまきのは体内の荒れ狂うグリセリンに、必死に声を殺して耐えるが、 1分も持たず、「も、もうダメ!!!!」と身を起こした。 「まだ1分だぞ。」進藤はニヤリと笑って言う。 「いつも患者には5分ガマンしろって言ってるだろ」 そうは言っても苦しいものは苦しい。 押さえつける進藤の手を振りほどこうとしたその時、緊急コールがなった。 進藤がコールに気をとられた隙に、スルリとベットを降り、処置室のトイレに駆け込むたまき。 初療室に駆け出しながら『あれじゃ、出ないな。。。』 その進藤の想像どおり、トイレに滑り込んだたまきは、薬液のみしか排出できなかった。。。。。。。 そして中途半端に薬液だけ出してしまったたまきは、結果的にさらに症状を重くすることになるのだった。 帰宅した進藤が目にしたものは、明かりの消えた部屋で、 着替えもせず倒れこんだまま、うとうとするたまきの姿だった。 ドアの開く音に目を覚ますたまき。 「おかえりなさい。。。。」 「まだ具合悪そうだな?」 起き上がろうとするたまきを制して進藤は明かりをつけながら言った。 「大丈夫よ。少し横になったし。。。」 明かりが灯ると顔色の悪さは隠しようがない。 つとめて元気に「シャワーも浴びずに寝ちゃった。浴びてくるわ。」 というたまきを進藤はまっすぐ見つめながら言った。 「無理するな。」 「大丈夫だったら!」 笑顔を作って通りすぎようとするたまきの手をつかむ進藤。 「お前はお前の主治医だ。」 「それはさっきも聞いたわ。」 目をそらし部屋を出ようとするたまき。 「だったら」進藤はたまきを抱きしめ、耳元で囁く。 「これ以上心配させるな。」 「どうするべきか、お前が一番わかってるはずだ。」 たまきは何も言えず立ちすくむ。 そんなたまきを抱きしる進藤。 たまきの瞳から涙が溢れ出す。 「だって。。。。」 たまきをベットへ連れ戻す進藤。 「用意はしてきた。」 進藤を見つめるたまき。 「限界だろ?」 進藤の言葉に糸が切れた人形のように、たまきはベットに腰をおろした。 涙がひとしずく頬をつたう。 「よし、いい子だ。」 進藤はたまきをゆっくりとベットに横たえた。 脚を軽くたて、腹圧を逃がして腹部の触診する。 シャツを巻くりあげ、スカートとパンティ、ストッキングをヘアぎりぎりまでおろす。 やはり恥ずかしいのだろう、たまきは横を向いている。 「ガスでパンパンだし、かなり固いな。」 進藤は一旦たまきのそばを離れながら言った。 「中も診るぞ。」 「ちょ、ちょっと待ってよ!直腸診まで必要ないわ!」 その声を無視するように進藤は病院から持ってきた紙袋を広げ、準備を始めた。 ラッテクスブローブにガラスの浣腸器、カテーテル、グリセリン、脱脂綿。。。。 「ディスポじゃないの?!」たまきは驚いて言った。 通常、病院では消毒の手間もかかり、保険点数も低いため、浣腸はほとんど 使い捨てのディスポーザブル浣腸なのだ。 「おまえ、グリセンリン弱いだろ。」 進藤はそう言って出て行くと、洗面器にお湯を入れて戻ってきた。 『確かにそう、かもしれない。。。でも。。。』ディスポの浣腸器より、 やはりガラスの浣腸器は威圧感があるのだ。 される側のとってみれば。。。。。。 しかし、濃度の調節がしやすく、ディスポより直腸の奥まで入れることができる。 直腸の入り口は敏感でガマンがしずらい。カテーテルで奥に注入した方が、 ガマンし易いし、奥まで届きやすい。 それに、後の片付けを考えるとディスポの方が簡単なのに、 わざわざ持ってきてくれた進藤の気持ちを思うと、 拒否することが悪いように思えてしまう。 複雑な思いのたまきをよそに、進藤は、お湯にグリセリンをお湯に溶かし、 浣腸器に吸い上げ、カテーテルを取り付ける。 ラッテクスグローブをつけると、バスタオルを尻の下に敷きながら、 たまきの体位を左側臥位に変える。 目をつぶるたまき。。。 白いふっくらした臀部を割ると、すうぅと風がアヌスをくすぐる。 『恥ずかしい。。。。』しかし進藤は構わず指にワセリンを取り、アヌスに塗る。 昼よりもゆっくりと円を描いていく。 くすぐったいような、せつないような、そんな感覚と、羞恥とがないまぜになる。。。 「指、入れるぞ。」たまきはその声にハッとアヌスをしめる。 尻たぶを軽くパンパンと叩き、撫でる進藤。 「力を抜いて。」 アヌスを緩めると進藤の指が侵入してくる。 指先が入り、第一関節、第二関節と深く沈めていく。 ゆっくりとまわしながら、内部に触れていく。 「うぅ。。。」慣れないアヌスに進入した指の感触に思わず声が漏れる。 「カチカチだな。。。少しほぐすぞ」恥ずかしそうに、ぎゅっと目をつぶるたまき。 指を回し、カギのように曲げながら、内部の塊を崩す進藤。 しかし、普段、出す事はあっても入れる事はない秘穴に指を差し込まれ、 かき回されるのは痛みも伴う。 「んああっ、い、痛い!ぁあ。。あ。。」そんなたまきに構わず、かき崩す進藤。 「い、痛い!やめて!お願い!」 「カチカチの栓になってる。崩さないと出ないぞ。苦しいだけだ。」 たまきの目から涙がこぼれる。 必要な処置だとわかってはいるが、きつい。。。。 進藤は、尻たぶをつかんだ手に力を入れ、しっかりと押さえると、 最期にグイっとかき壊した。 「い、嫌ーーー!」 「終わったぞ。入り口のは崩れただろ。」といいながら、 進藤は浣腸器を取り上げる。 200ccの浣腸器は200のメモリをはるかに超えて薬液をたたえている。 恐ろしそうに見上げるたまき。 医療器具など見慣れているはずなのに。。。 処置される側になると、やはり怖い。。。。 しかし、進藤の指でほぐされたアヌスは、易々とカテーテルを飲み込んでいく。 指に比べれば細いとはいえ、小指の先ほどはある。 奥に侵入していくほどに、たまきはおぞましさを感じていく。。。 「気持ち悪い。。。」 かなり奥まで侵入させると、進藤は言った。 「20%だ。昼よりラクなはずだ。その代わり、量は少し多いけどな。」 「入れるぞ。」 目をつぶり、手を握りしめるたまき。 「楽にしろ。」そういわれても、できるわけがない。。。。 進藤がピストンを押し始めると、生ぬるい液体が体内に流れ込んでくる。 その気持ち悪さといったら。。。。 たまきは、鳥肌の立つような感覚に必死に耐える。 50、100。。。。薬液の注入は容赦なく続く。 しかし、すでに腹痛がおきはじめている。 「はっ、はぁはぁはぁ。。。」息が荒くなっていく。 「後半分」 「ま、まだ、半、半分な。。。の。。?」 「もう少しだ」 「ん、ん、んぅ。。。んあっ。。。はっはっはぅ」必死に耐えるたまき。 たまきの体には脂汗が浮き、涙がこぼれる。 眉根を寄せ、必死にたえるたまき。 ゆっくりと、そう、ゆっくりとピストンを押していく進藤。。。。 カチリと音を立てて、ピストンがとまった。 注入が終わったのだ。 進藤はカテーテルを引き抜き、脱脂綿でアヌスを押さえる。 「五分我慢だ。」 「んああ、ダ、ダメ。。。はぁはぁ。。。お願い。。。」はぁはぁと息をしながらたまきが懇願する。 「ト、トイレに行かせて。。。」 「はぁはぁ。。。。も、う。。。ダメ。。。お願い!!」 そんなたまきに進藤は「バルーン入れるぞ。そしたら我慢できるだろ。」 「!!!!」 進藤は、別のカテーテルを挿入し、その先端に空気を入れて風船状の栓をするというのだ。 バリウムなどの注腸検査で使うことはあるが、まさか?! パンパンに張ったお腹に200cc以上の浣腸液を注入され、バルーンまでいれるとは! しかし、すでにたまきのアヌスには新たなカテーテルが挿入され、進藤はゴム球を握り、空気を送っていく。 「あ、あ、あ、んあーーーーーーっ」涙が溢れる。。。 「よし、いい子だ。」空気を入れ終え、たまきのアヌスに栓をした進藤は、 たまきの頭をゆっくりと撫でる。 お腹の痛さ、苦しさに必死に耐えるたまき。 涙を流すまぶたに、優しくキスする進藤。 「はぁ。。。ん、んぅ。。はぁはぁはぁ。。」 苦しそうに、そして、すがるように進藤を見上げるたまき。 「い、一生。。。はあ、はあ、一生。。。」 いつもの強気のたまきとは正反対の瞳で。。。。 「苦しいか?」 「あたりまえじゃない!」普段のたまきならそう返すだろう。 しかし、今のたまきにはそうすることはできなかった。 返事をするかわりに、たまきの頬に手をやった進藤の手を握り締めた。 「い、一生。。。」進藤を見つめるたまき。 たまきには、いつも最期の一線で越えられない、自分自身の弱さをさらけ出せなない、 薄い、薄い、しかし非常に固い壁をがあった。 進藤にさえ、抱かれて夢中になっているような時でさえ、突き破れない、そんな壁が。 しかし、この苦しいような、せつないような、そして体の奥底で進藤を求めるような 感覚と共に、進藤にすべてゆだねる感覚に、その壁がくずれつつあるのを感じた。 進藤もそんなたまきの変化を十分に感じていた。 すがりつくようなたまきのまなざしに、眉を寄せ苦しさに耐えるたまきに、 いとおしさがこみ上げてきていた。 ベットの上に上がると、たまきをうしろから抱きかかえながら、首筋にキスをする進藤。 新たなたまきが生まれようとしていた。 いや、奥深く隠されていた本来のたまきが、顔を見せた始めたのかもしれない。。。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |