進藤一生×香坂たまき
![]() たまきは緊張していた。 もう何度かプライベートでも会っているし デートもしていたのだが、家に招かれたのは今日が初めての事で どうも落ち着かない。 何もしていない状態だと、どうしても落ち着かなくて いっそ抱きしめて欲しい、と心の中で思うとそれが通じたのか 進藤はたまきの背中に手を回し、力を込めてきた。 たまきは彼の胸に耳を寄せ、規則正しい鼓動を聞いた。 落ち着きを与えてくれる、心地いい音。 やがてその音が自分の心臓の音と重なって、ひとつの音になる。 彼の体温が伝わり、自分の体温を伝える。 空気すら共有するような、そんな濃密な幸せを感じる。 「一生の心臓の音、心地いい」 「そんなのいつも聞いてるだろ」 「・・・診察と同じにしないで」 少し怒ったような口調で言うと抱擁には益々の力が込められ それと共にたまきの身体は熱くなってくる。 抱きしめられているだけだとういうのに 地面がぐらぐらと揺れるような、そんな高揚感に襲われる。 「キスしていいか?」 ふいに、進藤はたまきを捕らえたままで呟いた。 「・・・ねぇ、普通そういう事聞く?」 そう言っている進藤の瞳はいつもよりも熱っぽく、情熱的で たまきはされに驚きつつも悪態をつく。 「それもそうだな」 短く言って笑うと進藤は狂おしい程甘く、口づけた。 進藤は、初めは専ら吸うように求めてきたが やがて舌でたまきの唇を割って入ってきた。 愛しい人の舌・・・ たまきはそれを味わうようにして自分の舌を絡めた。 唾液が音を立て、熱が背筋をずり上がってくる。 進藤の手が背中や腰をまさぐり、そこにも熱が生まれる。 たまきも進藤の体に触れた。 もっと激しい口付けを催促するように 指先を進藤の頸部に当てて優しく滑らせ、髪を撫でる。 「んっ…ん……」 舌を絡めながら、たまきは小さく声を上げてしまった。 愛する進藤から与えられる熱で、身も心も溶けてしまいそうだ。 いつの間にか、二人はもつれ合いながらベッドへと倒れこんでいた。 たまきは仰向けにされ、馬乗りになった進藤の腕の中に閉じ込められ されるがままに動けない。 「ん…、んっ…ぁん……」 声の調子が少しずつ上ずっている事にも自分で気付いていたが それを止める事はできなかった。 理性ではもう抑えられない程に、進藤の唇が愛しかった。 その後も口づけは少しも調子を衰えずに続いたが 唇の周りが涎に濡れまみれた頃、進藤の指先の動きが変わった。 彼はそれまでたまきの頬や頭、腕などを弄ってくるだけだったが 少しずつ指先は胸の辺りや太股に伸びてきていた。 しかも、始めのうちは遠慮がちに少しずつだったが 続けるうちに彼の指はたまきの乳房を揉み、下着へと近づいてくる。 「し…進藤先生…!」 抱かれる。 そう確信した瞬間 これには抵抗せずにはいられなかった。 実は、たまきはまだ男の体を知らなかったのだ。 モテなかった、などと言う事は勿論ないし、付き合った事がない訳でもない。 今まで何人もの男と付き合ってきたし、キスこそは何度もしてきたが 抱かれてはいなかった。 「嫌・・・か?」 進藤はやっと唇を離し、涎で塗れた唇を軽く拭ってから聞いてくる。 「い…嫌っていう訳じゃないんだけど…」 「けど、何だ?」 たまきは言い淀む。 今までの人たち如く、適当な事を言って拒む事も出来るが 進藤に求められた事は、嬉しくて応えたい。 今までとは違う、この人に抱かれたいと心から思った。 彼の温もりをもっと感じたいと・・・・ それはきっと、自分も進藤を求めているという点があるのだろう。 だから拒む理由はない。 けれど、怖いのも確かだし、未だ処女だと知られるのも少しの羞恥を感じる。 どうすればいいだろう・・・? こうして考えている間も進藤はじっとたまきを見つめていた。 その視線は熱く、真っ直ぐで・・・・ 早くたまきを抱きたい、と目線で訴えかけてきているようで 「…進藤先生、驚かないで聞いて?私ね…その・・・」 たまきは意を決し、話し始めた。 「まだ誰にも抱かれた事がないの。…男の人に抱かれるのは・・その・・・初めてなのよ……」 言った後に猛烈に恥ずかしくなり、思わず目を逸らしてしまった。 あんなに激しい口付けを交わしたというのに 今更男に抱かれるのは初めてだからなど、と かまととぶっているようにしか聞こえないだろう。 そう思ったが、進藤の口から紡がれたのは、意外な物で 今までの彼の情熱を少しも損なわない言葉だった。 「それは光栄だな、俺がお前の初めてで、本当の女にする事が出来るなんて・・・」 「えっ…驚かないの?」 「嫌で拒んだんじゃないならいい。それに嬉しい朗報だったしな」 言いながら、進藤はたまきの乳房に掌を乗せてきた。 「…でも、私……」 それでもたまきは踏ん切りがつかず、もう一度だけ進藤を止めようとしたが 進藤はたまきの言葉を遮るようにして乳房を揉み始めた。 そしてもう一方の手をスカートの中へと差し込むと 迷うことなくたまきの下着にかけ、脱がそうとしてきた。 「大丈夫だ…優しくする、何も心配する事はないから」 「進藤…先生……」 射抜くような強さの視線がたまきの瞳に注がれ それっきりたまきは進藤を止める事が出来なくなってしまった。 夕焼けの光が差し込む中、たまきは少しずつ服を脱がされていった。 上着も下着も全て進藤の手によって剥がされていき 露出が多くなる程に羞恥で体が燃え上がっていったが 彼の優しい手つきには抗う事の出来ない何かがあった。 進藤は身体の各部を舐め回すように見てくるので たまきは居た堪れなくなり、胸を両手で覆い隠した。 「やっぱり・・・恥ずかしい…」 「隠す事はないだろう?こんなに綺麗なんだ・・・ちゃんと見せてくれ」 手首を掴み上げられ、隠していた部分は進藤の眼前に晒されてしまう。 優しくねぶるように絡みつく視線に耐え切れず、たまきは進藤から視線を逸らした。 「そんなに恥ずかしがっている姿見ると虐めたくなるじゃないか」 たまきが恥ずかしがるのを見て、その初々しさに進藤は喜んでいる。 「なんだか進藤先生、いやらしい……」 「お前が可愛いのがいけないんだ。それからさっきから言おうと思ってたんだが・・・」 こうゆう時は名前で呼べ。 そう耳元で囁かれ、たまきは真っ赤になった。 実は未だ、彼の事を下の名で呼んだ事がなかったのだ。 「・・・進藤先生じゃ駄目・・・?」 この状況だけでも恥ずかしさはピークなのに せめて呼び方くらいは呼びなれた進藤先生で呼んでいたい・・・ そう思って聞いてみるも勿論許して貰える筈がなく 「・・・一生だ。」 「い・・っせい・・・」 たまきは観念して顔を更に真っ赤にさせ、小さな声で言われた名を唱える。 そんなたまき彼は笑みながら乳首に唇を寄せ、舌を絡めて吸い付いてきた。 「あ、んっ…!」 吸引されただけだがたまきにとっては何もかもが新鮮な感触で 快感と共に驚きも隠せなかった。 乳房も揉まれ、今まで感じた事のなかった心地よさに声を抑える事もできない。 「あんっ…ん……」 進藤が肌のどこに触れるだけでも言い得がたい快感が背筋を這い上がる。 勿論それが性感帯に近ければ近いほど快感は激しく たちまち全身は進藤の指先の玩具にされてしまった。 「ここ、気持ちいいか?」 「あっ…」 指先は首筋を下り、喉元を擽って胸へ 乳首を捏ねた後に腹筋を通り、臍を撫でて恥丘へと辿り着く。 道程は長いものではないのに、進藤はたまきを焦らしながら やたらと時間を掛けて愛撫してくる。 「ん……」 「気持ちいいか?」 「あっ、あ…」 進藤はたまきの陰毛をひとつまみ取り、軽く引っ張りながら聞いてきた。 たまきにとってはもうどんな動作も恥ずかしくて、堪らない。 もう少しで大事な部分に触れられてしまうと思うと尚更・・・ 彼の僅かな指の動きにも神経が反応してしまう。 進藤はそれが楽しいようで、少しずつ確かめるようにたまきを責めてきた。 決して大きな動きはしなかったが それでもたまきが充分に感じてしまう事に彼は気付いているようだ。 「そろそろたまきの全てが見たい…」 進藤はそう言いながらたまきの太股に触れてきた。 終始、優しいその手には少しずつゆっくりと力が入っていき 足が左右に開かされていく。 「や…っ……」 たまきは秘所を露にさせられて焦りのようなものを覚える。 自分でも直視した事のないような場所を人に それも愛する人に見られるなんて・・・ 恥ずかしい・・・ しかし、別に自由を奪われている訳でもないのに 抵抗もできず、開いた足を閉じる事も出来ない。 「見ないで、お願い…」 ただそう言うのが精一杯だったが、勿論進藤は目を逸らしてはくれないし 羞恥でただ頭の中が真っ白になっていく。 「綺麗な色だ、それに濡れてるみたいだしな。」 進藤の目線が上から下へ動いていく。 目で犯され始め、触れられてもいないのにたまきは喘いでしまう。 「しん・・・一生…!…恥ずかしい…ってば…」 「その方が楽しいから大いに恥ずかしがってくれ」 「なっ・・・・!」 進藤は意地悪く言い返してきた。 たまきはもう何も返す言葉もなく、ただ視線に耐えるしかない。 初めての感覚に秘所が疼く。 早く何かして欲しい――― いつの間にかそう思うようになっていた。 そしてその願いが通じたのか、程なく進藤は行動を起こしてきた。 「咲きかけの花のようだ・・・」 進藤はそう言いながら秘所の周りを丁寧になぞり、割れ目にそって指を動かしてきた。 初めはゆっくりと優しく、そして段々強弱をつけて 動きを変えたりしながら弄ってくる。 「あっ、あんっ……ぁ……」 今までの行為の中で一番強い快感がたまきの体内を駆け抜けていく。 性器に触れられる度に、体の芯が痺れてしまう。 「っあ…!…そこ…っ…や」 「ん?ここが感じるのか・・・」 進藤はあからさまな喜びの表情を浮かべていて 初めて経験する快感に戸惑いながらも喘ぐたまきを見つめていた。 そして進藤はたまきが慣れるのを見計らっていたのだろうか ふいに指先で弄んでいた部分に唇を近づけてきた。 「えっ…?!やっ、そんな所舐めちゃだめ…!あっ!!」 たまきはまたもや焦ってしまう。 舌先は小陰唇や膣口をチロチロと刺激してくるだけだったが 先程とはまた違う快感が降りかかる。 「指と舌、どっちが好みだ?」 「そんなの…解らなっ…あ…ぁ!」 「まあ、どっちにもいい反応するように俺がしていくんだけどな…」 進藤はくくっと喉の奥で笑った。 余裕綽々な進藤とは裏腹に たまきは自分が次に何をされるのか解らず怖くなったが 次の瞬間今まで感じたこともないような 総毛立つような快感に襲われて声を上げてしまった。 同時に、内股がビクンと痙攣する。 進藤は尿道の上の肉芽を口に含み、舌を擦り付けてきている。 ツンと突き出た鮮やかな緋色の芽と包皮の隙間に舌が這い 根元から頂点へ向けて螺旋を描くように愛撫される。 「やっ…な…に?!そんな…あっ、あ……あぁん…」 たまきはビクン、ビクンと太股を痙攣させながら進藤の頭を押さえた。 たまきの目線からでは進藤が性器に口元を埋めている様しか見る事ができないが 何をされているか直視できなくて良かったと思った。 触れられている瞬間を見せつけられたら、おかしくなってしまいそうだ。 「やっ…一生…!…あぁ……っ」 少しずつ、今までとは違う感覚が湧き上がってきていた。 それは確かに快感なのだが、体の奥からは更に強い波が襲いかかってきている。 その正体はたまきには解らなくて、今の彼女にとっては不安でしかない。 じっとりと汗ばんだ身体が、宙に浮くような錯覚を覚える。 「ここ…1番感じやすいだろ?」 「ん…あんっ…解らない、もぅっ…あっ…ぁ…今日は、許して…あぁん…」 未知の世界にたまきは本気で怖くなり、許しを請うが 進藤は止めるつもりはないようだった。 「やっ!もう・・・限界・・・」 何が限界なのかはよく解らなかったが、たまきはそう呟いた。 とにかく愛撫されている部分が熱く、ジンジンとして、怖かった。 「限界…か…なら…」 進藤は限界という言葉に反応し やっと唇の責めからたまきを開放した。 「次に進むぞ…」 進藤はフッと微笑を零して体を起こし自身のそれを取り出すと 視界を遮るようにしてゆっくりとたまきに覆いかぶさってきた。 「次って、その・・・入れる、の・・・?」 「…力を抜いて、俺に任せてればいい。」 「…優しく、してよ?」 「あぁ。」 優しい視線に心が蕩けたが、その安堵は儚く一瞬だった。 進藤は位置を探るようにして、勃起の先端で割れ目をなぞってきたが 「っ!!あ…くぅ……っ」 膣口への擽られるような違和感の直後、たまきは予想以上の痛みに驚き 思わず身体をずりあげて逃げ出そうとしてしまった。 まだ先端が入っただけなのにこれでは、彼のモノ全てが収まるまで どれ程の苦痛に耐えなければならないのか・・・ 「っ、痛……!!」 それでも大丈夫、と そう言った進藤を信じてきゅっと瞳を閉じる。 「まだ先しか入ってないんだ…もう少しだけ我慢出来るか?…」 「ふ…こんなに…痛いなんて…ね…でも…早く貴方と1つになりたいから、大丈夫。続けて…」 進藤が困った表情を浮かべたので、たまきはとっさに取り繕ってしまった。 しかしどんなに言葉で繕おうとも痛みは現実で 一方ではやめてくれても構わないとも思っていた。 「たまき・・・愛してる。・・・」 進藤は言葉で痛みを紛らわそうとしてくれている。 たまきはこくこくと頷く。 行為は再開され、少しずつゆっくりと男根が突き入ってくる。 「っ…ひぁ…!ん…」 たまきは声を上げた。 それは痛みのせいでもあるし、形容しがたい、初めての感覚のせいでもある。 進藤は確かに目の前にいるが、自分の身体の中にもいる。 このまま彼が体の内側の壁を突き破り、もっと深い部分まで 侵食してくるような気がした。 「…一生……」 肉を裂かれる激しい痛みだが今まで何にも触れられた事のない部分を開いていくのが 進藤の大事な部分だと思うと、途端にそれが愛しく思えてくる。 この痛みが二人をもっと近づけるのだと思うと尚更 「んっ……ぁっ……はぁ……」 「大丈夫か?」 「ん…大丈夫……」 どちらかというと大丈夫ではないのだが、たまきはそう答えた。 今はもう先程のようにやめられても構わないとは全く思っていない。 もっと深く、最後まで愛して欲しい。 ただそう望んでいる。 根元まで入ったのだろうか? 進藤はやがて動きを止め、それ以上腰を押し進めてはこなかった。 たまきは初めての感触に戸惑い何も言えずにいたが、ただ 先程感じていた形容しがたい感覚――― それが気持ちいいという感覚だという事に今ははっきりと気付いていた。 息の詰まるような圧迫感の中にも、確かに快感があって それが意識とはまた別の所から悦びを運んでくる。 「………気持ちいい……かも…」 たまらなくなり、そう零してしまった。 ジンジンと響き渡る破瓜の残痛、そして、芽生えた女の快感――― 肉孔が少しずつ受容を始めた証に神経を傾ける。 「……私の身体、貴方でいっぱいになってて…溢れそう…」 現実には性器の先端は子宮口で止まっているのだが 心の中では進藤のもので体の隅々までががんじがらめになっているような 不思議な感覚が渦巻いている。 進藤はしばらくの間は見守ってくれるような優しい視線をしていたが たまきが少し落ち着いた頃、動いても平気か?と 囁くように聞いてきた。 「…えぇ…いいわ…」 「辛かったら素直に言うんだぞ?」 たまきは一度だけ、小さく頷く。 グッと進藤が腰を引いた瞬間、膣の内側がめくれるような衝撃を受けた。 再び痛みが来る事は予想していたが それは予想以上のものだった。 癒着しかけていた二つの体が引き裂かれ、進藤が動きを止めている間は 燻っているだけだった痛みが、再び燃え上がる。 「ん……っう…!」 「…やめた方がいいか?…」 「…大丈…夫、続けて……」 「今、強がると辛いのはお前だぞ?」 「辛くても、いいわ・・・貴方をもっと感じたいから・・・こんなに近くで感じられるのが嬉しいから」 「たまき…お前、可愛過ぎ・・・出来るだけゆっくりするから」 進藤はたまきの言葉に躊躇う様子を見せながらも抽送を開始したが 彼が動く度にくちゅ、くちゅ、と音がして たまきの身体には肉を穿たれる衝撃が走る。 外側に感じるものとは明らかに違う、身体の内部に与えられる衝撃。 しかし痛みは苦痛ではなかった。 むしろ幸せで、切ない。 「いっせ……一生……!!」 進藤の腕にしがみつく。 進藤はたまきの体にぴったりと寄り添うようにして腰だけを動かしている。 痛みはあったが、進藤が呼吸を上ずらせて恍惚の表情を浮かべている様を見て たまきは嬉しくなった。 自分が進藤を気持ちよくしているのだと思うと これ以上の激痛でも耐えられるような気にもなった。 それからどれ位の時間が経ったのか 必死に耐えていただけのたまきには判らなかったが、やがて進藤が達し 膣から陰茎を抜いて腹部に向けて射精してきた。 激しい運動の後のような疲労感が全身を覆い身動き一つ取れない状態だったが その時たまきは、せっかくだから中に出して欲しかったなどと そんな勝手な事を思った。 勿論、中で射精されて妊娠などに発展すれば 困るのは自分だという事も解っていたが 進藤は言葉通り、優しく大事に扱ってくれた上 痛みに隠されてはいたが、時折走る快感は愛される悦びを しっかりと教えてくれた。 それに自分の大切な物を進藤に捧げられたのだと思う度に 喜びが湧き上がった。 味わった事のない幸せ・・・ それに浸るように、ふたりはベッドに深く沈み込んだ。 進藤はまだ平気そうな顔をしていたが たまきはとても体を動かすような気分ではない。 進藤はそんなたまきを労わるように、ただ黙って抱きしめる。 たまきは秘所に残る幸せな違和感をかみしめていた。 「夢みたいだ…お前の初めてを貰ったなんて、嬉しすぎる」 それは進藤も同じだったみたいで、幸せそうに呟く。 温かく大きな掌で頬を包まれ そこから伝わってくる温度はただの熱ではなく、心地よい熱。 たまきは進藤の嬉しい言葉に小さく頷きながら 「そう言って貰えると痛い思いした甲斐があったわ」 たまきは照れ隠しにそう言った。 「お前の中、想像していた通りだった」 「想像って…貴方って本当にいやらしいのね…」 意外だったわ、と悪戯っ子な目をして笑う。 「気付かなかったか?好きになった頃から…ずっとそういう目でお前を見てたぞ?」 だが、進藤の方が上手だったらしく しれっと返され、たまきは返り討ちにされ頬を赤く染める。 「…信じられない…もう…」 ますます照れさせられてしまい、たまきは進藤の唇に指を当てて言葉を遮る。 進藤は尚も何かを言いかけたが たまきはそこから先を指で止めきる自信がなくなり唇で唇を塞いだ。 初めて重ねた時と同じ、甘く柔らかい唇を ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |